【VHOLUME】Steamで話題の一人称パルクールを徹底紹介|世界観・システム・評価・類似作品
VHOLUMEは、2026年8月21日にSteamで配信が始まった一人称視点のパルクール・アクションゲームです。舞台となるのは、コンクリートの塊がそのまま空へ積み上がったようなブルータリズム建築が延々と続く、アフロ・ユーラシアの荒廃した首都。すべてを統制する「省庁」の管理下に置かれたこの街を、主人公Robertはただ一つの目的のために駆け抜けます。取り消された家族の配給券を、取り戻すために。
物語の提示は控えめです。体験の中心にあるのは、走る・跳ぶ・登る・滑るという移動と、目の前に立ちはだかる巨大建築の探索。探索の途中では物語要素も発見できます。官僚機構の迷宮を物理的に走破していく行為そのものが、この作品における「手続き」であり「物語」になっています。
開発を手がけたのは、廃墟都市探索アドベンチャー『BABBDI』や高速対戦FPS『STRAFTAT』に関わったLéonard Lemaitreを含む三人の開発者。販売元はIronEqualです。発売から4日で900件のSteamレビューを集め、評価ラベルは「圧倒的に好評」。売上ランキング上位にも食い込む、2026年夏の注目インディーとなっています。
一言で言うと:巨大なコンクリート建築が支配するディストピア都市を、慣性を殺さずに走り抜ける一人称パルクール・タイムアタック。戦闘はほぼ存在せず、ショートカットを見つけてタイムを削る快感と、夢の中の廃墟のような空間を歩き回る没入感が同居しています。通常1,000円という価格の手軽さも、多くのレビューで評価されています。
基本情報
まずはSteamストアページで公開されている基本データを整理します。以下の数値は2026年8月25日時点で取得したものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | VHOLUME |
| 開発 | Nathan Grange、Léonard Lemaitre、Niels Tiercelin |
| 販売 | IronEqual |
| 発売日 | 2026年8月21日(正式リリース。早期アクセスではありません) |
| ジャンル | Steam上の分類はカジュアル/インディー。内容としては一人称パルクール・アクション、タイムアタック |
| 価格 | 通常1,000円(調査時点は10パーセント引きの900円) |
| 日本語対応 | 対応(インターフェース・字幕)。フル音声対応は英語のみ |
| 対応言語 | 英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語(スペイン)、簡体字中国語、韓国語、日本語、ポーランド語、ポルトガル語(ブラジル)、ロシア語、トルコ語、ウクライナ語 |
| プラットフォーム | Windows PC(Steam)。ストア上の対応OSはWindowsのみで、最低システム要件は64ビット版Windows 10(バージョン1903以降)です。macOS・Linuxはストア上で対応表示がありません。2026年8月25日時点で、SteamストアにSteam Deck互換性評価は表示されていません |
| 主な機能 | シングルプレイ、マルチプレイ、ゴースト共有、ランキング、実績、Steam Workshop対応 |
| Steamレビュー | 900件中875件が好評、25件が不評で「圧倒的に好評」 |
| ストアページ | Steamストア(VHOLUME) |
価格とセール状況
本作の価格帯は、インディータイトルの中でもかなり手を出しやすい水準に設定されています。調査時点ではリリース記念とみられる割引が適用されていました。
| 項目 | 金額・条件 |
|---|---|
| 通常価格 | 1,000円 |
| 割引後価格 | 900円(2026年8月25日時点) |
| 割引率 | 10パーセント引き |
| 体験版 | 無料デモ「VHOLUME Demo」が別途配信中。4ステージ収録 |
| 追加コンテンツ | サウンドトラック「VHOLUME Soundtrack」は近日配信予定(2026年8月25日時点でSteamストアは「Coming soon」表記、価格未掲載)。全58曲で、B-Sideの楽曲は含まれません |
価格に関する注意:割引価格はセール期間限定です。上記はいずれも2026年8月25日に取得した数値であり、閲覧時点では通常価格に戻っている可能性があります。購入前に必ずSteamストアページで最新の価格をご確認ください。
開発チーム|『BABBDI』『STRAFTAT』の系譜
本作を語るうえで外せないのが、開発者の来歴です。共同開発者のひとりであるLéonard Lemaitreは、Steam上で『BABBDI』(2022年12月22日配信)および『STRAFTAT』(2024年10月24日配信)の開発者としてクレジットされています。
『BABBDI』は、朽ちかけた巨大都市を一人称で歩き回り、街を出るための手段を探す無料のアドベンチャーゲームです。説明を最小限に抑えた不条理な世界、奇妙な住人、そして垂直方向に伸びるコンクリートの建築群。VHOLUMEの空間設計には、この作品の血が濃く流れています。一方の『STRAFTAT』は、無料の高速一対一オンラインFPS。慣性を利用した軽快な移動感覚は、こちらの経験が下敷きになっていると考えられます。
販売元のIronEqualは、本作の開発者のひとりであるNiels Tiercelinが所属するスタジオで、『REPULSE: Galactic Rivals』などを手がけてきました。フランス拠点の小規模スタジオとされますが、Steam上で所在地が明示されているわけではないため、ここでは断定を避けます。
考察:VHOLUMEは、まったくの新規タイトルというより「廃墟探索の空間設計」と「競技系FPSの移動感覚」という二つの流れが合流した作品と捉えると、その独特な手触りが理解しやすくなります。景色を眺めて浸っていたい人と、コンマ1秒を削りたい人が同じゲームに同居している。この二面性こそが本作の個性です。
世界観・ストーリー|配給券を取り戻す官僚主義の旅
物語の骨格はシンプルです。舞台は、公式ストアで「アフロ・ユーラシアの荒廃した首都」と説明される都市です。ストア紹介文に都市名の記載はありません。都市と社会は、すべてを統制する「省庁」によって管理されています。主人公Robertの家族は配給券を取り消されており、彼はその復活手続きのために都市を横断していく、というのが公式ストアページで語られる筋書きです。
ただし、この物語の語られ方は、一般的なアドベンチャーゲームとは異なります。開発者はSteamのコミュニティ掲示板で、探索中に発見できる物語要素はあるものの、物語は主眼ではないと説明しています。
つまりプレイヤーは、走り抜ける建築物そのものと、コースの外れに隠された要素から、この都市の姿を断片的に受け取っていくことになります。Robertがどのような人物なのか、省庁がどのように成立したのかといった背景については、公式ストアページや開発者の投稿では説明されていません。
注意:ストア紹介文にある「官僚主義的な旅」という表現から、ディストピア小説のような濃密な物語を期待して購入すると、肩透かしを感じる可能性があります。ストーリーは体験をつなぐ最小限の枠組みであり、本作の主役はあくまで移動そのものです。なお日本語ストアページの「全能の省庁」は原文の「all-controlling Ministry」の訳で、超自然的な全能者という意味ではなく「社会のすべてを統制する省庁」を指します。
ゲームシステム|走る、跳ぶ、登る、滑る
コアループ
基本の遊び方は驚くほど素直です。ステージを開始し、走る・ジャンプ・壁走り・壁登り・スライディングを組み合わせてゴールを目指す。完走したらタイムとメダル、ランキングを確認する。ゴーストを参考にルートを組み直し、より速い経路を探る。納得したら次のステージへ。この繰り返しです。
重要なのは慣性(モメンタム)の維持です。ただ入力を押しっぱなしにするだけでは速度は伸びません。視線の向き、ジャンプのタイミング、スライドから跳ぶ瞬間の入力。これらを噛み合わせたときに初めて、キャラクターは滑るように加速していきます。一本道のコースではなく、壁や建築物を利用して大胆なショートカットを切り開けるのも特徴で、正規ルートを完全に無視した経路が最速になることも珍しくありません。
ゴーストとランキング
各ステージには目標タイムが設定されており、タイムに応じてメダルが与えられます。さらに他プレイヤーのゴーストを表示して並走したり、自分のゴーストを共有したりできます。この機能は単なる競争要素ではなく、実質的なルート教材でもあります。初見では気づけない経路も、上位プレイヤーのゴーストを追えば「そこを跳ぶのか」と一目で理解できます。
B-Sideと隠し要素
各メインステージのコース外には隠しアイテムが配置されており、これを発見すると、より難易度の高いB-Sideステージが解放されます。B-Sideは単なる高難度版にとどまらず、別構成・別ルールに近いものも含まれるとされています。なお、メインステージとB-Sideを合わせた総ステージ数は、ストアページを含め公式には発表されていません。収録ステージ数を購入判断の材料にしたい場合は、事前にストアページの最新情報をご確認ください。
マルチプレイとSteam Workshop
ソロプレイに加えて、フレンドと合流して全レベルを一緒に体験するマルチプレイに対応しています。ただしレビューを読む限り、その実態は同じステージを各自のペースで並走する疑似協力型で、専用の対戦レースモードや協力ギミックは用意されていません。この点については、日本語・英語双方のレビューで「正式なレースモードが欲しい」という要望が出ています。
もうひとつの柱がSteam Workshop対応です。コミュニティが制作したレベルを遊べるだけでなく、自分でレベルを制作して公開することもできます。開発側も公式のマッピングガイドを案内しており、当面の継続的なコンテンツ供給源はここになるとみられます。
見どころ・魅力
- 移動そのものが報酬になる操作感:加速が乗った瞬間の気持ちよさは、他のジャンルでは代替しづらい種類の快感です。壁を蹴り、屋根を滑り、着地と同時に次の跳躍へつなげる一連の流れが決まったときの手応えは格別です。
- 夢のような廃墟空間:コンクリートの塊が理不尽な規模で積み上がった風景は、それ自体が観光対象になります。タイムを一切気にせず、ただ景色を眺めて隠し場所を探すという遊び方も成立します。
- 反復に耐える設計:即時リトライとチェックポイントが整備されており、失敗しても数秒で再挑戦できます。短いコースを繰り返し走る構成も、「もう一回だけ」を繰り返させる中毒性につながっています。
ポイント:本作は「クリアすること」がゴールではありません。初回クリアはあくまで入口で、そこからルートを最適化し、タイムを削り、ゴーストを追い越していく過程が本番です。この構造を理解しているかで、体感ボリュームは何倍にも変わります。
Steamでの評価
Steamレビューでは、2026年8月25日時点で総レビュー数900件、うち好評875件・不評25件を集め、評価ラベルは「圧倒的に好評」となっています。好評率はおよそ97パーセント。発売からわずか4日でこの件数と評価率に到達しており、売上ランキングでも上位に入る滑り出しを見せています。
高く評価されている点
Steamレビューで繰り返し挙げられているのは、まず操作感です。日本語レビューでは「とにかく操作感が気持ちいい」「壁ジャンプが気持ちいい」「RTA走者の気持ちが分かる」といった声が確認できます。慣性やショートカットを覚える過程そのものが楽しいという評価が中心です。
次に雰囲気と建築表現。日本語レビューでは『BLAME!』『少女終末旅行』といった漫画作品や、『Half-Life』『Portal』などのタイトルを引き合いに出す例が複数見られ、「体調の悪い時に見る夢のような廃墟」といった表現で、リミナルスペース的な空気感が支持されています。アンビエント寄りの音楽への評価も高く、サウンドトラックが単体のSteamページとして用意されている(2026年8月25日時点では近日配信予定)のも納得のところです。
そして価格。メインステージに加えてB-Side、さらにWorkshop対応まで含めて1,000円という設定に対し、「安すぎる」という趣旨のレビューが目立ちます。コストパフォーマンスの高さは、好評を後押しする明確な要因になっています。
指摘されている点
一方で、不評レビューや好評レビュー内の留保として、以下のような指摘が出ています。
- ルートが分かりにくい:最も一貫した不満点です。暗いマップ、上方向へ進むステージ、分岐の多い巨大空間では、初見でゴール方向を見失いやすいとされます。ゴースト機能の存在を知らない初心者には不親切という声もあります。
- 地形が勢いを止める:階段、瓦礫、低い天井といった細かな凹凸が加速を殺してしまい、速度重視のシステムとレベル構造が噛み合っていないという批判があります。
- 単調さ・ボリューム感:1ステージが短いため、「同じコンクリート景観と移動操作の繰り返し」と感じる人もいます。デモ版のステージの方が作り込まれている、正式版の一部は開発用テストマップのようだ、という厳しい意見も確認できます。
- 難易度の落差:通常クリアは広い層が達成できる一方、全ゴールドや世界上位タイム、隠しアイテム収集、B-Sideは急激に難しくなります。上位タイムにはゲーム内で説明されていない移動テクニックが要求されるという指摘もあります。
- 不具合報告:Steamの掲示板には、起動しない、マウスカーソルが別モニターに出る、見えない壁がある、パッチ後もランキングが旧記録を保持している、といった報告が上がっています。ただし、レビュー全体の評価を左右するほど普遍的な問題としては扱われていません。
ボリュームとプレイ時間の目安
公式のプレイ時間表示はありませんが、Steamレビューの報告を総合すると、おおよそ以下のような目安になります。
| 遊び方 | 所要時間の目安(レビュー報告ベース) |
|---|---|
| メインステージを一度クリア | 2時間から4時間程度。パルクール系に慣れていれば1時間から2時間台という報告も |
| 迷いながら探索も含めて進行 | 5時間から8時間程度 |
| メイン全ステージでゴールド獲得 | 探索込みで約6時間という報告あり |
| B-Sideを一通り | 熟練者でさらに約2.6時間。1ステージだけで1時間かかった例も |
| 全要素・ランキング上位狙い | 実質的に上限なし |
いずれもSteamレビューでの個人報告を集約したもので、公式発表の数値ではありません。
こんな人におすすめ
向いているプレイヤー:
・『Mirror’s Edge』のような一人称パルクールの疾走感が好きな方
・タイムアタックやRTA的な「同じコースを何度も走って詰める」遊びに没頭できる方
・巨大建築や廃墟、リミナルスペース的な空間美に惹かれる方
・戦闘のないゲームでも、移動と探索だけで満足できる方
・アンビエント寄りのサウンドと一体になった没入体験を求める方
・Steam Workshopでコミュニティ製ステージを追いかけたい方
・1,000円前後で長く遊べるインディーを探している方
逆に、濃密なストーリーやキャラクタードラマを求める方、明確な対戦レースモードを期待する方、あるいは丁寧なチュートリアルとナビゲーションがないと迷ってしまう方には、噛み合わない可能性があります。
購入前に確認したい注意点
購入前の確認事項:
・カメラの揺れが強く、高速移動や高所からの落下描写が多いため、3D酔いしやすい方や高所が苦手な方は注意が必要です。無料デモで体質に合うか確認することを強くおすすめします。
・日本語はインターフェースと字幕に対応していますが、フル音声対応は英語のみです。またストア説明文には直訳調の表現が見られます。プレイに支障が出る水準ではないものの、発売から日が浅く日本語レビュー件数も少ないため、ローカライズ品質を高いと断定できる材料は現時点では不足しています。
・2026年8月25日時点で、SteamストアにSteam Deck互換性評価は表示されていません。携帯機で遊ぶ予定の方は、購入前にストアページの最新情報をご確認ください。
・全ゴールドやB-Sideは難易度が大きく跳ね上がります。「気軽なカジュアルゲーム」として最後まで完走できるとは限りません。
類似作品
Steamレビューや海外メディアの記事では、以下のようなタイトルが比較対象として挙げられています。
| 作品 | 共通点と違い |
|---|---|
| Mirror’s Edge | 一人称パルクール、壁走りと登攀、ディストピア都市を駆ける体験が共通。VHOLUMEはほぼ戦闘がなく、ゴーストとランキング、自由なルート探索に比重を置いています |
| BABBDI | 放棄された巨大都市、一人称の非戦闘、奇妙な住人、説明されないディストピア設定が共通。BABBDIは探索アドベンチャー寄りで、VHOLUMEはタイムアタック寄りです |
| STRAFTAT | 軽快な移動感覚と、短時間で繰り返すプレイサイクルが共通。STRAFTATは対戦FPSで、VHOLUMEは非戦闘のタイムアタックという違いがあります |
| Neon White | 一人称で短いステージを高速攻略し、ルート最適化でタイムを削るループが共通。Neon Whiteはカードによる戦闘と物語重視で、VHOLUMEは純粋な移動特化です |
| NaissanceE | 巨大で抽象的な建築、孤独感、未知の構造物を探索する雰囲気が共通。NaissanceEはゆるやかな探索体験寄りです |
| Counter-StrikeのKZ・Surf・Bhop | 慣性、ストレイフ、バニーホップ、同じコースを反復して最速を詰める文化が共通。VHOLUMEはそれを単体作品として、視覚・音楽・探索と統合しています |
まとめ
- タイトル: VHOLUME(2026年8月21日Steamで正式リリース、早期アクセスではありません)
- 開発・販売: Nathan Grange、Léonard Lemaitre、Niels Tiercelinの三名が開発、販売はIronEqual
- ジャンル: 一人称視点のパルクール・アクション、タイムアタック(Steam上の分類はカジュアル/インディー)
- 価格: 通常1,000円。2026年8月25日時点では10パーセント引きの900円
- 日本語: インターフェース・字幕に対応。フル音声対応は英語のみ
- 世界観: すべてを統制する省庁の支配下にある、アフロ・ユーラシアの荒廃した首都。主人公Robertが家族の配給券を取り戻すために都市を走破します
- システム: 走る・跳ぶ・登る・滑るを組み合わせた慣性重視の移動、目標タイム、ゴースト共有、ランキング、隠しアイテムで解放されるB-Side、Steam Workshop対応
- ボリューム: 各メインステージに対応するB-Sideが存在しますが、総ステージ数は公式に発表されていません
- Steamの評価: 900件のレビューで好評875件・不評25件、「圧倒的に好評」
- 評価される点: 操作感の気持ちよさ、巨大建築とアンビエント音楽による没入感、価格の安さ
- 留意点: ルートが分かりにくい場面がある、物語は断片的、上位タイムやB-Sideの難易度が高い、Steam Deck互換性評価はストアに表示されていない
コンクリートの峡谷を、ただ速く抜けていく。それだけの行為が、これほど手応えのある体験になる。VHOLUMEは、ストーリーでもキャラクターでもなく「移動」という一点に賭けた作品です。物語を期待すると空振りしますが、身体感覚に賭けたゲームとしての完成度は、発売直後のレビュー評価が示すとおり高い水準にあります。無料デモが用意されているので、まずはあの巨大建築の谷間を数分走ってみて、自分の身体に馴染むかどうかを確かめてみてください。







