こんにちは!
5話「内なる望み」のまとめ記事で書くと宣言して、6話「神秘なる生物」でも、後回しにした考察をいよいよ書いてやろうじゃないかというーーぼくです。
なぜ、ジンへの最後の願いがウィッチャーシリーズ最大の謎とするのかといえば、それは1999年に小説版ウィッチャーサーガがウィッチャーV湖の貴婦人で完結してもなお、その答えを作者が明かしていなからです。
なんて野暮なツッコミは他所に、考察してみたいと思います。
ワールド・オブ・ウィッチャーというダンディリオン(ヤスキエル)が書いた書籍という体の設定資料集も読んだのですが、やっぱりこの件については明言されていませんでした。
なので、どこまで考察しても結局のところ「お前がそう思うならそうなのだろう(OSS)」の域を脱しない話ではありますが、お付き合いいただけたらなあ、と思います。
考察の前提
考察を進める前に、考察の前提を明らかにしたいと思います。
なぜなら、物事というものは、話の前提が変われば、解釈は大きく変わってしまうからです。
例えば、A国とB国が戦争をしたとします。
ニルフガードと、シントラみたいなものですかね。
このとき、A国とB国どっちが悪いでしょうか?
・・・はい、わからないですね。
なぜ、わからないのでしょうか。
それは、前提条件。事前情報、物語の背景がわからないからです。
それでは次。
A国が先に戦争を仕掛けた。
という前提条件が提出されたら、どうでしょうか?
はい、そうですね。A国が悪い。これが正しい考察でしょう。
「いやいや、B国だって悪いかもしれないぜ?」
この意見は誤解を気にせずに、忖度せずにいえば、間違いです。
なぜなら、A国が戦争を仕掛けたという情報だけが、前提条件であり、B国が何か悪いことをした、という条件は提示されていないからです。
提示されていない条件を基に考察することは、それこそOSS「お前がそう思うならそうだろう」に拍車をかけることになりますし、それは妄想であり、なんでもありの世界です。
この世の中はすべて認識。
確かにそうですし、完全な客観はなく、すべては誰かの主観で出来上がっている以上、主観は妄想でしかないのかもしれませんが、何か話題をテーブルにあげて、相手と共有する場合は、そうはいきません。
ちゃんと、理由を説明できる、証明できる必要があり、それは特定の誰かにだけ提示されてる条件ではなく、公平に、公正に提示されている情報である必要があるからです。
それでは、次。
B国がA国の姫を拐い、拷問の末、晒し首にしたから。
という条件が追加されたらどうでしょうか。
これなら、B国が悪い、ということになるかもしれませんし、ひとりのために戦争を起こしたA国がやっぱり悪いということになるかもしれません。
それでは次。
実は、B国はずっとA国と戦争をしたかった。
しかし、A国は平和主義なので、戦争に応じる気配はない。
周辺諸国の目もあり、B国は自国から侵略戦争を仕掛けるわけにはいかなかった。
なので、A国に対して秘密裏に工作を行、周辺諸国には知られないよう、姫を拐い出し、拷問し、晒し首とした。
それでも、A国は1王族のためだけに戦争を起こすことなどしなかった。
なので、B国は事前にA国の中に送り込んでおいた扇動家を利用して、その事実を虚実とまぜ民衆を煽り、A国からB国に結果的に戦争を仕掛けるように仕向けた。
そして、A国は望まないまま、B国と開戦。
結果的に、敗戦し、B国の俗国となったのであった。
・・・・
という話ならどうでしょうか。
B国が悪いですね。
まあ、長くなりましたが、前提って大事だよ、って話です。
ウィッチャーの特性
ウィッチャーについて考えてみたいと思います。
ウィッチャーは怪物の特徴に詳しい
ウィッチャーというのは作品のタイトルの話ではなくて、職業としてのウィッチャーです。
ウィッチャーは、怪物退治を生業としている変異体(ミュータント)たちのことです。
拠点はケィア・モルヘンにあります。
彼らは怪物を倒すために、怪物に対する知識を多く持つと考えられています。
そんなウィッチャーのゲラルトが主人公の物語がウィッチャーなわけですから、問題解決にはそのウィッチャーの知識を利用するのが作品としては、大前提となっています。
例えば、3話「裏切りの月」のストリガの話なんていうのがわかりやすいんじゃないかなあ、と思います。
ジンの特性
ジンについて考えてみたいと思います。
ジンは主を殺せない
ジンは自分の主に逆らうことができない。これはゲラルトでなくても、ウィッチャーでなくても知っているお約束ですね。
ジンは自分を支配しようとした相手を許さない
これが一番大きなポイントになる性質だと思います。
ジンは短気で無限に近い力を持つと言われています(出典:ワールド・オブ・ウィッチャー)。
Netflixドラマ版でもそうですが、ジンはイェネファーを許してなどいません。
しかし、ゲラルトが願いを叶えたあと、イェネファーを殺すことなく、その場を後にしました。
これは、ゲラルトが叶えた願いが何なのかについて大きな手がかりとなる情報だと考えています。
原作小説での描写
ゲラルト
ゲラルトは、イェネファーの過去をみた。そして、彼は最後の願いを決めた。(出典:最後の願い)
つまり、最後の願いは、イェネファーの魔法使いになる前の、過去の状況や願いと関係があります。
イェネファー
わたしはあなたの願いを聞いた。そんな願いが叶えられるのはわからないけれど・・・(出典:最後の願い)
といって、イェネファーはとてもゲラルトが口にした最後の願いに感動した、と描かれています。
ドラマ版では、イェネファーには聞こえてなかったので、そこが少し違いますし、その違いが6話「神秘なる生物」の別れにつながっているのかもしれませんね。
ゲラルトが死ぬとイェネファーも死ぬ
ゲラルトが死ぬと、同時に、イェネファーが死ぬ(出典:湖の貴婦人)
まとめ
今日はジンにゲラルトが願った最後の願いについて考察するための、前提条件をまとめました。
- 短気で強力な精霊ジンですが、主を殺すことはできません。
- 自分を無理に使役しようとしたものを許しません
- イェネファーはゲラルトの願いのおかげで救われました。
- ゲラルトは、イェネファーの過去を知り、願いを決めます。
- イェネファーはゲラルトの願いを知り、とても感動します。
- そして、ゲラルトが死ぬと、同時に、イェネファーも死にました。
それでは、これを前提に次回以降、メジャーな仮説について考察していきたいと思います。
了