Escape the Backroomsは、ネット発の都市伝説「バックルーム(The Backrooms)」を題材に、最大4人での協力プレイに対応した一人称視点のホラー探索ゲームです。単調な黄色い壁紙、湿ったカーペット、絶え間なく唸る蛍光灯——写真一枚から生まれたその不気味な空間が、脱出条件を探して歩き回る「遊べる迷宮」として立体化されています。

2022年8月11日にSteamの早期アクセスとして公開され、約3年の更新を重ねた末、2025年10月23日に正式版(Version 1.0)へ到達しました。2026年8月27日時点でSteamのレビュー総数は16万件を超え、評価ラベルは「非常に好評」。価格は1,200円です。

この記事では、Steamストアの公式情報と公式アップデート告知を軸に、本作の世界観、ゲームシステム、評価、注意点を整理します。ゲーム内の細かな仕様には攻略ガイド由来の情報も含まれるため、その場合は出典を明示して区別します。

作品概要|3年の早期アクセスを経て到達した正式版

本作は開発元Fancy Gamesの小規模なプロジェクトとして始まりました。Steamの公式告知によれば、開発者がUnreal Engineを触り始め、アセットを組み合わせて最初のバージョンを作り上げたところが出発点だったとされています。早期アクセス期間中にレベルやエンティティが拡張され、正式版とコンソール版の開発にはBlackbird Interactiveが開発支援として参加しました。

項目内容
タイトルEscape the Backrooms
開発Fancy Games / Blackbird Interactive(Steamの開発元表記)
販売Secret Mode
早期アクセス開始2022年8月11日
正式リリース2025年10月23日(Version 1.0)
価格1,200円(2026年8月27日時点、割引なし)
ジャンルアクション/インディー(Steam分類)。内容としては一人称視点の協力型探索ホラー
プレイ人数1人〜最大4人のオンライン協力プレイ
対応言語日本語対応(インターフェース)。英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、トルコ語、ポーランド語、ポルトガル語(ブラジル)にも対応。フル音声対応は英語のみ
対応OS(Steam版)Windows 10/11 64bit。macOS・Linuxのネイティブ版は提供されていない
その他のプラットフォームXbox Series X|S、PlayStation 5、Nintendo Switch 2(Xbox版はGame Pass対応)
Steam DeckPlayable(Verifiedではない)
Steamレビュー162,229件/「非常に好評」(2026年8月27日時点)
ストアページSteamストアページ

開発体制についての補足:Steamページ下部の法的クレジットには「Developed by Scaretech Studios LLC」という表記があります。ストアの開発元欄と法的表記が一致しないため、開発体制を調べると混乱しやすい点です。

世界観|「バックルーム」という都市伝説を土台にした空間

バックルームの原点は、2019年5月に4chanのオカルト板へ投稿された一枚の画像と、翌日に別のユーザーが添えた短い文章にあります。現実の「間違った場所」でノークリップ(no-clip、当たり判定をすり抜けること)すると、そこへ落ちる。湿ったカーペットの臭い、単調な黄色、最大音量で唸る蛍光灯、無人の部屋がどこまでも続く——という描写が、その後の膨大な二次創作の出発点になりました。

重要なのは、バックルームには唯一の「正史」が存在しないという点です。「Level 0」という階層の呼称も、多数のレベル設定も、後年になってコミュニティWikiが共同創作として整理していったものです。本作の世界観も、原典そのままの再現ではなく、コミュニティ由来の設定を取り込んだこのゲーム独自の実装として捉えるのが正確です。

Steamストアの公式説明では、本作は「人気のクリーピーパスタを基にしたバックルームに出現する不気味で奇妙な懐かしさを覚えるステージ」を舞台に、「果てしなく広がるかのような空間」を探索するゲームだと紹介されています。

公式説明が繰り返し強調しているのは「徹底した没入感」です。リアル志向のグラフィック、最小限に抑えられたユーザーインターフェース、陰鬱な雰囲気。この三つの組み合わせによって、画面上に情報を並べ立てるのではなく、環境そのものにプレイヤーを閉じ込めるタイプのホラー体験が作られています。

リミナルスペースという魅力:バックルームが広まった背景には、「人がいるはずの場所に誰もいない」という違和感——いわゆるリミナルスペース(境界的な空間)への感覚があります。見慣れた施設が無人のまま続く「奇妙な懐かしさ」こそが、公式説明の掲げるステージ設計の核です。

ゲームシステム|最大4人で「脱出条件」を探す一人称協力ホラー

本作の視点は一人称です。プレイヤーはバックルームに閉じ込められた存在として、レベルごとの脱出条件を探し出し、次の階層へ進んでいきます。1人でも遊べますが、公式が前面に押し出しているのは最大4人のオンライン協力プレイです。

コアループ|探索、謎解き、そして遭遇

基本的な流れは「広大なレベルを探索する」「進行に必要な要素を見つける」「徘徊するエンティティをやり過ごす」「出口へ到達する」の繰り返しです。戦闘を主軸とする作品ではなく、多くのエンティティは相手の特徴を素早く理解して回避したり、個別の対処法で切り抜けたりするのが基本です。ただし、Steamコミュニティの攻略ガイドによれば、一部には撃退・排除して先へ進む場面もあります。公式説明も「この恐怖から生き残りたければ、素早く敵を理解する必要がある」と述べています。

協力プレイでの脱出条件は、仲間との距離感に直結します。公式説明では、仲間が不意にマップ上の別のエリアへ通り抜けてしまうことがあり、チームから離れすぎればあっという間に遭難する、と警告されています。そのうえで脱出するには、チームの全員が生きて出口へ到達する必要があるとされており、「取り残される放浪者はいない(No wanderer left behind)」と明記されています。ユーザー作成の攻略ガイドには難易度によって到達条件が異なるという記載も見られますが、現行版の公式仕様としては未確認です。いずれにせよ、はぐれた仲間をどう合流させるかが緊張感の源になっています。

近接ボイスチャット|声を出すこと自体がリスクになる

本作を語るうえで外せないのが、距離に応じて聞こえ方が変化する近接ボイスチャットです。仲間が近ければ声はよく届き、離れれば届かなくなる。だからこそ、はぐれた仲間を呼ぶには声を張り上げるしかありません。

しかし公式説明はここに一段の仕掛けを加えています。エンティティにもプレイヤーの声が聞こえる、という仕様です。危険が迫っているときは口をつぐんでおくのが吉——公式説明のこの一文が示す通り、「情報を共有したい」欲求と「音を立てたくない」恐怖がリアルタイムで衝突します。ボイスチャットが便利機能ではなくゲームメカニクスとして機能している好例です。

本作を最大限楽しむために:公式には1人から最大4人までの対応で、シングルプレイ機能も用意されています。ただし、近接ボイスチャットのように声の届く距離そのものが体験を左右する仕組みを味わいたいなら、気心の知れた友人との協力プレイが向いている、というのが本記事の見立てです。

難易度と死亡時の扱い(一部は攻略ガイド準拠)

本作には複数の難易度が用意されており、死亡時のペナルティが難易度によって変化します。ただし詳細仕様は公式ストアページに一覧としてまとまっていないため、出典を分けて記載します。

公式のパッチノートから確認できるのは、最高難易度Nightmareの仕様です。この難易度ではチェックポイントやセーブを利用できず、誰か1人でも死亡すると全員が最初からやり直しになる、と公式に説明されています。一方、Easy/Normalでは死亡者がテキストチャットで生存者と連絡を取れる、Hardでは1人でも死亡すると全員が直前のチェックポイントへ戻される——といった難易度別の挙動は、Steamコミュニティの現行版攻略ガイドに記載されている内容です。公式Web資料では確認できなかったため、実際の仕様はゲーム内でご確認ください。

アイテム|懐中電灯からアーモンドウォーターまで

探索を支えるアイテムも用意されています。公式の1.0告知ではAlmond Water(アーモンドウォーター)への言及があり、正式版でアイテムのモデル・ビジュアルが改善されたことも告知されています。Steamコミュニティの攻略ガイドによれば、ゲーム内では懐中電灯、ロープ、アーモンドウォーター、虫除けスプレー、温度計といった道具が使い分けられ、鍵やキーカードなどの進行用アイテムも登場するとされています。懐中電灯のフラッシュで特定のエンティティを怯ませる、温度計で熱を検知するといった対処法も、こうしたガイドで整理されています。

レベル構成|30以上のステージとHub

公式説明によれば、本作にはバックルームの都市伝説をもとにした独自の30以上のレベルが用意されています。それぞれのレベルが独自の脱出法を持ち、同じ攻略法が通用しないよう設計されています。

Steam公式の1.0告知で名前が挙げられている追加レベルは、以下の4つです。

  • Overgrowth
  • Bunker
  • Grassrooms
  • Level 974

また、公式の1.0告知では、クリア済みのミッションを選び直せるMission Select機能がHubモードに実装されたこと、複数の追加エンディング(Alternate Endings)が用意されたことが明記されています。

なお、Steamコミュニティの攻略ガイドでは、通常のゲームがLevel 0(The Lobby)と呼ばれる黄色い迷路から始まり、The Hubが複数のレベルへつながる中継地点として機能すると説明されています。公式Web資料でこの定義を確認できたわけではないため、攻略ガイド由来の情報として扱ってください。

エンティティ|レベルごとに異なる脅威

公式説明の通り、バックルームにはプレイヤーを敵とみなす数多くのエンティティが徘徊し、それぞれが違った特徴を持って待ち受けます。戦闘で正面から押し切る作品ではないため、多くは正体を理解して避ける・やり過ごすのが基本です。もっとも、攻略ガイドではLevel Fun+のParty Hostを花火(Firework)で倒して先へ進む場面や、Level 55.1でSmilerを懐中電灯やカメラの光で撃退できるといった記述も確認でき、対処法はエンティティごとに異なります。

Steam公式の1.0告知で名前を確認できるものとしては、Overgrowthの物語に関わるBacteriaKittyが挙げられます。それ以外にSteamコミュニティの攻略ガイドで名称が記録されているエンティティには、暗闇に浮かぶ光る笑顔のSmiler、懐中電灯のフラッシュで怯ませられるというHound、パーティー会場に集まるPartygoerなどがあります。これらの名称や対処法は主にユーザー作成ガイドによる表記であり、すべてがSteam公式記事で命名されているわけではない点にご留意ください。

初見プレイを大事にしたい方へ:本作の面白さの少なくない部分は、「このエンティティは何なのか」「どう対処すればいいのか」を手探りで確かめる過程にあります。一覧や対処法を事前に読み込むと、その驚きは薄れます。攻略情報は詰まったときの保険にとどめ、まずは何も知らないまま踏み込むのが最も贅沢な楽しみ方です。

見どころ・魅力

第一に、題材そのものの強さです。誰もいない空間がどこまでも続くというだけで居心地が悪い。本作はその「何も起きていないのに怖い」時間を取ったうえでエンティティとの遭遇を挟むため、緊張の緩急が自然に生まれます。

第二に、レベルごとに異なる脱出条件という設計です。30以上のレベルがそれぞれ独自の解法を持つため「同じことの繰り返し」になりにくく、次に何が来るのかという期待が持続します。

第三に、近接ボイスチャットが生む予測不能なやり取りです。仲間の声が徐々に遠ざかる、「静かに」と言った直後に誰かが叫ぶ。ホラーとして怖がるだけでなく、仲間の失敗を笑い合う遊びにもなる——この二面性が長く遊ばれている理由のひとつです。

価格に対するボリューム:1,200円で30以上のレベルと最大4人の協力プレイが遊べる点は、本作の分かりやすい強みです。正式版到達後も2025年11月のUpdate 1.01、12月のWinter Wanderer(Update 1.1)と無料アップデートが続き、衣装追加や不具合修正が重ねられています。

Steamでの評価

2026年8月27日時点のSteamレビュー集計は次の通りです。

項目数値
評価ラベル非常に好評
レビュー総数162,229件
好評145,814件
不評16,415件
好評率約89.9パーセント

16万件を超えるレビューで約9割の好評率を維持しているのは、インディー協力ホラーとして高い水準です。本作は2026年8月27日時点でSteamのトップセラーランキング39位、人気の新作ランキング17位に位置しています。

Steamレビューでは、友人と遊んだときの盛り上がり、バックルームらしい不気味な雰囲気、レベル数の多さなどを評価する声が寄せられています。一方で一部のレビューには、進行が止まる不具合、ヒントの少なさによる初見殺し、展開の反復感、ソロプレイだと魅力が落ちるといった不満も見られます。

レビューを読むときの注意:本作は3年以上の早期アクセス期間を経ているため、古いレビューには早期アクセス初期の状態を評価したものが含まれます。不具合を指摘する投稿の中にも、正式版で修正済みの問題が混ざっている可能性があります。購入判断の材料にするなら、日付を絞って正式版以降の投稿を確認するのが確実です。

アップデートとプラットフォーム展開

正式版リリース以降も、公式アップデートは継続して配信されています。Steam公式告知から確認できる主な流れは次の通りです。

時期内容
2022年8月11日Steam早期アクセス開始
2025年10月23日Version 1.0公開。新規4レベル、追加エンディング、Mission Select、既存レベルの拡張、パフォーマンス改善
2025年11月13日Update 1.01。PlayStationコントローラー対応、観戦カメラやレベル進行の不具合修正
2025年12月10日Winter Wanderer(Update 1.1)。キャラクター選択画面と衣装11種類を追加、Nightmare Modeの不具合修正

Steam版のPC対応OSはWindows 10/11の64bitに限られ、macOSとLinuxのネイティブ版はありません。一方でコンソール展開は進んでおり、公式告知によればXbox Series X|S、PlayStation 5、Nintendo Switch 2向けに提供され、Xbox版はPC and Xbox Game Passにも対応しています。

Steam Deckについては、公式の互換性判定はPlayableであり、Verifiedではありません。標準設定でのパフォーマンス自体は問題ないと判定されている一方、ボタン表記がSteam Deckと一致しない、テキスト入力時に仮想キーボードが自動表示されない、一部のインターフェース文字が読みづらいといった注意事項が挙げられています。

こんな人におすすめ

本作が向いている人:
・一緒に遊べる友人がおり、ボイスチャットを使った協力ホラーを探している方
・バックルームやリミナルスペースなど、無人の空間が持つ不安感に惹かれる方
・戦闘で押し切るのではなく、避ける・隠れる・逃げることが中心のホラーが好みの方
・手厚いチュートリアルより、自分たちで手探りして解法を見つける遊び方が好きな方
・1,200円で長く遊べる買い切りタイトルを探している方

逆に、ヒントが整備された親切な設計を求める方や、常にソロで遊ぶ予定の方には相性が良くない可能性があります。本作は仲間との連携が体験の中心を占め、Steam公式説明でも脱出にはチーム全員が生きて出口へ到達する必要があるとされているためです。

注意点|購入前に確認しておきたいこと

購入前の確認事項:
日本語はインターフェースのみの対応です。フル音声対応が明示されているのは英語だけで、日本語音声・日本語字幕への対応は確認できていません。
Steam版はWindows専用です。macOSやLinuxのネイティブ版は提供されていません。
Steam DeckはPlayable判定で、Verifiedではありません。操作・表示面で手動対応が必要になり得ます。
ヒントが少なく、死んで覚える場面があるとの指摘が一部のレビューで見られます。
協力プレイが体験の中心です。公式にシングルプレイ機能も用意されていますが、近接ボイスチャットなどの仕組みは複数人で遊ぶときに最も生きます。
有料DLCと公式サウンドトラックは、2026年8月27日時点のSteam上では確認できません。

なお、本作は既に早期アクセスを終了しており、2026年8月27日時点で販売されているのは正式版(Version 1.0以降)です。

類似作品

バックルーム系・協力ホラーには、本作以外にも選択肢があります。性格が異なるため、好みに応じて比較してみてください。

作品特徴本作との違い
Inside the Backrooms最大4人。各階層を探索し、協力パズルや物資管理、エンティティ対処を行う。近接ボイスチャットあり同じバックルーム題材で最も近い存在。パズルと物資管理をより前面に出した構成
Backrooms: Escape Together最大6人。写実的なグラフィックと近接ボイスチャット、プロシージャル生成されるレベル・敵配置毎回配置が変わるリプレイ性と、参加できる最大人数の多さが特徴
Phasmophobia最大4人の超常現象調査。EMFリーダーやカメラを使い、証拠から幽霊の種類を特定する脱出よりも「調査・推理」が中心。装備と証拠の組み合わせを詰めていく遊び
Lethal Company廃墟化した月でスクラップを回収し、会社のノルマ達成を目指す協力ホラー探索ホラーに戦利品回収と期限付きノルマを組み合わせた構成
The Outlast Trials1〜4人。倒すのではなく隠れる・逃げる・妨害道具を使うことが中心バックルーム題材ではないが、追跡・逃走の緊張感が近い。ゴア表現は強め

まとめ

  • 開発・販売: 開発はFancy Games/Blackbird Interactive、販売はSecret Mode
  • リリース: 2022年8月11日に早期アクセス開始、2025年10月23日に正式版(Version 1.0)へ到達
  • 価格: 1,200円(2026年8月27日時点、割引なし)
  • プレイ人数: 1人〜最大4人(シングルプレイ機能あり)。Steam公式説明では、脱出にはチーム全員が生きて出口へ到達する必要があるとされている
  • ボリューム: 独自の30以上のレベル。正式版でOvergrowth、Bunker、Grassrooms、Level 974が追加
  • 特徴的な仕組み: 近接ボイスチャット。エンティティにも声が聞こえるため、沈黙自体が生存戦略になる
  • 言語・環境: 日本語はインターフェース対応。Steam版はWindows専用、Steam DeckはPlayable判定
  • Steam評価: 162,229件のレビューで「非常に好評」(好評145,814件/不評16,415件)
  • 他機種: Xbox Series X|S、PlayStation 5、Nintendo Switch 2でも提供(Xbox版はGame Pass対応)

写真一枚と数行の文章から始まった都市伝説が、いまや16万件を超えるレビューを集める協力ホラーになりました。蛍光灯の唸りと仲間の声だけを頼りに出口を探す——その体験に惹かれるなら、仲間とボイスチャットをつないで踏み込んでみてください。はぐれた誰かを声だけで呼び戻せるかどうかが、脱出の分かれ目になります。