『ぽこ あ ポケモン』を進めていくと必ず出会う「R団」。怪しげな入団チャレンジを仕掛けてきたり、各地にタブレットで日記を残していたり。「この人たち、一体何者なの?」と思った方は多いはずです。

実はこのR団、歴代ポケモンシリーズでおなじみの「ロケット団」の後継組織なんです。しかも、かつて悪事を働いていた彼らが、このゲームでは信じられないほど重要な役割を果たしています。

この記事では、R団の正体を歴代シリーズの流れから紐解き、入団チャレンジに隠された真の意味、そしてエンディングとの驚くべき繋がりまで、ネタバレ全開で徹底考察していきます。

最大級のネタバレ注意!この記事には、ぽこあポケモンのエンディング、R団したっぱ日記の内容、歴代ポケモンシリーズのロケット団に関する重大なネタバレが含まれています。

歴代ポケモンシリーズのロケット団を振り返る

R団を理解するには、まず歴代シリーズのロケット団の歩みを知る必要があります。

初代『赤・緑』― サカキ率いる悪の組織

ロケット団が初めて登場したのは、シリーズ第1作目『ポケットモンスター 赤・緑』です。

項目内容
ボスサカキ(トキワシティジムリーダーの裏の顔)
目的ポケモンを悪事に利用して金儲けと世界征服
主な悪事シルフカンパニー占拠、ロケットゲームコーナー運営、ポケモンタワーでカラカラの母親殺害
結末主人公に敗北し、ロケット団の解散を宣言

特にポケモンタワーでのカラカラのエピソードは、ポケモンシリーズ屈指のトラウマシーンとして今でも語り継がれていますよね。当時子どもだった30-40代の方には、強烈な記憶として残っているのではないでしょうか。

『金・銀』― 残党の復活活動

サカキ解散後も、ロケット団の残党は活動を続けていました。

  • コガネシティのラジオ塔を占拠し、電波ジャックで「ロケット団復活」を宣言
  • ヤドンのいどでヤドンのしっぽを切り取って売りさばく
  • 目的はボスであるサカキを呼び戻すこと

サカキ不在のまま暴走する残党の姿は、組織の末路としてリアルな描写でした。

『USUM』― レインボーロケット団

『ウルトラサン・ウルトラムーン』では、サカキがウルトラホールの力を使って別世界の悪の組織ボスを結集させ、「レインボーロケット団」を結成しました。

歴代ボス元の組織出典
サカキロケット団赤・緑
マツブサマグマ団ルビー・サファイア
アオギリアクア団ルビー・サファイア
アカギギンガ団ダイヤモンド・パール
ゲーチスプラズマ団ブラック・ホワイト
フラダリフレア団X・Y

歴代の悪役が全員集合するというファンサービスでありながら、「ロケット団こそが全ての悪の組織の原点」という位置づけを決定的にしたエピソードです。

ぽこあポケモンの舞台は「カントー地方の未来」

ここからがぽこあポケモンの核心です。実はこのゲームの舞台、カントー地方のはるか未来の姿なんです。

ゲーム内エリア元の街(カントー)変貌の原因
パサパサこうやの街セキチクシティ大規模な干ばつで枯れた荒野に
ゴツゴツやまの街ニビシティ火山の大噴火で灰に埋もれた
ドンヨリうみべの街クチバシティ暴風雨で暗雲に覆われた
キラキラうきしまの街ヤマブキ+タマムシ地殻変動で浮遊化

この事実は、ゲーム内の「ニンゲンのきろく」やフィールド上の建物の配置から読み取れます。特に建物の配置は『Let’s Go! ピカチュウ・イーブイ』版のカントー地方に準拠しているとされています。

つまり、メタモンが復興しようとしている荒廃した土地は、かつて赤・緑の主人公が冒険した、あのカントー地方だったんです。初代からのファンにとっては、思い出の場所がこんな姿になってしまったことに衝撃を受けますよね。

R団の正体 ― ロケット団の後継組織

R団 = ロケット団の系譜

ゲーム内のR団したっぱ日記には「ロケッ…」と言いかけている記述があり、「R団」の「R」が「Rocket」を指していることは間違いありません。

しかし、ぽこあポケモンのR団は、赤・緑のロケット団とはまったく異なる存在です。

比較項目歴代ロケット団ぽこポケのR団
時代現在〜近未来環境崩壊後のはるか未来
ボスサカキサカキの後の新ボス(名前不明)
目的ポケモンを利用した世界征服・金儲け団員全員で一緒に宇宙へ避難すること
悪事ポケモンの搾取、企業占拠なし(ロケット建造は自分たちのため)
結末主人公に倒されて解散団員は政府にバラバラにされ、ロケットだけが残った

R団のボスが考えたこと

環境崩壊が進み、人類の宇宙避難が決定した時、政府は人々を複数の避難船に分けて乗せる計画を立てていました。これはロケット団の団員も例外ではなく、団員同士がバラバラの船に振り分けられることが決まったのです。

これを知ったR団の新ボスは決断します。

ボスの決断:「団員がバラバラにされてたまるか」――R団は独自のロケットを秘密裏に建造し、全員で一緒に宇宙へ行く計画を立てました。しかも、いつか地球に戻れるように往復分の燃料を搭載する用意周到ぶり。

「仲間と離れたくない」。歴代シリーズで悪事を働いていたロケット団が、最後に見せた動機は、驚くほどシンプルで人間的なものだったんです。

入団チャレンジの真の意味

ゲーム中盤から始まる「入団チャレンジ」。パサパサこうやの街の海岸にある灯台でアイテムを納品していくこのシステム、最初は「なんだこのお使いクエスト…」と思った方もいるかもしれません。

でも、全8段階+EXの納品アイテムを順番に並べると、その真の目的が見えてきます。

納品アイテムの段階的意味

段階納品アイテム真の目的報酬バッジ
第1弾ヒメリのみ x5食料の確保グレーなバッジ
第2弾マメ x10、トマト x10、コムギ x10農作物の備蓄ブルーなバッジ
第3弾ざいもく x20、わた x5、かみ x10生活資材の調達オレンジのバッジ
第4弾レンガ x40、きんののべぼう x20、コンクリート x50ロケットの建材レインボーなバッジ
第5弾たくさんの電気 x50、クリスタルのカケラ x10、デカヌギア x5エネルギー・動力源ピンクのバッジ
第6弾インダストリアルなベッド x4、リゾートなライト x4、オフィスのデスク x4居住設備(宇宙での生活準備)ゴールドなバッジ
第7弾せんたくき x1、れいぞうこ x1、ゲームボーイ x1生活家電+娯楽クリムゾンなバッジ
第8弾お気に入りの写真 x1思い出(地球の記録)グリーンなバッジ
EXクラッカー x2緊急脱出プログラムの起動トリガーフォトフレーム「おもいで」

お気づきでしょうか。食料 → 素材 → 建材 → エネルギー → 居住設備 → 生活家電 → 写真。これは「宇宙で生活するために必要なもの」を段階的に集めるリストだったんです。

そして最後の「お気に入りの写真」。これは宇宙にいる人間たちに「地球のポケモンたちは元気だよ」と伝えるための記録です。単なるお使いクエストだと思っていたものが、実は人類への手紙を届ける壮大な計画だったと気づいた時の衝撃は、ちょっと言葉にならないものがありますね。

バッジはカントージムバッジのレプリカ

各段階でもらえるバッジの名前にも注目してください。

入団チャレンジバッジ元ネタ(カントージムバッジ)ジムリーダー
グレーなバッジグレーバッジタケシ(ニビシティ)
ブルーなバッジブルーバッジカスミ(ハナダシティ)
オレンジのバッジオレンジバッジマチス(クチバシティ)
レインボーなバッジレインボーバッジエリカ(タマムシシティ)
ピンクのバッジピンクバッジアンズ/キョウ(セキチクシティ)
ゴールドなバッジゴールドバッジナツメ(ヤマブキシティ)
クリムゾンなバッジクリムゾンバッジカツラ(グレンじま)
グリーンなバッジグリーンバッジサカキ(トキワシティ)

カントー地方の8つのジムバッジと完全に対応しています。R団が「偽のジムバッジ」を報酬にしていたのは、かつてのカントー地方への郷愁だったのか、それともチャレンジ達成者をトレーナーとして認める意味があったのか。いずれにせよ、初代ファンにはたまらない演出です。

特に最後のグリーンなバッジがサカキのトキワジムのバッジだという事実。かつてのボスへの敬意なのかもしれませんね。

R団したっぱ ― 最後に残った団員

したっぱが体験した悲劇

R団したっぱ日記の書き手は、最後まで地上に残った団員です。ボスが独自のロケットを建造し、団員全員で宇宙に行く計画を立てたにもかかわらず、結局は政府によって団員たちはバラバラの避難船に振り分けられてしまいました。

独自ロケットの計画は実行されないまま、団員たちは散り散りに宇宙へ。残されたのは完成したモンスターボール柄のロケットと、入団チャレンジのプログラムだけ。

したっぱが最後に残したもの

一人残されたしたっぱは、2つのものを残しました。

1つ目:入団チャレンジのプログラム

「いつか誰かがこのチャレンジをクリアして、ロケットを使ってくれますように」という願いを込めて、アイテム納品で物資を集めるシステムを自動化して残しました。

2つ目:各地のタブレットに記した日記

したっぱは各地にタブレットを置き、自分たちの計画の記録を残しました。これがゲーム中の「R団したっぱ日記」として読める記録です。

したっぱの願い:誰かがチャレンジをクリアした時、そこにあるロケットが使える。往復分の燃料が積んであるから、宇宙に行って帰ってこられる。――したっぱは、自分がもう宇宙に行けないと知りながら、未来の誰かのために仕組みを残したのです。

エンディング ― 全てが繋がる瞬間

入団チャレンジEXで「クラッカー x2」を納品すると、エンディングが始まります。

エンディングの流れ

  1. モジャンボはかせがクラッカーを鳴らす
  2. 「何者かに襲撃されている可能性があります。緊急脱出プログラムを起動します」というアナウンスが流れる
  3. 海岸にあった灯台のような建物が轟音とともに変形
  4. その正体はモンスターボール柄のロケット
  5. ロケットが宇宙へ向けて発射される
  6. 各島のポケモンたちに見送られながら、ロケットは宇宙の彼方へ
  7. 宇宙ステーションのような場所に到着
  8. 宇宙服を着た人間(ニンゲン)が現れる
  9. ロケットの中にはプレイヤーが第8弾で撮った「お気に入りの写真」

プレイヤーが自分で撮影した写真――メタモンとポケモンたちが暮らす、復興しつつある街の風景。その写真が、宇宙を漂流する人間たちのもとに届いたのです。

全てが繋がる:R団が建造した往復燃料付きロケット × したっぱが残した入団チャレンジ × メタモンが復興した街の写真 = 人間が地球に帰ってこられるかもしれない希望。かつての悪の組織が、図らずも人類帰還の唯一の手段を残していたのです。

考察:R団は本当に「悪」だったのか?

歴代シリーズのロケット団は、間違いなく「悪の組織」でした。ポケモンを搾取し、企業を占拠し、無辜のポケモンを傷つけてきました。

しかし、ぽこあポケモンのR団が最後にやったことは何だったでしょうか。

  • 仲間と一緒にいたいという願いからロケットを建造した
  • 計画が頓挫しても、未来の誰かのためにロケットと仕組みを残した
  • 往復燃料を積んだことで、人類帰還の可能性を生み出した
  • カントージムバッジのレプリカを報酬にした(故郷への愛着

「悪の組織が、結果的に世界を救う鍵を残していた」。このストーリーは、善悪の境界が曖昧になる瞬間を描いています。

そしてもう一つ。「R団」の「R」はRocket(ロケット)。歴代シリーズでは「ロケット団」という組織名にすぎませんでしたが、ぽこあポケモンでは文字通りの「ロケット(宇宙船)」を作った団になったのです。組織名が最後に本来の意味を取り戻す――この回収の美しさには鳥肌が立ちます。

まとめ:30年のポケモンの歴史が結実したストーリー

  • R団 = ロケット団の後継。サカキ解散後、新ボスのもとで再結成された組織
  • 舞台はカントー地方の未来。パサパサこうや=セキチク、ゴツゴツやま=ニビ。入団チャレンジのバッジもカントージムバッジと完全対応
  • 入団チャレンジの真の目的は、宇宙で生活するための物資収集+地球の写真を届けること
  • R団のロケットには往復燃料が搭載され、エンディングで宇宙の人類のもとへ到達
  • 「R」= Rocket。組織名が最後に文字通り「ロケット(宇宙船)を作った団」になる回収
  • かつての悪の組織が、人類帰還の希望を残していたという逆転の物語

初代ポケモンから30年。あの時の「悪いやつら」が、遠い未来で「世界を救う鍵」になっている。ぽこあポケモンは、ポケモンシリーズの歴史そのものを物語の伏線にした、とてつもないストーリーテリングを見せてくれました。

入団チャレンジを「ただのお使い」だと思っていた方。もう一度、したっぱ日記を読み返してみてください。あの孤独な団員が未来に託した願いが、きっと今までとは違って見えるはずです。