クレバテスⅡ-魔獣の王と偽りの勇者伝承-は、人属を滅ぼすかどうかを見極めようとする魔獣の王と、その王に生かされた屍の勇者、そして世界の行方を握る幼子が旅を続ける物語の、第2期にあたるTVアニメです。2026年7月8日(水)より放送が始まり、この記事を書いている2026年8月末時点でも放送は続いています。

第1期『クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-』は2025年7月2日にスタートし、全12話で王都崩壊から始まる異形の旅を描き切りました。そして今期、副題に掲げられたのは「偽りの勇者伝承」という不穏な言葉です。人属が信じてきた勇者と魔獣王の物語そのものに疑いの目が向けられる――そんな予感を漂わせながら、第2期は静かに、しかし確実に世界の根幹へと踏み込んでいきます。

クレバテスⅡ 基本情報

まずは公式サイトで確認できる第2期の基本情報を整理します。制作体制は前期から一新された部分もあるため、スタッフ表記は第2期公式サイトの記載に沿って掲載しています。

項目内容
作品名クレバテスⅡ-魔獣の王と偽りの勇者伝承-
英題Clevatess: The King of Devil Beasts Season 2
放送開始2026年7月8日(水)
話数全13話(第1幕〜第13幕)
原作岩原裕二『クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-』
アニメーション制作Lay-duce
監督・音響監督田口清隆
シリーズ構成小柳啓伍
キャラクターデザイン・総作画監督佐古宗一郎
サブキャラクターデザイン・総作画監督近藤奈都子
音楽信澤宣明
オープニング主題歌「Foreshadow」前島麻由
エンディング主題歌「Awake Anew」MYTH & ROID

話数の各回が「第◯話」ではなく「第◯幕」と表記されるのは第1期から続くこのシリーズの流儀で、公式のBlu-ray情報でも「第1幕〜第13幕」という括りが示されています。舞台劇のような数え方が、王と勇者と幼子をめぐる物語の格式にうまく噛み合っています。

世界観 ― 大地エドセアと四大魔獣王

物語の舞台となるのはエドセアと呼ばれる大地です。ここには複数の国と、人属と総称される人々が暮らしていますが、その生活圏は決して広くありません。四方を強大な魔獣の領域に囲まれ、人属は大地の内側に閉じ込められた状態に置かれているのです。

その四方を支配するのが四大魔獣王と呼ばれる存在です。彼らは単なる巨大な怪物ではなく、人語を解し、高度な知性と独自の価値観を備えています。

方角魔獣王
南方月光のクレバテス
北方焦爛のヴォーデイン
西方迷霧のザフティエ
東方群青のラスウェル

人属の側にも独自の力があります。王国ハイデンは、勇者に至宝と呼ばれる特別な武器を授ける伝統を持ち、王都ハイドラートを中心に大地の秩序を担ってきました。魔術は魔鉱石や魔結晶を用いる技術として発達し、国によっては軍事転用も進んでいます。

第2期の副題にある「勇者伝承」は、人属を守る勇者と魔獣王の戦いを語り継ぐ物語のこと。それが「偽り」と冠された時点で、この世界の前提そのものが揺らぐことを予告しているとみられます。何がどう偽りだったのかは物語の核心に関わるため、本記事では踏み込みません。

第1期のあらすじと第2期のスタート地点

ここから先は第1期の序盤の展開と、第2期第1幕の内容に触れます。まっさらな状態で観たい方はご注意ください。

ハイデン王は、人属の領域拡大を阻む南方の魔獣王クレバテスを討つため、至宝を託した13人の勇者を送り出しました。しかし勇者たちはクレバテスに敗北。人属を脅威と判断したクレバテスは報復として王都ハイドラートを壊滅させ、人属そのものを滅ぼそうとします。

その最中、瓦礫の下で死に瀕した少年シロが、ひとりの赤子をクレバテスに託しました。育てれば人属に生きる価値があるか分かる――そう説得されたクレバテスは、赤子にルナと名付けて保護します。さらに、自らに傷を負わせた唯一の勇者アリシアを魔血によって動く屍として蘇らせ、ルナの養育係としました。

人属を滅ぼすか見極めようとする魔獣の王、その王に生殺与奪を握られた屍の勇者、そして世界の運命を左右する赤子。この異色の一行が旅立つところから、シリーズは動き出しました。

第2期第1幕「神学校ソルセイン」

第2期の第1幕は「神学校ソルセイン」。公式のあらすじは「長い戦いの末、再会を果たしたハイデン王太后トアラとその息子ルナ。」という一文から始まります。長い戦いを経て、母子はようやく再会を果たしたのです。

ルナを保護した褒美を王太后トアラから与えられることになったクレンは、望みどおりルナ専属の魔術教師に任命されます。ところがルナの教育が始まるのは3歳から。それまでの約2年間、クレンはアリシアとともに神学校ソルセインへ通うことになります。

第1期が破壊と逃走の連続だったのに対し、第2期は学び舎という新たな舞台から幕を開けます。この落差そのものが、シリーズの語り口の幅広さを示していると言えるでしょう。

制作陣とキャスト

監督を務めるのは田口清隆。本作では音響監督も兼任しており、映像と音の設計を一手に担う体制になっています。シリーズ構成は小柳啓伍、キャラクターデザイン・総作画監督は佐古宗一郎、サブキャラクターデザイン・総作画監督を近藤奈都子が担当。音楽は信澤宣明が手がけます。アニメーション制作はLay-duceです。

主題歌は、オープニングが前島麻由の「Foreshadow」、エンディングがMYTH & ROIDの「Awake Anew」。曲名の意味を並べると「予兆」と「新たに目覚める」となり、副題が示す不穏さと、物語が新しい段階へ進むことを、両側から挟み込むような選曲になっています。

キャスト一覧

公式サイトのCAST欄に掲載されている顔ぶれは次のとおりです。

キャラクター声優
アリシア白石晴香
クレン田村睦心
クレバテス中村悠一
ヴォーデイン黒田崇矢
ザフティエ潘めぐみ
ラスウェル杉田智和
ルナ会沢紗弥
ナイエ黒沢ともよ
ロッド関智一
レイ梅田修一朗
メリーメリー菊池ゆりな
アンドリュー橘龍丸
ティゲル鈴木崚汰
リオン峯田大夢
サラサ久野美咲
エディソン西山宏太朗
ミレア関根明良
ローメイン佐野史郎

注目したいのは、クレバテス以外の三体の魔獣王――ヴォーデイン、ザフティエ、ラスウェル――にそれぞれ声優が立てられている点です。このうち北の魔獣王ヴォーデインは、公式サイトの第5幕あらすじにおいて、神学校ソルセインの学長エルロー・ローメインの背後にいる存在として登場しています。両者は勇者伝承の復活を目論み、クレンが持つ「トアの書」を狙う立場として描かれています。一方、ザフティエとラスウェルはキャスト欄に名を連ねているものの、公開済みの各話あらすじには名前が挙がっておらず、具体的な役割は明らかになっていません。なお、キャスト欄で「ローメイン」と表記される人物は、キャラクターページではフルネームがエルロー・ローメインと記されています。

主要キャラクター紹介

クレバテス(CV:中村悠一)

四大魔獣王の一体、南方を支配する月光のクレバテス。圧倒的な力と知性を併せ持ち、人属を滅ぼすべきかどうかをルナという一人の子どもを通して見極めようとしています。復讐者でも救済者でもなく、あくまで観察者として人属に向き合う姿勢が、この作品の緊張感の源になっています。

クレン(CV:田村睦心)

クレバテスが人属の社会で行動するために用いる人型の姿。ルナを託して息絶えた少年シロの容姿を模しています。第2期ではルナ専属の魔術教師に任命され、神学校ソルセインへ通うという、魔獣の王としては異例の日々を送ることになります。

アリシア(CV:白石晴香)

クレバテス討伐に向かった13人の勇者のうち唯一の女性で、剣聖マルゴの娘。クレバテスに傷を負わせた唯一の存在でしたが敗れ、魔血によって蘇生された屍の勇者となりました。人属を滅ぼすかもしれない相手に生かされ、その相手が育てる子を守るという、引き裂かれた立場に置かれ続けています。

ルナ(CV:会沢紗弥)

崩壊した王都でクレバテスに託され、名を与えられた子ども。ハイデン王家の血を引く存在であり、第2期の第1幕では母である王太后トアラとの再会が描かれます。3歳から始まる教育を待つ、まだごく幼い段階にあります。

ナイエ(CV:黒沢ともよ)/ロッド(CV:関智一)

第1期から登場している面々も第2期のキャスト欄に名を連ねています。ナイエは結晶魔術を扱う魔道士で、高い能力を持ちながら生き延びることを何よりも優先する現実主義者。ロッドは至宝「雪華」に選ばれた実力者です。

神学校ソルセインの生徒たちについては、公式サイトのあらすじで一部の立場が明らかになっています。レイ、メリーメリー、アンドリューは第2幕で「学年トップ3」と紹介される生徒たち。ティゲルとリオンは双子で、アリシアが利害の一致した相手として手を組むことになります。サラサとエディソンは、クレンと3人で下校することが多くなったと記されています。一方、ミレアについてはあらすじ本文に立場を説明する記述がなく、キャスト欄で名前が確認できるにとどまります。

作品のテーマ

この物語の根底にあるのは、「人属に生きる価値はあるのか」という問いです。しかも問いを立てているのは人間ではなく、人間を滅ぼす力を持った魔獣の王。判定者と被告が絶望的に非対称なこの構図が、シリーズ全体の背骨になっています。

第2期の副題「偽りの勇者伝承」は、そこにもう一つの問いを重ねます。人属が信じ、語り継ぎ、行動の拠り所にしてきた物語は、本当に正しかったのか。勇者を送り出したのは誰で、その判断は何に基づいていたのか。世界の前提を疑うという主題は、第1期の「滅ぼすか否か」という問いと表裏一体です。

興味深いのは、この問いが議論ではなく生活を通して検証されていくことです。クレバテスはルナを観察し、アリシアはルナを世話する。壮大な審判が、食事や教育といった日々の積み重ねに落とし込まれていく。抽象的な「人属の価値」という命題が、目の前の一人の子どもをどう扱うかという具体に還元されていく構造が、この作品の語り口を独特なものにしています。

そしてもう一つ、忘れてはならないのが育てるという営みです。滅ぼす対象を、その手で育てる。屍として生かされた勇者が、その子を守る。破壊と養育が同じ場所で同時に進行していく光景こそ、この作品を他のダークファンタジーと分けている部分でしょう。

見どころ

破壊のあとに置かれた「学び舎」という舞台

王都壊滅から始まった第1期に対し、第2期は神学校ソルセインという場所から動き出します。血と瓦礫の記憶を抱えたまま学び舎に身を置く一行の姿は、それだけで独特の緊張を生みます。教育という穏やかな営みが、魔獣の王と屍の勇者によって担われているという事実そのものが見どころです。

四大魔獣王という存在感

ヴォーデイン、ザフティエ、ラスウェルにそれぞれ配役がなされたことで、南方のクレバテスだけでは測れない世界の広がりが視野に入ってきます。黒田崇矢、潘めぐみ、杉田智和という顔ぶれからも、それぞれがまったく異なる質の存在として描かれることがうかがえます。

音楽が担う物語の温度

音楽を手がける信澤宣明と、田口清隆が監督・音響監督を兼任する体制は、劇伴と演出が同じ意図のもとで組み立てられることを意味します。破壊の記憶と学び舎の日常という、温度差の大きな二つの領域を一つの作品としてまとめ上げるうえで、音の設計は大きな役割を負っているはずです。

「幕」で刻まれる全13話の構成

全13話が「第1幕」から「第13幕」として数えられる構成は、この物語が一つの劇として設計されていることを示しています。第1期の全12話から一話ぶん増えた尺を、シリーズ構成の小柳啓伍がどう配分するのかも注目点です。

第2期から視聴を始める場合、第1期『クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-』(全12話)を先に観ておくことを強くおすすめします。クレバテスとアリシアの関係も、ルナという存在の重みも、第1期の出来事を知っているかどうかで受け取り方がまるで変わります。

放送・配信情報

2026年7月8日(水)より放送がスタートしました。公式サイトによれば全27局での放送で、開始日は局によって7月9日・7月11日となる場合もあります。主な放送局と時刻は次のとおりです。

放送局放送時間
AT-X毎週水曜 21:00
サンテレビジョン毎週水曜 24:00(木曜 0:00)
BS日テレ毎週水曜 24:30(木曜 0:30)

配信サービス

配信は、放送と同日の水曜22:00から始まる先行配信と、後日スタートする見放題配信に分かれています。

区分サービス
先行・最速配信(毎週水曜 22:00)dアニメストア、U-NEXT、アニメ放題
見放題配信(毎週月曜 22:00以降 順次)Prime Video、TVer、ABEMA、ディズニープラス、Hulu、DMM TV、FOD、Lemino、ニコニコ動画、バンダイチャンネル、milplus

このうちABEMA、ニコニコ動画、TVerでは無料での視聴機会が用意されています。まず一話だけ試してみたいという方は、この三つのいずれかから入るのが手軽です。配信開始のタイミングや無料公開の範囲は変更される場合があるため、視聴前に各サービスの案内を確認してください。

原作情報

原作は岩原裕二による漫画『クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-』です。2020年8月12日に電子コミックサービスLINEマンガで連載がスタートしました。縦スクロール・フルカラーという配信形式で発表されてきた作品で、単行本は当初LINE Digital Frontierの「LINEコミックス」から刊行されています。

2024年7月以降はKADOKAWAの「MFコミックス アライブ+シリーズ」から新装版が刊行されており、こちらは横組み形式です。2026年8月時点でKADOKAWA新装版は既刊13巻。新装版第13巻は2026年7月28日発売で、アニメ第2期の放送が始まった月に書店へ並びました。

縦スクロール・フルカラーで描かれた原作を、Lay-duceがどのように横位置の映像へ再構成しているか。原作を読んでからアニメを観る、あるいはその逆をたどると、演出の意図が見えてくる楽しみ方ができます。

まとめ

『クレバテスⅡ-魔獣の王と偽りの勇者伝承-』は、世界を滅ぼしうる存在が一人の子どもを育てるという異形の物語を引き継ぎつつ、人属が信じてきた伝承そのものへ視線を向ける第2期です。最後に要点を整理します。

  • 放送開始: 2026年7月8日(水)より放送中。全13話(第1幕〜第13幕)
  • 制作体制: アニメーション制作はLay-duce、監督・音響監督は田口清隆、シリーズ構成は小柳啓伍、キャラクターデザインは佐古宗一郎、音楽は信澤宣明
  • 主題歌: OP「Foreshadow」前島麻由 / ED「Awake Anew」MYTH & ROID
  • 物語の起点: 第1幕「神学校ソルセイン」。ルナ専属の魔術教師となったクレンが、教育開始までの約2年間、アリシアとともに神学校へ通う
  • キャスト: アリシア=白石晴香、クレン=田村睦心、クレバテス=中村悠一、ルナ=会沢紗弥。四大魔獣王のヴォーデイン=黒田崇矢、ザフティエ=潘めぐみ、ラスウェル=杉田智和も名を連ねる
  • 視聴方法: AT-X・サンテレビジョン・BS日テレほか全27局で放送。dアニメストア・U-NEXT・アニメ放題が水曜22:00から先行配信、Prime VideoやABEMA、TVerなどでも見放題配信
  • 原作: 岩原裕二『クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-』。LINEマンガ連載、KADOKAWA新装版は2026年8月時点で既刊13巻

第1期から続く「人属に生きる価値はあるのか」という問いに、「偽りの勇者伝承」という新たな謎が重なった第2期。学び舎という穏やかな舞台に置かれた魔獣の王と屍の勇者が、この先どこへ向かうのか。全13幕の行方を、じっくり見届けたい作品です。