魔法少女ノ魔女裁判は、「この中に、魔女になった少女がいる」という一文から始まる議論ミステリーアドベンチャーです。孤島の牢屋敷に囚われた少女たちが、殺人事件の犯人である「魔女」を議論で突き止めていきます。

本作はシナリオ制作会社Re,AERが立ち上げたクリエイティブブランドAcaciaの作品で、2025年7月18日にSteamで発売されました。発売前のクラウドファンディングでは6,680万円を集め、2026年8月にはSteam版とNintendo Switch版の累計で70万本を突破したと報じられています。以下、公式情報をもとにストーリーとゲームの仕組みを整理し、攻略サイトやメディア、Steamレビューの情報は出典を分けて紹介します。

作品概要

項目内容
タイトル魔法少女ノ魔女裁判(Steam英語ページの表記はMagical Girl Witch Trials)
開発Acacia、Re,AER
販売Re,AER、CIRCLE LINE GAMES
発売日2025年7月18日(Steam版)
価格通常価格3,500円(税込)。2026年10月9日朝の取得時点では20%オフの2,800円で表示(セール価格は時期によって変わります)
ジャンルSteamの分類はアドベンチャー、インディー、シミュレーション。公式の表記は「魔法議論ミステリーADV」
対応言語日本語対応(インターフェイス・字幕・フル音声)、中国語簡体字(インターフェイス・字幕)
プラットフォームSteam(Windows、macOS)。Nintendo Switch版は2026年7月9日発売
プレイ人数1人
体験版あり(Steamストアで配信)
公式サイトmanosaba.com

発売時のプレスリリースによると、Acaciaは「シナリオ制作会社Re,AER発のクリエイティブブランド」で、本作がその作品にあたります。AUTOMATONの記事では、Acaciaは2025年に発足したブランドで、本作がデビュー作と紹介されています。キャラクターデザインはイラストレーターの梅まろ氏です。制作時のクラウドファンディングページでは、シナリオライターとして喜多南氏・滝口流氏、BGM制作として近藤佑輔氏の名前が挙がっています。

Steamのストアページに早期アクセスの表示はなく、製品版として販売されています。第三者データベースのSteamDBが掲載しているValveの判定では、Steam Deckは「Verified(動作確認済み)」です。Steamストアはこちらから確認できます。

世界観・ストーリー

物語の舞台は、絶海の孤島に存在する牢屋敷です。高校1年生になるはずの朝、主人公のエマが目を覚ますと、そこは薄暗い檻の中でした。身に覚えのないまま囚われたエマに、フクロウは「キミはこの世界に害をなす――『魔女』である可能性があると認定された」「ここで、一生囚人として生活してもらう」と告げます。エマは囚人生活の中で、同じ魔女候補の少女たちと知り合っていきます。

やがて牢屋敷では、紛れ込んだ『魔女』の手による殺人事件が起こります。フクロウは囚人の少女たちを集め、「魔女裁判を執り行う」と宣言します。Steamのストア説明文はこれを、13人の少女たちの中から一人ずつ『魔女』、すなわち処刑対象を選んでいく残酷なゲームと説明しています。牢屋敷とはなにか、魔女とはなにか、真犯人は誰なのかが物語の軸です。ストア説明文には、ストーリーをクリアして新たなストーリー体験を迎えても、さらに新たな視点が明らかになるとも書かれています。

13人の少女と担当声優

発売時のプレスリリースでは、13人全員の名前・読み・担当声優と紹介文が公開されています。魔法は一部の少女だけが明かされ、主人公のエマを含むほかの少女は「???」と伏せられています。

名前(読み)CV公式紹介の要点
桜羽エマ(サクラバ エマ)三木谷奈々主人公。ポジティブで元気だが、寂しがりやで他人に嫌われることを極端に怖がる
二階堂ヒロ(ニカイドウ ヒロ)東雲はる成績優秀な大和撫子。『正しくないもの』に一切容赦しない
夏目アンアン(ナツメ アンアン)葵あずさ引きこもりの少女。スケッチブックの筆談で話し、一人称は『わがはい』
城ケ崎ノア(ジョウガサキ ノア)井口裕香正体を知られていないストリートアーティスト。魔法は液体操作
蓮見レイア(ハスミ レイア)小清水亜美中性的な容姿で女性人気の高い有名な役者
佐伯ミリア(サエキ ミリア)高森奈津美白ギャル風の見た目に反して大人しく、心優しい
宝生マーゴ(ホウショウ マーゴ)樹冬華詐欺師の少女。親しげに振る舞うが本心では誰も信じていない
黒部ナノカ(クロベ ナノカ)大熊和奏牢屋敷に強い敵意を燃やし、ルールや構造に詳しいが単独行動を好む
紫藤アリサ(シトウ アリサ)石井未紗口が悪くケンカっぱやい不良の家出少女。魔法は発火
橘シェリー(タチバナ シェリー)柊優花自称名探偵。好奇心旺盛だが一切の道徳心を持たない。魔法は怪力
遠野ハンナ(トオノ ハンナ)石崎紗彩お嬢様言葉で名家の令嬢を騙るが、実際は貧乏な家庭の生まれ。魔法は浮遊
沢渡ココ(サワタリ ココ)比良坂芽衣配信時は明るいストリーマー。本性は毒舌で気分の上下が激しい
氷上メルル(ヒカミ メルル)山下七海極端に臆病で心配性、常に半泣き。魔法は治癒

ポイント:公式紹介の時点で、名探偵を名乗りながら道徳心を持たないシェリー、詐欺師のマーゴ、身分を偽るハンナなど、嘘や裏の顔を抱えた人物が多く並んでいます。ストア説明文にある「彼女たちの発言の矛盾を暴き出し、嘘つきの『魔女』を探し出す」という遊びと、人物設定が結びついている点が読み取れます。

ゲームシステム・遊び方

公式の説明では、本作はADVパートと魔女裁判パートで構成されています。少女たちとの共同生活を描くADVパートで物語を進め、殺人事件が起きると牢屋敷を調べて証拠を集めます。その後の魔女裁判で、議論と推理によって犯人を炙り出します。少女たちがそれぞれ持つ魔法が、事件のトリックに関わる場合があるのが本作の特色です。流れは図1を参照してください。

ADVパートと魔女裁判パートの流れの図
図1:ADVパートと魔女裁判パートの流れ(公式のゲーム紹介、攻略サイトGame8、Game*Sparkのプレイレポをもとに作成)

ADVパートと捜査

攻略サイトのGame8は、ADVパートを「囚人である少女たちと交流を深めながら、牢屋敷の謎を解き明かしていくパート」と説明しています。事件が起きるまで物語を読み進め、事件後は牢屋敷の各所を回って証拠を集めます。Game8の攻略チャートでは、マップから移動先を選び、調査地点で証拠品を入手する形式です。

日常パートには選択肢があり、Game*Sparkのプレイレポでは、片方を選ぶとBADENDに直行する作りだと紹介されています。設定で選択肢のヒント表示をオンにできることも、同じレポで触れられています。

魔女裁判パート

魔女裁判では、少女たちの発言に含まれる矛盾を指摘し、事前に集めた証拠や魔法の情報を使って魔女を特定します。Game8によると、裁判の選択肢には「賛成」「反対」「疑問」があり、魔女を特定した後は処刑パートに移ります。処刑で裁判パートが終わると、再びADVパートへ戻ります。

Game*Sparkのプレイレポには、裁判中の推理ミニゲームで時間切れになるとゲームオーバーになり、タイトル画面に戻されるという記述があります。プレイ当時はオートセーブが無く、手動セーブを忘れて数時間分戻ったと書かれています。この点は、2026年2月5日のアップデート(バージョン1.1.2)でオートセーブが実装されました。Steamのお知らせによると、ADVパートの各シーンの冒頭と選択肢の表示時、裁判パートの各議論の冒頭で自動保存され、オートセーブデータは最大12個まで残ります。

ボリュームと体験版

発売時のプレスリリースでは、スチルCG70種、BGM60種、膨大なボリュームのフルボイスが特徴として挙げられています。クリア時間について、Game8は公式クラウドファンディングページ由来の目安として20〜30時間を紹介し、攻略班のプレイ記録は約25時間としています。

Steamでは体験版が配信されています。Game8によると、体験版でプレイできるのは第1話のADVパートと捜査パート、裁判の導入までで、所要時間は約2〜3.5時間です。体験版のセーブデータは製品版に引き継げないと案内されています。

見どころ

メディアの記事では、魔法と推理の組み合わせが本作の持ち味として取り上げられています。AUTOMATONは「登場人物たちがもつ魔法が絡んだ複雑なトリックは本作の持ち味」と書いています。同じ記事は、梅まろ氏のキャラクターデザインと声優陣の演技にも触れています。

Game*Sparkのプレイレポは、伏線と種明かしの配置、キャラクターごとのトラウマや人格の変化の描き方、魔法がキャラクターごとに決まっていて推理を盛り上げる点、ヒントが答えを言いすぎない点を評価しています。

発売後も展開が続いています。図2のとおり、Steam版は発売から間もない2025年7月下旬に国内のSteamランキングで1位となり(公式Xの発表、AUTOMATON掲載)、2025年9月に10万本、同年10月にSteam版20万本の突破が報じられました。2026年7月9日にはNintendo Switch版が発売され、8月1日にはSteamでデジタルサウンドトラック(全60曲・2,600円)が発売されています。コミカライズは、KADOKAWAの月刊誌『コミックアルナ』37号(2025年7月16日発売)から、時任せつな氏の作画で連載が始まりました。Acaciaの新作『魔法少女ノ因習村』は2025年6月にグッドスマイルカンパニーから発表され(Acaciaが原作・製作を務めることは同年8月に公表)、同年10月30日に公式サイトが公開されて2026年発売予定と告知されました。

魔法少女ノ魔女裁判の発売前後の主な出来事の図
図2:発売前後の主な出来事(Re,AERのプレスリリース、Steamのお知らせ、任天堂公式、AUTOMATON・電ファミニコゲーマーの報道をもとに作成)

Steamでの評価

Steamレビューでは、2026年10月9日時点で全言語34,474件のレビューが集まり、評価は「圧倒的に好評」です。内訳は好評33,268件、不評1,206件で、好評の割合は約96.5%にあたります。

項目数値(2026年10月9日時点・全言語)
評価ラベル圧倒的に好評
レビュー総数34,474件
好評33,268件
不評1,206件

メディアの指摘では、Game*Sparkのプレイレポが気になった点として、BADENDの中に暗転するだけのものや少女が酷い目に遭うだけのものがあること、「値段相応のチープな作りの部分もある」ことを挙げています。

こんな人におすすめ

向いている人:閉鎖空間での共同生活・殺人事件・裁判を軸にした推理アドベンチャーが好きな人、キャラクターごとの能力がトリックに絡むミステリーを読み解きたい人、フルボイスで長編の物語を追いたい人に向いています。

注意点

注意:Steamストアの成人向けコンテンツの説明には、流血、殺人、拷問、詳細な死の描写、自殺の描写、心理的ホラーなどが挙げられています。暴力描写の多くはテキストや間接的な表現で、プレイヤーの選択で避けられるものもありますが、物語の進行に必要な捜査・裁判の場面では一部が直接表示され、証拠として繰り返し参照されることがあると説明されています。また、対応言語は日本語と中国語簡体字のみで、音声は日本語だけです。

類似作品

AUTOMATONは、共同生活で起きた殺人事件の手がかりを集め、裁判を通して犯人を処刑するという舞台設定とゲームサイクルを『ダンガンロンパ』シリーズ(スパイク・チュンソフト)になぞらえる声が多いと報じています。Game*Sparkのプレイレポも、本作をデスゲーム系ADVの基本フォーマットを踏まえた作品として扱っています。

まとめ

  • 作品の骨格: 絶海の孤島の牢屋敷に囚われた13人の少女が、殺人事件のたびに魔女裁判で処刑対象を選ぶ議論ミステリーADV。開発はAcaciaとRe,AER
  • 遊び方: ADVパートで共同生活と捜査を進め、魔女裁判パートで発言の矛盾を指摘して魔女を特定する。少女ごとの魔法が事件のトリックに関わる
  • 基本情報: 2025年7月18日にSteamで発売、通常価格3,500円。日本語はフル音声対応。体験版あり、Switch版は2026年7月9日発売
  • 評価: Steamレビューは34,474件で「圧倒的に好評」。販売本数はSteam版とSwitch版の累計で70万本突破と報じられている
  • 注意点: 殺人・処刑などの残酷な描写を含み、一部は物語の進行上避けられない。オートセーブは2026年2月のアップデートで追加済み