【PSYREN -サイレン-】エルモア・ウッドの子どもたちネタバレ解説|天樹院エルモアと5人の能力・未来の姿・天樹の根

PSYREN -サイレン-は、岩代俊明が『週刊少年ジャンプ』で連載した漫画(全16巻)で、2026年10月からTVアニメが放送されています。伊豆の屋敷「エルモア・ウッド」では、未来を見通す老婆・天樹院エルモアが、PSI(超能力)のせいで家族と暮らせなくなった5人の子どもを育てていました。夜科アゲハたちが未来の山荘で見つけた映像には、その子どもたちがW.I.S.Eの決起集会「宣戦の儀」に挑み、全員殺される姿が記録されていました。アゲハたちが現代で動いたことでこの未来は書き換わり、生き延びた子どもたちは10年後の地下コロニー「天樹の根(ルート)」で人々を守る側に回ります。この記事では、エルモアと5人の子どもたちの能力、現代と未来の姿、最終回までの歩みを原作漫画の順に解説します。
ネタバレ警告:この記事は原作漫画の最終話までの重大なネタバレを含みます。エルモアの死、子どもたちの戦いの結末、W.I.S.Eの黒幕に関わる展開、さらに後日談の小説の内容まで書いています。アニメで初めて作品に触れる方はご注意ください。
この記事の基準:原作漫画(全16巻・全145話)の内容を扱います。巻と話(CALL.)の題名は集英社の目次で確かめました。ただし、どの出来事が何話にあたるかは、ファンWiki(PSYREN -サイレン-@wiki)に書き起こされた週刊少年ジャンプ本誌のあらすじとアオリ、英語版ファンWiki(PSYREN Wiki)、連載当時のジャンプ感想ブログによる整理で、目安です。人物の能力や設定はファンWiki・英語版ファンWiki・日本語版Wikipediaを照らし合わせ、資料によって説明が違う点は本文で断っています。10年後の後日談は漫画ではなく小説版の内容です。物語全体の流れはストーリー全ネタバレ解説にまとめています。いずれも2026年10月15日に確認した情報です。
結論の要約|エルモア・ウッドの6人と天樹の根
| 人物 | 現代(2008年)のPSI | 未来(2018年)の姿と役割 |
|---|---|---|
| 天樹院エルモア | 未来を映す幻視「千年万華鏡」。サイレンの謎に5億円の懸賞金をかけた大富豪 | 日本政府と地下コロニー「天樹の根」を造り、子どもたちと暮らす。5回目のゲームの未来で、W.I.S.Eの襲撃のあとに死去 |
| カイル | 大気を固める「マテリアル・ハイ」 | ライズを武器に星将ドルキを倒す。奪還戦では星将ウラヌスと戦う |
| フレデリカ | 発火能力「パイロ・クイーン」 | 炎の巨大生物「パイロクイーン・サラマンドラ」でネッカやウラヌスを焼く |
| マリー | 精密なテレキネシス(プログラム) | エルモア・ウッドのリーダー。根の襲撃で星将ヴィーゴにさらわれる |
| シャオ | 思考を読む「心羅万招」、追跡の「風導八卦白蛇」 | 相手のPSIを消す「陰陽心羅」。シャイナやヴィーゴと戦う |
| ヴァン | 傷を治す「CURE(キュア)」 | 範囲内をまとめて治す「CURE領域」。無口からお喋りな性格に変わる |
最初に見た未来の映像では、子どもたちは2009年12月の宣戦の儀でW.I.S.Eに挑み、全滅していました。4回目のゲームの直前にアゲハがエルモアの事故死を防いだことで子どもたちは生き延び、10年後の未来では天樹の根で暮らしています。5回目のゲームの未来では根が襲われ、エルモアが息を引き取りました。
エルモア・ウッドとは|伊豆の屋敷と5人の子どもたち
エルモア・ウッドは、伊豆にある天樹院エルモアの邸宅です。PSIが目覚めたせいで親にさじを投げられるなどして、一般社会で暮らせなくなった子どもたちが引き取られています(ファンWiki)。住んでいるのはカイル・フレデリカ・マリー・シャオ・ヴァンの5人で、子どもたちのチームの呼び名としても使われます。5人はみな天樹院の姓を名乗り、エルモアを「ババ様」「おばあ様」と呼んで慕っています(ファンWiki)。人物どうしの関係は図1のとおりです。

エルモアは予知で世界の崩壊を知り、来たる災厄に備えて子どもたちにPSIの扱い方を教えていました(ファンWiki)。子どもたちが身につけた技術のうち、PSIを使うときの脳への負担を抑える「バースト・ストリーム」は、エルモア・フレデリカ・シャオの3人が編み出したものです(日本語版Wikipedia)。雨宮の師である八雲祭も知らなかったことから、ファンWikiはエルモア・ウッド独自の手法だと推測しています。4巻でアゲハはここに泊まり込み、バースト・ストリームと、マリーの「プログラム」の技術を学んで、暴王の月を扱う糸口をつかみました。
天樹院エルモア|未来を映す「千年万華鏡」
天樹院エルモアは小柄な老婆で、占い師としてオカルト界に名の知られた大富豪です。他人の心を読む夫の天樹院古比流(コペル)と組んだ凄腕の占い師として莫大な財産を築き、引退後に子どもたちを引き取りました(ファンWiki、日本語版Wikipedia)。ファンWikiの年表では、引退と子どもの引き取りは2003年です。
PSIはトランスに偏っています。瞑想部屋の窓に未来の光景を映し出す幻視「千年万華鏡(せんねんまんげきょう)」を持ち、予知夢も見ます。有線トランスを使った読心術も心得ています(日本語版Wikipedia、ファンWiki)。ファンWikiによると、窓に映った光景はエルモアにしか見えず、いつ起きるかもおおよそしか分かりません。自分自身の死は予知できないとされます。
夫の古比流は引退後にサイレンドリフトになりましたが、サイレンのことをエルモアに話そうとして、ネメシスQの制裁で灰にされました。死の直前、古比流はテレパシーで未来の様子をエルモアに伝えています(ファンWiki、日本語版Wikipedia)。夫を奪ったネメシスQを憎んだエルモアは、サイレンの秘密を解き明かした者に5億円を与えると公言し、謎解きのブームに火をつけました(ファンWiki)。
心臓に持病があり、外出するときはCUREの使い手であるヴァンを連れています。テレビでサイレンのことを話そうとして制裁を受けた望月朧を、ヴァンに治療させて救ったのもエルモアでした(英語版ファンWiki。同Wikiの記録ではエルモアとヴァンの初登場は2巻のCALL.13)。4巻では朧を屋敷に呼び出し、同行したアゲハと雨宮桜子とも知り合います(集英社4巻紹介文、ファンWiki)。5回目のゲームの直前には、長い年月と財を費やして手に入れた妖刀「心鬼紅骨」を雨宮に授けています(ファンWiki。読みは日本語版Wikipediaが「しんきべにほね」、ファンWikiが「しんきべにぼね」)。
5人の子どもたちの能力と性格|現代から未来へ
子どもたちは、4回目のゲームで再会したときには10年分成長していました。それぞれのPSIの変化は図2にまとめています。

カイル|マテリアル・ハイと「切り込み隊長」
褐色の肌に銀髪の少年で、「エルモア・ウッドの切り込み隊長兼警備隊長」を自称しています(ファンWiki、日本語版Wikipedia)。初対面のアゲハを警戒して突っかかりますが、すぐに懐き、兄弟のような間柄になりました(ファンWiki、英語版ファンWiki)。PSIは、大気を超圧縮して好きな形に固める空間操作系の「マテリアル・ハイ」です。子どものころは、固めたブロックを空中に固定して足場にしたり、「固定解除(フォールダウン)」の合図で落として押しつぶしたりします(ファンWiki、日本語版Wikipedia)。犬居事件では天戯弥勒の攻撃で重傷を負い、左頬に傷が残ります。
未来のカイルは背が大きく伸び、左耳にピアスを付けています。本人いわく得意なのはバーストよりライズで、4回目のゲームでは、イルミナを2個埋め込んだドルキの核をほぼ同時に破壊して倒しました(ファンWiki、日本語版Wikipedia)。マテリアル・ハイを罠に使う頭脳戦も身につけています。
フレデリカ|パイロ・クイーン
熊の耳がついたフードをかぶるフランス人の少女で、愛称は「フー」。プライドが高く、怒ると関西弁になってPSIを暴走させがちです。発火能力「パイロ・クイーン」で自宅を半焼させ、親に見放されてエルモアに引き取られました(ファンWiki、日本語版Wikipedia。家を燃やしたきっかけは資料で説明が違います)。未来では炎を巨大な生き物の形にして操る「パイロクイーン・サラマンドラ」を使います。詳しい人物像は天樹院フレデリカのキャラ解説にまとめています。
マリー|精密なテレキネシス
そばかす顔の控えめな少女で、家事を率先して手伝っています。フレデリカを「フーちゃん」と呼んで慕いますが、本人からは子分扱いされ、しょっちゅう水鉄砲をかけられています。ただしフレデリカも、内心では誰よりもマリーを心配しています(ファンWiki)。PSIはテレキネシス(念動力)で、動きをあらかじめ組み込んでおく「プログラム」を使い、皿洗いなどの家事をいくつも同時にこなします(日本語版Wikipedia、ファンWiki)。アゲハにプログラムの精密さを褒められてから、ひそかにアゲハに好意を寄せるようになりました。
未来のマリーはそばかすが消え、髪を伸ばしてポニーテールにしています。巨大な岩を軽々と動かし、感情が高ぶると力がさらに増します(ファンWiki、日本語版Wikipedia)。控えめな性格はそのままですが、未来のエルモア・ウッドのリーダーです。9巻のCALL.72「夢喰島へ」を読んだ連載当時の感想ブログによると、リーダーはジャンケンで決まっていました。困ったときはジャンケンで決めるのが、未来の子どもたちのルールです(ファンWiki)。
シャオ|心を読むトランス
中国風の服を着た落ち着いた少年で、子どもたちの中でいちばんの頭脳派です。自分の能力が原因で家族と不和になり、エルモアに引き取られたとされますが、詳しい経緯は描かれていません(ファンWiki)。バースト・ストリームを編み出した一人で、エルモアからも信頼されています。PSIは、周囲のPSIの流れを感じ取って相手の思考を読む「心羅万招(しんらばんしょう)」と、トランスで白い蛇を作り、残留思念をたどって人の居場所を探す「風導八卦白蛇(ホワイトフーチ)」です(日本語版Wikipedia、ファンWiki)。
心羅万招では相手の本当の姿が風景のように見え、アゲハは星空として映りました。しかし犬居事件で天戯弥勒の内面をのぞいたときは、地獄絵図のような光景に恐怖し、心を折られています(ファンWiki)。未来では、相手のPSIの性質を見極めたうえでそれを消し去るアンチ・サイキック「陰陽心羅(おんみょうしんら)」も使います。マリーに想いを寄せていますが、10年たってもまだ告げられていません(ファンWiki、日本語版Wikipedia)。
ヴァン|CUREの使い手
金髪に青い目の、口数の少ない少年です。甘いものに目がありません(ファンWiki)。PSIは他人の傷を治す「CURE(キュア)」で、治癒力を高めるライズをバーストの形で外へ放つ、使い手の少ない力です。ネメシスQの制裁で死にかけた朧やアゲハを救っています(ファンWiki)。
未来のヴァンは、性格がまるで変わっていました。お喋りで表情豊かになり、人の秘密をすぐ口にしてしまいます。日本語版Wikipediaによると、きっかけは4回目のゲームの歴史で、イアンの死に絶望した生存者たちを落ち着かせようと大声で話したことでした(8巻CALL.70で描かれる)。能力も大きく伸び、触れなくても範囲内にいる人をまとめて治す「CURE領域」を編み出しています。フレデリカによれば脳と心臓以外なら元どおりに再生できる水準で、ドルキとの戦いで失ったアゲハの右足も再生しました(ファンWiki、英語版ファンWiki)。
宣戦の儀の映像|子どもたちが全滅する歴史(4〜7巻)
3回目のゲーム(4〜5巻)で、アゲハたちはカブトの叔父・霧崎塔二の山荘からDVDを見つけます。映っていたのはW.I.S.Eの決起集会「宣戦の儀」でした。都市を破壊するW.I.S.Eに子どもたちが立ち向かい、返り討ちに遭って全員が殺されます。最初に見た映像では、W.I.S.Eの3人は仮面で素顔を隠しており、子どもたちを倒したのは天戯弥勒の「生命の樹」でした。日付は2009年12月2日です(ファンWiki)。
犬居事件(6〜7巻)で子どもたちが弥勒と出会ったあと、DVDの映像が変わります(7巻のCALL.57「改変・12月2日」)。変化後の映像では弥勒・ジュナス・ドルキが素顔をさらし、子どもたちはジュナスとドルキを相手に戦って、ジュナスの「毘沙門・叢(びしゃもん むら)」で全滅しました(ファンWiki、日本語版Wikipedia。ファンWikiの別のページは殺害者を「ジュナスとドルキ」と表記)。本誌のあらすじは、山荘でカイルたちが弥勒と出会ったことで未来が変わったと説明しています。英語版ファンWikiによると、作中では朧が、子どもたちはすでに弥勒に会って能力を見ていたので弥勒には殺されなくなったと推し量っています(日本語のファンWikiも同じ推測)。続くCALL.58「改変・12月2日②」では、この映像から、エルモアが2008年7月に旅客機事故で亡くなることが分かります。ファンWikiは、エルモアがいなかったために、力の足りない子どもたちを止める人がいなかったと整理しています。
事故を防ぐため、アゲハと朧は成田空港へ向かいますが、アゲハの前にネメシスQが現れます。その目的は規律違反への制裁ではなく、4回目のゲームへの招集で、アゲハはエルモアを救えないまま未来へ送られました(7巻CALL.58〜59。本誌のあらすじ、連載当時のジャンプ感想ブログ)。英語版ファンWikiとファンWikiの質疑応答によると、アゲハは招集の直前にエルモアの荷物をひったくり、搭乗を止めようとしていました。結果的には、この行動がエルモアを救っていました。そのことは8巻のCALL.67「根」の終わりで明かされます(本誌のアオリ)。ファンWikiの質疑応答によると、ひったくりで発作に備えた袋をなくし、急に走ったことで、エルモアは機内で発作を起こします。墜落するはずだった便は引き返し、エルモアは助かりました。英語版ファンWikiも同じ流れで説明しています。この細かな因果がどの話で語られるかは、確認できた資料では特定できませんでした。子どもたちの運命がどう変わっていったかは図3を参照してください。

天樹の根(ルート)|未来の地下コロニー(8〜10巻)
4回目のゲーム(8巻)で、ドルキとシャイナの待ち伏せに遭ったアゲハたちを救ったのは、成長した子どもたちでした(集英社8巻紹介文、CALL.65「エルモア・ウッド」)。カイルがドルキを倒し、ヴァンがアゲハの傷を治し、シャオとフレデリカは雨宮とともにシャイナを退けます(日本語版Wikipedia)。
子どもたちの拠点が、天樹の根(てんじゅのね)、通称「根(ルート)」です。エルモアが日本政府とともに、自ら創立した伊豆の総合病院「天の樹(てんのき)」の地下に造った有事用のコロニーで、居住区や生産プラント、空調・浄水・発電の設備を備え、避難民1000人が5年間暮らせる物資を蓄えていました(日本語版Wikipedia、ファンWiki)。電力の足りない分は夢路晴彦がPSI「電磁’n」で補い、出入りには東雲嵐のPSI「トリック・ルーム」を使って、W.I.S.Eに居場所を知られないようにしています(ファンWiki)。ファンWikiの年表では、2010年1月7日の「転生の日」に根での避難生活が始まりました。
この歴史の根で、アゲハたちが訪れたときに暮らしていたのは、主な登場人物を除くと30人ほどでした(ファンWiki。英語版ファンWikiは32人と記載)。未来のエルモアは車椅子に乗り、吐血する場面もあって、予知の力も衰えていました(ファンWiki、日本語版Wikipedia)。根では、この歴史で2008年以降に起きたことがエルモアの口から語られます(8巻CALL.68〜70「転生の日①〜③」付近)。この歴史の宣戦の儀は2009年12月10日に東京の代々木公園で行われましたが、エルモアの予知によって、子どもたちは向かいませんでした(ファンWiki)。最初の映像で全滅した戦いを避け、子どもたちは転生の日のあとも地下で力を蓄えながら生き延びてきたのです。
やがてネメシスQが現れ、主の救出を求めます。同行者もジャンケンで決め、勝ったカイル・マリー・フレデリカがアゲハと雨宮に付き添いました(9巻、英語版ファンWiki)。夢喰島では、カイルがネオ天草の億号を巨大な檻に閉じ込めて降参させ、マリーは雨宮とともに碓氷を倒します(日本語版Wikipedia)。救い出されたネメシスQの主・グリゴリ07号は、制裁のプログラムを書き換え、未来のエルモア・ウッドの人々にだけはサイレンのことを話せるようにしました(日本語版Wikipedia、ファンWiki)。夫をネメシスQの制裁で失ったエルモアは、その主と対面しても憎しみを向けませんでした(ファンWiki)。
現代のエルモア・ウッド(10〜13巻)
4回目のゲームから戻ったアゲハは、朧の失踪をめぐってマスコミに追われ、姉のフブキや雨宮とともにしばらくエルモアの屋敷で暮らします(アニヲタWiki、日本語版Wikipedia)。現代のヴァンは以前より子どもらしい表情を見せるようになり、イアンからCUREのこつを教わり始めました(ファンWiki)。現代のマリーは5回目のゲームの直前にアゲハと雨宮のキス未遂を目撃して雨宮を恋のライバルとみなし、5回目のゲームで会う未来のマリーはアゲハに積極的になっています(ファンWiki、英語版ファンWiki)。現代での出来事は、次に訪れる未来にも表れるのです。
5回目のゲーム|根の襲撃とエルモアの最期(13〜14巻)
5回目のゲームで訪れた未来は、また姿を変えていました。アゲハの父・夜科朱鳥の采配で根はより多くの避難民を受け入れ、500人ほどが暮らしています(ファンWiki)。4回目の歴史では死んでいたイアンも生きていて、フブキと結婚し、息子のマルコがいました(日本語版Wikipedia)。英語版ファンWikiは、現代でイアンがヴァンに高度なCUREを教えていたため、2人で生存者を治療できたと説明しています。
しかし、ネオ天草の碓氷から根の情報を得た第二星将ジュナスが、直属の精鋭部隊スカージを率いてエルモア・ウッドに本格的な攻勢をかけてきます(13巻CALL.111〜113、本誌のあらすじ、集英社14巻紹介文)。地中を潜って先に入り込んだ星将ヴィーゴは、住人を次々と殺したあとマリーに一目惚れし、立ちはだかったシャオと戦います。シャオは苦戦の末、アンチ・サイキックでヴィーゴを倒しました(13巻CALL.113「潜入」〜115「ダイバー」、本誌のあらすじ、英語版ファンWiki)。ただし首の骨を折られたヴィーゴは生き延びていました(アニヲタWiki)。カイルは一人でスカージの5人と対峙し、リーダーのデルボロと全力でぶつかり合います。フレデリカは危ないところをカブトに助けられ、スカージの鎖使いネッカとの一騎打ちでネッカをサラマンドラで焼き尽くしました(13〜14巻CALL.115〜119付近、本誌のあらすじ、日本語版Wikipedia)。
スカージを次々と退けたところへジュナスが降り立ち、アゲハとシャオを一蹴します。そのあいだに禁人種が根の人々を連れ去りました。駆けつけた朱鳥はジュナスを圧倒しますが、あと一歩のところで力尽き、マリーもヴィーゴにさらわれます。最後は飛龍がタツオたちと雲に穴を開けて太陽光をもたらし、W.I.S.Eは撤退しました(14巻CALL.120〜123、本誌のあらすじ)。イアン・フブキ・マルコを含む40〜50人の住人が、W.I.S.Eの首都アストラル・ナーヴァへ連れ去られています(ファンWiki、連載当時の感想ブログ)。
5回目のゲームが始まった時点で、エルモアは体調を崩して寝込んでいました(ファンWiki)。日本語版Wikipediaは、根への襲撃がきっかけで体調が悪化したと説明しています。それでも襲撃のさなか、エルモアは残り少ない命を役立てようと予知を行います(ファンWiki)。英語版ファンWikiは、ヴィーゴにさらわれるマリーを救おうとした負担が死につながったと説明しています。最期が描かれるのは14巻のCALL.124「天樹」で、次の号のあらすじは、エルモアが子どもたちに最期の言葉を残して死んだと伝えています(本誌のあらすじ)。この回を読んだ連載当時の感想ブログによると、ヴァンのCUREでももう体は回復せず、痛みを和らげることしかできなくなっていました。エルモアはカイル・シャオ・ヴァン・フレデリカに見守られ、雪の日に子どもたちと過ごした何気ない一日を思い出しながら、穏やかに息を引き取ります(雪の日の回想はこの回の本誌のアオリにもある)。最期には、予知で見た、闇に無数に浮かぶ邪悪な灯と、その中にいる何者かのことを子どもたちに伝えました(同ブログ。日本語版Wikipediaは「W.I.S.E.の背後にいる邪悪な意思」と説明)。子どもたちへの感謝を口にし、心残りを託しての最期でした(ファンWiki)。
奪還戦から最終回まで(15〜16巻)
さらわれた住人を救うため、アゲハたちはアストラル・ナーヴァへの攻撃を決め、飛龍たちとエルモア・ウッドの二手に分かれて動き出します(集英社15巻紹介文)。地上ではカイルとフレデリカが陽動を受け持ち、星将ウラヌスと激突し、これを倒します。ただしその直後、グラナの「日輪”天墜”」を受けたフレデリカは、直撃ではなかったものの呼吸が止まり、カイルが急いでヴァンのもとへ運んで命をつなぎました(15巻CALL.126〜130付近。本誌のあらすじ、ファンWiki、英語版ファンWiki)。
アストラル・ナーヴァの内部には、シャオがカブトとともに潜り込みます(15巻CALL.133、本誌のアオリ、英語版ファンWiki)。一方、とらわれたマリーのもとには、マリーを新しい体の器にしようとする元老院のミスラが現れました。マリーに拒まれて翌日には殺すと告げていたヴィーゴは、それでもミスラに逆らってマリーをかばい、イルミナの核を抜き取られて、マリーに看取られながら死にます(15巻CALL.135。日本語版Wikipedia、本誌のあらすじ、英語版ファンWiki)。マリーはシャオやカブトたちに救い出され、連れ去られた住人も、マルコが柱の結界を壊したことで逃げ出しました(ファンWiki)。
崩れていく未来から、07号はアゲハたちを現代へ送り返します。未来に残るカイルは、フレデリカを抱えたまま、去っていくアゲハに叫びました(英語版ファンWiki、連載当時の感想ブログ)。07号の力で戻ったのは、出発から1年後の2009年10月の現代です。W.I.S.Eの破壊活動をきっかけにサイキッカーを排斥する動きが起きており、エルモアたちも政府に軟禁されて、アゲハたちは簡単に会えない状況でした(16巻CALL.141「約束の涙」、連載当時の感想ブログ)。
最終話のLAST CALL「繋がる世界」で、決戦のあと眠り続けていたアゲハは、不思議な空間で電話を取ります。電話の向こうには未来の07号がいて、続いてカイルが、未来のみんなは無事だと伝えました。日が差し、緑が芽吹いた未来の大地では、生き残った人々がそろってアゲハに起きろと呼びかけます(連載当時の感想ブログ、英語版ファンWiki)。目を覚ましたアゲハの病室には、現代の子どもたちを含む仲間が集まっていました。別々の時間の流れに分かれたあとも、未来のエルモア・ウッドとアゲハは最後までつながっていたのです。
考察ポイント:エルモア・ウッドの子どもたちの運命は、作品のなかで「未来は変えられるのか」を測る物差しになっています。宣戦の儀での全滅が天樹の根での生存に書き換わったとき、アゲハたちは初めて未来を変えた手応えを得ました。一方で、5回目の未来でもエルモアは襲撃のあとに亡くなり、救えたものと救えなかったものが並びます。天樹院という姓、病院「天の樹」、地下の「天樹の根」と、エルモアにまつわる名前は木のイメージでそろえられており、CALL.124の題も「天樹」です。連載当時の感想ブログによると、エルモアは最期に、天樹の種が希望の大樹となって花を咲かせると言い遺しました。その種は、エルモアが育てた子どもたちを指していると読めます。また、エルモアが最後に予知した邪悪な灯は、のちに黒幕と明かされるミスラ(作中で「かがり火」とも呼ばれる)を思わせますが、作中で両者が同じものだと明言されたかは確認できませんでした。
小説版『another call 2』の10年後
最終回のあとの姿は、小説『PSYREN -サイレン- another call 2 未来は君の手の中に』(SOW)で描かれます。JUMP j BOOKSの公式noteで公開されている試し読みでは、アゲハが赤いテレホンカードを手にしてから10年後のエルモア・ウッドで、エルモアが夜科朱鳥とチェスを指しながら、ウロボロスが地球から遠ざかっていることと、フブキとイアンの結婚の報告を受けます。もう一つの時の流れなら死期を迎えている時期ですが、転生の日やその後の心労、予知の使いすぎがなかったぶん、この世界のエルモアの死期は少し先に延びている、と書かれています。
子どもたちも立派な青年になっていました。姉の結婚式のためにアゲハが帰国すると聞いたマリーは、喜びのあまりサイコキネシスで皿を舞わせ、カイル・ヴァン・フレデリカが受け止めて回ります。試し読みには、フブキが子どもたちをサイキッカーだと知っても態度を変えなかったことが、偏見の目にさらされてきた彼らにとって驚きの経験だったとも書かれています。なお、試し読みの範囲にシャオは登場しません。
日本語版Wikipediaによると、10年後のアゲハはエルモアの依頼を受けて雨宮とともに世界を回り、サイキッカーの子どもを保護しています。刊行当時の読者の感想では、07号はエルモア邸の離れで暮らしているとされます。
人気投票での順位
週刊少年ジャンプ本誌の第1回キャラクター人気投票(応募総数11,055票、結果は2009年20号で発表)では、カイルが5位(488票)、フレデリカが7位(433票)、ヴァンが9位(324票)、マリーが10位(323票)と、子どもたちのうち4人がベスト10に入りました(ファンWiki、英語版ファンWikiの記録)。シャオは12位(256票)、エルモアは31位(45票)です(ファンWikiの記録)。投票の受付は2009年1月26日から2月9日までで、成長した子どもたちが本誌に登場する前でした(ファンWiki)。子どもの姿だけで、これだけの票を集めたことになります。
アニメで描かれる範囲
TVアニメは2026年10月5日から放送中です。TVアニメ公式サイトのNEWSに載った2026年4月1日のイベントレポートによると、2026年3月のAnimeJapan 2026のステージで、原作のラストまでアニメ化されることが明かされました。第2話「禁人種【タヴー】」の公式あらすじにある、サイレンの謎にかけられた多額の懸賞金は、原作ではエルモアがかけたものです。エルモアと子どもたちの役は、公式サイトのSTAFF&CASTに載る7人にも、第2話までの出演者(ABEMA TIMESのまとめ)にもいません(2026年10月15日時点)。全体の話数も未発表です。
まとめ
- エルモア・ウッドは、予知能力者の天樹院エルモアが、PSIのせいで一般社会で暮らせなくなった5人の子どもを育てる伊豆の屋敷
- 最初の未来では宣戦の儀で全滅していたが、アゲハがエルモアの事故死を防いだことで、子どもたちは生き延び、10年後の未来では天樹の根で暮らしていた
- 5回目の未来では根が襲われてエルモアが息を引き取り、子どもたちはアストラル・ナーヴァへの攻撃でマリーたちを取り戻した
- 最終回では未来のカイルたちがアゲハに目覚めを呼びかけ、小説版の10年後ではエルモアと子どもたちが穏やかに暮らしている
エルモア・ウッドの子どもたちは、アゲハたちが最初に救いたいと願った相手でした。その願いは、子どもたちが生き延び、やがて自分たちの手で仲間を取り戻すところまでつながっていきます。未来を知るだけでは何も変わらない。それでも動けば、守れる人がいる。エルモア・ウッドの物語は、PSYRENが描いたその希望をもっともはっきり形にした部分だと言えます。
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