「財界の魔王」――その異名は、人間社会の経済界の頂点に君臨する大財閥のトップとしての顔。「魔城のヴァン=フェム」――こちらは、七つの巨大ゴーレムを従え、4000年以上の時を生き続ける死徒二十七祖としての顔。

ヴァン=フェムは、『Fate/strange Fake』において最も異質な存在の一人です。吸血鬼でありながら吸血を捨て、人間社会に溶け込み、モナコの海上に浮かぶカジノ船から世界を見下ろす。1800年前の古き友の悲願を知り、その末裔であるフラット・エスカルドスの変貌を遠隔で見守り続ける。

スノーフィールドの偽りの聖杯戦争に直接は乗り込まず、しかし確実にその糸を握る。この「財界の魔王」の正体と真意に迫ります。

最大級のネタバレ注意!この記事には原作小説Fate/strange Fake 9巻まで、および『ロード・エルメロイII世の冒険』フェムの船宴編の内容を含む重大なネタバレが含まれています。

ヴァン=フェム 基本プロフィール

項目内容
本名ヴァレリー・フェルナンド・ヴァンデルシュターム
異名「魔城のヴァン=フェム」「財界の魔王」
序列死徒二十七祖 第十四位
所属神代連盟(エルダータイトル) ― 最古参5人の祖の一角
表の顔巨大財閥「V&Vインダストリィ」社長。モナコ拠点
外見白いシルクハットにステッキ、金髪・褐色肌の青年
CV(声優)楠大典
性格礼儀正しいが譲らない。瑣末事を好む風変わりな人物
趣味エコロジー活動(ここ数百年)、カジノ船の運営
初登場Fate/strange Fake 6巻(電話の相手として)

死徒二十七祖 第十四位 ― 4000年を生きる「人理肯定派」

ヴァン=フェムは死徒二十七祖の第十四位に数えられる存在です。二十七祖の中でも「神代連盟(エルダータイトル)」に属する最古参5人の祖の一角であり、その存在は4000年以上前にまで遡ります。イスカンダルの大征服とその後の後継者戦争を直接目撃したという、途方もない時間を生きてきた古老です。

元々は魔術師が極まった結果、死徒の道を選んだ人物。「精巧さには欠けるが、巨大なものを作らせれば最高の人形師」として、七つの巨大ゴーレム「魔城」を創造する技術を持っていました。しかし死徒化によって存在の基盤が変わり、人間の神秘との相性が悪化。700年前の自分なら看破できた大魔術も、現在では見抜けないほど魔術の腕は衰えています。

最も特異なのは、その「人理肯定派」としてのスタンスです。他の二十七祖が「人理否定」の傾向が強い中、ヴァン=フェムは第一次世界大戦後から吸血手段に頼らず、財界で勢力を拡大する「試み」を続けています。吸血なしで人間を死徒化できる技術を持ちながら(適性が薄い人間でも可能だが手間がかかる)、あえて人間社会のルールで戦う。エコ活動を趣味とし、長電話を省エネの観点から嫌うなど、4000年の吸血鬼とは思えないほど人間臭い。

考察:メレム・ソロモンはヴァン=フェムを「高位の吸血鬼としてはあるまじき新しさ」と評しています。神代の存在でありながら現代を受け入れるこの姿勢は、TYPE-MOON世界の死徒の中でも極めて異例です。死徒は本質的に「過去に執着する存在」であるはずが、ヴァン=フェムは未来を見ている。この矛盾が、彼の物語的立ち位置を独特なものにしています。

七大ゴーレム「魔城」 ― ヴァン=フェムの娘たち

普段の姿 ― 金髪の美女

ヴァン=フェムの代名詞とも言える七大ゴーレム「魔城」。普段は「ヴァン=フェムの娘たち」と呼ばれる7体の金髪の美女の姿を取っています。肢体・金髪・肌色は全て一致し、髪型と服装のみが異なる。人間大の麗しい外見ですが、体を部分的に巨大化できる能力を持ち、ウォーターカッター級の攻撃を無傷で受け止める防御力を備えています。

正体は概念としての「城」。美女の姿はあくまで仮の形であり、真の姿は途方もなく巨大です。

魔城の戦闘力 ― 長子クーポラ

『ロード・エルメロイII世の冒険』フェムの船宴編で、長子クーポラの戦闘力が詳細に描写されました。普段は無表情なディーラーの姿で、他の魔城を「お姉様方」と呼ぶ最年長の存在です。

能力詳細
通常攻撃蹴りによる圧縮魔力で船室の壁面を寸断。規模は都市一つを賄う発電所に匹敵
斥力防御掌の斥力で竜翼の攻撃を受け止める
音波攻撃全身に現れた口が歌い、貨物船一二隻を切断する破壊力
海水変換周囲の海水を血液に変換し、超深海の水圧で敵を押し潰す

魔城開門 ― 全長100mの巨大ゴーレム

クーポラの最大の切り札が「魔城開門」。死線歓喜船の船体を分解して「材料」とし、全長約100メートルの人型巨大ゴーレムを完成させます。魔力を込めた拳による物理攻撃は、一撃ずつなら「最果てにて輝ける槍」(千年クラスの神秘)にも劣らないとグレイが推察。連発能力を含めた総合力ではそれ以上という、まさに「城」の名に恥じない規模の戦闘力です。

失われた第五城マトリ

元々は7体だった魔城ですが、第五城「マトリ」がフィナ=ヴラド・スヴェルテン(白騎士)率いる幽霊船団パレードによって攻め落とされ、現在は6体。ヴァン=フェムはこの件を根に持っており、フィナとその主であるアルトルージュ・ブリュンスタッド派に対して敵意を抱いています。

考察:人形師の逆転構造
死徒化で魔術が苦手になったヴァン=フェムは、興味深い解決策を編み出しました。自分が人形を操るのではなく、「人形に自分を操らせる」という逆転の発想です。人間時代に創造した魔城がヴァンの魔術回路を使うことで、魔術基盤の問題を回避する。人形を操る人形師であり、同時に人形に操られる人形――この二重構造は、ヴァン=フェムの「柔軟に変化し続ける」生き方そのものを象徴しています。

フェムの船宴(カーサ) ― 100万ユーロの賭場

死線歓喜船 ― 海上の魔術都市

ヴァン=フェムが運営するカジノ船の登記名は「ジョワ・ド・ヴィーヴル(生きる喜び)」。しかし魔術世界では「死線歓喜船(クロジェ・アナフェール)」と呼ばれています。実は2隻構成で、ジョワ・ド・ヴィーヴルは外殻。船宴の特別機会にのみ分離し、死線歓喜船が出航します。

全長320m、全幅62m、総トン数20万6千トン(タイタニック号の4倍以上)、約6,000人収容の14階建て。船内スタッフは全員が死徒。カジノ内部には魔術によるAR技術が展開され、花がラッパの音楽を奏で、蝶が虹色の光を投げかけるという幻想的な空間が広がっています。

AR演出の原点:実はこのAR技術、フラットとバーチャルボーイで遊んで3D酔いしたことがきっかけ。「ARの方が筋がいい」と言ったフラットの一言で、翌日にはカジノ中にAR仕掛けが完成。VR派のフラットとの「戦争」の末に生まれたという、4000年の死徒らしからぬ微笑ましいエピソードです。

ゲームの3種類と衛宮士郎の勝利

参加料100万ユーロ(約1億6千万円)のフェムの船宴は、ほぼ週1回の頻度で開催されています。2000年以上の歴史を持つこのイベントは、3種類のゲームで構成されます。

種類内容
オータンティク(伝統的)ルーレット、ポーカー、ブラックジャック等の定番ギャンブル
マジーク(神秘遊戯)互いの魔術回路をつないで行う魔術世界ならではのゲーム。「船宴の華」
ヌーベル(新規)フェムの気分で毎回異なる。カタンや脱出ゲームなど自由な発想

100年近く挑戦を受け続けてきたヴァン=フェムですが、過去に負けたのはただ一人――衛宮士郎のみ。『冒険』の時間軸では、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの代理として参加した士郎がヴァン=フェムを打ち破っています。ヴァンは士郎の仕掛けを見破ったものの、「見破っても意味がない。これは私の負けというしかない」と降参。勝者には願いを一つ叶えるという特典が与えられます。

メサラ・エスカルドスとの因縁 ― 1800年の悲願を見届ける者

「新たなる霊長」計画の証人

1800年前、現在のモナコ公国に工房を構えた魔術師メサラ・エスカルドス。魔法使いには一歩及ばないものの強大な力を持った彼は、ゼルレッチから聞いた「並行世界」の概念に希望を見出し、世代を重ねた進化の末に「新たなる霊長」を生み出す壮大な計画を構想しました。

大半の魔術師に「不可能だ」と笑われたこの計画に、結果まで理解した上で真剣に耳を傾けたのはキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグとヴァン=フェムの2名だけでした。ヴァン=フェムは賛同こそしなかったものの、メサラの覚悟に敬意を表した。3人の議論の末、メサラは生涯と血脈のすべてを計画に注ぎ込むことを決意します。

メサラの異質な計略

メサラが選んだ方法は、魔術師の常識からすれば理解し難いものでした。自分の子孫を一切信用せず、名誉欲による改変を防ぐため、血統が長く続くにつれて家の目的が失伝するように仕向けたのです。エスカルドス家が代を重ねるごとに没落していったのは、偶然ではなく最初から仕組まれた計略。1800年後にフラットが「器」として誕生し、ティア・エスカルドスが顕現するよう、魔術刻印に細工を施していたのです。

考察:ヴァン=フェムは1800年間、メサラの計画の「証人」であり続けました。計画に賛同しなかったにもかかわらず見守り続けたのは、「古き友の覚悟に対する敬意」なのか、それとも「新たなる霊長」が自身の「人理肯定派」としてのスタンスに何かしらの影響を与えると見込んでいたのか。4000年を生き、多くのものを見てきたヴァン=フェムが、メサラの計画だけは見届けようとしている――その理由は、物語の核心に関わる謎の一つです。

フラット・エスカルドス ― 1800年の末裔

出会いと保護

フラットの両親(エスカルドス家当主たち)の刺客と戦った際、「ちょっと色々あった」末にフラットと知り合ったヴァン=フェム。フラットがメサラの望んだ末裔であることを見抜いたヴァンは、居場所を失った彼を拾い上げます。

当時未成年のフラットをカジノに特別招待し、魔術を見せてもらう代わりに保護を与える。一緒にバーチャルボーイで遊んだり(結果としてカジノのAR化につながった)、フラットの自由な発想に触発されるなど、4000年の死徒と天才的だが規格外の魔術師との間に生まれた不思議な友情が垣間見えます。

魔術刻印の預託

フラットの両親は故意にカジノで大負けし、借金のカタとしてエスカルドス家の魔術刻印の一部をヴァン=フェムに預けました。ヴァンはフラットにギャンブルをさせてこの刻印を返却していますが、これは単なるゲームではなかったはずです。エスカルドス家の魔術刻印には、メサラが1800年前に施した「新たなる霊長」計画の核心が刻まれている。ヴァン=フェムはその内容を知る数少ない存在の一人です。

ティア・エスカルドスの爆誕

FSF 8巻で、フラットはファルデウスの部隊により頭部を射抜かれ死亡。しかし直後にティア・エスカルドスとして再生し、英霊以上の魔力を伴う最大級の危険因子として出現します。

モナコのカジノ船から遠隔でこの出来事を即座に感知したヴァン=フェムは、こう述べました。

「祝福はするが、喜ばしい事だとは思わない」

メサラの1800年の悲願が成就した瞬間への、複雑な感情。計画の証人として「祝福」はする。だが、それがフラットという一人の人間の死の上に成り立っていることを「喜ばしい」とは言えない。この一言に、ヴァン=フェムの人間臭さが凝縮されています。

ジェスター・カルトゥーレ ― 切り捨てた「子」

FSFのアサシン陣営マスターであるジェスター・カルトゥーレは、かつてヴァン=フェムが「子」として作った死徒です。吸血ではなく特殊な方法で死徒化させた存在であり、ヴァン=フェムにとっては直系の血族に当たります。

しかしヴァン=フェムは、ジェスターを「ダブルスタンダード」として断罪し切り捨てました。その理由は、ジェスターがFakeアサシンに対して人間として入れ込んでおきながら、オーランド・リーヴ率いる人間の警官隊に対しては「人理を否定するもの」として振る舞ったこと。人間を愛すると言いながら人間を害する、その矛盾をヴァン=フェムは許さなかった。

考察:ヴァン=フェム自身が「人理肯定派」として吸血を捨てた存在であることを考えると、ジェスターの切り捨ては単なる失望ではなく、自身のスタンスへの裏切りと映ったのかもしれません。ただし作中では「二十七祖という立場でなければ、また違った対応をしていた」とも語られており、立場と感情の板挟みの中での決断だったことが示唆されています。

他の二十七祖との関係性

相手関係
トラフィム・オーテンロッゼ元同胞。トラフィムが「古い」と離反し関係は最悪。ただしアルズベリの構築はヴァン=フェムの出資
フィナ=ヴラド・スヴェルテン第五城マトリを幽霊船団パレードで攻め落とした宿敵。根に持っている
アルトルージュ・ブリュンスタッドフィナの主。マトリ陥落以降、アルトルージュ派を嫌っている
メレム・ソロモンヴァンを「新しく、賢く、引き際を心得ている」と評価
グランスルグ・ブラックモア冒険で対面。グレイがブラックモアの名を継いでいないことに表情を変えた
ジズ古友。「神喰らい」の研究について情報を共有
フランチェスカ・プレラーティかつて「ギャフンと言わせた」ことがある相手

注目すべきは、ヴァン=フェムの人間関係が「人理に対するスタンスの違い」で明確に分かれている点です。人理否定派のトラフィムとは断絶し、逆に人間社会への関心を持つメレムからは好意的に評価されている。ヴァン=フェムにとって、二十七祖の中での立ち位置は思想的な選択の結果なのです。

スノーフィールド聖杯戦争への関与 ― 遠隔からの監視者

Fate/strange Fakeにおけるヴァン=フェムは、スノーフィールドに直接乗り込むことなく、モナコから遠隔で聖杯戦争の動向を監視する立場を取っています。6巻まで直接名前は出ず、フラットのセリフに登場する「モナコの近くの海にある大きなカジノ船のオーナーの死徒」、フランチェスカの「モナコの金持ち吸血種」として示唆されるに留まっていました。

6巻で電話の相手として初登場し、フラットの死とティア・エスカルドスの爆誕を遠隔感知。しかし依然として直接介入はしていません。

考察:なぜヴァン=フェムは動かないのか?
スノーフィールドの聖杯戦争には、フランチェスカ(かつて「ギャフンと言わせた」相手)、ジェスター(自分が切り捨てた「子」)、そしてフラット(メサラの悲願の器)と、ヴァン=フェムに縁の深い人物が複数関わっています。それでも動かないのは、「見届ける」こと自体が目的だからではないでしょうか。メサラの計画に対して1800年間「証人」であり続けたように、ヴァン=フェムは介入者ではなく観測者としての立場を選んでいる。それは、「瑣末事を好む」性格の裏にある、途方もなく長い時間を生きた者の達観なのかもしれません。

考察:「財界の魔王」が体現する新しい死徒像

TYPE-MOON世界における死徒の「第三の道」

TYPE-MOON世界の死徒は、大きく分けて2つの道を歩んできました。一つは人理を否定し、人間を捕食対象として君臨する道。もう一つは人間社会から隠れ、密かに生き延びる道。

ヴァン=フェムは「第三の道」を提示しています。人間社会に堂々と溶け込み、経済の頂点に立ち、人間のルールで勢力を拡大する。吸血という本能を技術で克服し、「財界の魔王」として人間と共存する。それは死徒としての本質を否定することなく、しかし人間として振る舞うという矛盾した選択です。

「冒険」と「Fake」を繋ぐ結節点

ヴァン=フェムは、三田誠が描く『事件簿』『冒険』世界線と、成田良悟が描く『strange Fake』世界線の重要な接続点として機能しています。『冒険』ではカジノ船という華やかな舞台の主催者として、ロード・エルメロイII世やグレイ、凛、ルヴィア、士郎たちと直接関わる。『Fake』ではフラットの変貌を遠隔で見守り、1800年前からの因縁の帰結を見届ける。

複数の作家が紡ぐTYPE-MOON世界の物語を、4000年の視座で見通す存在。それがヴァン=フェムの物語的な役割です。

今後の展開で注目すべきポイント

9巻終了時点で、スノーフィールドには「48時間後の浄化」というタイムリミットが設定されました。ティア・エスカルドスはエルメロイ教室の天才たちの連携によって半ば封殺されています。メサラの1800年の悲願が完全に成就するのか、それとも頓挫するのか。

ヴァン=フェムがこのまま「観測者」に留まるのか、それとも最後の瞬間に介入するのか。七大ゴーレムの残り5体の力、エスカルドス家の魔術刻印に関する知識、そして4000年の死徒としての力。ヴァン=フェムが本気で動いた時、物語は大きく動くはずです。

月姫リメイクとの接点:『月姫 -A piece of blue glass moon-』のフランス事変で集まった6人の祖の中に、「女性らしき影を複数連れた紳士服姿の男性」のシルエットが確認されています。「ヴァン=フェムの娘たち」を連れた姿と一致しており、月姫世界でも物語に関わってくる可能性が示唆されています。

まとめ ― 4000年の観測者、その真意

  • 死徒二十七祖 第十四位。本名ヴァレリー・フェルナンド・ヴァンデルシュターム。「財界の魔王」「魔城のヴァン=フェム」
  • 神代連盟の最古参。4000年以上の時を生き、イスカンダルの征服を目撃した存在
  • 七大ゴーレム「魔城」の創造者。長子クーポラの魔城開門は全長100mの巨大ゴーレム。第五城マトリはフィナ=ヴラドに攻め落とされた
  • フェムの船宴は2000年以上の歴史。100万ユーロの参加料、勝者の願いを叶える。100年間で負けたのは衛宮士郎のみ
  • メサラ・エスカルドスの計画の証人。1800年前から「新たなる霊長」計画を見守り続けている
  • フラット(ティア・エスカルドス)の変貌を遠隔感知。「祝福はするが、喜ばしい事だとは思わない」
  • ジェスターを「子」として作りながら切り捨てた。ダブルスタンダードを許さない人理肯定派としての信念
  • スノーフィールドには直接介入せず観測者に徹している。その真意は未だ明かされていない

4000年間、世界を見てきた死徒。吸血を捨て、人間社会の頂点に立ち、古き友の悲願を1800年見守り続ける。ヴァン=フェムは、Fate/strange Fakeにおける「究極の観測者」です。

彼がモナコのカジノ船から動く時、それは物語の最終局面が訪れた時でしょう。「財界の魔王」が七つの魔城を従えて立ち上がるその瞬間を、我々読者もまた「観測者」として待ち続けています。