Fate/strange Fakeは、TYPE-MOONが誇るFateシリーズの中でも異色の聖杯戦争を描いた作品ですが、その中でもひときわ強烈な存在感を放っているのが、偽セイバーとして召喚されたリチャードI世なんです。「獅子心王」の名で知られるこの英雄、実はただの騎士王とはひと味もふた味も違う、とんでもなく魅力的なサーヴァントなんですよね。

2026年1月からA-1 Pictures制作でTVアニメも放送中ということで、「リチャードって結局何者なの?」「なんで偽セイバーなの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。今回は、このリチャードI世の「正体」に焦点を当てて、彼がどんな英霊なのか、なぜこれほどまでに特別な存在なのかを、じっくりお話ししていきますね。

リチャードI世の正体とは? ── 実在した「獅子心王」という英雄

まず最初に押さえておきたいのが、リチャードI世の正体です。彼はイングランド王にして、第3回十字軍で名を馳せた実在の英雄なんです。歴史に詳しい方なら「ああ、あのリチャード獅子心王か!」とピンとくるかもしれませんね。

「獅子心王(Lionheart)」という通称は、彼の勇猛果敢な戦いぶりから付けられたもの。中世ヨーロッパの歴史において、騎士道精神の体現者として語り継がれてきた人物です。十字軍遠征での武勇伝は数知れず、敵味方の双方から畏敬の念を集めたとされています。

しかし、Fate/strange Fakeにおけるリチャードは、単なる「歴史上の偉大な王」にとどまりません。作中では、彼は「妖精やルーンが日の下にあった時代に片足を置いた最後の王」と描写されているんです。これ、何気ない一文のようでいて、ものすごく重要な設定なんですよ。

つまりリチャードI世は、神秘が失われつつある時代において、まだかろうじて古の魔法や妖精の力が残っていた世界に触れることができた、最後の世代の王だということ。人間の歴史と神秘の時代の境目に立つ存在――だからこそ、彼は英霊として召喚された時にも、他のサーヴァントにはない独自の力と在り方を見せるわけですね。

「偽セイバー」という異質なクラス ── 偽りと真を繋ぐ者

Fate/strange Fakeの聖杯戦争には、通常のFateシリーズとは大きく異なる特徴があります。それは、「偽りの聖杯戦争」と「真の聖杯戦争」という二重構造になっていること。そして、リチャードI世が与えられたクラスは「偽セイバー(False Saber)」です。

ここが面白いところなんですが、リチャードは偽りの聖杯戦争にも真の聖杯戦争にも属さない、独自のポジションに立っているんです。どちらの陣営にも完全には組み込まれず、両方の聖杯戦争を繋ぐ橋渡し的な存在として機能している。これって、物語全体の構造を考えると、ものすごく重要な役割ですよね。

普通のサーヴァントであれば、どちらかの陣営に明確に所属して戦うものですが、リチャードはそうではない。「偽セイバー」という名称自体が、彼の立ち位置の曖昧さと特殊性を物語っています。歴史上の王としても神秘の時代と人間の時代の境界に立ち、聖杯戦争においても二つの戦いの境界に立つ。この「境界に立つ者」という在り方こそが、リチャードI世というキャラクターの本質なのかもしれません。

性格と人柄 ── 尊大でありながら傲慢ではない王の器

リチャードI世の正体を語る上で、その性格についても触れないわけにはいきません。彼の人柄を一言で表すなら、「カリスマ性と包容力を持ちながら、悪童めいた稚気と悪戯心も併せ持つ」存在です。

これ、実際に物語を読んでいると本当によくわかるんですよ。王としての威厳や風格はしっかりあるのに、どこか子供っぽいいたずら好きな一面がチラチラ見える。「あ、この人、本気で楽しんでるな」って感じさせる場面が何度もあるんです。

特に印象的なのが、「尊大でありながら傲慢ではない」という絶妙なバランス感覚。王として堂々と振る舞い、自分の力と立場に自信を持っているけれど、他者を見下したり踏みにじったりすることはしない。自分の強さを誇示するためではなく、周囲の人間を導き、守るためにその力を使う。この姿勢こそが、獅子心王と呼ばれた所以なのかもしれません。

30代、40代の方なら、職場で出会う上司や先輩の中に「この人には自然とついていきたくなるな」と感じる人がいた経験はありませんか? リチャードはまさにそういうタイプ。権力で人を従わせるのではなく、その人柄と実力で自然と人を惹きつける。だからこそ、彼のカリスマは本物なんです。

驚愕の宝具 ── 木の枝すら聖剣に変える「エクスカリバー」の概念

リチャードI世の正体の凄さが最もわかりやすく表れているのが、彼の宝具です。まず一つ目の宝具がこちら。

宝具1:「永久に遠き勝利の剣(エクスカリバー)」

名前を聞いて「えっ、エクスカリバー? それってアーサー王の宝具じゃ?」と思った方、その疑問はもっともです。でも、リチャードのエクスカリバーは、アーサー王のそれとは全く異なるアプローチの宝具なんです。

この宝具の効果は、手にした得物に「聖剣エクスカリバー」の概念を付与するというもの。つまり、リチャードが手にすれば、木の枝でも鉄パイプでも聖剣になるんです。

これ、冷静に考えるととんでもない能力ですよね。通常、サーヴァントの宝具というのは特定の武器や道具に紐づいているもの。でもリチャードの場合は、そこらへんに転がっているものを拾い上げるだけで、それが伝説の聖剣と同等の武器になってしまう。武器を失っても、新たな武器を手に入れる必要すらない。手近なものを掴めばそれでいい。

妖精やルーンの時代に片足を置いた最後の王だからこそ、聖剣の概念に触れることができた。そう考えると、この宝具はリチャードの正体――歴史と神秘の境界に立つ王――を完璧に体現しているんです。エクスカリバーそのものを持っているわけではないけれど、その概念を理解し、再現できる。まさに「偽(False)」でありながら「本物」に限りなく近い存在というわけです。

宝具2:「円き十字に獅子を奏でよ(ラウンズ・オブ・レオンハート)」

二つ目の宝具も非常にユニークです。こちらは生前の縁者を召喚する宝具。リチャードI世が生前に関わった人々との絆を力に変える、極めて王らしい宝具といえるでしょう。

十字軍遠征で数多くの騎士や兵士と共に戦い、多くの人々と縁を結んだリチャード。その人脈の広さと絆の深さが、そのまま宝具として形になっているわけです。カリスマある王が人を集め、人を動かす。生前も死後も変わらない、獅子心王の在り方がここに凝縮されています。

規格外のステータス ── 敏捷EXの衝撃

サーヴァントの能力を語る上で欠かせないのがステータスですが、リチャードI世には一つ、とんでもない数値があります。それが敏捷EXです。

Fateシリーズに詳しい方ならご存知かと思いますが、EXランクというのは「測定不能」を意味する規格外の評価。A+やA++を超えた先にある、もはやランク付けすることすらできないレベルです。

敏捷がEXということは、単純な移動速度だけでなく、反応速度や戦闘における身のこなし全てが常識の枠を超えているということ。セイバークラスのサーヴァントでありながら、速さにおいては最速クラスのランサーすら凌駕しうる可能性があるわけです。

歴史上のリチャードI世は、戦場において自ら先頭に立って突撃する勇猛な王として知られていました。その「戦場を駆け抜ける獅子」としての在り方が、敏捷EXという形で英霊化した際に反映されているのでしょう。正体が実在の王でありながら、神秘の時代に片足を置いた存在だからこそ実現した、まさに規格外のスペックです。

スキル構成 ── 王としての資質と信仰の力

リチャードI世が保有するスキルも、彼の正体を如実に物語っています。

カリスマ

王として当然ともいえるスキル。先ほど性格の項目でもお話ししましたが、リチャードは人を自然と惹きつけ、導く力を持っています。このカリスマスキルは、生前に多くの騎士や兵士を率いて十字軍を戦い抜いた実績の表れでしょう。

神の加護/信仰の加護

十字軍の英雄にふさわしいスキルですね。第3回十字軍を率いた王として、キリスト教の信仰に根ざした加護を受けている。妖精やルーンの時代に片足を置きつつも、信仰の力にも守られている。この二面性が、リチャードという英霊の奥深さを示しています。

騎乗

セイバークラスとしては標準的なスキルですが、十字軍遠征で馬を駆って戦場を疾走した王にとっては、まさに本領発揮のスキル。敏捷EXと合わせて考えると、騎乗した状態のリチャードの速度は想像を絶するものがありそうです。

マスター・アヤカとの関係 ── 王と臣下の特別な絆

リチャードI世の正体と同じくらい重要なのが、マスターであるアヤカ・サジョウ(CV:花澤香菜)との関係です。

二人の出会いは、オペラハウスでアヤカの前にリチャードが突如姿を現すというもの。しかし、アヤカの反応は歓迎とは程遠く、強く拒絶します。聖杯戦争に巻き込まれることを望まないアヤカにとって、目の前に現れたサーヴァントは厄災以外の何物でもなかったわけです。

それでも、二人の間には魔力のパスが繋がってしまう。拒絶しても切れない運命の糸が、二人を結びつけてしまったんですね。

興味深いのは、リチャードがアヤカのことを「臣下」であり「導くべき対象」として捉えているところ。普通のサーヴァントであれば、マスターは「主」であり、自分はそれに仕える存在。でもリチャードの場合は逆なんです。マスターであるアヤカを、自分の臣下として、そして自分が導くべき人間として見ている。

これって、リチャードの正体を考えれば当然のことかもしれません。彼はイングランドの王。人の上に立ち、人を導くのが本分。たとえサーヴァントとして召喚されたとしても、その王としての本質は変わらない。マスターとサーヴァントという関係性すら、自分流にアレンジしてしまう。この傲慢とも呼べない自然体の王者ぶりが、リチャードらしさなんですよね。

アヤカにとっては迷惑この上ないかもしれませんが(笑)、リチャードの導きによってアヤカがどう変わっていくのか。王と臣下の関係がどう深まっていくのか。これはFate/strange Fakeの大きな見どころの一つです。

エルキドゥとの邂逅 ── 英雄同士が認め合う瞬間

リチャードI世の実力と人柄がよくわかるエピソードとして、エルキドゥ(ランサー)との出会いがあります。

二人は森の中で出会い、腕試しを行った末に同盟を結成します。エルキドゥといえば、メソポタミア神話に登場するギルガメッシュの唯一無二の友。神が作り出した「天の鎖」とも呼ばれる、まさに最高峰の英霊です。

そんなエルキドゥと互角以上にやり合い、お互いの実力を認め合って同盟を結ぶ。これだけで、リチャードI世がどれほど規格外の英霊であるかがわかるというものです。

しかも、ただ力で圧倒するのではなく、「腕試し」という形でお互いを理解し合ってから同盟に至るという過程が、リチャードのカリスマ性を見事に表現しています。力で屈服させるのではなく、実力を示し、人柄で惹きつける。歴史上で多くの騎士を率いた獅子心王の面目躍如といったところでしょうか。

FGOへの実装 ── 2025年正月の衝撃

Fate/strange Fakeのファンにとって大きなニュースだったのが、FGO(Fate/Grand Order)への実装です。2025年1月1日、正月実装サーヴァントとして登場しました。

FGOの正月実装といえば、毎年その年の目玉となる超人気サーヴァントが登場する枠。そこにリチャードI世が選ばれたということは、運営側もリチャードの人気と注目度をしっかり認識していた証拠でしょう。

原作小説やアニメで描かれるリチャードの魅力が、ゲームという別メディアでどう表現されているのか。原作ファンにとっても、FGOから入った方にとっても、キャラクターの新たな一面を発見できる機会になっているはずです。

声優・小野友樹の熱演 ── リチャードに命を吹き込む声

アニメでリチャードI世を演じているのは、小野友樹さんです。

小野友樹さんといえば、少年からクールな青年まで幅広い役柄をこなす実力派声優。リチャードI世という、王の威厳と少年のような遊び心を併せ持つ複雑なキャラクターを演じるには、まさにうってつけのキャスティングといえるでしょう。

尊大でありながら傲慢ではない、カリスマ性と稚気が同居する声の演技。戦闘シーンでの力強さと、アヤカとのやり取りでの軽やかさ。この切り替えの巧みさに注目して視聴すると、リチャードというキャラクターの魅力がさらに深く感じられるはずです。

ちなみに、マスターのアヤカ・サジョウを演じるのは花澤香菜さん。リチャードを拒絶しながらも、運命に巻き込まれていくアヤカの繊細な心情を表現する花澤さんの演技と、どこまでも自由奔放なリチャードを演じる小野さんの掛け合いは、本作の聴きどころの一つです。

リチャードI世の正体が物語にもたらすもの

ここまでリチャードI世の正体について様々な角度からお話ししてきましたが、最後に、彼の存在がFate/strange Fakeという物語全体にどんな意味を持つのかを考えてみましょう。

リチャードI世は、あらゆる意味で「境界に立つ者」です。

  • 神秘の時代と人間の時代の境界に立つ、最後の王
  • 偽りの聖杯戦争と真の聖杯戦争の境界に立つ、偽セイバー
  • エクスカリバーの「本物」と「概念」の境界に立つ、聖剣の担い手
  • マスターとサーヴァントの上下関係の境界を覆す、王としての在り方

これらの「境界性」が、Fate/strange Fakeの二重構造の聖杯戦争という物語設定と完璧に噛み合っているんです。偽りと真が交錯する世界において、どちらにも属さず、どちらにも関わるリチャードの存在は、物語を動かす触媒のような役割を果たしています。

歴史上の獅子心王リチャードは、戦場の最前線に立ち続けた王でした。Fate/strange Fakeにおけるリチャードもまた、物語の最前線に立ち、読者や視聴者を未知の展開へと導いてくれる存在です。

まとめ ── 獅子心王の正体を知った上で楽しむFate/strange Fake

リチャードI世の正体、いかがでしたでしょうか。ここで改めて、彼の核心的な要素をまとめておきますね。

項目内容
真名リチャードI世(獅子心王リチャード)
クラス偽セイバー(False Saber)
CV小野友樹
マスターアヤカ・サジョウ(CV:花澤香菜)
正体イングランド王、第3回十字軍の英雄
特筆ステータス敏捷EX(規格外)
宝具1永久に遠き勝利の剣(エクスカリバー)
宝具2円き十字に獅子を奏でよ(ラウンズ・オブ・レオンハート)

イングランドの獅子心王という歴史的な正体。妖精やルーンの時代に片足を置いた最後の王という神秘的な出自。偽りと真の聖杯戦争を繋ぐ橋渡し役という物語上の役割。木の枝すら聖剣に変えてしまう破格の宝具。そして、尊大でありながら傲慢ではない、人を自然と惹きつける王の器。

これらすべてが合わさって、リチャードI世は Fate/strange Fakeの中でも屈指の魅力を持つサーヴァントになっています。

2026年1月からTVアニメが放送中のFate/strange Fake。リチャードI世の正体と魅力を知った上で観ると、彼の一挙手一投足がまた違って見えてくるはずです。王としての風格、少年のような遊び心、そして境界に立つ者としての孤高さ。小野友樹さんの演技とともに、獅子心王リチャードの活躍をぜひ楽しんでくださいね。