【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます】魔王ベアルの正体ネタバレ解説|コニーに宿った今代の魔王、四天王・聖王との関係と最新話の動き

転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めますは、魔術を愛する第七王子ロイドを主人公にした謙虚なサークルのWeb小説です。その学園編の最後に姿を現すのが、数百年前に魔界の軍勢を率いて大陸を荒らした魔王ベアルでした。目覚めたのは、ロイドと同じ学園に通う、魔道具作りの好きなメガネの少女コニーの体の中。「我をこの世界を統べる王、ベアルと知っての狼藉か?」と名乗った魔王は、ロイドに敗れたあと、なぜか彼の「友達」になります。
この記事では、原作のWeb版(小説家になろう版)の本文をもとに、ベアルの正体、コニーに宿っていた理由、魔軍四天王との関係、聖王との因縁、そして最新話での立ち位置までを整理します。
ネタバレ警告:この記事はWeb版の学園編(第178〜198話)から、聖王・天界の章(第199〜232話)、最新の第257話までの重大なネタバレを含みます。覚醒から天界の章までは、書籍版では7巻と8巻にあたります(読者レビューによる)。TVアニメ(第2期まで)にベアルは登場していません。
この記事の基準:話数と台詞は、小説家になろう版(作品コードN5657FV)の本文で確かめたものです(2026年10月26日に全257話を取得)。書籍版・漫画版・アニメとの違いは最後の節で分けて扱います。
魔王ベアルの正体(結論)
- 魔界を統べる今代の魔王:魔族を跪かせる魔界の王で、生まれながらの最強。魔王は代替わりする存在で、聖王はベアルを「今代の魔王」と呼ぶ(第204話)。数百年前の「魔軍進撃」で魔族を率いて大陸を荒らした
- コニーに核を宿していた:大陸で長い眠りにつき、その魔力が染みた土地で生まれたコニーの「あらゆる魔力を自らの内に封じ込める」体質に目をつけて、自分の核を宿した(第194話)
- 魔軍四天王はベアルの一部:ベアル自身が「余の一部である魔軍四天王」と言う。四天王が命を捧げたことで封印が綻び、第194話で復活した
- 戦う理由は「孤独」:強すぎて比べる相手がいない孤独から、強者を求めて海を越えた。全力を出したうえでロイドに敗れ、コニーの頼みで「友達」になる(第196〜197話)
- その後:聖王の魔曲で一度は核だけになるが復活。ロイドとの融合で天界の章にも同行し、封印を免れた。第238話で一度魔界へ帰ると告げ、第253話の時点では里帰り中。最新の天宙城編には出てこない
ベアルと周囲の人物の関係をまとめたのが図1です。

基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | ベアル。名乗りは「この世界を統べる王、ベアル」(第194話)、「我こそ魔王ベアル! 魔界を統べる王たる存在である!」(第215話) |
| 正体 | 魔界の王である魔王。数百年前の魔軍進撃で魔族を率いた |
| 登場 | 第178話で四天王が「我らが主、魔王様の復活」を口にする。名前と正体が明かされるのは第194話「覚醒」 |
| 宿主 | コニー(本名コーネリア)。魔力を外に出せない魔宿体質の少女で、のちにロイドのメイドになる |
| 一人称 | 「余」と「我」 |
| 外見 | 表に出てくると、コニーの体を黒い魔力体が覆う。黒い外套を羽織り、縦に半分割れた仮面を付けた姿(第198話) |
| 技 | 魔王黒極波(第197話)、魔王滅殺黒撃破(第198話)、魔王光獄柱(第203話)、空間の裏側に作る特殊な結界 |
| 配下 | 直属の魔軍四天王(緋のヴィルフレイ、翠のガンジート、蒼のシェラハ、黒のゼン) |
| 声優 | TVアニメ(第2期まで)は教会編までのため未登場。声優は未発表 |
正体①:魔界を統べる「今代の魔王」
ベアルは魔界の王です。第196話の地の文は、魔界の生態系の頂点で支配階級である魔族を「跪かせる存在、王たるベアルは生まれながらにして最強の存在であった」と説明しています。魔界全土を見渡しても並ぶ者のない力を持って生まれたため、自分がどれほど強いのかを知ることすらできなかった、とも書かれています。
作中の「魔王」は、ベアル一人だけを指す名前ではありません。魔界の王は代替わりしており、聖王はベアルを「今代の魔王」と呼びます(第204話)。天界の章では、ベアル自身が「何代か前の魔王」として暴食の魔王グラトニーの話をし(第218話)、さらに古い「始祖の魔王」ベルゼヴィートの名前も出てきます(第228〜229話)。Web版で名前が出てくる魔王は、ベアルを含めて次の3人です。
| 魔王 | 作中の説明 |
|---|---|
| 始祖の魔王ベルゼヴィート | 古代魔術の創始者と言われる(第229話、ベアルの説明)。グラトニーを拾った主で、グラトニーとは一万年以上前に死に別れている(第228話) |
| 暴食の魔王グラトニー | 魔界で最も小さく弱い獣から、融合で魔物や魔族を取り込み続けて魔王になった。天界に攻め込んで帰らなかったとされていたが、実は神に成り代わっていた(第218・228〜230話) |
| 魔王ベアル | 今代の魔王(第204話)。生まれながらの最強(第196話)。数千年にわたって強敵を求めてきたと自分で語る(第196話) |
小さな獣から成り上がったグラトニーと、生まれた時から頂点にいたベアルは正反対の魔王です。グラトニーとの戦いの前、ベアルは神の空間を覆った黒い泥から「上位魔族の持つ特有の波長」を感じ取り、「つまりあの神は魔族なのではないか、と?」という問いに重々しくうなずきました(第226話)。神の正体が暴かれていく天界の章では、魔王であるベアルの感覚が手がかりの一つになっています。
正体②:コニーに核を宿していた魔王
ベアルの正体で最も大きな仕掛けは、ずっとコニーの中にいたことです。図2は、ベアルが眠りについてからコニーの体で目覚めるまでを、本文の説明に沿って並べたものです。

眠った土地の病と、魔宿体質のコニー
第194話、目覚めたベアルは自分から事情を語ります。かつてベアルは「この地」で眠りにつき、その魔力が大地に染み渡りました。百数十年が過ぎたころ、人間たちはその土地に住み着きます。ベアルの魔力を恐れて魔物が近づかないので都合がよかったのだろう、とベアルは言いますが、その代わりに「余の魔力の影響で人間どもは皆、どこかに病を抱えて生まれてきていた」。ロイドはこれを聞いて「そこがコニーの住んでいた村というわけか」と理解します。
そこに生まれたのがコニーでした。「こやつはあらゆる魔力を自らの内に封じ込めるという体質でな」。この体質を知ったベアルは、自分の核となる部分をコニーの体に宿します。コニーは魔力を持たない「魔宿体質」と呼ばれていましたが、ロイドは、魔力を外に出せないだけで体の中では魔力が渦巻いており、だからこそ魔力体のベアルを宿したまま生きてこられたのだと理解します。
学園に眠っていた力と、四天王の自死
コニーが学園に来たのは、故郷の人々の魔力障害を何とかできる魔道具を作るためでした(第198話の説明)。ところが学園には「我が魔力の大部分」が封印されていた、とベアルは言います(第194話)。正体が明かされるまでに、伏線は何度も置かれていました。
- 第178話:ヴィルフレイが倒れたあと、残る四天王が水晶越しに「我らが主、魔王様の復活」を誓う。水晶の映像はコニーに切り替わって終わる
- 第181話:ウィリアムが封じたダンジョン(第180話「突撃、禁じられたダンジョン」)で、コニーが「何か声が聞こえませんでした?」と言い、隠し通路の奥で四天王のものより数倍大きい封印石を見つける。コニーが封印石に触れて「何だか懐かしい、ような……」と言い、四天王は「器との接触により封印に亀裂が入ったようだの。魔王様の魔力は確実に器へと流れ込んでおる」と話す
- 第185〜186話:コニーの村でのガンジートとの戦いで、ガンジートが祠に激突したあとからコニーの魔力が増える。ロイドは学園の地下の封印と似た感覚を覚え、四天王は「かの地には我らが主の一部が眠っていた」と語る
- 第194話:捕まったゼンとシェラハが自分の腕で胸を貫いて消滅し、その魔力がコニーへ流れ込む。コニーが起き上がり、ベアルとして目覚める
ベアルの説明によれば、封印は長い年月で綻んでおり、「余の一部である魔軍四天王が身を捧げることで共鳴を起こす」。ロイドは、分体である四天王の死が本体への最大の呼びかけになり、共鳴で封印が綻んだのだと分析し、四天王がコニーに近づこうとしていたのもこのためだったと気づきます。「この地」がコニーの村のことか、学園のことかを本文ははっきり書いていませんが、村にも学園にもベアルの一部が封じられていたことになります。
正体③:魔軍四天王はベアルの分体
四天王は単なる部下ではありませんでした。ベアルは四天王を「余の一部である魔軍四天王」と呼び、覚醒直後の独白でも「魔軍四天王《我が分身》どもが相手なら、そこそこは戦えそうだったがな」と言っています(第194話)。ロイドもベアルから四天王と似た魔力を感じ取り、「恐らく身を分けた分体というやつだろう」と考えました。
ヴィルフレイを除く三人の核は、消滅したあともベアルの中で休眠していました。第215話でベアルは「こやつらは我が直属の四天王――緋のヴィルフレイ、翠のガンジート、蒼のシェラハ、黒のゼン」と紹介し、彼らと融合すれば力が数倍に膨れ上がると言います。ただしロイドは、四天王は「ベアルと比べれば一割程度の魔力しかない」と見ていました。融合してみると、ヴィルフレイの分だけが足りません。ジリエルは、ロイドが『灰魔神牙』で細切れにして消滅させたため、ベアルに吸収されなかったのかもしれないと推測しています(ヴィルフレイについては緋のヴィルフレイの正体ネタバレ解説で詳しく扱っています)。
魔軍進撃の真相:強者を探して海を越えた(第199話)
ベアルが数百年前に大陸を襲った理由は、征服ではありませんでした。第199話でベアルが語るところでは、魔界ではもう歯向かう者がいなくなって久しく、魔王としての生活に飽き飽きしていました。そこで強者を探させるため配下を世界中に放ちますが、人の住む大陸に送った一人だけが帰ってきません。しかもそれは「配下でも一番の腕利き」でした。自分の配下を葬るほどの実力者がいると知ったベアルは、血が躍ったと言い、海を越えて大陸へ渡ります。
大陸に着くなり、海岸を埋め尽くす兵が待ち構えていました。特にウィリアム=ボルドーは強く、何度追い詰めても逃げられ、ベアルの相手をしながら四天王を含む魔族の強者を次々に封じていったといいます。ベアルは苛立たしそうに舌打ちしながらも、その表情はどこか嬉しそうでした。ベアルは「神々が味方したこともあるが、人間共もまぁまぁ厄介でな」と語り、戦いは一進一退の激戦だったと言います。ただ、天界の者たちは「意外と引け腰」で苦戦しなかったとし、「もう一人厄介な者がいたのだ」と名前を挙げたのが聖王でした(後述)。
孤独な最強の魔王と、ロイドとの決戦(第194〜197話)
力の解放は一割以下から十割へ
目覚めたベアルは、学園と同じくらいの大きさの魔力の塊を「さらばだ。人の世よ」と放ちますが、ロイドは魔力障壁で学園ごと守り切ります。興味を持ったベアルに、ロイドは「ロイド=ディ=サルーム。ただちょっと魔術が好きな第七王子だよ」と名乗りました(第194話)。
戦いの中で、ベアルの内面が明かされます。あらゆる命は他者と比べるために生まれてくるのに、強大すぎる力を持って生まれたベアルには、友も師も敵もいませんでした(第196話)。今まで力の一割以下しか解放したことがなかったベアルは、ロイドに「いつ本気を出すんだ」と言われ、七割で魔力体が軋むのを自覚しながら、十割まで力を解放します。生まれて初めて漏らした苦悶の声に、ベアル自身が驚いていました。
十割の全力「魔王黒極波」は、大陸すべてが消し飛びかねない魔力量でした。ロイドはこれを、術式の制限(リミッター)を外し、ありったけの魔力を注いだ下位魔術『火球』で打ち消します。コニーに被害が出ないよう術式も調整したうえでの一撃でした(第197話)。
「好きなことを好きなようにやっていただけ」
敗れたベアルは、なぜそこまでの強さを得られたのかと問います。ロイドの答えは「俺はただ好きなことを好きなようにやっていただけだよ」。ベアルは「力を、好敵手を追い求めた余と違い、ただ好きで研鑽を積み重ねてきたのだな。……勝てぬ訳だ」と笑い、「殺せ」と言いました。
止めたのは、体の主導権を取り戻したコニーです。ベアルの中で触れた知識(海のどこかにある国『ザンダルシア』、世界に一体しかいない超獣『ジェイコブ』、創世からいる神魔の子『ラダラフィア』、最初の魔術『原初原生』)が惜しいこと、そしてベアルは「何千年も独りぼっちだった」寂しい子で、ロイドと戦っている間ずっと嬉しそうだったことを挙げ、「ベアルと友達になってあげられないかな?」と頼みます。ロイドは、強者を求めて時代を越えて待ち続けた熱意は自分の魔術好きと通じると言って手を握りました。ベアルは「勝手にするがいいっ!」と叫んでコニーの中に引っ込み、コニーの胸元には黒いアザが残ります。
以後、コニーはロイドのメイドになり、体には本人とベアルの二つの意思が宿ります。ベアルはときどき表に出てきてロイドに勝負を挑み、ロイドは勝負を受ける条件として魔王の知識を一つずつ教わります。コニーの夜更かしや食生活に小言を言い、「姉弟みたい」とロイドに思われるほど、魔王らしくない一面も見せるようになりました(第198話)。
聖王との因縁(第199〜223話)
「一度として戦えておらん」相手
魔軍進撃の話の中で、ベアルが「思い出すのも忌々しい」と嫌がった相手が、聖王庁の頂点に立つ聖王です。ところがベアルは「我は奴とは一度として戦えておらん」と言い、詳しく聞こうとするロイドから逃げてコニーの中に潜り込んでしまいます(第199話)。
サルームに現れた当代の聖王と対面した第203話では、ベアルは「かつて貴様の先祖と戦った魔王」と名乗ります。聖王が「かつての聖王との戦いで力尽きて消えたとか伝え聴いているよ」と返すと、ベアルは「あれはマグレだ。次は我が勝つ!」と言い返しました。聖王は魔王を無力化するために来たと明かし、魔曲『へいわのうた』を奏でます。戦意そのものを奪う曲に、魔力体であるベアルは指一本動かせなくなり、魔力体をほとんど剥がされて核だけの状態に追い込まれました(第204〜205話)。
考察ポイント:第199話の「一度として戦えておらん」と、第203話の「貴様の先祖と戦った」「あれはマグレだ」は、言葉だけを見ると食い違っています。本文はこの点を説明しません。ただ、聖王の魔曲は聞いた者から戦う気そのものを奪う技で、当代の聖王も「僕は戦わない」と宣言しただけでベアルの動きを止めました。かつての聖王にもまともに戦わせてもらえないまま倒された、と読めば、二つの言葉は両立します。
魔王を「見極めた」聖王
弱ったベアルは、ロイドたちが作った回復の魔曲とフェスでの演奏で、前より力強く復活します(第213〜215話)。この演奏には、サリアの代役として聖王自身も加わっていました。魔王を封じに来たはずの聖王が、なぜ復活を助けたのか。答えは天界の章で明かされます。
聖王は神から「魔王を殺してこい」と命じられていましたが、まだ何も悪さをしていない者を倒す必要があるのかと反論し、「魔王ベアルの正体を見極めようとした」と答えます(第217話)。天界の監獄でロイドたちと再会した聖王は、ベアルは戦うときも民を巻き込まないよう結界を張り、人の世に溶け込み、何よりベアルを助けるために多くの人が動いていたと言い、「意外と良い奴っぽかった」からとどめを刺さなかったと語りました(第221話)。ベアルは「……チッ、だから嫌いなのだ貴様らは」と戦意をしぼませます。
第223話、神が聖王を狙って光を放つと、ベアルは尻尾を傘のように広げて全員をかばい、自分の魔力体を焼かれます。「相手をよく知りもせず敵と断じるのはよくない」という聖王の言葉を受けて、自分も聖王をそう見ていたことへの「侘び」だと言い、「この一度きりだからな」と念を押しました。
融合と天界事変(第215〜232話)
復活したベアルは、魔族の奥義『融合』をロイドに見せようとして四天王の核を呼び出しますが、前述の通りヴィルフレイの分が足りません。ロイドは自分の魔力体を一から作って差し出します。初めて戦った四天王であるヴィルフレイの中身をじっくり観察して覚えていたため、その魔力波長はヴィルフレイと「瓜二つ」で、ベアルも「ここまでヴィルと似た魔力波長であれば、確かに融合も可能であろう」と認めました。ベアルは「融合は魔力体同士を強く結びつかせる禁術の一つ」で、一度融合すれば二度と元に戻れないと念を押しましたが、ロイドは承知のうえで融合させました(第216話)。
結果は予想外でした。ロイドが分析のために魔力体へ意識を共有する術式を組み込んでいたため、ロイドの意識が丸ごとベアルの体に移ってしまいます。ベアルは「それだけお主という存在が強大なのだ」と言い、体の主導権はロイドが握ることになりました(コニーだけは、ロイドが融合の隙間を探して外へ引き離しています)。融合を解く手がかりを求めて、ロイドは融合した魔力体のまま天界へ向かいます(第216〜218話)。
天界では、ロイドが主導権を持つ体の中からベアルが顔を出し、尻尾に宿って監獄の壁を壊したり、神の正体が魔族だと見抜いたりと、同行者として活躍します。神に成り代わっていたグラトニーをロイドが倒したあと、本物の神(リーゴォ)が融合を解き、ロイドは元の体に戻りました。ただし、どうやって解いたのかは作中で明かされていません(第230〜231話)。神が元の座に戻ったことで聖王も聖王庁に戻り、ベアルも「俺の制御下にあると判断され、封印は免れた」とロイドは語っています(第232話)。
魔王の座を狙うギザルム(第232話)
天界事変の直後、新しい火種も生まれています。聖王が魔曲で呼び出した魔族ギザルムは、もともと魔界を出てきた理由は「魔王になる為」だと聖王に明かし、「今の魔王は弱い。……まぁ単純な戦闘力はそれなりにあるのだろうが、精神的にぬるすぎる。あんな奴が魔界を統べる王であってなるものか。だからその座、俺が貰い受けようと思ってな」と言います。名前は出しませんが、今代の魔王であるベアルを指していると読めます。ギザルムは、グラトニーが神の宝物庫に隠していた融合の術式入りの魔石を手に入れ、神になろうと考え始めた聖王と手を組みました。
天界事変の後と、最新話でのベアル(第232〜257話)
覚醒から最新話までのベアルの動きを、話数順に並べたのが図3です。

エルフの国へ向かう章の出立の日(第238話)、ベアルは「一度魔界に戻ろうと思っている。長い間留守にしてしまったし、一度くらいは帰った方がいいだろう。やらねばならぬこともあるしな」と言い、ロイドとは「今度絶対行く」「万全の出迎えを期待するがいい」と約束します。コニーとは一体化したままでしたが、以前ロイドが融合からコニーを切り離したことで繋がりが弱まり、数日かければ完全に分離できるようになっていました。ベアルは「行くのは我だけで十分だろう」と言い、コニーは留守番することになります。
最新の天宙城編でも、ベアルは里帰りから戻っていません。ロイドの魔力を吸い取って動く天宙城は魔力波長がロイドと同じで、ロイドの魔術も「碌に効かなかった」ため、ロイドは「ベアルがいればどうにかなったかもしれんがな」とこぼし、「俺と同等の力を持ち魔力波長の異なるあいつなら、天宙城を落とすのも難しくないだろうが……残念ながらベアルは今、里帰り中である」と惜しんでいます(第253話)。2026年10月26日時点の最新話(第257話)まで、ベアルは再登場していません。
まだ明かされていない謎
考察ポイント:Web版の第257話までで、ベアルについて答えが出ていない点を挙げます。いずれも本文に答えはなく、今後の展開待ちです。
・大陸に送った「一番の腕利き」の配下を倒したのは誰か(第199話)。ベアルが大陸へ渡るきっかけになった出来事ですが、相手は語られていません
・かつての聖王との戦いの中身。第199話と第203話の言葉が食い違ったままです
・ギザルムが狙う魔王の座の行方(第232話)。ギザルムは融合の魔石を手に入れ、聖王と組んでいます
・第238話の「やらねばならぬこと」が何か。ギザルムの件と関係するかどうかも書かれていません。書籍11巻には「魔界平定を祝うパーティ」が出てきますが、書籍の10巻・11巻はWeb版にない展開なので、Web版の答えとは限りません
・コニーの故郷の村の病がその後どうなったか。第184話で村の中心に封魔器を置いて大地の魔力を吸わせましたが、ベアルの覚醒後の村の様子は描かれていません
書籍版・漫画版・アニメでのベアル
書籍版(講談社ラノベ文庫)
講談社の書籍7巻(2023年12月1日発売)の紹介文は、ヴィルフレイを倒したロイドを見つめる残り3人の四天王の悲願として「魔族の王の復活!?」を予告しています。8巻(2024年7月2日発売)の紹介文には「メイドであるコニーの身に宿る魔王ベアルから聖王が強い力を持っている、と聞いていたロイドは、一も二もなく参加することになる」という一文があり、この時点でベアルがコニーに宿っていることが前提になっています。読者のレビューブログ「こもの読書感想」によると、ベアルの覚醒からロイドとの戦い、友達になるまでが7巻、聖王の魔曲、フェスでの復活、融合、天界とグラトニーとの戦いが8巻に収められています。
11巻(2026年4月2日発売)の紹介文では、ロイドたちが魔王ベアルから魔界平定を祝うパーティに招待されます。Web版にはない展開で、2026年10月26日時点で、ベアルが魔界をどう平定したのか、ベアル自身の過去に新しい事実が出てくるのかを確かめられる読者レビューは見つかりませんでした。
漫画版(マガジンポケット)
漫画版は、2026年10月24日配信の第226話「大いなる魔術師の片腕」の時点で、学園編に入ったところです。読者の感想で確かめられる第225話までに、ベアルが目覚める場面は出てきません(第226話の内容は未確認)。講談社の漫画単行本の紹介文にもベアルは出てこないため、公式に確かめられる部分と、読者の資料に頼る部分を分けて紹介します。
公式に確かめられるのは各話のタイトルと配信日です。マガジンポケットの配信一覧によると、第215話のタイトルが「魔軍侵攻」(2026年5月23日)で、続く第216話が「ウィリアム総合学術園」(6月6日)です。
内容は、日本の読者の感想ブログ「BLACK SWAN 2nd GIG」に頼ることになります。同ブログによると、学園へ向かう道中を描く第215話では、ロイドたちを追いかけるタオが行き倒れかけていた学園の苦学生コニーを助け、二人の野営に現れた人物が、この地はかつての「魔軍侵攻」の爪痕だと語ります。そこで「魔王ベアルと彼が率いし魔軍四天王」として、旋風のゼン、剣魔のガンジード、蒼のシェラハ、緋のヴィルフレイの名前が挙がります。Web版の二つ名「黒のゼン」「翠のガンジート」とは違うので、漫画版で変えられたとみられます(剣士の名前のカナは、漫画本編で確かめてください)。同ブログでコニーが出てくるのはこの第215話からで、第216話の感想ではコニーを「ロイドの学園での相棒」と書いています。
同じブログの第216〜225話の感想には、ベアルの名前も、コニーに何かが宿っていることを示す描写も書かれていません(感想に書かれていないだけで、漫画本編に伏線がないとまでは言えません)。第225話「歩く地獄」の時点では、ヴィルフレイ率いる魔族の一団が学院に入り込んでいます。第226話の感想はまだ公開されていないため、第226話の内容は確かめられていません。漫画版はスタンピード編で早くもヴィルフレイを登場させるなど、Web版と構成が大きく違うので、ベアルの覚醒がWeb版と同じ形で描かれるとは限りません。
TVアニメ
TVアニメは第2期(2025年7〜9月放送、第13〜24話)の教会編まで放送され、ベアルもコニーも登場していません。2026年10月26日時点で、公式サイトのニュース一覧に第3期の発表は見当たりません。
Web版の物語の全体像はWeb版ストーリー全ネタバレ解説にまとめています。
まとめ
- 正体:魔王ベアルは、魔界を統べる今代の魔王。数百年前の魔軍進撃で魔族を率い、大陸で長い眠りについていた
- コニーとの関係:ベアルの魔力が染みた土地で生まれた、魔宿体質のコニーに自分の核を宿していた。四天王の自死による共鳴で封印が綻び、第194話でコニーの体で目覚めた
- 四天王との関係:魔軍四天王はベアル自身が「余の一部」と呼ぶ分体。ヴィルフレイを除く三人の核はベアルの中で眠り、融合に使われた
- 戦う理由:生まれながらの最強ゆえの孤独。強者を求めて海を越え、全力を出したうえでロイドに敗れ、コニーの頼みで友達になった
- 聖王との因縁:かつての聖王には「一度として戦えておらん」と言い、戦わせてもらえないまま敗れたとも読める(本文に説明はない)。当代の聖王にも魔曲で倒されたが、聖王はベアルを「良い奴」と見極めて見逃し、ベアルも天界で聖王をかばった
- 最新話:天界事変の後、ロイドの制御下として封印を免れ、第238話で一度魔界へ帰ると告げた。第253話の時点では里帰り中で、天宙城編(第257話まで)には出てこない。一方で、ギザルムが魔王の座を狙っている(第232話)
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ベアルの「強すぎて比べる相手がいなかった」孤独、ずっと引っかかってたんだよね。ロイドに「好きなことを好きなようにやってただけ」と言われて、勝てぬ訳だと笑うところが最高に好き。そこからコニーの「友達になってあげられないかな?」で一気に心をつかまれたよ。魔王なのに寂しがりとか、推さずにいられないって!
わ〜、ベアルがしっぽを傘みたいに広げて、みんなをかばうシーン、ぐっときた〜!「この一度きりだからな」って照れ隠しするところもかわいすぎない?最強の魔王さまなのに、ちょっと不器用で優しいの、ほんとずるいよ〜!次にベアルが出てくるのが待ちきれないな〜!
ヒナちゃんわかる、しっぽの傘はずるすぎるって!あの場面でバッと広げて守るの、最強の魔王がやることじゃないよね。そこに「この一度きりだからな」の照れ隠しが重なると、もうギャップで完全に落ちるんだよ。不器用で優しいベアル、推さずにいられないよね!次に出てくる日を一緒に楽しみに待とうよ。
ネタバレ注意。ベアルという名前を聞いて、ソロモン72柱の悪魔バエルを思い浮かべた人も多いかもしれない。バエルは悪魔目録『ゴエティア』の筆頭に挙げられる地獄の王として知られているから、『王』としての格を名前に込めた元ネタだと思う。作中で代々の魔王がいるという設定とも、どこか響き合っている気がする。
え〜!ベアルって名前にも元ネタがあるの!?知らなかった〜!ソロモン72柱のバエルって、地獄の王さまなんだね!「王の格」を名前に込めてるって聞いたら、ベアルの「この世界を統べる王」っていう名乗りが、もっとかっこよく聞こえてきた〜!代々の魔王がいる設定ともつながるなんて、ロマンすぎる〜!ともっち先生、教えてくれてありがとう〜!