サーフィンしながらプロポーズ 指輪を落として彼女も落とせ!
最近めっきり寒くなりましたが、心温まるニュースがありました。
【海外発!Breaking News】サーフィン中にプロポーズした男性 指輪を落とすも…(米)
米ハワイ州ワイキキ地区ビーチの東寄りに位置するクイーンズビーチは、多くのサーファーが訪れることで知られる。
そのクイーンズビーチで今月10日、サーファーの男性が波の上で愛する女性にプロポーズし話題になっている。
このニュース。
なんか既視感があるんで、特にと伝えすることも内容に思えたんですが、見方を変えたら違うストーリーが見えてきましたので、お伝えしようと思います。
なんで、サーフィンしながらプロポーズなんてするんでしょうか。
「サプライズじゃね?」
ええ、確かにそうでしょう。
でも、サプライズなら、サーフィンじゃなくてもよくないですか?
もう古くなってしまいましたけど、フラッシュモブでもいいですよね。
で。
フラッシュモブではできなくて、サーフィンでできる演出ってなんなんだろうって考えたところ、ありました。そういう演出。
で。
実際にニュースのこの男性もそれを利用しているんです。
それは、”消失”です。言い換えれば、”欠如”です。
フラッシュモブで、新郎が消失したら、ただの逃亡ですから、不可能です。
「人の心を動かすには、物語が必要だ」
と、Appleのスティーブ・ジョブズだっていっています。
物語に大事な要素として、”欠如”があります。
それは、舞台などの後世の基礎である三幕構成にも必ず用意されている大事なシーケンスです。
例えば、スタジオジブリ、宮崎駿監督作品の中で興行収入第二位のハウルの動く城のヒロインなんかもわかりやすいんじゃないでしょうか。
いつも変わらない不満はあるけれど、安定した日々。
そこから彼女が街を出るきっかけとなったものは、やはり”欠如”です。
突然、老婆の姿になってしまい、自分は自分としての生活を送れなくなってしまうんですよね
そうすると、じゃあ、その変化に対して、どう対処するか。
と、今までの自分にはできないような大きな決断をすることができるんです。
それが、彼女の場合は街を出ること、なんですね。
で。
そういう物語に人間はどういうわけか心惹かれてしまうわけです。
欠如、欠乏、消失したものが大きければ大きいほど、心動かされるわけです。
で、このニュースの場合(脱線が長かった)。
「結婚指輪。給料の三ヶ月分」なんていうキャッチフレーズもう聞きませんが(地味婚とか流行るくらいですし)まあ、それでも結婚指輪が安い買い物になったってわけではないでしょう。
映画のように、空き缶のプルタグで作る度胸がある人なら別ですが。
このニュースの男性は、その結婚指輪を、サーフィンしながらプロポーズする際に、落としてなくしてしまうんです。
(・・・馬鹿なの?)
と、いう心の声が聞こえました。
誰の心かって?
もちろん、ぼくです爆
この物語のオチは、
「高い指輪はなくなってしまったけれど、それ以上に価値のあるものを手に入れた」とかそういう金の簪と懐中時計みたいな話ではなくて、しっかりしたものでした。
なんと、この男性。
落とすことは折込済みだったのです!
つまり、落としてもいいように(というか落とすことを前提に)スペアを用意していて、そっちが本物の結婚指輪で、サーフィンしながら海上に持ち込んだ指輪はフェイク、イミテーションだったんだそうなんですよ。
すごいリスク管理ですよね。
彼女も二重に驚いたことでしょう。
そして、「指輪は残念だけど、すごくドキドキしたわ・・・うれしい」なんて感心し、感動し、感涙しているところで、「実は指輪はちゃんとあるんだぜ、ベイビー」ときたものです。
「きゃー!素敵ー!」(なんていうのかは知りませんが)
からの、プロポーズの結果ももちろんOK!
いうことなしですね。
物語は、失ったものを取り戻すといった流れのテンプレートが使われることが多いですが、それは現実でも同じようです。
- 物語のような体験で、ロマンスを与える。
- 次に、リスクへの準備・対応能力を見せる。
- それは男としての器を誇示することです。
未婚男性は、プロポーズする際の参考にしたら良いでしょう。
ただ、欠陥住宅みたいなハリボテの器じゃ、割れてしまって恋破れてしまうかもしれないので、注意してくださいね。
了