【PSYREN -サイレン-】天戯弥勒の正体ネタバレ解説|グリゴリ06号がW.I.S.Eを作った理由と2つの結末

PSYREN -サイレン-は、岩代俊明が『週刊少年ジャンプ』で2008年から2010年まで連載した漫画で、2026年10月からTVアニメが放送されています。10年後の荒れ果てた日本を支配するサイキッカー集団W.I.S.E(ワイズ)。その頂点に立つのが、光の樹で人を貫き、奪った命で自らの体を再生させる青年・天戯弥勒です。世界崩壊の元凶として現れた弥勒の正体は、国の秘密研究機関「グリゴリ」の実験体06号であり、サイレンのゲームを仕掛けたグリゴリ07号の双子の弟でした。この記事では、原作漫画での弥勒の過去、PSI「生命の樹(セフィロト)」、W.I.S.Eを作った理由、そして未来と現代で分かれた2つの結末を、小説版の後日談と分けて解説します。
ネタバレ警告:この記事は原作漫画の最終話までの重大なネタバレを含みます。弥勒の正体と過去、W.I.S.Eの真の黒幕、未来と現代それぞれでの弥勒の結末、さらに小説版の内容まで書いています。アニメで初めて作品に触れる方はご注意ください。
この記事の基準:原作漫画(全16巻・全145話)が基準です。話数(CALL.)と題は集英社の単行本目次で確認しました。どの出来事が何話にあたるかは集英社が公表していないため、ファンWiki(PSYREN -サイレン-@wiki)、英語版ファンWiki(PSYREN Wiki)、日本語版Wikipedia、アニヲタWiki、連載当時の感想ブログ(毎週の感想を書いていたNGD「かつてゲーオタだったかもしれない人の日記」など)の整理による目安です。出典は文中の括弧で示し、小説『another call』の内容は「小説版」として分けています。物語全体の流れはストーリー全ネタバレ解説にまとめています。いずれも2026年10月15日に確認した情報です。
天戯弥勒の基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 天戯弥勒(あまぎ みろく)。作中では「アマギミロク」と書かれることもある。ファンWikiは、この名前は本名ではないとしている |
| 正体 | 国の秘密研究機関「グリゴリ」の第2次計画で育てられた実験体06号 |
| 立場 | W.I.S.Eの創始者で首領(日本語版Wikipedia、アニヲタWiki)。英語版ファンWikiは、ミスラと並ぶW.I.S.E元老院の一員ともしている |
| 家族 | 双子の姉はグリゴリ07号(ネメシスQの主)。幼いころは姉とともに孤児院「はるかぜ学園」で暮らしていた |
| 年齢 | 現代(2008年)で19歳(ファンWiki、英語版ファンWiki)。誕生日はグリゴリ側が決めたものとみられる(ファンWiki) |
| PSI | 生命を操る「生命の樹(セフィロト)」 |
| 拠点 | 未来ではW.I.S.Eの首都アストラル・ナーヴァ |
| 初登場 | 3回目のゲームで見つかった「宣戦の儀」のDVD(4巻末〜5巻、覆面姿)。現代では6巻のCALL.49「落書き」で犬居清忠に従う弟「三郎」として現れ、7巻のCALL.54「兄弟」〜CALL.55「ミロク」で正体を明かす(題は集英社の目次。話との対応はファンの整理) |
| TVアニメの声優 | 未発表。TVアニメ公式サイトのSTAFF&CASTに載る7人にも、第2話までの出演者(ABEMA TIMESのまとめ)にも天戯弥勒役はいない(2026年10月15日時点) |
正体|グリゴリ実験体06号として過ごした日々
グリゴリは、子どもを実験体にしてPSIを研究していた国の秘密機関です。日本語版Wikipediaによると旧科学技術庁と防衛庁が合同で設立したもので、作中の16年前に01号(のちのグラナ)の脱走で第1次計画が頓挫し、第2次計画として再開されました。第2次計画では、実験体にPSIを抑える装置(日本語版WikipediaやアニヲタWikiは「Pacs」と呼ぶ)をつけ、職員もトランス(精神に働きかけるPSI)への耐性をつける手術と訓練を受けていました(日本語版Wikipedia、英語版ファンWiki)。
弥勒と双子の姉は、はるかぜ学園でPSIの素質を見いだされ、グリゴリに連れて行かれました。弥勒の過去は11巻末から12巻にかけて、元職員の射場公一の口から語られます(集英社12巻紹介文)。射場の回想に出てくる幼い06号は、屈託なく笑う子どもでした。実験が終われば姉と一緒に家族のもとで暮らせる。所長のその言葉を信じ、姉の身代わりになって進んで実験に協力していたのです(ファンWiki)。所長は、弥勒を操りやすくするために家族からの手紙まで偽造していました(ファンWiki、アニヲタWiki、英語版ファンWiki)。
やがて約束が嘘だと悟ると、弥勒から笑顔が消えます。「宙(そら)と話をしている」と言って天井を見つめ続けるなど、奇妙な言動も現れました(日本語版Wikipedia)。ファンWikiは、これはミスラが弥勒に接触し、隕石ウロボロスの衝突の話を持ちかけたためで、このころ弥勒が見るようになった羊と狼の夢もミスラが見せていたと整理しています。
そして18歳の誕生日、弥勒は射場をそそのかしてPacsのスイッチを切らせ、射場以外の職員を殺してグリゴリを壊滅させました(日本語版Wikipedia)。物語が始まる1年ほど前の出来事です(ファンWiki、英語版ファンWiki)。同じ実験体の05号ジュナスは、このとき弥勒とともに脱走しています。弥勒は姉の07号にも一緒に来るよう求めましたが、07号は化け物にはなりたくないと言って拒みました(ファンWiki)。姉とのこの別れが、のちの物語の大きな鍵になります。
性格・特徴|自分を「宙(そら)」になぞらえる男
弥勒は自己中心的で独善的な性格で、PSIの力を持たない人間を「旧人種」として嫌っています(日本語版Wikipedia)。自分を「宙(そら)」にたとえ、世界は自分という宙を中心に回っているという趣旨の言葉を何度も口にします(ファンWiki)。部下のドルキや遊坂葵が倒れても悲しむそぶりは見せず、驚く程度だったと英語版ファンWikiは書いています。
実力はサイキッカーのなかでもトップクラスで、天樹院エルモアの予知さえ覆すほどの力を持ちながら、その力を普通の人と変わらない程度に隠すこともできます(ファンWiki)。犬居事件では、兄に従う愚鈍な弟「三郎」を演じながら犬居を裏から洗脳し、闇金から盗ませた金を活動資金にしていました(日本語版Wikipedia)。
一方で、心を許した相手には別の顔を見せます。グラナのことは主従ではなく対等な友として深く信頼しており(日本語版Wikipedia)、グラナの側も対等な関係で付き合うと決めています(アニヲタWiki)。また、未来の決戦では07号の幻影を前に、姉が自分ではなくアゲハに希望を託したことを悟り、アゲハが憎い、殺せば姉は帰ってくるのかとつぶやきます(連載当時の感想ブログ)。人を見下す言葉の裏に、失った家族とのつながりへの執着が見える人物です。
PSI能力|生命の樹(セフィロト)と派生技
弥勒のPSIは、生命と生命エネルギーを操る「生命の樹(セフィロト)」です。光る種をまき、それを樹や茨に育てて戦います。攻撃だけでなく、足場や防御、相手の拘束にも使え、人の体に種を植えて操ることもできます(ファンWiki、英語版ファンWiki)。主な派生技は図1と表のとおりです。

| 技名(読み) | 内容 | 技名の初出(目安) |
|---|---|---|
| 峻厳(ゲブラー) | 地面から光の樹を生やし、周りの生命を感じ取って枝で串刺しにする。7巻では、この技でカイルをめった刺しにした(ジャンプ本誌のあらすじ欄) | 7巻 CALL.55「ミロク」 |
| 王国(マルクト) | 種を植えた人の口から光る樹を生やし、その人を操って生命力を吸い上げる。吸われた人は枯れるように死ぬ(ファンWiki)。口から樹を生やす描写は、7巻 CALL.54 の犬居の殺害で既出(ジャンプ本誌のあらすじ欄) | 11巻 CALL.95「日輪」 |
| 美(ティファレト) | マルクトで奪った生命力で自分の体を治す。グラナの日輪“天墜”で黒焦げになった全身を再生した(ファンWiki) | 11巻 CALL.96「生命の王」 |
| 生命の門(セフィラ・ゲート) | 奪った生命で門と球を作り、強いエネルギーを放つ。グラナの天墜を防いだ。攻撃技とするか防御技とするかは資料で説明が分かれる | 11巻 CALL.96「生命の王」 |
| 王冠(ケテル) | 生命の樹の最後の力。集めた生命エネルギーから新しい生命の胚を生み出す | 16巻 CALL.138「反転」 |
「峻厳」の読みは、『週刊少年ジャンプ』本誌のあらすじ欄(2009年10号、ファンWikiの書き起こし)、ファンWiki、英語版ファンWiki、連載当時の感想ブログが「ゲブラー」としています。日本語版WikipediaやアニヲタWikiは「ケブラー」ですが、この記事では本誌の表記に合わせました(単行本のルビは未確認)。初出の話数は、本誌のあらすじ欄と感想ブログの記録による目安です。最初のDVDでも弥勒は生命の樹で子どもたちを一瞬で倒しており(ファンWiki)、英語版Wikipediaはこれを峻厳の技としています。
生命の樹のほかに、グラナ戦ではライズ(身体強化)で一気に間合いを詰め、グラナの右目を奪っています(連載当時の感想ブログ、英語版ファンWiki)。また、W.I.S.Eの幹部の多くがPSIを強める「イルミナ」を体に埋め込むなか、弥勒・グラナ・カプリコの3人はイルミナを付けていません(アニヲタWiki、連載当時の感想ブログ)。未来の弥勒は、他人から奪った生命力で体を保つうちに、肉体そのものが生命エネルギーの塊に変わっていました(英語版ファンWiki)。
W.I.S.Eを作った理由|旧人種への憎しみと「新しい生命」
弥勒がW.I.S.Eを立ち上げた背景には、自分たちを人として扱わなかった人間への憎しみがあると推察されています(ファンWiki)。その憎しみを毎夜の夢とテレパシーであおり続けたのがミスラでした(日本語版Wikipedia)。未来の決戦でミスラは、力ある者が生き、力のない者が死ぬ世界こそ弥勒の願いで、それを研究所にいたころに聞いたと語っています(連載当時の感想ブログ)。
現代での弥勒が表舞台に出るきっかけは、11巻のグラナとの戦いです(集英社11巻紹介文)。弥勒はグリゴリでは先輩にあたるグラナに挑み、天墜で炭になりかけながらも、マルクトとティファレトで再生して勝利しました。戦いの様子は報道ヘリのカメラで中継されており、弥勒はそのカメラを奪って、力を隠して生きている能力者たちに、自分の仲間になるよう呼びかけます(日本語版Wikipedia、英語版ファンWiki)。この呼びかけには、自分が何のために生まれたか分からない者たちに答えを与える、という言葉も含まれていました(アニヲタWiki、英語版ファンWiki)。ジャンプ本誌の次号のあらすじ欄も、この場面を「宣戦布告」とまとめています(ファンWikiの書き起こし)。
この中継に応えて、グリゴリ03号(のちのウラヌス)と猟奇殺人犯の鬼瀬鋭二(のちのヴィーゴ)が加わり(日本語版Wikipedia)、のちに星将となるシャイナとドルキもこの中継を目にしています(連載当時の感想ブログ)。
一方、未来の弥勒が目指したのは、ただの支配ではありません。弥勒は、崩壊後のサイレン世界を、自分が望む世界の初期段階にすぎない「創世紀」と呼んでいます(10巻、ファンWiki・連載当時の感想ブログ)。アストラル・ナーヴァの中心にある巨大な釜(ファンWikiや感想ブログは「生命の炉」とも呼ぶ)に集めた生命の結晶を使い、古い生命を新しい生命に置き換えて新世界を作る。それが弥勒の最終計画でした(ファンWiki、連載当時の感想ブログ)。弥勒はミスラに別のねらいがあることを承知のうえで、力と技術を得るために手を組んでいたことも明かされます(16巻、連載当時の感想ブログ)。
人間関係|07号・ミスラ・グラナ・アゲハ
弥勒をめぐる主な人物との関係は図2のとおりです。

グリゴリ07号(双子の姉)
ネメシスQを作り、サイレンのゲームを仕掛けた本人で、10巻で自分が弥勒の双子の姉だと明かします。感情をほとんど表に出しませんが、唯一の弟の動向は気にかけていました(ファンWiki)。グリゴリでの別れのあと、2人が再び向き合うのは、07号が幻影として現れる未来の決戦の場です。
ミスラ(W.I.S.E元老院)
現代では「かがり火」と呼ばれる予知で弥勒を助けてきた女性です。正体は、ウロボロスの中にいる星を喰う生命体「クァト ネヴァス」の代弁者で、W.I.S.Eを利用して地球をサイレン世界に変えた真の黒幕でした(日本語版Wikipedia)。
グラナ(グリゴリ01号)
弥勒が戦って力を認めさせ、仲間に迎えた、のちの第一星将です。未来では、最終計画の準備にこもりがちな弥勒に代わってW.I.S.Eを指揮し、ミスラのことは信用していませんでした(日本語版Wikipedia)。
夜科アゲハ
弥勒の宿敵です。7巻で初めて対峙したとき、アゲハとカイルは生命の樹で深手を負い、まるで歯が立ちませんでした。遊坂葵はアゲハの暴王の月を、弥勒の生命の樹に似ていると評しています(日本語版Wikipedia)。アゲハの歩みは夜科アゲハのネタバレ解説にまとめています。
物語での歩み|巻とCALL順に見る弥勒
| 巻と話(目安) | 出来事 |
|---|---|
| 4巻末〜5巻 | 3回目のゲームで見つかったDVDに記録された、2009年12月2日の決起集会「宣戦の儀」に、覆面とマントの姿で登場。エルモア・ウッドの子どもたちを生命の樹で一瞬のうちに殺す(ファンWiki) |
| 6〜7巻(CALL.49〜55) | 犬居清忠の弟「三郎」になりすまして潜伏。犬居を倒したアゲハたちの前で、口封じに犬居を殺し、正体を現す(集英社7巻紹介文、ジャンプ本誌のあらすじ欄) |
| 7巻(CALL.57〜58) | DVDの映像が変わる。素顔の弥勒は自分では手を下さず、子どもたちを挑発してジュナスの罠に追い込む(ファンWiki) |
| 10巻(CALL.81〜83) | 07号が、弥勒は06号で自分の双子の弟だと明かす。未来の弥勒が空を眺めながらグラナと言葉を交わし、いまの世界は「創世紀」にすぎないと語る |
| 11巻(CALL.90〜96) | ジュナスにはるかぜ学園の記録の処分と「創造主(クリエイター)」八星理子の確保を命じる。自らはグラナと戦って仲間にし、TV中継で能力者に呼びかける |
| 11〜12巻(CALL.98〜99) | 射場が弥勒の過去を語る。弥勒とグラナは、追ってきた自衛隊を返り討ちにする |
| 13巻(CALL.108「闇夜の蠢き」) | ウラヌスと鬼瀬鋭二を迎え、ミスラ(かがり火)から遊坂の死を知らされる。ジュナスと理子も合流し、弥勒は本当の始まりを宣言する |
| 15巻末〜16巻(CALL.135〜139) | 未来のアストラル・ナーヴァで最終計画を始動し、アゲハに敗れる。ミスラに裏切られ、グラナとともに星の中心へ |
| 16巻(CALL.141〜144) | 現代の北海道・古都霊山で「約束の涙」をめぐってアゲハと対決。真実を知り、アゲハとともにミスラを倒す |
| 16巻(LAST CALL「繋がる世界」) | 眠り続けるアゲハに、07号が未来での弥勒とグラナの結末を伝える |
結末|未来と現代で分かれた弥勒の運命
弥勒は「未来(2018年のサイレン世界)」と「現代(2009年)」でそれぞれ結末を迎えます。両者の違いは図3のとおりです。

未来|アゲハに敗れ、グラナと星の中心へ
5回目のゲームでアゲハたちがアストラル・ナーヴァに攻め込むと、弥勒は生命の炉に種を落とし、最終計画を始めます。そこへアゲハが現れたところで15巻が終わります(CALL.135)。16巻のCALL.136で、アゲハは暴王の流星(メルゼズ・ランス)を放ちますが、弥勒は生命の樹の種だけでこれを打ち消しました(ファンWiki、連載当時の感想ブログ)。
続いて、07号の幻影が姿を見せます(同じCALL.136「姉弟」)。07号はもうお前は弟ではないと告げ、弥勒はあのとき殺しておくべきだったと返して、幻影に攻撃を向けました(連載当時の感想ブログ)。身勝手な言葉を重ねる弥勒に、アゲハは激昂します。ノヴァと暴王の月が一体化した黒い姿のアゲハは、弥勒の切り札である生命の門さえ吸収し、手刀で弥勒の胴を貫きました(CALL.137「太陽と月」)。自分が太陽ならアゲハは月だと語った弥勒は、ここで敗れます。
それでも、生命の炉から伸びた生命の樹は止まりません。最後の力「王冠(ケテル)」によって新しい生命の胚が生まれ始めたそのとき、ミスラが本性を現しました(CALL.138「反転」)。ミスラは集められた生命エネルギーを奪ってクァト ネヴァスを地上へ導き、星の中心へ向かわせます。弥勒の夢をあおっていたのもミスラでした。満身創痍の弥勒は峻厳でミスラを貫きますが、技ごと分解され、自身の体も上半身だけになってしまいます。そこへ駆けつけたグラナがミスラを打ち砕き、弥勒を抱えて「この星の結末を見に」星の中心へ下りていきました(CALL.139「崩壊」、ファンWiki・連載当時の感想ブログ)。
2人は自分たちの命と引き換えにクァト ネヴァスを止め、地球の崩壊を防ぎます。ただし、その表現は資料によって異なります。ファンWikiは「道連れにした」、日本語版Wikipediaは「地球から追い出し力尽きた」、英語版ファンWikiは宇宙へ押し出したと説明しています。アゲハがこの結末を知るのは、最終話で07号から聞かされたときです。最終話では、弥勒が生み出した新しい命の破片が、その後の地球に良い影響を与えたことも語られます(日本語版Wikipedia、連載当時の感想ブログ)。
現代|アゲハと手を組み、ミスラを倒す
崩れゆく未来から07号に送り返されたアゲハたちが着いたのは、2009年10月25日の現代でした。W.I.S.Eは北海道・古都霊山に落ちる隕石「約束の涙」を待ち構えています。未来の歴史では、ミスラがこの隕石を手に入れたときに本当の力を得ていました(16巻)。
10月29日の未明、隕石の落下地点に先回りしたアゲハは、弥勒に一対一の話し合いを持ちかけます(CALL.141「約束の涙」)。お前はミスラに操られていると告げても、弥勒は信じず、生命の樹でアゲハを貫きました。そこでアゲハが差し出したのが、未来で取り込んだ07号の力と心の欠片であり、アゲハたちの旅の記録が詰まったカードです。カードを通じて未来の出来事が弥勒に流れ込み、弥勒の脳裏には、草原で姉と草の王冠を作って笑い合った幼い日がよみがえります。どんな力を持っても、2人が目指す頂点は草の王冠で十分だった。そう語る07号の思いも、弥勒に届きました。アゲハは、このカードを現代の弥勒に届けることこそが07号の本当の目的だったと悟ります(CALL.142「王冠」、連載当時の感想ブログ。英語版Wikipediaも、アゲハが07号のカードで弥勒に未来を見せたと要約)。
そのころ、ミスラは雨宮とカブトから約束の涙を奪い、体に取り込んでいました。何食わぬ顔で戻ってきたミスラを、すべてを知った弥勒は自らの手で切り裂きます。本性を現したミスラの攻撃をノヴァのアゲハが打ち消し、弥勒が防御を、アゲハが攻撃を受け持つ形で2人は共闘しました(CALL.143「道を」)。最後はアゲハの暴王の月がミスラを約束の涙ごと消し去ります(CALL.143の終わり〜CALL.144「生きろ」の冒頭、日本語版Wikipedia、ファンWiki)。
戦いのあと、弥勒はウロボロスの計画は終わったが、世界への抵抗はやめないと告げます。そして、決着をつけたいなら生きて自分の道と世界を見届けろとアゲハに言い残しました。自衛隊の爆撃が始まると、弥勒はテレパシーで仲間に撤退を命じ、グラナに一から出直しだと語ります。世界を回って仲間を集め、特異能力者たちの国をつくろう。どんなに小さくても、草の冠から始めよう。そう言って、弥勒はW.I.S.Eの仲間たちとともに姿を消しました(CALL.144、連載当時の感想ブログ・ファンWiki・アニヲタWiki)。日本語版Wikipediaはこの場面を、軍の攻撃から逃れて身を隠し、表舞台から消えたとまとめています。
考察ポイント:16巻では「王冠」が2つの意味で登場します。未来の弥勒が新しい生命を生もうとした生命の樹の最終段階「王冠(ケテル)」と、現代の弥勒がカードを通じて思い出した姉との「草の王冠」です。CALL.142で07号は草の王冠で十分だったと伝え、CALL.144で弥勒は草の冠から始めようと語ります。連載当時の感想ブログも、CALL.142「王冠」の題をこの2つの対比として読んでいました。すべての命を作り替える王冠を求めた未来の弥勒は、その力をミスラに奪われて命を落とします。一方、小さな草の冠から始めると決めた現代の弥勒は、生きて自分の道を歩き出しました。07号は、世界が壊れた原因を知るためにサイレンのゲームを始めたと語っていました。その答えを弟に届けたことで、ゲームは姉と弟の物語としても閉じたと読むことができます。
その後|小説版で描かれた「国」
弥勒が語った国づくりの様子は、原作漫画ではなく小説『PSYREN -サイレン- another call 2 未来は君の手の中に』(SOW著)に収録された短編「陽のあたる場所で」で描かれています。刊行当時の感想ブログによると、弥勒は宣言どおり特異能力者たちの国をつくり、星将たちも行動を共にしています。エルモア邸の離れで暮らす07号を訪ねた弥勒は、互いの違いを認めるという結論を伝え、国が大きくなったらまた迎えに来るので、そのときは笑いかけてほしいと告げます。物語は、草花の冠をきっかけに07号が失っていた感情と声を取り戻す場面で締めくくられるとのことです。2026年10月5日に出た電子新装版の公式の試し読みは冒頭部分だけで、弥勒の場面は含まれていません。
アニメでの登場と声優
天戯弥勒の声優は未発表です。TVアニメ公式サイトのSTAFF&CASTに載る7人(夜科アゲハ役の安田陸矢ほか)にも、ABEMA TIMESがまとめた第2話までの出演者にも、天戯弥勒役はいません(2026年10月15日時点)。第2話(10月12日放送)までは原作1巻の範囲にあたると考えられ、原作で弥勒が素顔を見せる7巻にはまだ届いていません。公式サイトのAnimeJapan 2026ステージのレポートでは、「原作のラスト」までアニメ化されることが明かされています。原作どおりに進めば、弥勒とアゲハの最終決戦もアニメで描かれることになります。
人気・評価
『週刊少年ジャンプ』本誌の第1回キャラクター人気投票は、ファンWikiの掲載号一覧によると、CALL.55「ミロク」が載った2009年9号で募集が始まり、CALL.66「戦士」の2009年20号で結果が発表されました。弥勒が素顔で本格的に登場した号で募集が始まったことになりますが、英語版ファンWikiが記録する上位10人に弥勒は入っていません。2010年に行われたPSIの人気投票でも、連載当時の感想ブログが記録する上位10位に生命の樹の技は入っていませんでした。
ファンWiki上のキャラクター投票(1日1回投票できる形式で、目安)では、2026年10月15日時点で天戯弥勒は702票を集め、天樹院フレデリカ、夜科アゲハ、天樹院マリーに次ぐ4番目です。連載当時の感想ブログ(NGD)は、未来での弥勒との決戦が1話で決着したことを惜しむ一方、現代でカードを通じて弥勒を説得する展開には十分な説得力があったと書いています。
まとめ
- 天戯弥勒の正体は、国の秘密研究機関グリゴリの実験体06号。サイレンのゲームを仕掛けた07号の双子の弟で、18歳の誕生日に研究所を壊滅させて脱走した
- PSIは生命を操る「生命の樹(セフィロト)」。峻厳(ゲブラー)、王国(マルクト)、美(ティファレト)、生命の門(セフィラ・ゲート)、王冠(ケテル)などの派生技を持つ
- W.I.S.Eを作った背景には人間への憎しみがあるとされ、その憎しみはミスラに夢とテレパシーであおられていた
- 未来の弥勒はアゲハに敗れ、ミスラに裏切られたあと、グラナとともに命と引き換えにクァト ネヴァスを止めた
- 現代の弥勒は07号の思いを受け取り、アゲハと共闘してミスラを倒したあと、特異能力者の国をつくると語って姿を消した。国づくりの様子は小説版で描かれる
- TVアニメの声優は2026年10月15日時点で未発表
世界を作り替える力を持ちながら、弥勒が本当に失っていたのは、姉と笑い合った小さな日々でした。未来で王冠を求めた弥勒は滅び、草の王冠を思い出した弥勒は生き延びる。宿敵の結末が2つに分かれたことで、PSYRENの「未来は変えられる」というテーマは、敵の側からも描かれています。
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