The Long Darkは、カナダ・バンクーバーのインディースタジオHinterland Studio Inc.が開発・販売する探検・サバイバルゲームです。Steamストアの紹介文は「夜空を明るく照らす光。木造の山小屋の薄い壁の外で暴風が吹き荒れる。聞こえてくるオオカミの遠吠え」という場面から始まり、荷物の中の乏しい食糧を前に、電源が突然切れる前の日々を思い出すプレイヤーに「あなたはあとどのくらい生き延びられるだろうか?」と問いかけます。

舞台は凍りついたカナダ北部の荒野です。Steamストアは「ゾンビなどは一切登場しません」と明言し、存在するのは「あなた自身と極度の寒さ、そして過酷な自然のみ」だとしています。Steamでの正式リリースは2017年8月1日ですが、2026年3月にストーリーモードの最終話、同年10月に新しい有料DLCが出ており、2014年の早期アクセス開始から10年以上にわたって更新が続いています。

作品概要

項目内容
タイトルThe Long Dark
開発・販売Hinterland Studio Inc.
発売日(Steam)2017年8月1日(早期アクセス開始は2014年9月22日)
価格(Steam)The Long Dark: Survival Mode 550円(通常2,200円・75%オフ、2026年10月12日取得のSteamストアデータ)
参考:2026年10月29日にSteamストアを再確認した時点では割引はなく、Survival Modeは2,200円、ストーリーモード同梱の「The Long Dark」は3,800円でした
ジャンル(Steam)アドベンチャー、インディー、シミュレーション、ストラテジー
プレイ人数シングルプレイヤー
対応言語日本語対応(インターフェース・字幕)。フル音声は英語のみ。ほかにドイツ語、フランス語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)など計19言語
プラットフォームSteam版はWindows/macOS/SteamOS+Linux。Steam Deckの互換性は「確認済み(Verified)」。家庭用機ではPS4/PS5、Xbox One/Xbox Series X|S、Nintendo Switch版も発売
最低動作環境(Windows)64ビットのWindows 10、Dual-Core Intel i5 2GHz以上、メモリ4GB、Intel 4xxx Series(VRAM 512MB)以上、空き容量7GB
ストア・公式サイトSteamストアページ/公式サイト(英語)

Hinterlandは2012年にゲームディレクター兼ライターのRaphael van Lierop氏が設立したスタジオです。Steamストアの紹介では、Valve、Ubisoft Montreal、Relic、BioWare、Capcomなどの元リード開発者を含む、いわゆる「トリプルA」タイトル出身のベテランで構成されていると説明されています。

Steamの同じストアページでは、2つの本体パッケージが売られています。2022年12月に販売形態が分かれ、サバイバルモードだけのパッケージ(当時の名称はSurvival Edition、現在のストア表記は「Survival Mode」)と、ストーリーモード「WINTERMUTE」も入った「The Long Dark」から選ぶ形になりました。Survival Modeを買ったあとでWINTERMUTEを2,200円のDLCとして足すこともできます(図1を参照)。

The Long Darkの本体パッケージと追加DLCの構成図
図1:Steamで買える本体パッケージと追加DLC(Survival Modeの価格は2026年10月12日取得のSteamストアデータ、そのほかは2026年10月29日時点のSteamストアの表示をもとに作成)

世界観・ストーリー

公式サイトは、謎の地磁気災害(geomagnetic disaster)が「自然に対する人類の技術的優位」を揺るがした世界だと説明しています。ストーリーモードの紹介では、すべての電子機器が止まり、おそらく二度と戻らない世界とされています。公式はこの状況を「Quiet Apocalypse(静かな黙示録)」と呼んでいます。舞台はカナダ北部のGreat Bear Islandで、見捨てられた町には生き延びるための物資と、過去につながる手がかりが残されています。夜空に現れる謎のオーロラについて、公式サイトは美しいだけでなくゲームプレイにも新しい変化をもたらすものだと説明しています。

ストーリーモード「WINTERMUTE」

WINTERMUTEは全5エピソードのストーリーモードです。公式サイトでは、ブッシュパイロットのWill Mackenzie(ウィル・マッケンジー)と医師のDr. Astrid Greenwood(アストリッド・グリーンウッド)が、電子機器がおそらく永久に止まった世界で、遠く離れた共同体を荒野の脅威から救おうとする物語だと紹介されています。公式サイトによると、各エピソードには5〜8時間以上の物語と約60分のシネマティックが含まれます。

話数タイトル公式あらすじの要点
第1話Do Not Go Gentle(日本語ストア表記「身を任せるな」)空に謎の閃光が走ったあと、マッケンジーとアストリッドの乗った飛行機がカナダ北部の山中に墜落し、2人は離れ離れになる。マッケンジーは小さな町ミルトン(Milton)にたどり着き、自分が巻き込まれた「静かな大惨事」を少しずつ理解し始める
第2話Luminance Fugue(日本語ストア表記「荒野の中の光」)アストリッドを探して冬の荒野の奥へ。謎の罠猟師がアストリッドを見つける鍵になるかもしれないが、信じてよいのか
第3話Crossroads Elegyミルトンでの出来事のあと、瀕死のアストリッド(操作キャラクター)が謎の人物に救われる。Pleasant Valleyの猛吹雪の中、医師として生存者たちに向き合う
第4話Fury, Then Silence囚人のギャングに捕らえられたマッケンジー(操作キャラクター)が、Great Bear Islandでも特に暗い一角からの脱出を図る
第5話The Light at the End of All Thingsマッケンジーとアストリッドがオーロラの謎に迫る最終話

第1話と第2話は、2018年12月の「Redux」アップデートでミッション構成・ストーリーイベント・台詞・アニメーションを含めて全面的に作り直されています(Steamストアの説明)。第3話は2019年10月、第4話は2021年10月に公開されました。第5話は2026年3月に配信され、公式ブログはTHE LONG DARKの所有者向けの無料アップデートだと案内しています。2026年8月の開発日誌では、WINTERMUTEはこれで完結したとされています。

Steamストアと公式サイトによると、声の出演はJennifer Hale、Mark Meer、David Hayter、Elias Toufexisほか、音楽はCris Velascoが担当しています。サバイバルモードの音楽はSascha Dikiciyanです。

ゲームシステム・遊び方

本作には、サバイバルモード、ストーリーモードのWINTERMUTE、チャレンジモードの3つの遊び方があります。中心になるのは、物語のないサンドボックスであるサバイバルモードです。

サバイバルモードの基本

Steamストアの説明では、サバイバルモードは「目的は生き延びることだけで、死が唯一のエンディング」です。ゲームは情報を与えても答えは示さない作りで、何をどの順番で進めるかはプレイヤーが自分で判断します。

サバイバルモードは恒久的な死(パーマデス)が基本で、死ぬとセーブデータは削除されます。ただし2024年6月、拡張パスTales from the Far Territory第5パートと同時に配信されたサバイバルモードの無料アップデートで、任意の「Cheat Death」システムが加わりました。Steamでの公式告知によると、Cheat Deathに対応する体験モードでは、死亡時にそのまま死ぬか、ペナルティを受け入れてプレイを続けるかを選べ、ペナルティは死ぬたびに重なっていきます。Cheat Deathを選ばなければ、従来どおりセーブデータは削除されます。ただし、Cheat Deathを使える体験モードの範囲は公式告知・開発日誌には書かれておらず、攻略Wiki(The Long Dark Wiki)によると、Cheat Deathを選べるのはMiseryを除く体験モードで、Miseryでは使えません。追加前の2024年5月の開発日誌では、Cheat Deathは最大3回まで(命は合計4つ)使え、使うたびにゲームが難しくなること、死亡時に持っていた物の一部が入った荷物を回収できることが説明されていました。

プレイヤーが見張るのは、体温・疲労・渇き・空腹の4つの状態です。Hinterland公式サポートの説明では、これとは別に生存状態を表す「Condition(状態)」のメーターがあり、4つの状態のバーが空になったときや、疾患にかかったとき、環境からダメージを受けたときに減っていきます。Conditionが尽きると死亡です。どの行動にもカロリーが必要で、Steamストアは「時間はあなたの最も貴重な資源」と書いています(図2を参照)。

The Long Darkのサバイバルモードの基本の流れの図
図2:サバイバルモードの基本の流れ(Steamストアの説明、Hinterland公式サポート記事、2024年の公式告知をもとに作成。Cheat Deathを使える体験モードは攻略Wikiによる)

物資は、ツール、光源、武器、応急処置、衣類など100種類以上あります。狩り・釣り・罠・登攀・マッピングで食糧や用具を手に入れ、低体温症・凍傷・赤痢などを避けながら生き延びます。登場する野生動物としてSteamストアが挙げているのは、オオカミ、クマ、ヘラジカ、ウサギ、シカ、カラスです。時間帯・天候・野生動物の出方は変化し、公式サイトはこれが毎回の難しさにほどよいランダム性を与えると説明しています。

ポイント:Steamストアの英語説明では、探索できる範囲を「50+ square kilometer」の北カナダの荒野とし、12の主要地域とそれをつなぐゾーンで構成されているとしています。公式サイトの拡張ページによると、その後の有料拡張Tales from the Far Territoryで、Forsaken Airfield、The Zone of Contamination、Sundered Passなどの地域が追加されています。

体験モード(難易度)

サバイバルモードは「体験モード(Experience Modes)」で難しさを選びます。公式サイト(thelongdark.com)とSteamストアの説明は4種類の体験モードとカスタムを挙げていますが、2024年6月の無料アップデートで、さらに厳しい「Misery」が追加されました。

体験モード説明(公式サイト・Steamストア・公式告知)
Pilgrim(放浪者)静かで哀愁的な(quiet and pensive)体験向け。公式が挙げる4種類のうち、Interloperと反対の端に置かれている
Voyageur/Stalker(攻略Wiki等の表記)公式が挙げる4種類のうち、PilgrimとInterloperの間にある2つ。公式サイトとSteamストアの説明には名称・個別の説明はなし
Interloper(侵入者)最も経験を積んだプレイヤーでも一週間生き延びるのがやっと
Misery2024年6月の無料アップデートで追加。Interloperよりも厳しい設定。攻略WikiによるとCheat Deathは使えない
Custom(カスタム)サバイバルモードの設定を自分の好みに合わせて調整する

カッコ内の日本語名は、Steamの日本語ストア説明に出てくるものだけを記載しています。Voyageur・Stalkerの名称は攻略Wikiなどの表記で、本記事では公式ページで確認できていません。

WINTERMUTEとチャレンジモード

WINTERMUTEはサバイバルの仕組みの上に物語を重ねたモードで、Steamストアによると恒久的な死はありません。チャレンジモードは1〜3時間程度で終わる目的達成型のモードで、猛吹雪が来る前に物資を備蓄する「猛吹雪」や、凶暴なクマから逃げる「追われる者」などがあります。チャレンジをクリアすると、サバイバルモードで長く役立つ要素が解除されます。

追加DLCと近年のアップデート

本作は正式リリース後も更新が続いています。早期アクセス開始から現在までの主な出来事は図3のとおりです。

The Long Darkの早期アクセスから2026年までの年表
図3:The Long Dark の歩み(公式サイト・Steamストア・Steamニュースの告知をもとに作成)

Tales from the Far Territory

2022年12月5日に始まった、サバイバルモード向けの最初の有料拡張パスです(Steam価格2,200円)。全6パートで、2024年12月の第6パート「Broken Silence」で完結しました。公式サイトの拡張ページによると、第1パート「Forsaken Airfield」で同名の新地域、第4パート「Buried Echoes」でThe Zone of Contamination、第5パート「Last Horizon」でSundered Passと新しい野生動物のCougar(クーガー)が加わっています。各パートには、拡張パスを買っていない人も受け取れる無料アップデートが付いており、難易度Miseryと前述のCheat Deathは、第5パートと同時の無料アップデートで追加されました。

The Long Dark: Iron Road(早期アクセスDLC)

2026年10月27日に発売された、サバイバルモード向けの早期アクセスDLCです。Steamの日本ストア価格は3,000円で、10月29日時点では発売記念の10%オフで2,700円でした。公式サイトによると、舞台は火山のカルデラにできた群島Cauldron Islandで、Anna、Stella、Freya、Morag、Skyeの5つの主要な島に100km以上の鉄道と、かつて栄えた捕鯨産業の遺構が広がっています。早期アクセス版で探索できるのは、最初のAnna Islandと30km以上の鉄道で、ほかの島は今後のアップデートで開放される予定です。1世紀前から隠されていた試作列車(Prototype Train)を見つけて修理し、移動手段と移動式の拠点として使いながら島の謎を追う内容です。

サウンドトラックは「Music for The Long Dark」としてVolume One(880円)、Volume Two(880円)、Volume Three(1,350円)がSteamでDLCとして販売されています。

メディアでの評価

Steamストアの紹介文は、WIRED誌の「本作はこのジャンル全体における頂点である」という評を引用しています。PC Gamerは85点を付け「Deep, brutal, and hauntingly atmospheric(奥深く、過酷で、忘れがたい雰囲気)」と評しました(OpenCritic掲載の要約)。日本ではGame*Sparkの「クラフトサバイバル名鑑」(2024年3月)が「火に当たる喜びは本作の最高の醍醐味」「わかりやすく難しい」と書いています。集計サイトのOpenCriticでは、トップ批評家の平均が77点です。

ストーリーモードについては評価が分かれています。GameSpot(6/10)はOpenCritic掲載の要約で「Bugs and a rough story weaken what is, at its core, a great survival game.(バグと粗い物語が、核の部分では優れたサバイバルゲームを弱めている)」としています。一方、第5話の配信時に公式ブログは、Shacknewsの「Episode Five is the perfect end to The Long Dark’s story」という評を紹介しています。

Steamでの評価

Steamレビューでは、全期間の評価が「非常に好評」です。2026年10月12日時点の集計で、総レビュー数124,074件のうち好評が110,270件、不評が13,804件で、好評率は約89%でした。

区分評価件数・好評率
全レビュー(2026年10月12日)非常に好評124,074件中110,270件が好評(約89%)
最近のレビュー(2026年10月29日時点の過去30日)非常に好評729件中80%が好評
日本語のレビュー(2026年10月29日時点)やや好評582件中79%が好評

ストアページには、トピックから外れたレビューが集中した期間が1回以上あり、その期間のレビューをスコアから除外しているという注記も表示されています。

一部のレビューでは、極寒のサバイバルそのものやサバイバルモードを勧める声、チャレンジモードを「詰将棋のような味わい」と表現する声が見られます。一方で、ストーリーモードの結末への不満、バグ、オオカミのバランスへの不満も一部のレビューで挙がっています。

こんな人におすすめ

向いている人:
・戦闘よりも、寒さ・空腹・疲労をやりくりする生存の駆け引きを一人でじっくり遊びたい人
・ゲーム側の説明が少なく、自分で考えて手順を組み立てる遊びが好きな人
・死ぬとセーブデータが削除される恒久的な死を基本とした緊張感を受け入れられる人(Misery以外の体験モードでは、任意のCheat Deathを選べばペナルティ付きで続行することもできます。Miseryで使えない点は攻略Wikiによる)
・難易度をPilgrimからMiseryまで、あるいはカスタムで細かく選びたい人
・1〜3時間程度で終わる目的達成型のチャレンジも遊びたい人

注意点

購入前に確認したい点:
・パッケージの違い:「Survival Mode」(2026年10月12日取得時は75%オフの550円、通常2,200円)にはストーリーモードWINTERMUTEが入っていません。物語も遊ぶなら「The Long Dark」(2026年10月29日確認で3,800円)を選ぶか、WINTERMUTEのDLC(2,200円)を追加します。Steamの日本語ストア説明には「5つのエピソードのうち4つ」「ゲーム価格には第1から第5エピソードまでが含まれており」といった2022年の販売形態変更や第5話配信より前の記述が残っているため、パッケージの中身はストアの購入欄で確認してください
・日本語対応の範囲:日本語はインターフェースと字幕のみで、音声は英語です。Game*Sparkの記事では「一部不思議な翻訳」があると書かれ、Steamの日本語レビューにも台詞の訳についての指摘があります。日本語レビューの評価は全体より低い「やや好評」です
・Iron Roadは早期アクセス:公式サイトによると、発売時点では予定している内容の一部だけが入っており、残りは開発とともに順次追加されます

類似作品

作品The Long Darkとの関係(出典)
Project Zomboid海外メディアeXputerが、Green Hellや本作とともに現実寄りのサバイバルゲームの例に挙げている。Steamの日本語レビューにも「Project Zomboidが好きなら絶対ハマる」という投稿がある
Green Hell同じくeXputerが、現実寄りのサバイバルゲームとして本作と並べている
FrostpunkSteamで「The Long Dark: Survival Mode」とのセットバンドルが販売されている(2024年12月にSteamニュースで告知)
Rust/The ForestPush Squareのレビュー(2017年)が、早期アクセス出身のサバイバルゲームとして本作と並べている

まとめ

  • 作品: Hinterland Studio Inc.が開発・販売する一人用の探検・サバイバルゲーム。Steamでは2014年9月に早期アクセス開始、2017年8月1日に正式リリース
  • 世界観: 謎の地磁気災害で電子機器が止まった「静かな黙示録」の世界。舞台はカナダ北部のGreat Bear Island
  • サバイバルモード: 体温・疲労・渇き・空腹とConditionを管理し、物資を集めて生き延びる。恒久的な死(セーブデータ削除)が基本だが、2024年6月の無料アップデート以降は、Misery以外の体験モードであれば死亡時に任意のCheat Deathを選び、ペナルティを受けて続行することもできる(Miseryで使えない点は攻略Wikiによる)
  • WINTERMUTE: マッケンジーとアストリッドを描く全5話のストーリーモード。2026年3月の第5話で完結
  • 価格: Survival Modeは550円(通常2,200円・75%オフ、2026年10月12日取得)。参考として、2026年10月29日の確認ではSurvival Mode 2,200円、ストーリーモード同梱版3,800円。DLCにTales from the Far Territory(2,200円)と早期アクセスのIron Road(3,000円)
  • 評価: Steamでは124,074件中約89%が好評の「非常に好評」(2026年10月12日)。日本語レビューは「やや好評」
  • 注意点: 日本語はインターフェースと字幕のみ。Survival Modeのパッケージにはストーリーモードが含まれない