この記事は、転スラこと「転生したらスライムだった件」の無限ループ世界観を、何回目のループ、何回目の世界で抜け出すことに成功したかについて考察したいと思います。
ループやパラレルワールドを題材にしたアニメといったら何を思い浮かべますか?
シーズン2が終わったばかりですし、死に戻りという権能をもった主人公ナツキ・スバル。やっぱりリゼロを思い出す人は多いのではないでしょうか。
ちょっと前ならシュタインズ・ゲートだったでしょうし、もっとさかのぼって洋画であれば、バタフライ・エフェクトですよね。
しかし、じつは大人気作品で、それを売りにしていないのにも関わらず、世界観的にはループ物になっているアニメ、マンガ、小説。つまり物語があります。
そうです。この記事を読んでいる時点でとうにお気づきかとは思いますが、「転生したらスライムだった件」、転スラです。
アニメ第二期も終わったということで、今後の展開として重要なループについてまとめます。
前提
ここでは転スラのループ世界線説について、考察する前提をまとめます。
何準拠か
今回のループの説明は、Web版ではなく小説版を基にしています。
なので、もしかしたら、漫画版、アニメ版では改変されるかもしれません。
ループとは
転移者であり召喚者であるクロエ・オベールが時間旅行を使う=使われること、とします。
クロエ・オベールとは
概要
アニメ1期にもでてきた、イングラシア王国学園にいた黒髪の女の子です。
リムルの活躍で魔素の暴走を防ぐことができました。
その実、正体は勇者クロノアであり、転スラの世界を何度もやり直している主役だったのです。
声優
田所あずさ
種族
人間
役割
勇者
ユニークスキル
時間旅行(トキノタビビト)
絶対切断
無限牢獄
アルティメットスキル
時空之王(ヨグ=ソトース)(時間旅行、絶対切断、無限牢獄を材料に統合)
希望之王(サリエル)
勇者クロノアとは
クロエ・オベール(現在クロエ・オベール+過去クロエ・オベール+現在ヒナタの魂の存在)
が2000年前に時間旅行した姿。
世界の滅亡を止めるため何度もループしやり直しをしている。
時間旅行の発生トリガー
クロエが任意で発動できない。
ヒナタが死亡すると発動する(なぜ?)
転スラ世界でのループ(世界)回数
4回(+1回)です。
小説版からすると、クロエが時間跳躍する回数は4回(+1回)で説明が付きそうです。
+1回については後述します。
加えて、残る問題点についても考察します。
1回目の世界
1回目の世界線では、ヴェルドラが暴れ、世界はピンチに。
クロエAは、ヒナタ、ルミナスとヴェルドラに挑むが敗北、時間旅行で、ヒナタの魂とともに2000年前へ時間跳躍します。
2回目の世界
2000年前についたクロエAは、勇者としての力を着実につけていきます。
その後、クロエAは、今回のクロエBが転移してくる前に眠りに付きます。(クロエがふたりいる問題=同じ魂が2つ存在できないルールの回避)
そして、2000年後、ヴェルドラとクロエBはヒナタ、ルミナスと再戦。
やはり敗北し、時間旅行で、クロエBはヒナタの魂とともに2000年前へ時間跳躍します。
クロエBがいなくなったことで、
クロエAは存在できることになり、覚醒します。
しかし、クロエAは時間旅行と人間の精神ではとても絶えられない時間の積み重ねにより精神は崩壊しており、暴走します。
ギィ・クリムゾンに敗北、死亡。クロエAの精神のみ、クロノアXとしてクロエCに過去方向へ召喚される。
3回目の世界
2000年前についたクロエBは、勇者としての力を着実につけていきます。
その後、クロエBは、今回のクロエCが転移してくる前に眠りに付きます。(クロエがふたりいる問題=同じ魂が2つ存在できないルールの回避)
クロノアとして転生したクロエAは、精霊迷宮の儀式でクロエCに召喚されクロエCに宿る。
そして、
ヴェルドラとクロエC(+クロノアX)はヒナタ、ルミナスと再戦。
やはり敗北し、時間旅行で、クロエCはヒナタの魂とクロノア(クロエA)ともに2000年前へ時間跳躍します。
クロエCがいなくなったことで、
クロエBは存在できることになり、覚醒します。
しかし、クロエBは時間旅行と人間の精神ではとても絶えられない時間の積み重ねにより精神は崩壊しており、暴走します。
ギィ・クリムゾンに敗北、死亡。クロエBの精神のみ、クロノアYとしてクロエDに過去方向へ召喚されます。
4回目の世界
前の3回と違うところは過去に戻ったクロエCは、クロノアX(クロエA)を内包している。
2000年前についたクロエCは、勇者としての力を着実につけていきます。
はじめて、無限牢獄と絶対切断を獲得。
ヴェルドラを封印することに成功する。
その後、クロエCは、今回のクロエDが転移してくる前に眠りに付きます。(クロエがふたりいる問題=同じ魂が2つ存在できないルールの回避)
ヴェルドラを封印することができ、リムルがヴェルドラを取り込み力の底上げと、ヴェルドラの改心が発生する。
クロノアYとして転生したクロエBは、精霊迷宮の儀式でクロエDに召喚されクロエDに宿る。
そして、クロエDはクロノアY(クロエB)を内包していることで、クロエC(クロノアXを内包しているクロエ)の影響を受けた世界線の記憶があり、リムルを引き止める。
リムル生存から魔王化。
そして、
ヴェルドラとの再戦は回避される。
しかし、
ユウキの強襲に合い、ヒナタ死亡。
時間旅行が発生、クロエDはクロノアYとヒナタとともに、2000年前へ移動。
クロエDがいなくなったことで、
クロエC(クロノアX)はクロノアXとして目覚める。
クロノアXは、無限牢獄を獲得しているため、
クロエCと、ヒナタを封印し、主導権を獲得している。
クロノアXは暴走するが、この世界のリムルは、「無限牢獄」の解析が完了しているため、クロノアXが封印したクロエCと、ヒナタを解放することに成功。
死亡したヒナタの身体に、クロエCに内包されていたヒナタの魂を遷し、生き返らせることに成功する。
主人格がクロエCに戻り、クロノアXは交換人格に戻る。
そして、リムルの智慧之王の力で
クロノアXは、神智核となり生き続けることができるようになる(救済)。
こうして4回目の世界にして、
バッドエンドを乗り越え、グッドエンドへ到達するのだった。
残る問題点1:無限ループ
+1回の件です。
かくして4回のループでグッドエンドに到達することができたわけですが、問題が残っています。
それは、転スラの構造上、どうしても、「時間旅行」が発動してしまう限りは、クロエの身体が過去に飛んでしまい、無限ループとなってしまうのです。
なので、グッドエンドに到達したからといって、ループがおわったわけではありません。
これからも、グッドエンドに向けて、何度も何度も何度も何度も・・・・
ループされた転スラの世界はつづいていくわけです。
と思ったのですが、実は、無限ループははやければ、次回5回めの世界でで終止符がうたたれるかもしれません。
なぜなら、5回目の世界へ飛んだクロエD(クロノアY)は、ユウキの強襲を知っているからです。
なので、それを阻止できるように動き、準備し、完遂すれば、ヒナタが死に、時間旅行が発動し、身体ごと過去へ飛ぶことはなくなるからです。
そして、そうなった場合、クロエEにはクロノアがついていませんので暴走することもありません。
あとは、リムルたちのがんばりで、クロエD(クロノアYとヒナタの魂)を救済すれば、これこそがトゥルーエンドなのではないでしょうか。
もしかしたら、魔王レオンが、聖櫃で寝ているクロエとともに別の世界へ転移する・・・なんてこともあるかもしれませんね。
なので、小説版では、グッドエンドが描かれましたが、いつか、トゥルーエンドを見ることができることを期待しています。
これが+1回の件でした。
残る問題点2:抗魔の仮面のタイムパラドックス
抗魔の仮面は、本編でリムルがシズから受け取ったマジックアイテムです。
そして、リムルがクロエに譲ったことで、過去に戻ったクロエが勇者クロノアとして活動している間所有し、それをシズに譲ったということになります。
となれば、リムルがクロエに渡さなければ、勇者は抗魔の仮面をもっていないことになり、勇者が抗魔の仮面をもっていなければ、抗魔の仮面がシズからリムルに渡ることがなくなり、リムルからクロエに渡ることもなくなってしまうのです。
これについてぼくは個人的にはこういう仮説で考えています。
そもそも、「転スラ」が始める前の世界があった。
「転スラ」が始める前の世界
きっとその世界は、リムルはいなかったのではないかと考えています。
もし、リムルがいなければ、ヴェルドラが改心することはなかったでしょう。
もし、リムルがいなければ、イングラシア王国学園の生徒たちは精霊迷宮で上位精霊との契約はできていないかもしれません。
しかしです。
きっと、イングラシア王国学園というか、クロエですが、彼女はどうにかして、生き残ることができたのでしょう。
必死に運命に抵抗して。
あるいは、そもそも、その世界ではユウキもおらず、クロエは未来へ召喚されていないかもしれません。
となれば、クロエはレオンとともに生活していた世界ということになります。
レオンはクロエといっしょにいたなら、シズを召喚してません。
リムルもシズもいない世界線。
そこで、きっとなにかがあって、
抗魔の仮面はつくられたのでしょう。
そして、その世界ではきっと、まだ明らかになっていない
時間旅行のトリガーがヒナタの死であるという、縛りが発生した世界でもあるのではないでしょうか。
そして、世界を救うため、だれかの意図で
リムルは転生させられた・・・と。
そう考えるとちょっと無職転生のルーデウスっぽいですね。
そんな転生したらスライムだった件の前日譚。
「転スラ/Zero」みたいな話もいつか読ませてくれるとうれしいなあ、と思っています!