ドラマ

ウィッチャーシーズン2人物紹介リディア(ヴィルゲフォルツの助手)

リディア・ヴァン・ブレデヴォルトは、物語の黒幕であるヴィルゲフォルツの助手です。
彼女は吹き飛び抉れた顔下半分を隠すために、常に幻影でその身を覆っていました。
ようするに、人間がコミュニケーションで利用するための、口の機能をすべて失っています。
なので、彼女は会話をする際、常にテレパシーを利用しています。
テレパシーを利用した会話を無礼と感じる魔法使いもいる中で、事情が事情だけに、公に認められている珍しい人物でもありました。
また、ヴィルゲフォルツの助手という立場だけでなく、彼のことを愛しており、その身も心もすべてを理解した上で捧げました。
サネッド島の反乱で死亡。

キャスト

アイシャ・ファビエンヌ・ロス

ショートストーリー半分の対価

リディア・ヴァン・ブレデヴォルトはヴィルゲフォルツを愛していた。
だから、役に立ちたかった。

それだけの動機。
リディアは、それだけの動機のために、大事なものを失うことを決意した。
失敗すれば、命はない。

(死ぬことは大したことではない)

リディアは実行する前に、ひとりごちた。
リディアが恐れることがあるとすれば、それは失うこと。
ヴィルゲフォルツの、愛する人の利益を損なうこと、ただそれだけだった。
それ以外のことはどうでも良い。
リディアはそれほどまでにヴィルゲフォルツを愛していた。

リディア以外に、ヴィルゲフォルツには弟子として研究に参加している人間が4人いた。
4人とも有能な人間ーーいや、魔法使いだった。
リディアはその中でもずば抜けて優秀……ということもなかった。
並。
どんぐりの背比べ。
リディアを含めて5人をシャッフルして、ランダムにくじを引く。
引いた人間だけがヴィルゲフォルツの下に残れる。
そんなゲームがあったとして、ヴィルゲフォルツは抗議することはないだろう。
リディアには他の4人と比べて特別に秀でた才能はないのだから。

才能。

それがどうした。

リディアは強く思う。
才能など大したことではない。
ヴィルゲフォルツほどの才能があれば話はべつだ。
しかし、そうでないのだとしたら。
万に一つの天才でないのだとしたら。

それはないに等しい。
才能の差などないに等しいのだ。

アレツザに入学できただとか。
ティサイア教室で主席だったとか。
ヴィルゲフォルツに選ばれただとか。

そんなものは何の才能の証明にもならない。
ヴィルゲフォルツに選ばれることができた、それはリディアにとってどんな才能を持つより幸運なことであったが、しかし、だからと言ってそれが有能の証になるのかと言えば、そんなことはない。

しかし、リディアには確信があった。

周りに比べても、才能も実力も美貌も。
対して秀でているわけではない自分にも誇れるものがある。
それは、愛だ。
そして、覚悟だ。

リディアは、ヴィルゲフォルツに対する愛だけは誰にも負けない自信があった。
それは世の中の多くの女性が、多くの男性が口にするそれとは違い、本物であった。

だから、リディアは実験に失敗した。
実験を失敗させた。
それは死のリスクすらあった。
しかし、自分以外の、弟子を排除し、自分だけが残るために必要なことだった。
ヴィルゲフォルツに弟子など必要ないのだ。
ヴィルゲフォルツ。
ああ、ヴィルゲフォルツ。
彼は彼だけで完璧な存在。
弟子など必要ない。
リディアですら必要ない。
だから、そんな不要なものは、排除すべきなのだ。
そう、自分も含めて。

リディアは実験に失敗した。
実験を失敗させた。
大きな事故を起こした。

ヴィルゲフォルツの弟子をすべてこの世から消すため。

しかし、リディアは生き残った。
女性としては重要ではないといえば嘘になる大事な部分を失って。
それでもリディアはよかった。
むしろ、運命を感じずには居れなかった。

ヴィルゲフォルツに女性として寵愛されることがないことは知っていた。
わかっていた。だから、女性としての魅力などリディアには価値は紙切れほどにも、ドル・ブサンナにあるエルフの栄光の跡地ほどもなかった。
だから、顔の半分を失ったことなど、大したことではなかった。

しかし、これでヴィルゲフォルツはリディアをそばに置くことはなくなるだろう。
リディアはそれでもいいと思った。
目標は達せられるのだ。
天才の下から凡人を取り除く。
不確定要素を取り除く。
そう、自分も含めて。

リディアの願いは叶った。
わけではなかった。

「・・・なるほど」
ヴィルゲフォルツは顔半分を失ったリディアを見舞った後、リディアに自分の下へ残るよう指示した。
ヴィルゲフォルツには、何かが見えたようだった。
リディアの失った半分を見て、そこに何かを見出したようだった。

ならば。
と。
リディアは思った。

このなくした半分がヴィルゲフォルツの役にたつその日まで、この人のそばに居よう。
それはいつになるのかはわからない。
それが叶ったときに、ヴィルゲフォルツに愛してもらえるわけでないこともわかっている。
それでも、リディアは思った。

この人の役にたとう。
願わくば、わたしの死がヴィルゲフォルツの役に立つように、と。

そして、リディアの願いはサネッド島でかなうことになる。

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