カザリームは「呪術王(カースロード」」と呼ばれていた古き魔王で、その座にいた年月は1500年以上だそうです。
しかし200年前に魔王と名乗り始めたレオンを仲間に引き込もうとしたところ、レオンの美貌に嫉妬で我を忘れてしまい、その一瞬の隙をつかれて肉体を滅ぼされてしまいました。
何とか精神体だけは無事に済んだものの、自分に適合する体を探さなければ消滅あるのみです。
そして物語が始まる10年前に自分の器として召喚したのがユウキ・カグラザカとなります。
その後はユウキをボスとして認め、カザリームはユウキが用意したエルフ女性のホムンクルスの肉体に入って事なきを得ました。
そうしてユウキのもとで「カガリ」という秘書として働くカザリームは語れば語るほど味があるキャラですが、今回はそんなカザリームの能力を紹介していきます。
【転スラ】カザリームの能力と強さをネタバレ解説!【転生したらスライムだった件】
ユニークスキル「企画者(クワダテルモノ)」
カザリームのユニークスキル「企画者(クワダテルモノ)」は戦闘用のスキルではなく、謀略用のスキルです。
その効果は文字通り、企てた計画が思い通りに進みやすいというもので、たとえ失敗したとしてもその失敗はのちに自分たちにとって利益になります。
他のユニークスキルと比べればふんわりしていますが、少なくともカザリームはこの能力を信じて裏方に徹していました。
またいくら肉体を得られたとはいえ、全盛期以下になってしまったカザリームにとって「企画者」の力は弱くなった自分が出来る数少ないことだったようです。
禁忌呪法「妖死冥産(バースデイ)」
禁忌呪法「妖死冥産(バースデイ)」は数万人の死体を使い、新しい妖死族(デスマン)を生み出すという術です。
これはカザリームの父親である魔導大帝ジャヒルが生み出した術で、カザリームはこの術を完成させるための被害者でした。
おまけにカザリームの場合は美しいエルフの姿から醜い男にわざとされたうえ、カザリームの蘇生のためだけに数万の国民が殺されてしまいます。
特に前者に関してはミリムによって国が滅ぼされたことにより明らかになりました。
築き上げられた死体の山のなかでカザリームは「妖死冥産」を行使してしまいますが、そこから生み出されたティア・フットマン・クレイマンは醜悪な外見をしていなかったのです。
元々カザリームは醜い容姿を隠すために仮面をかぶっていたものの、この時生み出されたティア・フットマン・クレイマンも仮面をかぶっているのはカザリームを思ってのことでした。
なおラプラスはミリムがエルフたちを襲撃したカオスドラゴンを追い返した勇者サリオンで、「妖死冥産(バースデイ)」を受けた時期はクライマンたち3人とは違ったりします。
作中ではカザリームは再び「妖死冥産(バースデイ)」を行使しますが、これによって新しい勢力が生まれてしまうのはまた別な話です。
アルティメットエンチャント「支配之王(メルキセデク)」
アルティメットエンチャント「支配之王(メルキセデク)」はついに本性をあらわしたミカエルが自身の陣営に残っていたカザリームに分け与えた能力です。
半ばアルティメットスキルではあるもの、あくまで貸しているだけなのでエンチャントと、逆にシエルが施した場合はアルティメットスキルを贈ったため、ギフトと表現されています。
そんな「支配之王」はミカエルが持つ「支配」の力が一部与えられているせいか、あらゆる権能を瞬時に分析したうえに支配下に置けるという能力です。
おかげでカザリームは再会したレオンの攻撃を無効化にできましたが、それは同時にミカエルの支配から容易には抜け出せないことを意味していました。
ちなみに「支配之王」は相反しているはずの聖と魔、2つの属性を同時に兼ね備えているそうです。
カザリームが能力を使って印象に残っているシーン
カザリームの能力で印象深いシーンは再び妖死族(デスマン)の肉体に宿るシーンです。
カザリームは東の帝国の皇帝ルドラに仕える近藤の支配下に置かれてしまい、ラプラスを除いた仲間諸共東の帝国の陣営に下ります。
その後ミカエルの采配によって天使たちの依り代をつくり出すために「妖死冥産(バースデイ)」し、9体の妖死族が誕生しました。
この時カザリームは近藤の精神支配から解かれていたものの、目の前にいる天使たちから逃げ出すことはできそうにありません。
生き残るためにも仲間たちを守るためにも、カザリームは天使たちのリーダー格・妖魔王フェルドェイに自分が妖死族の体に入り、その体に熾天使(セラフィム)を宿らせることを要求します。
フェルドェイはミカエルの支配を条件にカザリームの要求を承諾し、カザリームは妖天という種族に生まれ変わりました。
ちゃんと能力を使ったわけではないものの、仲間を守るためにトラウマである妖死族の肉体に再び入るなんてこと、誰にも出来ないことだと思います。
例えばリムルでたとえるなら、進化を極めたスライムの体を捨てて前世である童貞のサラリーマンの体に戻るといった話です。
あるいは仲間の命と引き換えに、リムルはシオンたちが死んだあの日をループし続けるようなものといっても過言ではありません。
カザリームの能力の疑問点
カザリームの能力で疑問点を挙げるならユニークスキル「企画者(クワダテルモノ)」の効果です。
「企画者」はカザリームの立てた計画を順調に進む、もしくは失敗しても利益が出るユニークスキルだとされています。
しかし現状はカザリームの思い描いた未来とは別です。
クレイマンだって死んでしまったし、自分たちは強者の飼い犬となって働かされています。
つまるところ効果が薄すぎるわけですが、これに対する心当たりを挙げるならユニークスキルだからだとしか言いようがありません。
転スラでは下位のスキルもといユニークスキルは上位のスキルことアルティメットスキルには勝てないとされています。
要するにいかに物事を自分の都合よく進ませるスキルでもアルティメットスキルの保有者たちの運命を左右させるのは難しいのではないか、そう思ってなりません。
似たような能力を持つ他作品のキャラクターといえば?
名前:ベーロン
登場作品:ボクと魔王
能力:「分類」
似ているポイント:支配
まずはPS2ゲームソフト「ボクと魔王」の簡単なあらすじを説明していきます。
2002年に発売されたPS2ゲーム「ボクと魔王」は人形劇のような可愛らしいRPGです。
王宮から配られる「分類表」によって村や町の人々が「分類」されているものの、特に変わったところがない世界にはテネルという田舎がありました。
そこには気が弱くて影が薄い少年ルカが何事もなく過ごしていましたが、村にサーカスがやってきた夜にオバケに妹が襲われてしまい、パビリオンという呪いにかかってしまいます。
パビリオンという呪いは台詞の一語のあいだにパ行が入り込む恐ろしい(お笑い系な)呪いです。
ルカのお父さんはそんな娘を救うため、なんか拾った怪しい壺に呪いを解く可能性があると信じて解きますが、その中にいたのは300年前に倒された大魔王ゴーマの生まれ変わりであるスタンリ・ハイハット・トリニダート14世(略してスタン)でした。
なんやかんやで妹の呪いは解かれたものの、その代償にルカはスタンに影を乗っ取られてしまい、スタンの下僕として世界征服の旅に出かけるのでした。
以上が「ボクと魔王」のあらすじですが、カザリームと似た能力を持つベーロンはこの世界のラスボスです。
ネタバレになりますが、「ボクと魔王」の世界はベーロンが「分類」の力で世界から切り離した「小世界」であり「箱庭」であり「舞台」でもあります。
それは全て娘のエルレインを楽しませるためですが、そんなありふれた理由に反してこの世界は恐ろしいです。
この世界の住人は「分類」によって性格や考え方、立場が決まっています。
勝気な子供は勝気な子供として、売れないアイドルは売れないアイドルとして過ごしていますが、それ以外になれません。
なろうとも考えません。
この恐ろしさが分かりやすく教えてくれるのはゲーム中に追いかけられる「親ガメと子ガメ」のお話です。
このお話をかいつまむんで説明すると仲良く暮らしていた親子のカメたちのお話で、ある日、子ガメが親ガメの縄張りの端まで行ってしまい、慌てて子ガメを探していた親ガメは子ガメによく似た石ころを子ガメだと思って大切にするというお話となります。
イソップ物語のような話ですが、ゲームの登場人物たちはこの話をすると大爆笑をして続きが聞けません。
そのためプレイヤーはいたるところでこの話を知っている人物に声をかけなくてはなりませんが、何故登場人物たちがそろって爆笑するのかと言えばベーロンがこの話を「笑い話」に「分類」したからです。
他にもこの世界の恐ろしさは「トリステの町」で味わえますが、いずれにしてもベーロンの「分類」はカザリームがミカエルより授かった「支配」に通じるところがあると思って紹介しました。
まとめ
【転スラ】カザリームの能力と強さをネタバレ解説!【転生したらスライムだった件】
楽しんでいただけましたでしょうか!
アニメも再開され、マンガ版に追いつくかもしれませんね。
ぜひ、事前にマンガも合わせせて読んだり、原作Web小説も読んでみることをおすすめします。
そうするとまた違う絵が見えてくることでしょう。
この記事が皆さんの雑談の種になることを、祈ってます。それではまた!