【over the hill】評価・遊び方・日本語対応|art of rally開発元の新作

over the hillは、『art of rally』の開発元 Funselektor Labs Inc. が手がけるオフロード探索ゲームです。1960〜80年代の四輪駆動車に乗り込み、森や湖畔、山あいの悪路を進みます。道の割れ目には板を渡し、登り切れない斜面ではウインチで車体を引き上げます。ソロでも、友人とのオンライン協力プレイでも遊べます。
公式サイトは本作を「This is a driving game, not a racing game.」(レースではなく、ドライブのゲーム)と説明し、「to do something dangerous slowly is an adventure.」という一文を掲げています。タイムを競う要素はなく、Steamでは「時間制限付き入力なしでプレイ可能」に分類されています。どの道を選び、どこで車を止めて景色を眺めるかはプレイヤーに任されています。
Steam版の発売日は、Steamストアの表記で2026年10月14日です。2026年10月15日朝の時点で、Steamのユーザーレビューは361件・評価「非常に好評」です。以下、基本情報、遊び方の流れ、レビューの内容、購入前に確認しておきたい点を、公式情報と海外メディアの記事に分けて紹介します。
作品概要と基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | over the hill(公式表記はすべて小文字) |
| 開発・販売 | Funselektor Labs Inc.(公式プレスキットではカナダ・バンクーバー拠点) |
| 発売日 | 2026年10月14日(Steamストアの表記)。発売前の4Gamer報道(2026年8月12日)では、日本では時差により15日となる見込みとされていました |
| 価格 | 3,150円(リリース記念セールで20%オフの2,520円、10月28日まで) |
| ジャンル | アドベンチャー/カジュアル/インディー/レース/シミュレーション/スポーツ(Steamの分類) |
| プレイ人数 | 1人、またはオンライン協力プレイで最大4人(本人+友人3人) |
| 対応言語 | 16言語。日本語対応あり(Steamストアの表示はインターフェースのみ) |
| プラットフォーム | PC(Steam)。動作環境の掲載は Windows と SteamOS + Linux、Mac は非対応。Steam Deck は「認証済み」表示。PS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2 版は2027年発売予定(具体的な日付は未発表) |
| 早期アクセス | 早期アクセスではなく製品版として発売 |
最低動作環境は、OS が Windows 10、CPU が Intel Core i5-7400/AMD Ryzen 5 2600、メモリ8GB、GPU が NVIDIA GTX 1070/AMD Radeon RX 5600、空き容量4GBです(フルHDで検証した値とストアに注記)。ネットワークの欄には「ブロードバンドインターネット接続」と書かれています。発売告知では、GeForce NOW でも遊べると案内されています。
開発元 Funselektor とこれまでの作品
Funselektor は2014年、創業者の Dune Casu 氏がゲームジャムで作ったプロトタイプから始まったスタジオです。そのプロトタイプが2015年のデビュー作『Absolute Drift』になり、続いてラリーゲーム『art of rally』(2020年)を発売しました。3作目のモータースポーツ経営ゲーム『Golden Lap』(2024年)は、Strelka Games と組んで制作しています。over the hill は『Golden Lap』に続く新作で、4Gamer や AUTOMATON は本作も Strelka Games との共同開発と報じています(Steamストアの開発元表示は Funselektor Labs Inc. のみ)。公式の発売日告知によると、出発点は『art of rally』のフリーロームが持つ自由さで、そこに冒険と静かな探索を加えたものです。
ゲームプレイ映像の公開から発売までの流れは図1のとおりです。2025年4月のショーケース「Triple-i Initiative」でゲームプレイ映像が公開されました。2026年6月の Steam Next Fest では体験版が配信されています。体験版の時点では日本語表示に対応しておらず、製品版で対応する予定とAUTOMATONが報じていました。

AUTOMATON によると、体験版のダウンロード数は20万回以上(Dune Casu 氏のX投稿より)、同時接続数は最大5,954(SteamDBより)に達しました。2026年4月には、開発元がウィッシュリスト登録数100万件を発表しています。
DLC・バンドル(Steam日本ストアの表示)
| 商品 | 価格 | 内容 |
|---|---|---|
| over the hill(本編) | 3,150円(セール中2,520円) | ゲーム本編 |
| over the hill Soundtrack | 1,350円 | サウンドトラック。音楽は Tatreal と Giacomo Giunchedi(公式の開発進捗報告より) |
| over the hill – Supporter Edition | 1,350円 | ゲーム内の特別なネームタグ、限定コスメと専用キャンプサイト、印刷用マップ、4K壁紙 |
| over the hill – Supporter Pack | 4,385円(取得時点の表示。通常4,914円) | 本編+Soundtrack+Supporter Edition のバンドル |
このほか、『art of rally』『Absolute Drift』『Golden Lap』とまとめた「Funselektor Bundle」も販売されています。発売告知によると、SnowRunner、Pacific Drive、Jalopy、Slow Roads など他社の16作品とのバンドルを買うと、over the hill が追加で10%引きになります。対象作品をすでに持っている場合も割引の対象です。
舞台となる世界
ストア説明には、渓谷や山岳地帯など、現実の自然にある環境を描いた世界と書かれています。プレスキットでは、各地のバイオームは現実の場所に着想を得たものとされています。海外メディア TechRadar のレビューによると、本作にはストーリーや登場人物がほとんどなく、登場するのはチュートリアルで案内役を務める仏像と、車をカスタマイズできる整備士「Crazy Günther」くらいです。Crazy Günther のせりふは文字で表示され、ボイスはありません。
発売時の地域は「Canada」と「Algeria」の2つで、Algeria がゲーム内の2つ目の地域だと公式が告知しています。各地域はいくつかのエリアに分かれています。公式FAQ(発売前の記述)では、マップは巨大な一続きのオープンワールドではなく手作りのエリア制で、各エリアは約4km四方とされています。エリア間はメインメニューに戻らずに移動できます。海外メディアのレビュー(TechRadar、The Wand Report、DayOne)によると、エリア数はカナダが3つ、アルジェリアが2つです。カナダは山の奥へ進むほど雪が深くなり、アルジェリアは砂漠のマップです(図2)。

ストア説明に挙がっている探索の対象は、人里離れた小屋、絶景スポット、自然のランドマーク、空から落下した隕石です。ポータルを通ると新しいエリアへ移れます。公式FAQには、天気が晴れ・雨・雪などに移り変わり、昼夜のサイクルがあると書かれています。地形ごとにグリップ(路面の食いつき)が異なり、タイヤの状態や天候もグリップに影響します。TechRadar は砂嵐にも触れています。DayOne のレビューによると夜はかなり暗く、ヘッドライトを点けずに走ると木や崖にぶつかりやすくなります。
ゲームシステムと遊び方
基本の流れ
遊び方の基本は、探索して見つけたものから通貨の「Pebbles」を得て、車を強化し、より険しい場所へ進むことの繰り返しです(図3)。公式の体験版告知では、報酬入りのクレート、景色を撮影できる絶景ポイント、立ち往生した車の救助、トレイル(難路)の踏破、隕石の回収、野生動物の撮影が紹介されていました。Steam実績にも「トレイルを12本クリア」「クレートを50個開ける」「Pebblesを2,000集める」などの項目があります。

Steam実績には、解放済みの小屋へファストトラベルする項目もあります。海外メディアのレビューによると、小屋やキャンプ地は移動の拠点になり、車の修理や道具の補充ができるほか、時間を進めて昼と夜を切り替えることもできます。The Wand Report によれば、画面にミニマップはなく、現在地はマップ画面を開いて確かめます。
ポイント:ストア説明には「このゲームの目的は競い合うことではない」とあり、ルートの計画を綿密に立てても、その場の判断で切り抜けてもよいと書かれています。DualShockers のレビューは、牽引救出や絶景探しなどの寄り道はどれも必須ではなく、遊び方はプレイヤーが自由に選べると評しています。
車両とアップグレード
収録車両は、1960〜80年代を代表する4WDです。公式の開発進捗報告によると、車両カテゴリーは4つで、DayOne のレビューは Wagon、Workhorse、Trail、Expedition の4種を挙げています。Steam実績には「車両を18台解放」という項目があります。体験版の告知では、トレイルを踏破すると車両が解放されると説明されていました。The Wand Report によると、実車のライセンスは取っていませんが、元になった車種は見て分かるデザインで、例として International Scout II をモデルにした「Trailrat」を挙げています。
公式FAQ(発売前の記述)では、全車が4×4で、変速はローとハイの2段、デフロックはありません。車には総合的な耐久値があり、ダメージを受けると見た目と性能が落ちます。修理キットを使えば、自分の車も仲間の車も直せます。The Wand Report によると、Pebbles を払って整備士の Crazy Günther に頼むと、エンジン出力、サスペンションの高さ、ウインチの射程などを強化でき、渡河用のシュノーケルも付けられます。強化は車ごとに必要です(DualShockers・DayOne)。一方、集めたコスメは解放すればどの車にも付けられると DayOne は書いています。
悪路を越えるための道具
ストア説明では、道の割れ目は板で渡り、車両の救出や険しい地形の突破にはウインチを使うと紹介されています。発売前の体験版告知と海外メディアのレビューで確認できた道具は次のとおりです。
| 道具 | 役割 | 出典 |
|---|---|---|
| ウインチ | 木や仲間の車にワイヤーを掛けて車体を引き寄せる。いつでも何度でも使える。最寄りの支点に自動で掛けるモードと、位置を選ぶ手動モードがある | 公式ストア/TechRadar・The Wand Report |
| 板 | 割れ目に渡す。地面に敷いて接地を補う使い方もできる | 公式ストア/TechRadar |
| アンカー | 木がない場所に設置し、ウインチの支点にする | 体験版告知(winch anchors)/TechRadar |
| 修理キット | 自分や仲間の車を修理する | 公式FAQ・体験版告知 |
| キャンプ | 野外にキャンプサイトを設営して休む | 公式プレスキット・体験版告知/TechRadar |
| 隕石レーダー | 隕石の位置を探す | 体験版告知/The Wand Report |
| ジャッキ | 横転した車を起こす | TechRadar・The Wand Report |
| ベル | 悪天候を晴らす | The Wand Report |
TechRadar によると、ウインチ以外の道具は使い切りで、マップに入る前に持っていくものを選び、キャンプ地で補充します。The Wand Report は、強化すると道具の枠が最大4つまで増えると書いています。DayOne によると、地面に落ちた隕石はウインチで引き抜いて回収します。The Wand Report によれば、隕石の引き抜きや牽引救出に必要な馬力は、サーバーにいる人数が多いほど大きくなります。
撮影と野生動物の図鑑
出会った在来の野生動物はゲーム内カメラで撮影し、図鑑に記録できます。景色や夕日を撮るのにも使えるほか、体験版告知ではフォトモードも紹介されていました。Steam実績には、地域ごとの図鑑の完成、夜行性の動物・珍しい動物・伝説の動物の撮影、鳥5種以上の撮影といった項目があり、動物の種類を集める遊びも用意されています。
マルチプレイ
公式FAQ(発売前の記述)によると、マルチプレイでは進行状況が一人ずつ記録されるため、仲間を手伝うことはできても、目標のチェックポイントには各自がたどり着く必要があります。完了した目標はソロとマルチプレイで共通です。TechRadar のレビューによれば、ファストトラベルは一人ずつ行えるので別行動もでき、仲間の車にウインチを掛けて引っ張り上げることもできます。
Steamでの評価
Steamレビューでは、2026年10月15日朝の時点で全361件のうち好評が343件、不評が18件、好評率は約95%で、評価は「非常に好評」です。発売直後のため件数は増え続けています。同じ時点で、日本語のレビューはまだ投稿されていませんでした。
レビュー本文を読むと、好評のなかには、SnowRunner と比べて、悪路の攻略を考える面白さを残しながら気軽に遊べるという趣旨の声や、天候が見た目だけでなく走りやすさにも影響するという声があります。協力プレイが問題なく動いたというレビューもあります。不評側では、ルートが簡単すぎて物足りない、平らな地面でも車体が跳ねて転倒する、といった指摘が一部のレビューに見られます。好評のレビューの中にも、一人称視点を求める声があります。
海外メディアの評価
Metacritic の PC 版の Metascore は68(Mixed or Average、取得時点で採点9件・好評5件・賛否両論4件)です。Steamストアには Polygon の「Over the Hill just invented the cozy driving game and I’m in love.」、Rock Paper Shotgun の「… Over the Hill makes a worthy addition to the off-roading sim pantheon」、DualShockers の80点が引用されています。
- The Wand Report(8/10): 『art of rally』の重みのある操作感をオフロードに持ち込んだと評価。一方で、車種ごとの差が分かりにくく、時間がたつと繰り返しに感じる点を挙げています。
- DualShockers(8/10): 5つのマップの大半は10時間未満で見て回れる短めの作品で、探索の動機になる物語がもう少し欲しいとしています。
- DayOne(7/10): 4人協力で約15時間遊び、最初の2マップを完全に攻略。最も楽しかったのはチャレンジトレイルで、新しい車両と Pebbles の入手は遅めだと書いています。
- TechRadar: 約10時間遊んだうえで、悪路を走ること自体は楽しいものの、それ以外にやることが多くないと指摘しています。
こんな人に向いている
向いている人:
・SnowRunner や MudRunner の悪路走行は好きだが、もっと気軽に遊びたい人(海外メディアとユーザーレビューで比較対象に挙がっている)
・『art of rally』のミニマルな見た目と操作感が好きな人
・友人と、ウインチを掛け合いながら難所を越えたい人
・景色や野生動物の写真を撮り、図鑑を埋めるのが好きな人
・タイムや順位を気にせず、自分のペースで運転したい人
購入前に確認したい点
注意点:
・ハンドルコントローラー:公式FAQ(発売前の記述)では、ゲームパッドとキーボードを優先するため、ハンドルコントローラーへの対応は初回リリースでは予定していないとしています。発売後のSteamレビューにも、ハンドルで遊べないことを理由にした不評レビューがあります。
・ローカル協力プレイは無し:協力プレイはオンラインのみで、ローカル協力は現時点では実装できない(not feasible)と公式FAQで説明しています。
・ノートPCでの動作:ノートPCではまともに遊べないという不評レビューがあります。基本情報の下に載せた最低動作環境と、手元のPCの性能を見比べてから購入してください。
類似作品
- SnowRunner/MudRunner: Saber Interactive のオフロード走行シミュレーター。TechRadar は MudRunner や SnowRunner の経験者ならなじみやすいと書き、The Wand Report は、それらほど複雑ではないと比べています。
- art of rally: Funselektor が2020年に発売したラリーゲーム。The Wand Report は、over the hill を『art of rally』のフリーロームを土台にした作品と紹介しています。
- Trials シリーズ: The Wand Report は操作と挙動が1対1で対応する感覚を比べる相手として、Saber のシミュレーターよりも RedLynx の Trials シリーズを挙げています。
まとめ
- 遊びの中心: 速さを競うのではなく、道具を使って悪路をどう越えるかを考えながら走るゲームです
- 評価の分かれ目: Steamレビューは好評が大半ですが、海外メディアには、走ること以外の要素が少ない、繰り返しに感じるという指摘もあります
- 購入の前に: 遊ぶ機器や人数が「購入前に確認したい点」の条件に当てはまらないかを先に確かめておくと安心です
公式サイト:over the hill(Funselektor)/Steamストア:over the hill











「ゆっくり危険なことをするのも冒険」って一文が、この作品の空気を全部言い表してると思う。登り切れない斜面でウインチを掛けて、仲間の車を引っ張り上げる瞬間がたまらなく好きなんだよね。タイムに追われないぶん、途中で車を止めて景色や野生動物を眺める寄り道も全部が楽しい。道具を選んで悪路を読むワクワク感は、一度味わうと推せるよ。
ウインチで仲間の車を引っ張る遊びは、昔の四輪駆動車の悪路走行を思い出させるね。Trailratという車は、International Scout II がモデルだという説がある。Scoutはトラックや農機で知られたInternational Harvesterが作ったオフロード車で、悪路の定番として知られた車なんだ。角ばった箱型のシルエットを見比べると、なるほどと思えるはず。