Order of the Sinking Starは、『Braid』『The Witness』のディレクターとして知られるJonathan Blowが率いるThekla, Inc.が開発し、2026年10月8日に発売されたパズルアドベンチャーです。Steamの日本語説明文では『沈みゆく星の秩序』の表記も使われており、1000を超える手作りのパズルと、互いに衝突していく四つの世界が売りになっています。

舞台は、Steamストアの説明によれば奇妙な魔法と危険な仕掛け、凶暴なモンスターが潜む異世界です。PlayStation.Blogの先行プレイ記事では、最初に操作する女王が奇妙な宮殿のような場所で道に迷っており、そこを抜けると広いオーバーワールドへ出ると紹介されています。公式発表によれば、その先の東西南北には、別々の英雄たちが主役を務める四つの世界が待っています。Steamのユーザーレビューは、2026年10月10日08:00取得のデータで「非常に好評」の評価でした。ここでは公式情報と主要メディアの報道をもとに、世界観・遊び方・評価・注意点を整理します。

作品概要

項目内容
タイトルOrder of the Sinking Star(Steamの日本語説明文では『沈みゆく星の秩序』)
開発Thekla, Inc.(ディレクター:Jonathan Blow)
販売Arc Games、Gamirror Games
発売日2026年10月8日(公式サイトによると地域により10月9日)
価格(Steam)3,400円(サウンドトラック655円、本編とのセット3,649円)
ジャンル(Steam表記)アドベンチャー、インディー、ストラテジー
日本語対応あり(インターフェイス・字幕)。音声は英語のみ
対応言語英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語(スペイン)、日本語、韓国語、ポルトガル語(ブラジル)、ロシア語、中国語(簡体字・繁体字)の11言語
プラットフォームPC(Steam/Windows 10以降の64ビット)、Nintendo Switch 2、PlayStation 5。Steam Deckは「認証済み」
プレイ人数1人(シングルプレイヤー)
主なSteam機能Steam実績、Steamクラウド、フルコントローラサポート、ファミリーシェアリング
販売形態製品版(早期アクセスではない)

公式サイトのFAQによると、本作は『The Witness』の発売から10年近くかけて作られました。Ars Technicaのインタビューで、Blowは2016年、『The Witness』の完成後に新しいエンジンとプログラミング言語の試作として始めた企画だったと語っています。当初は1年半から2年ほどで終える「短いゲーム」のつもりだったといいます。PCGamesNは、Blowがゲーム開発向けに作っているプログラミング言語「Jai」のエンジンテストが出発点だったと伝えています。PlayStation.Blogの記事では、開発チームはおよそ20人とされています。

発表は2025年12月のThe Game Awardsで、当初の告知は「2026年にPCで発売、他機種は後日発表」でした。その後、PlayStation 5版とNintendo Switch 2版が加わり、3機種同時の発売となりました。

公式サイト:orderofthesinkingstar.com/Steamストア:Order of the Sinking Star

世界観・ストーリー

Steamストアの説明によると、プレイヤーは奇妙な魔法、危険な仕掛け、凶暴なモンスターが潜む異世界へ導かれます。そこには独自のメカニクス、キャラクター、物語を持つ四つの世界があり、物語が進むと世界同士が衝突し、キャラクターたちが出会っていきます。登場する英雄として挙げられているのは、女王、盗賊、戦士、魔法使い、そして喋る船です。ゲームプレイと、集めた手記を通じて、この領域の真相が少しずつ明らかになる構成です。

Arc Gamesの公式発表(2026年9月23日)では、四つの世界の主役が次のように紹介されています。

  • 北「The Hearty Heroes of Hauling」: 引っ越し業を営むファンタジーの冒険者たち。戦士、盗賊、魔法使い、吟遊詩人、神官、ドルイドが登場します
  • 東「The Mirror Isles」: 裕福な商人が、手つかずの群島を巡る航海に出ます
  • 西「The Promise」: 孤独な探検家が、広大な地下洞窟の奥へ進みます
  • 南「Skipping Stones to Lonely Homes」: 遭難した船乗りが、海を越えて島から島へ渡ります

PlayStation.Blogの先行プレイ記事は、喋る操作キャラクターが最初から登場するため、物語は『Braid』や『The Witness』よりはっきり語られると評しています。一方で、体験版の範囲では物語の説明は小出しで、仕掛けの紹介が優先されていたとも書いています。台詞はボイスとナレーションで語られ、同記事はエンディングが複数あることにも触れています。

タイトルの意味について:発売前(2026年7月21日)のPlayStation.Blogの体験記事ではタイトルの意味は伏せられ、謎めいたタイトルの裏にあるものはゲームの中で明らかになることが示唆されていました。Arc Gamesの公式発表も「Order of the Sinking Starの秘密を解き明かせるか」という問いかけで締めくくられています。

ゲームシステム・遊び方

基本は倉庫番型のグリッドパズル

パズルの土台は、マス目の上でブロックなどを動かして道を開く倉庫番(Sokoban)型です。Steamの人気タグにも「倉庫番」「グリッド移動」「見下ろし型」が並んでいます。PlayStation.Blogの記事によると、序盤の女王のパートでブロックを押す操作と、詰まったときに前の時点へ戻せる巻き戻し(アンドゥ)を覚えます。PCGamesNは、倉庫番でおなじみのやり直し(リセット)に加えて、特定の局面まで時間を巻き戻せると説明しています。

Blow自身はPCGamesNのインタビューで、見た目を優先して盤面が分かりにくくなるパズルゲームは多いとしたうえで、レベルは「極めて読みやすく」作ることにこだわっていると話しています。

オーバーワールドと四つの世界

ゲームの中心は「オーバーワールド(the Realm)」と呼ばれる広い拠点エリアです。公式発表によると、出発点から東西南北に四つの道が延び、それぞれに別のキャラクター、仕掛け、危険、秘密があります。進め方の「正解」は一つではなく、ある世界で難しいパズルに詰まったら、戻って別の世界を進められます。進むにつれて地図の霧が晴れ、行ける範囲が広がっていきます(図1を参照)。

オーバーワールドから東西南北の四つの世界へ道が延びる構造の図
図1:オーバーワールドと四つの世界の関係(Arc Games公式発表とPlayStation.Blogの先行プレイ記事をもとに作成。方角のみを示した概念図)

各世界の仕掛けは、公式発表で次のように説明されています。

方角・世界中心になる仕掛け
北:The Hearty Heroes of Hauling押す、引く、テレポートなど一人ずつ違う動かし方を組み合わせ、連鎖させる
東:The Mirror Isles魔法の鏡で、自分や物体とその鏡像の位置を入れ替える。鏡から離れるほど遠くへ映せる
西:The Promise巨大な宝石から色付きの光線を出し、壁のすり抜け、岩の破壊、長距離テレポートを使い分ける
南:Skipping Stones to Lonely Homes巨大な跳ね石と乗れる睡蓮の葉の行き先を読み、川の流れを変えて島を渡る

北の世界の英雄たち

能力の違いがいちばん分かりやすいのが、北の引っ越し屋の一行です。PlayStation.Blogの先行プレイ記事では、最初は別々に行動している3人が、のちに合流して能力を組み合わせることになると紹介されています。

キャラクター能力(PlayStation.Blogの記事による)
戦士 Valensブロックやクリスタルを押す
盗賊 Tifブロックやクリスタルを引く(押すことはできない)
魔法使い Isidore視線の通った物体と位置を入れ替える
ドルイドブロックを別のものに変える
吟遊詩人周囲のモンスターを魅了する
神官(記事中の表記は priestess)モンスターの攻撃を受けず、隣の仲間を守る

PCGamesNは、押すことしかできない倉庫番の約束事を破って「引く」盗賊がいる点を挙げ、個々の能力よりも、能力同士の組み合わせを見抜くことが難しさの中心になると書いています。

モンスターはいるが、戦闘はない

PlayStation.Blogの記事によると、本作に戦闘はありません。そのかわり、隣のマスにいるとキャラクターを倒してしまうゴブリンや、視線の先に火を吐く獣が盤面に置かれ、パズルの条件を変えます。モンスター同士を攻撃させたり、吟遊詩人の魅了を使ったりして対処し、敵を倒さないと開かない門もあります。公式サイトに表示されているレーティング表記は「Mild Fantasy Violence」です。

Gold Roomsで世界が衝突する

最初は四つの独立した世界を集めた作品のように進みますが、公式発表によると「Gold Rooms」にたどり着くと構造が大きく変わります。Gold Roomをクリアすると二つの世界がつながり、キャラクター同士が顔を合わせます。二つの世界の仕掛けを組み合わせた大きなエリアは、全部で六つ用意されています。例として挙げられているのは、探検家の光線と商人の魔法の鏡の組み合わせや、引っ越し屋の一行と船乗りの跳ね石の組み合わせです(図2を参照)。

女王の導入からGold Roomsを経て組み合わせエリアに至る進行の流れ図
図2:四つの世界が衝突するまでの進行(Arc Games公式発表・Steamストア説明文・PlayStation.Blogの先行プレイ記事をもとに作成)

PlayStation.Blogの記事では、プレイ開始から数時間で別々の世界のキャラクターが協力し始め、先行プレイの後半には、商人と魔法使いを世界をまたいで切り替えながら解く場面があったと報告されています。

見どころ

4つのパズル作品を「衝突」させた設計

公式サイトのFAQは、本作を一つのアイデアから広げたのではなく、複数のパズルデザイナーの発想をぶつけ合う「ゲームデザインのスーパーコライダー(粒子加速器)」として作ったと説明しています。土台になったのは、Alan Hazeldenの『Skipping Stones to Lonely Homes』と『Mirror Isles』、Sean Barrettの『Promesst』1〜3、Jonah Ostroffの『Heroes of Sokoban』1〜3の、4つの作品・シリーズです。作品名と仕掛けを見比べると、四つの世界はそれぞれこの4つの作品・シリーズに対応しています(図3を参照)。

土台になった4本のパズルゲームと四つの世界の対応図
図3:四つの世界の土台になったパズルゲーム(公式サイトのFAQとPCGamesNの記事をもとに作成。対応は作品名と仕組みの一致から整理)

FAQによると、ほかにもZach Polansky(『Enigmash』)、Patrick Traynor(『Patrick’s Parabox』)、Marc ten Bosch(『Miegakure』)らがデザインに参加しています。FAQは、こうした世界を混ぜ合わせることで、組み合わせの可能性が爆発的に増えるゲームになったと説明しています。

数百時間のボリューム

Steamストアは「1000を超える手作りのパズル」「数十種類のゲームメカニクス」「数百時間におよぶゲームプレイ」をうたい、公式サイトのFAQは、とことん遊び込むプレイヤーには500時間以上の内容があるとしています。発表時のArs Technicaの記事では、Blowの見込みとして、四つの世界を一通り進む序盤が8〜40時間、Blowが「多くのプレイヤーが満足する」と見込む最初のエンディングまでが60〜100時間、完全制覇は400〜500時間と紹介されていました。

パズル数の表記について:公式の表記は「1000を超える」です。発表時のArs Technicaの記事では約1,400、PlayStation.Blogの先行プレイ記事では900以上のレベルと書かれており、数え方や時期によって数字が異なります。

Steamでの評価

Steamレビューは、2026年10月10日08:00取得のデータで296件のうち293件が好評、3件が不評で、評価ラベルは「非常に好評」でした。発売直後のため、件数と評価ラベルは今後変わる可能性があります。

指標数値
Steamユーザーレビュー(2026年10月10日08:00取得)296件中293件が好評(不評3件)/非常に好評
Steamストアに表示されたメタスコア83

Steamストアには、Shacknews(10/10)、Metro UK(9/10)、Screen Rant(9/10)のレビューが引用されています。Metro UKの引用は「この世代のパズルゲーム」という評価です。

批評家レビューの集計サイトOpenCriticでは、トップ批評家の平均が83、推薦率が85%です(10月10日時点)。個別のレビューでは評価が分かれています。

  • Screen Rant(9/10): 手強いのに入りやすいパズル、ブロック押しパズルとして最も美しいかもしれない見た目、試行錯誤を後押しする寛大なアンドゥを長所に挙げています。物語面はぎこちないとしています
  • Nintendo Life(8/10、Switch 2版): 長所は「シンプルで奥深い仕組み」「数百時間のプレイ」「手応えのある難しさ」。短所として、プレイヤーが自由に試せる余地の少なさと、幅広い層に受けるには難しすぎるのではないかという点を挙げています
  • Push Square(6/10、PS5版): 賢く変化に富んだパズルと音響を評価する一方、「大きすぎて勢いを失う」「会話とキャラクターに面白みがない」と指摘しています
  • GameSpot: レビュー動画の概要欄で、優れたアイデアと設計から面白いパズルが多数生まれている一方、規模の大きさに圧倒されることがあるとまとめています

Steamの不評レビューの一部では、クラッシュや動作のカクつき、マウス操作に対応していない点、会話や声の演出、価格への不満が挙がっています。発売翌日の10月9日には、互換性の問題を避けるためにSteam SDKの版を下げる修正と細かな不具合修正を含むアップデートが配信されました。

こんな人におすすめ

こんな人に向いています
・『Braid』『The Witness』や倉庫番型のパズルゲームが好きな人
・一つのルールを覚えたあと、それが別のルールと組み合わさって化ける展開を楽しめる人
・詰まったら別の世界へ移るなど、自分のペースで長く遊べる作品を探している人
・英語音声でも日本語字幕があれば問題ない人

注意点

購入前に確認しておきたい点
・日本語はインターフェイスと字幕のみで、ボイスは英語です(Steamの言語表による)。日本語訳の品質を評価した公式・主要メディアの情報は、執筆時点で確認できていません
・Steamの人気タグに「高難易度」が付いており、ボリュームも数百時間規模です。長さと難しさへの批評家の見方は、上の評価の節のとおり分かれています
・PC版はWindows 10以降の64ビットのみで、macOSとLinuxは対象外です。最低動作環境はGeForce GTX 1050 Ti相当、メモリー8GB、空き容量14GBです
・体験版は2026年6月のSteam Next Festから配信されていましたが、執筆時点のSteamストアのデータには体験版が登録されていません

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まとめ

  • 作品: Jonathan Blow率いるThekla, Inc.が約10年かけて作ったパズルアドベンチャー。Steam版は3,400円で、日本語はインターフェイスと字幕に対応
  • 構造: 中央のオーバーワールドから東西南北の四つの世界へ進み、詰まったら別の世界へ移れる
  • 遊び方: 倉庫番型のグリッドパズルが基本。キャラクターごとに押す・引く・入れ替えるなどの能力が違い、巻き戻しも使える
  • 転換点: Gold Roomsをクリアすると二つの世界がつながる。仕掛けを組み合わせたエリアは全部で六つ
  • 評価: Steamレビューは2026年10月10日08:00取得のデータで296件中293件が好評(非常に好評)。ストアに表示されたメタスコアは83
  • 注意点: 日本語音声はなく、ボリュームと難しさは大きい。PC版はWindowsのみ