窓をあけ、陽射しを取り込む。
少し眩しい。
(ああ、救われた気分だ)
俺は座禅をし、呼吸を整えた。
毎朝の習慣だ。
マインドフルネス瞑想を習慣にしたのには、訳がある。
「うつ病になってしまった」からだ。
企画部に所属していた俺は、プロジェクトを推進するために、無理難題を次々と解決していった。
そして同じように、周りの人間にも努力を強いた。
仕事の結果は、ついてきた。
売上にも、利益にも大きく貢献した。
貢献の度合いにみあったほどの賞与が出ていたかはわからないが、「達成感」は何よりの褒美だった。
しかし、気づけば
「おや?」
自分と同じ歩幅で、歩いてくれる同僚は周りに一人もいなくなっていた。
達成感が増すほど、孤立感も増していった。
レンガを一人で、ただ上に向かって倒れないように、積み上げていくような感覚だった。
うまく乗せられれば、うれしい。
でも、ぐらつく。
高くなればなるほど、グラつく。
そして気づけば、自分の身の丈の3倍にも、4倍にも高く重ねたレンガは崩れてきて、俺の足元を埋め尽くした。
レンガに埋もれて、息ができない。
仕事にいくことができなくなった。
ベッドから出ることもできずぼうっとして過ごしているときに、流しっぱなしにしていた動画。
その中で、マインドフルネス瞑想について説明しているものがあった。
俺は気まぐれに、それを実施してみた。
最初は効果を感じられなかった。
でも、1日、2日・・・5日経つ頃には、なんだか、憂鬱さが少し晴れた気がした。
それからも、俺はマインドフルネス瞑想を続けた。
そして、三ヶ月たったあと、職場に復帰した。
穏やかな気持ちだ。
前のように、ピリピリとひりついた感覚はない。
湯船の中に浮かんでいるような、暖かい柔らかい感覚の中仕事をしている。
離れていた同僚との距離感も近づいた気がする。
とても心地よい。
ただ、気になることがあるとすれば。
成果はまったく出せなくなっていた。
「まあ、気のせいか」
マインドフルネス瞑想の感想と心の平穏の良し悪し
こんにちわ、ぼくです。
流行ってますね、マインドフルネス瞑想。
簡単にいってしまえば、昔から日本では馴染みのある仏教の座禅みたいなものですよね。
瞑想、ですが。
禅を組んで、深呼吸して・・・と、やってみれば心が穏やかになる気はします。
それは、自身のマインドフルネス瞑想体験でもそう思います。
むしろ、緊張したときにどうしたらいい?
に、対して、「手に人を三回書いてのむ」と同じくらい
目を閉じて、深呼吸してー
ってのは、日本では当たり前に口伝されている気がします。
そんなマインドフルネス瞑想ですが、心を穏やかにしてくれるのは間違いないとして、心の平穏も良し悪しだ、というお話をしたいと思います。
マインドフルネス瞑想のメリット
答え:ストレス軽減
PTSDなどで苦しんでいる人は、医療用途で、一般人には使用が規制されている薬物を一部利用していたりします。
例えば、マジックマッシュルームに含まれる成分のシロシビンです。
チューリッヒ大学の研究では、40人にシロシビン+マインドフルネス瞑想体験をさせるという研究をしました。
もちろん、半分は偽薬で、実際に投与した方にだけを見る訳でなく、偽薬側のプラッシーボ効果と比較した上で、効果あり、と結論づけています。
Vollenweider氏は今回の研究について、「マインドフルネスに関するトレーニングがシロシビンの良好な効果を長期にわたって向上させ、共感性の増加や自己中心性の低減をもたらすことが分かりました。この結果は、しばしば社会性の欠如や自己注目を伴う、うつ病の治療に資するものです」と述べました。
by GIGAJIN
ということは、つまり、他人を思いやる気持ちが強くなり、心穏やかになったってことですね。
これだけ聞くと、「いいことじゃん!」となるわけですが、この結果はいいことだけではないんです。
マインドフルネス瞑想のいいことだけじゃない、内容については次の「マインドフルネス瞑想のデメリット」に記載します。
マインドフルネス瞑想のデメリット
答え:創造性の欠如
これって仕事をする上では大きなデメリットですよね。
クリエイティブな仕事をするだけでなくて、いろいろな仕事でデメリットになるんです。
仕事を経済活動とするなら、経済活動の成功は基本、大きな利益を得ることです。
で。
大きな利益を得ている人といえば、
- 銀行家
- 投資家
- 起業家
など巨万の富を動かす人ですし、そんな規模でなかったとしても
小売店なら、バイヤー。
どんな会社でも基本的には存在する営業。
ですよね。
で。
利益ってどうやって生まれるかといえば、
売上ー原価ー経費=利益 なわけじゃないですか。
もっとわかりやすくいうと、
誰かから手に入れたもの=原価
を
他の誰かに渡すときの対価=売上
なわけで、その差分が利益になるんです。
同じものを右から左に移動させて、そのときに自分の手に乗っていた時より高く渡す、売る。
つまり、言葉を選ばずにいえば、相手に損をさせた分だけ、利益が出るんです。
付加価値が、だとか、相手がそれを自分で手に入れようとしたらもっとお金がかかる、だとか、いろいろな建前はありますが、これが真理です。
ですから、大きな利益を出す人は、ソシエパスであることが多いという研究結果とエビデンスは多く提示されています。
共感能力、社会性が欠如しているから、利益が出せる。
または、普通の人では達成できない偉業を成し遂げることができる、というわけですね。
2013年ギャラップの調査でも、以下のような結果が報じられています。
この研究結果から、「マインドフルネスは仕事上の困難に対処することの助けにはなるかもしれませんが、環境次第なのかもしれない」と研究者は述べました。この研究はマインドフルネスが受容や穏やかさをもたらすということを否定するものではありませんが、「一度受容がピークに達したら、熱心に仕事に取り組むモチベーションを得られない可能性がある」としています。
by gigajin
簡単にいうと、
「過度にストレスがないということは、モチベーション低下につながる」
ということです。
マインドフルネス瞑想のまとめ
今日は、マインドフルネス瞑想の感想と心の平穏の良し悪し、というテーマでお伝えしてきました。
まとめると、
- マインドフルネス瞑想にストレス軽減効果はある。
- 過度なマインドフルネス瞑想は、モチベーション低下させる。
つまり、形だけで、言われるがままにマインドフルネス瞑想を取り入れることは危険だけれど、自分の状況に合わせて、適切に取り扱えれば、大きな武器になるってことです。
くれぐれも、マインドフルネス瞑想の使い方を間違えて、人生迷走しないようにしてくださいね。
です。