In Falsusは、首輪によって感情も嘘も隠せない世界を舞台に、5人の女子高生の物語とリズムゲームを一体化させたPC向けタイトルです。公式サイトは本作の世界を「遥かな影に覆われている」と表現し、「影のふもとでは感情も、偽りさえ隠せない」と綴っています。開発・販売は『Arcaea』の制作チームとして知られるlowiroで、同社の第二タイトルにあたります。

本作はSteamで2026年9月9日に発売されました。公式トレーラーの概要欄では「リズムゲーム × カードクラフト × ADV」と紹介されており、物語を読み進め、楽曲をプレイし、その報酬でカードを作るという3つの要素が1本の流れにつながっています。ここでは公式サイト・Steamストアの説明を軸に、発売日以降のメディア記事の内容も出典を分けて整理します。

作品概要

項目内容
タイトルIn Falsus
開発・販売lowiro
発売日2026年9月9日(Steam)
価格4,980円(2026年10月1日時点)
ジャンルSteam表記はアクション、インディー(公式は「リズムゲーム × カードクラフト × ADV」と紹介)
対応言語日本語対応(日本語はフル音声対応)、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)
プラットフォームPC(Steam/Windows 10以降。Mac・Linuxは非対応表示)
操作キーボード+マウス
プレイ人数シングルプレイヤー

発売に先立ち、2026年2月11日にはデモ版が配信されました。lowiroの告知によると、デモ版では3つのオリジナル楽曲を含む全5曲と、物語の序章を遊べる内容でした。Steamストアの最低動作環境はWindows 10以降(64ビット)、Intel i5-7500、メモリ8GB、NVIDIA GeForce GTX 980、ストレージ10GBの空き容量です。Steam実績(25個)、Steamクラウド、ファミリーシェアリングにも対応しています。

世界観・ストーリー

Steamストアの説明によると、舞台は「とある近未来の世界」です。それぞれ違った日常を過ごす5人の女子高生が、ある日突如として謎めいた政府直轄のプログラムへの参加を命じられ、自分たちの日常の裏側を直視することになります。公式トレーラーの概要欄は、この世界を「誰もが首輪に縛られ、影の下で生きる世界」と説明し、彼女たちの感情と嘘を暴き出す首輪が「もう一つの現実を開く鍵」になると示唆しています。

公式サイトの世界資料には、街として天淵(あまち)が紹介されています。天淵は国家オールヴェルドの「心臓部」とされ、中央大陸の森に抱かれるように天手河(あまてがわ)のほとりに築かれた街です。同じ資料には「宇(そら)」「天賜(グレース)」といった用語も登場します。

発売日(9月9日)に公開されたGame*Sparkの先行プレイレポートでは、プログラムの名称は「AARC(アーク)」と紹介されています。同記事によると、この世界の住人は着用者の精神状態を通知する首輪「バインド」の着用が義務付けられ、感情が大きく揺れ動くとインジケーターの色が変わり、言動と感情が一致しない発言、つまり嘘をつくと警告としてノイズが走ります。Steamストアの「感情が晒され、嘘が許されない世界で」という一文も、この設定に対応する記述とみられます。

物語はビジュアルノベル風のデザインで、5人のメインキャラクターの視点を行き来しながら展開し、日本語フルボイスで収録されています。Game*Sparkの記事は、視点ごとに「タイムライン」が用意され、同じ時間軸を別のキャラクターの視点でなぞれる構造だと説明しています。

ネタバレについて:公式の二次創作ガイドラインは、特に「第三章 / Arc 3」終盤以降のシナリオについて、SNSなどでの投稿時に『ネタバレあり』の明記とハッシュタグ「#infalsus_spoiler」の使用を推奨しています。本記事のストーリー紹介は、公式サイト・ストアと発売日のメディア記事で公開されている序盤の範囲にとどめています。

5人のメインキャラクター

公式サイトの登場人物紹介では、5人とも16歳の高校生で、それぞれに所属校と日本語キャストが公表されています(図1を参照)。

In Falsusの5人のメインキャラクターの所属校と担当声優の図
図1:5人のメインキャラクター(公式サイトの登場人物紹介をもとに作成)
キャラクター所属校CV公式の人物メモ(要約)
ニア ケーナ暁江高校和泉風花両親と暮らす。性格は非常に臆病
メイ アルダー暁江高校春花らんメゾネットで一人暮らしをし、生活費を自分で賄う。音楽を演奏する
高槻 あやめ天淵造形美術高等専門学院天希かのん学院寮暮らし。社交的で、画家として受賞歴がある
アイリス リールオスカー・ベック高等学校藤上あやめ両親と妹と暮らす。人を引き付ける魅力があり、暴力的とも書かれている
ストーリー エティエンヌゼニア学園齊藤未莉依数年前に海外から転入し、学園寮で暮らす。無口(ミュート)で、大変な読書家

公式英語サイトでの表記は nia cana、mei alder、ayame takatsuki、iris leal、story Étienne です。公式サイトのアイリスの人物メモには「例の計画に招聘する前に」という一文があります。

ゲームシステム・遊び方

本作の流れは、シナリオを読む、敵と対峙するリズムゲームパートに挑む、報酬の素材でカードを作る、という循環です(図2を参照)。以下、公式の説明とメディア記事の説明を分けて紹介します。

In Falsusのシナリオ・エンカウント・カード形成の基本ループの図
図2:基本ループ(公式サイト・Steamストアの説明とGame*Sparkのプレイレポートをもとに作成した概念図)

キーボードとマウスで叩くリズムゲーム

Steamストアと公式サイトによると、操作はキーボードとマウスを組み合わせた独自方式です。キーボードでフロア部分に流れてくる「ノーツ」を拾い、マウスで空中の「フィールド」部分を追います。公式サイトは、キャラクターたちが劇中で誰かと「魂ごと交わるようなやり取り」をする場面を、このノーツの流れとして表現したと説明しています。難易度は4段階で、Steamストアは、ノーツとフィールドの密度が「進むごとに激しさを増していきます」と説明しています。

Game*Sparkのプレイレポート(発売前の先行プレイ)では、ボタン6つとマウス操作の組み合わせとされ、難易度ごとに使うキーの数が異なります(図3を参照)。MINIMALは最大4つのキー、EVOLVEDは5つのキー(レーン自体は6つ使う)、ULTIMATEは6つのレーンをすべて使い、FORBIDDENではさらに2レーン以上にまたがるノートが登場します。

In Falsusの4段階の難易度と使うキー数、解禁条件の図
図3:4段階の難易度(Game*Sparkのプレイレポートをもとに作成)

同記事によると、MINIMALとEVOLVEDは楽曲の解禁と同時に遊べますが、上の難易度は段階的な解禁制です。EVOLVEDの難易度6以上の譜面を一定数クリアするとULTIMATEが、難易度8以上のULTIMATE譜面を一定数クリアすると難易度10のFORBIDDENが解禁されます。クリア条件は「ミスゲージ」で判定され、開始時に15点(最大15点)が与えられ、ミスで減り、上手く演奏すると回復します。楽曲終了時に0以上であればクリアで、ゲージはマイナス15点で下げ止まるため、前半のミスを後半で取り返すこともできます。

操作のコツ(メディア記事より):Game*Sparkの筆者は、初期配置では左手でキーボードを叩くことになるため、右利きの人はキーコンフィグで右手側のキーを押す配置に変えるのがおすすめだと書いています。どちらの配置でも小指まで使うため、最初は押したいキーが押せない状態から始まるとも述べています。

エンカウント:カードと音ゲーの複合戦

Steamストアの説明では、物語を進めるたびに対峙すべき相手や助け合える仲間と出会い、それぞれが特別な楽曲と結びついています。Game*Sparkの記事によると、シナリオ中に敵と対峙する「エンカウント」がリズムゲームパートにあたり、勝利すると楽曲が解禁されます。

同記事の説明では、エンカウントの前にカードを5枚セットします。カードには攻撃力と防御力があり、攻撃力の合計が与えるダメージに、防御力の合計が受けるダメージの軽減と開始時の総体力に関わります。楽曲が始まるとお互いにダメージを与え合い、カードは楽曲の進行に合わせて左から順に自動で使われます。相手側もカードをセットしてくるため読み合いがあり、カードには5つの属性が設定され、敵の弱点属性のカードをセットするとステータスが1.25倍になります。

エンカウントの敗北条件(Game*Spark準拠):自分の体力が0になるとその時点で終了します。楽曲終了時に敵の体力を0にできていない場合や、クリア条件(ミスゲージ)を満たしていない場合も敗北です。演奏の精度とカード編成の両方が求められます。

設計図と粒子によるカード形成

公式サイトによると、楽曲をクリアすると特殊な素材『粒子』を獲得でき、これを『設計図』に組み込むことで『カード』を形成します。粒子の組み込み方や盤面の埋め方によってカードの効果が変わり、Steamストアはこの設計図を「ひとつのパズルとして機能する」と説明しています。同じくSteamストアによると、形成したカードにはキャラクターやシナリオ中の印象的な場面が複数のイラストレーターによって描かれており、楽曲プレイ時には最大5枚まで装備できます。

Game*Sparkの記事によると、設計図はシナリオを進めると手に入り、カードを作っても消費されません。クラフト画面はヘックスマスで仕切られたマップで、粒子を色に合わせて配置して攻撃力・防御力を上げます。使える粒子の個数には上限があり、粒子同士を重ねる、隣接していない塊を作るといったルール違反はペナルティになり、3回以上でステータスが0になってクラフトできなくなります。

フリーモード

Game*Sparkの記事によると、フリーモードでは解禁済みの楽曲を好きなだけ遊べます。欲しい粒子を持つ相手を設定してエンカウントの勝利条件を満たすと粒子を獲得でき、シナリオを進めるほど強力な粒子を持つ相手が追加されます。フリーモードでは体力が0になっても楽曲を最後までプレイでき、相手を設定しなければ通常のリズムゲームとして楽曲のクリアだけに集中できます。

収録楽曲とサウンド

Steamストアによると、収録楽曲は70曲を超え、そのうち40曲以上がオリジナル新曲です。日本のインディー・同人音楽シーンのアーティストに加え、国籍豊かなアーティストが参加しています。lowiro公式YouTubeチャンネルの「Music Gameplay Showcase」では、次の楽曲が紹介されています。

  • “Cryogenic” by Camellia ft. Petra Gurin
  • “New Vision” by ii/night feat. shizuki
  • “MIRINAE” by TAK × Zekk
  • “à la mode” by aran
  • “Hyaloüyne” by ak+q
  • “Sin Utopia” by Kobaryo

2026年9月30日には、追加楽曲パック「In Falsus – Virtual Singers Song Pack」(楽曲パック『Virtual Singers』、700円)がSteamで発売されました。ストアの説明によると、DECO*27「モニタリング」、ピノキオピー「ノンブレス・オブリージュ」、みきとP「ロキ」、Neru「ロストワンの号哭」、うたたP「幸せになれる隠しコマンドがあるらしい」の5曲を収録し、本編シナリオの進行度に関係なくプレイできます。

Steamでの評価

Steamレビューでは、2026年10月1日時点で総レビュー1,103件のうち好評992件・不評111件で、評価ラベルは「非常に好評」です。好評の割合は約9割です。

個別のレビューを見ると、一部のSteamレビューでは価格に対する内容量やリズムゲーム部分の出来が評価されています。一方で、楽曲がストーリーの進行で解禁される点、カード形成のパズルが必須である点、キーボードとマウスの同時操作に慣れるまでの壁の高さを指摘するレビューも見られます。

海外メディアでは、NoobFeedのレビューが「The actual rhythm gameplay is excellent」とリズムゲーム部分を評価する一方、サイドレーンのノーツの視認性や、選択肢や分岐エンディングが無く、用語集やあらすじ機能も無い点を挙げています。Final Bossのレビュー(7/10)は、マウスで操作する空中レーンを本作の中心と評価しつつ、楽曲のほぼすべてがストーリー進行に結び付けられている点を難点としています。PC Gamerのレビューも、見出しで「最良の楽曲が物語の後ろに閉じ込められている」という趣旨を述べています。

発売後のアップデート

Steamの公式ニュースによると、発売後にはv1.0.3(9月11日)、v1.0.4(9月18日)、v1.0.5(9月30日)のパッチが配信されています。v1.0.4では、後半のArcで意図より難しくなっていた一部のエンカウントの難易度が下げられ、日本語・中国語のシナリオテキストも調整されました。v1.0.5では追加楽曲パック『Virtual Singers』が追加されています。

こんな人におすすめ

向いている人
・『Arcaea』などlowiroの作品やインディー・同人系の楽曲が好きな人
・日本語フルボイスのビジュアルノベル形式で、複数視点の物語を読みたい人
・キーボードとマウスを同時に使う、ほかの音楽ゲームとは異なる操作に挑戦したい人
・演奏の腕前だけでなく、カード編成やパズル的なクラフトも楽しみたい人

注意点

購入前に確認したい点
・Steamストアの対応OSはWindowsのみで、Mac・Linuxは非対応の表示です。
・操作はキーボード+マウスが前提です。Steamストアにはコントローラー対応の表示がありません。
・Game*Sparkの記事によると、小指まで使う6キー構成のため、操作に慣れるまで時間がかかります。上位難易度は段階解禁です。
・シナリオ中のエンカウントは、演奏が上手くてもカードの編成や属性が合わないと勝てない場合がある設計です。

類似作品

本作と関係の深い作品として、まず開発元lowiroの前作『Arcaea』が挙げられます。Steamの公式ニュースで本作は「The second music game title from lowiro」(lowiroの2作目の音楽ゲーム)と紹介されており、ローンチトレーラーの概要欄でも「Arcaea制作チーム」の新作とうたわれています。

メディアの比較では、NoobFeedのレビューが上位譜面の難しさを『SOUND VOLTEX』のレベル14〜15の譜面になぞらえ、雰囲気や設定の面では『十三機兵防衛圏』を引き合いに出しています。

まとめ

  • 開発元: 『Arcaea』の制作チームlowiroの第二タイトル。Steamで2026年9月9日発売、価格は4,980円
  • 物語: 感情と嘘を暴く首輪「バインド」がある近未来の世界で、政府直轄のプログラムに参加させられた5人の女子高生を、日本語フルボイスのビジュアルノベル形式で描く
  • 操作: キーボードでノーツ、マウスで空中の「フィールド」を追う独自方式。難易度はMINIMAL・EVOLVED・ULTIMATE・FORBIDDENの4段階
  • カード: 楽曲クリアで得た粒子を設計図に配置してカードを形成し、最大5枚を装備してエンカウントに挑む
  • 楽曲: 70曲超・うちオリジナル40曲以上。追加楽曲パック『Virtual Singers』(700円)も配信中
  • 評価: Steamレビューは1,103件で「非常に好評」(2026年10月1日時点)

購入はSteamストアページから、世界観資料や登場人物紹介は公式サイトで確認できます。