PSYREN -サイレン-は、赤いテレホンカードで荒廃した10年後の日本へ呼び出される少年少女を描いた岩代俊明の漫画で、2026年10月からTVアニメが放送されています。怪物が徘徊する荒野に集められた参加者の多くが懸賞金を目当てに動くなか、ひとりだけ別の目的を抱えた大柄な高校生がいました。地元で「ドラゴン」の通り名を持つ朝河飛龍です。彼が赤いテレホンカードを使ったのは、姿を消した後輩・タツオを捜し出すためでした。この記事では、原作漫画全16巻をもとに、飛龍のプロフィールとPSI能力、アゲハやタツオとの関係、物語での歩みと結末までを解説します。

ネタバレ警告:この記事は原作漫画の最終話までのネタバレを含みます。タツオの身に起きたこと、飛龍が途中で仲間と別行動をとる理由、未来での最終決戦、さらに後日談の小説の内容まで書いています。アニメで初めて作品に触れる方はご注意ください。

この記事の基準:原作漫画(全16巻・全145話)の内容を扱います。プロフィールはTVアニメ公式サイト、巻のあらすじと話(CALL.)の題は集英社の単行本紹介文と目次で確認しました。集英社は話ごとのあらすじを公表していないため、どの出来事が何巻・何話にあたるかは、日本語版Wikipedia、ファンWiki(PSYREN -サイレン-@wiki)、英語版ファンWiki(PSYREN Wiki)などファンの整理をもとにしたおおよその目安です。16巻の現代パートとLAST CALLでの飛龍の様子は、公式資料や各Wikiにほとんど記述がないため、連載当時のファンブログの場面記録によります。10年後の後日談は漫画ではなく小説版の内容です。いずれも2026年10月15日に確認した情報です。

朝河飛龍の基本プロフィール

項目内容
名前朝河飛龍(あさが ひりゅう)。通称ヒリュー(日本語版Wikipedia)
通り名ドラゴン(TVアニメ公式サイト)
学校地久羽高校の1年生(TVアニメ公式サイト。日本語版Wikipediaなどは「地久和高校」と表記)。アゲハ・雨宮と同い年
誕生日・血液型3月20日・A型(TVアニメ公式サイト)
外見身長187cmの大柄な体に茶髪(日本語版Wikipedia・ファンWiki)。髪は逆立っている(ピクシブ百科事典・英語版ファンWiki)
サイレンに関わる理由行方不明になった後輩・真名辰央(タツオ)を捜すため(TVアニメ公式サイト)
PSI龍の体を形にするバーストと、ストレングス型のライズ
名前の由来・趣味強くたくましく大空を翔けてほしいという父親の願いから。趣味は肉体トレーニング(ファンWiki)
声優(TVアニメ)武内駿輔

性格・特徴|強面だが考えてから動く

TVアニメ公式サイトの紹介では、飛龍は強面な見た目に反して他人を気遣い、物事に冷静に対処する「考えてから行動するタイプ」とされています。感情のままに突っ走るアゲハとは、ちょうど反対の気質です。

ファンWikiによると、飛龍が通う地久羽高校はチンピラの吹き溜まりと評される学校ですが、飛龍自身はむしろ校内の不良と対立することが多い人物です。英語版ファンWikiも、飛龍が学校で喧嘩をするのは他人を守るときだけだと説明しています。個性の強いサイレンドリフトたちの中では緩衝材のような役回りを担う一方、動揺すると立ち直るまでに時間がかかる面もあります(ファンWiki)。とくにタツオが絡む場面では平静を保てず、思うように力を出せないこともありました(ピクシブ百科事典)。

意外なのは子どものころの姿です。小学生の飛龍は眼鏡をかけた小柄で気弱な少年で、牛乳が苦手でした(日本語版Wikipedia・ファンWiki)。いまの大きな体と腕っぷしからは想像しにくい過去です。

PSI能力|龍を形にするバーストとストレングスのライズ

飛龍は1回目のゲームで未来の大気に触れてPSIに目覚め、アゲハとともに雨宮と八雲祭から手ほどきを受けました(日本語版Wikipedia)。バーストは龍の体の一部を形にする具現化型で、ゲームを重ねるごとに尾、翼、そして全身へと形を広げていきます(図1を参照)。

朝河飛龍のバーストが龍の尾、翼、全身へと段階的に広がる流れの図
図1:飛龍のPSI|龍の具現化の段階(ファンWiki、英語版ファンWiki、日本語版Wikipediaから作成。時期は目安)
能力内容主な時期
イメージの訓練(バースト)コーヒーのクリームの形を変える課題をこなし、離れた雨宮に触れる課題ではバーストを手の形にした(英語版ファンWiki。日本語の技名は未確認)2巻ごろの現代
ドラゴンテイル(バースト)龍の尾。空中の足場にする、相手を縛る、叩きつけるなど用途が広い。辰央との幼いころの思い出がイメージの元(ファンWiki)最初に形になった部位(英語版ファンWiki)
龍の翼(バースト)羽ばたいて突風を起こし、目くらましや足止めに使う。技名は資料で確認できない(ファンWikiも「ドラゴン・ウイングといったところか」と推測するにとどまる)3回目のゲーム以降
全身の龍(バースト)尾や翼だけでなく全身をそろえた、空を飛べる龍。仲間を乗せて運べ、主に移動と飛行に使う(ファンWiki・英語版ファンWiki)5回目のゲーム(14巻)
ライズ(ストレングス型)感覚を研ぎ澄ますセンスは不得手だが、それを補う腕力と打たれ強さで戦う。PSIの持久力と潜在能力も高い(ファンWiki)4巻の特訓以降

翼の威力は意外に大きく、ファンWikiによると、3回目のゲームでは格上のドルキと部下たちを突風で足止めし、4回目のゲームの開始直後には風圧で禁人種を何体も倒しています。英語版ファンWikiによると、ライズの師である雹堂影虎は、飛龍をセンスに欠けるがストレングスに優れると評しています。特訓の早い段階で影虎の拳を握って止め、動かせなくしたこともあります(同)。後半には、神経制御塔を警備する禁人種を素手で引きちぎって倒すほどの使い手になっています(ファンWiki)。

人間関係

飛龍を中心にした主な人物の関係は、図2のとおりです。

朝河飛龍と夜科アゲハ、雨宮桜子、真名辰央、クサカベ、八雲祭、雹堂影虎、シャイナの関係図
図2:朝河飛龍の人間関係(TVアニメ公式サイト、日本語版Wikipedia、ファンWiki、英語版ファンWikiから作成)

夜科アゲハ|小学校の同級生からライバルへ

飛龍とアゲハ、雨宮は、小学5年生のときに半年だけ同級生でした(ファンWiki。日本語版Wikipediaは原作2巻を出典に、半年間だけ同じ学校だったと説明)。当時のアゲハは小柄な飛龍を玩具のようにからかい、牛乳を無理やり飲ませたこともあります。サイレン世界で再会した当初、2人は互いに気づかず、のちに思い出しました(日本語版Wikipedia)。英語版ファンWikiによると、1回目のゲームから戻ったあと、背がずっと高くなった飛龍は、昔の仕返しのようにアゲハの背の低さをからかっています。

その後の2人は、言い合いをしながらも互いに背中を預ける関係になります。2回目のゲームで飛龍が重傷を負ったとき、アゲハの怒りとともに目覚めたのが漆黒のバースト「暴王の月(メルゼズ・ドア)」でした(ファンWiki・アニヲタWiki)。武内駿輔はAnimeJapan 2026のステージで、飛龍を「ぶつかり合いながらも互いを高めていく、ライバル的なポジションのキャラ」と紹介しています(TVアニメ公式サイトのイベントレポート)。

雨宮桜子|小学校時代の仲裁役

英語版ファンWikiによると、小学校時代の雨宮は、アゲハと飛龍のあいだを取り持つような明るい少女でした。再会後の飛龍は、ゲームの経験が豊富な雨宮からPSIを学ぶ側に回ります。3回目のゲームでは、ドルキの爆塵者(イクスプロジア)の爆発から身を挺して雨宮をかばいました(英語版ファンWiki)。

真名辰央(タツオ)|捜し続けた後輩

真名辰央(まな たつお)は飛龍の後輩です。生まれつき体が弱く入退院を繰り返していた辰央は、見舞いに来ては励ましてくれる飛龍に、ヒーローの姿を重ねていました(日本語版Wikipedia・ファンWiki)。ファンWikiによると、飛龍が引っ越すとき、辰央は手作りの龍のペンダントを渡しています。英語版ファンWikiは、飛龍が病弱な辰央を励ますため、2人を合わせて「Miracle Dragon」だ(飛龍が体、辰央が頭脳)と言っていたと説明しています。

その辰央が赤いテレホンカードを手にしてサイレン世界へ消え、飛龍は彼を捜すために自らもサイレンドリフトになりました。サイレン世界で禁人種に捕まった辰央は禁人種に改造され、W.I.S.Eの星将ドルキの命令で、サイレン世界に来た人間を次々と殺していました(日本語版Wikipedia)。

クサカベ(日下部雄介)|未来での協力者

クサカベは元W.I.S.Eの末端研究員で、禁人種にされながらも運よく洗脳を免れた人物です。関西弁を話し、映画や音楽を楽しむ人間くさい性格で、機械と対話してシステムを乗っ取るPSIを持ちます(ファンWiki・日本語版Wikipedia)。傷ついた辰央を助け、のちに辰央が連れてきた飛龍もかくまいました。世界を壊したW.I.S.Eへの復讐と、元の体に戻ることを目的に、飛龍・辰央と3人で神経制御塔(サイレン塔)への潜入を試みます(日本語版Wikipedia)。

八雲祭・雹堂影虎・父親

雨宮の師である八雲祭は、飛龍にPSIの基礎を教えた一人です。祭はアゲハと望月朧を道を踏み外しやすい人物と見ており、2人のどちらかが道を誤ったとき止められるのは飛龍だけだと伝えています(ファンWiki。英語版ファンWikiは犬居事件のころの出来事として整理)。ライズは、祭の知人で「関東最強のライズ使い」を自称する雹堂影虎から学びました(ファンWiki)。

ファンWikiによると、飛龍の父親はいわゆる転勤族で、家族は何度も引っ越しをしています。飛龍が未来から戻らなかった間、父親はアゲハに息子の行方を尋ねますが、サイレンのことを他人に話せないアゲハは何も伝えられませんでした。

物語での歩み(巻・CALL順)

飛龍の歩みを巻の順に並べると、図3のようになります。

朝河飛龍の物語での歩みを原作の巻順と小説版に並べた年表
図3:朝河飛龍の歩み(集英社の単行本紹介文と目次、日本語版Wikipedia、ファンWiki、英語版ファンWikiから作成。巻は目安)

1回目のゲーム(1巻)

飛龍は1回目のゲームの参加者の一人として登場します(英語版ファンWikiは初登場をCALL.2「楽園」としています)。懸賞金目当ての参加者が多いなかで飛龍だけが友を捜していたことは、TVアニメ第2話のあらすじにも書かれています。人型の禁人種に岩山へ投げ飛ばされて深手を負いながらも、鉄パイプで殴りかかって食い下がり、最後はアゲハの奇襲で禁人種が倒れました(ファンWiki)。現代へ戻れたのは、アゲハ・雨宮・飛龍・蝉谷の4人です(ファンWiki「ゲームの経過」)。

2回目のゲームと辰央との再会(2〜3巻)

2回目のゲームで一行を襲ったのは、巨大な蟲と、PSIの力を込めた銃を使う謎の男でした(集英社3巻紹介文)。男の正体は辰央です。3巻にはCALL.17「タツオ」、CALL.22「龍」といった題の話が並びます(集英社の目次)。雨宮がトランスで辰央の内側を探り、禁人種の核が埋め込まれていることを突き止めました(英語版ファンWiki)。

飛龍は辰央の心に呼びかけようとして重傷を負います(英語版Wikipedia)。その姿を見たアゲハの怒りで暴王の月が目覚め(ファンWiki・アニヲタWiki)、核の機能が止まった辰央は自我を取り戻しました(日本語版Wikipedia)。重傷の飛龍と、暴王の月の負担で命を落としかけたアゲハは、朧のキュアで救われています(英語版Wikipedia・アニヲタWiki)。しかし辰央はカードをなくしていたため現代に帰れず、カードなしで帰る方法と、核なしで生き延びる方法を探すため未来に残りました(日本語版Wikipedia)。

ライズの特訓と3回目のゲーム(4〜5巻)

現代に戻った飛龍は、影虎の特訓でライズを身につけます。3回目のゲームでは、W.I.S.Eの星将ドルキと遭遇しました。飛龍は西から来た生存者を装ってやり過ごそうとしますが、ドルキに見抜かれます(アニヲタWiki・英語版ファンWiki)。ドルキの爆塵者から雨宮をかばった飛龍は、龍の翼で巻き起こした突風で目くらましをして、一行の脱出を助けました(英語版ファンWiki)。分断されたあとは朧とともにドルキの部下ゴルドフと戦い、朧のキュアでゴルドフの体が崩れたあと、朧に頼まれて飛龍が核を破壊しました(英語版ファンWiki・ファンWiki)。このゲームは全員が生還しました。

4回目のゲーム|上空4,000メートルからの生還と別行動(7巻後半〜10巻)

4回目のゲームは、エルモアの事故死を防ごうとアゲハが空港へ急ぐなか、7巻後半(CALL.58〜59)の召集で始まります。CALL.60の終わりにドルキとシャイナが現れ、CALL.61でシャイナの力により雨宮・飛龍・朧が転送され、隔離されました(ファンWikiの本誌あらすじ書き起こしと英語版ファンWikiの脚注による)。集英社8巻紹介文が書くとおり、飛龍と朧はシャイナの瞬間移動の前に、なす術なく敗れます。飛龍は上空4,000メートルへ飛ばされ(英語版ファンWikiの脚注ではCALL.63)、尾と翼とストレングスで落下の勢いを殺して辛うじて生き延びますが、深い傷を負いました(日本語版Wikipedia・ファンWiki)。動けない飛龍に禁人種が迫ったとき、拳銃の形のバーストでそれを撃ち抜いたのは、落下を偶然目にして駆けつけた辰央でした(ファンWiki。本誌あらすじ書き起こしでは、8巻のCALL.69の終わりにあたる)。辰央に連れられた先は、クサカベが隠れ住む、建設途中で廃棄されたサイレン塔です。

やがて飛龍は、ネメシスQを通じてアゲハと交信し、互いの生存を確かめます。飛龍は、辰央を元の体に戻す手がかりを得るため、そして自分が気になっていることを調べるため、クサカベのサイレン塔襲撃に加わると決め、アゲハたちには先に戻るよう伝えました(ファンWiki、VIZ Mediaの10巻紹介記事)。ファンWikiの本誌あらすじ書き起こしによると、飛龍の行方が明かされるのは10巻のCALL.84「飛龍」で(CALL.83の予告による)、その終わりの煽り文は「今はまだ戻らない…いつか共に帰るために!!」でした。結局、現代に戻れたのはアゲハ・雨宮・カブトの3人だけでした。

5回目のゲーム|完成した龍と根の救援(13〜14巻)

アゲハたちが再び未来へ呼ばれた5回目のゲームで、飛龍は思わぬ形で再登場します。W.I.S.Eが天樹の根を襲うという情報をクサカベが傍受し、飛龍は辰央・クサカベとともに根へ向かいました(ファンWiki)。ジュナスと渡り合った朱鳥が力尽き、マリーがさらわれた直後、14巻のCALL.122の終わりで飛龍たちが空から駆けつけます(ファンWikiの本誌あらすじ書き起こし)。このとき飛龍は、それまで部分的にしか出せなかった龍を全身で具現化できるようになっていました。辰央の銃が空を覆う厚い雲(膜)を撃ち抜いて穴を開けると、差し込んだ太陽光でジュナスたちW.I.S.Eは動けなくなり、根から退きます(ファンWikiの本誌あらすじ書き起こし・日本語版Wikipedia)。ファンWikiのドラゴンテイルの項は、このとき辰央を龍の頭に乗せ、2人で攻撃と移動を分担したと説明しています(同じファンWikiの辰央の項は、辰央が地上から撃ったとしています)。英語版ファンWikiは、このとき飛龍と辰央が、ジュナスと戦っていたアゲハの父・夜科朱鳥を救ったとしています。人をさらって根を離れた禁人種も、飛龍らの策で半数以上が太陽光を浴びて消えました(ファンWiki)。

アストラル・ナーヴァ決戦(15〜16巻)

さらわれた仲間を救うため、アゲハたちはW.I.S.Eの首都アストラル・ナーヴァへの攻撃を決め、飛龍たちとエルモア・ウッドは二手に分かれて攻撃を始めます(集英社15巻紹介文)。飛龍は辰央・クサカベ・夢路晴彦らとともに、太陽光でW.I.S.Eを牽制する班を担いました(ファンWiki)。クサカベが神経制御塔を狂わせて膜に穴を開け、W.I.S.Eに太陽光を浴びせる作戦です(日本語版Wikipedia)。神経制御塔の異変と降り注いだ太陽光は、カイル・フレデリカと戦っていた星将ウラヌスにも大きな傷を負わせました(アニヲタWiki。ファンWikiの本誌あらすじ書き起こしにも、飛龍たちの作戦の成功を告げるサイレンが鳴り、空から太陽光が降り注ぐ場面がある)。

結末とその後

未来での決着と現代への帰還

決戦の終盤、W.I.S.E元老院のミスラが正体を現し、ウロボロスの中にいたクァト ネヴァスが姿を見せると、W.I.S.Eの人間に埋め込まれていたイルミナは力を失います。異形化していたクサカベは灰になって消え、残る飛龍たちに希望の言葉を遺しました。一方、人の形を保っていた辰央は、イルミナの力を奪われたことで、かえって人間本来の生命活動を取り戻しています(ファンWiki)。核なしでは生きられない体になっていた後輩が、最後に人間として生き直す道を得たことになります。

ここからの飛龍の動きは、公式のあらすじや各Wikiにはほとんど書かれていません。以下は、連載当時にジャンプの各話を記録したファンブログ(暇つぶしブログ「ジャンプ52号までのメモ②」と、ジャンプ感想ブログ「少年、グリグリメガネを拾う」のLAST CALL感想)による場面の記録です。話数は、ファンWikiの本誌あらすじ書き起こしと突き合わせました。

  • CALL.139:崩れていく未来で、飛龍は龍のPSIでアゲハと雨宮を拾い上げる。そこへネメシスQが現れる
  • CALL.140:ネメシスQがドリフトたちを一か所に集め、2009年10月25日の現代へ送り返す。イルミナから解き放たれた辰央と朧は、太陽光の下でも無事で、眠っている。飛龍は、クサカベ・辰央とサイレン塔に潜入した際にW.I.S.Eのネットワークから過去の行動記録を調べており、W.I.S.Eが北海道のカムイ山地に潜んでいるという手がかりと、イルミナの除去に関するデータ(イアンに見せるためUSBに保存)を持ち帰っていた
  • CALL.141:アゲハ・雨宮・カブト・祭・影虎の5人が約束の涙を押さえるため北海道へ向かう一方、飛龍は辰央と朧を車に乗せてイアンのもとへ向かい、約束の涙をめぐる戦いには加わらない
  • LAST CALL「繋がる世界」:決戦から半年後の場面に、飛龍と辰央がそろって登場する。辰央も現代に戻っており、飛龍に台詞はない

2011年のファンブログ「NGD」も、飛龍は現代の最終決戦の直前に戦線を離れたと書いています。4回目のゲームで、いつか共に帰るために未来に残った飛龍は、最後に辰央を連れて現代へ戻ったことになります。作品全体の結末は、ストーリー全ネタバレ解説で詳しく整理しています。

小説『another call 2』の後日談(10年後)

アゲハが赤いテレホンカードを手にしてから10年後を描く小説『PSYREN -サイレン- another call 2 未来は君の手の中に』(SOW、JUMP j BOOKS)の表題作には、飛龍も登場します。刊行当時のファンブログによると、10年後の飛龍は教師になっていて、相変わらず雨宮からメールの返事をもらえていません。日本語版Wikipediaは小学校の教師と書いていますが、出典は示されておらず、公式の試し読みの範囲でも職業は確認できませんでした。

考察ポイント:飛龍のバーストは、尾、翼と少しずつ形を増やし、5回目のゲームでようやく全身の龍になります。その龍で辰央とともに空の膜を破ったのが、根の救援の場面でした(ファンWikiのドラゴンテイルの項は、辰央を龍の頭に乗せたとしています)。英語版ファンWikiが伝える幼いころの「Miracle Dragon」の話(飛龍が体、辰央が頭脳)と重ねると、飛龍の龍は辰央と2人で初めて力を発揮する形だったと読めます。一方、祭から託されたアゲハや朧を止める役目を飛龍が果たす場面は、今回確認できた資料には見当たりませんでした。現代の決戦の前に辰央と朧を連れて戦線を離れたこともあり、託された役目は伏線のまま残ったとも読めます。

声優は武内駿輔

TVアニメで飛龍を演じるのは武内駿輔です。所属事務所・81プロデュースの公式プロフィールによると、誕生日は9月12日、出身地は東京都で、第10回声優アワード新人男優賞を受賞しています。同プロフィールの主な出演作品には、『アオアシ』の阿久津渚、劇場アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』の沢北栄治、『怪獣8号』の神楽木葵、『BLEACH 千年血戦篇』のアスキン・ナックルヴァールなどが並びます。

2026年1月23日のキャスト発表時のコメントでは、長年アニメ化を望まれていた作品を早く届けたいと語り、「アゲハとやいのやいの言いながら、いつも飛ばされています。」と飛龍の立ち位置に触れ、「逆立て!トンガリドラゴンヘアー!」と締めくくっています(TVアニメ公式サイト)。2026年2月11日のサテライト30周年イベント「SATEFES!」では、原作を読んで中二病という感覚を覚えた読者が多いことに触れ、「飛龍は斜に構え熱血キャラみたいな所があって、それを楽しみながらやった」と話しました(サテライト公式サイトのレポート、5月12日掲載)。AnimeJapan 2026のステージでは、先に触れたとおり飛龍をアゲハのライバル的な存在と紹介し、安田陸矢と風間万裕子の生アフレコでは、生声で効果音を入れています(TVアニメ公式サイトのイベントレポート)。

アニメでは、第2話(10月12日放送)のあらすじに、懸賞金目当ての参加者のなかで飛龍だけが行方不明の友・タツオを捜していたことが書かれています。アゲハ役の安田陸矢と雨宮役の風間万裕子が出演したアニメイトタイムズのインタビュー動画でも、パニックになりそうな場面で、落ち着いていて体格も大きい飛龍がいれば心強い、という趣旨の話が出ています。

人気・評価

英語版ファンWikiの記録では、連載中に週刊少年ジャンプで行われたキャラクター人気投票で、飛龍は465票の6位でした(結果は第66・67話の扉で発表)。アゲハ、雨宮、朧、影虎、カイルに次ぐ順位です。

一方で読者の感想には、4回目のゲームで仲間と別行動になってから終盤まで出番が少ないことを惜しむ声が目立ちます(個人ブログの感想など)。ただ、その別行動は物語にとって無駄ではありませんでした。根の救援では飛龍と辰央が龍で空の膜に穴を開け、アストラル・ナーヴァ決戦ではクサカベが神経制御塔を狂わせて膜に穴を開けました。どちらも、差し込んだ太陽光でW.I.S.Eに打撃を与えています。現代に戻ってから、W.I.S.Eがカムイ山地に潜んでいるという手がかりを示したのも、飛龍がサイレン塔で調べた記録でした(連載当時のファンブログ)。派手な決め技で敵を倒すよりも、仲間を運び、かばい、戦況を変える役回りの人物だったと言えます。

まとめ

朝河飛龍のポイントは、次のとおりです。

  • 地久羽高校1年で、通り名は「ドラゴン」。強面だが冷静で、考えてから動くタイプ(TVアニメ公式サイト)
  • サイレンに関わったのは、行方不明の後輩・真名辰央を捜すため。辰央は禁人種に改造されていた
  • PSIは龍の尾、翼、全身へと段階的に形を広げるバーストと、ストレングス型のライズ
  • 4回目のゲームでシャイナに上空4,000メートルへ飛ばされ、辰央に救われたあと、クサカベ・辰央と未来に残る
  • 5回目のゲームでは完成した龍で辰央とともに空の膜を破り、根の救援とアストラル・ナーヴァ決戦で太陽光の作戦を担う
  • 未来の崩壊のあとは現代へ戻り、辰央と朧をイアンのもとへ運ぶため約束の涙の戦いには加わらない。LAST CALLでは辰央とそろって登場する(連載当時のファンブログによる)
  • 10年後の姿は小説版で描かれ、教師になっている(刊行当時の読者の感想による)

飛龍の物語は、主人公の隣で張り合うライバルの物語であると同時に、ひとりの後輩を捜し続けた先輩の物語でもありました。アニメでは第2話から、その旅の始まりが描かれています。