【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます】サリア(CV 津田美波)ネタバレ解説|音楽の天才の第四王女、イーシャとの演奏、闘争心の原点と最新話

転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めますは、魔術を愛する第七王子ロイドを主人公にした謙虚なサークルのWeb小説です。サリア=ディ=サルームはロイドの姉にあたる第四王女で、あらゆる楽器に通じ、特にピアノは天才的という音楽の申し子です。無表情で音楽以外に興味がなく、弟のロイドを「ロデオ」と呼んだほど人の名前を覚えません。その一方で、シスター(のちに教皇)のイーシャと奏でる演奏は「神が宿る」とまで言われ、治癒の神聖魔術を呼び、魔王ベアルの復活にも関わります。
この記事では、原作のWeb版(小説家になろう版)の本文をもとに、サリアの人物像、イーシャとの関係、聖王の魔曲で弾けなくなってから復活するまで、そして最新話時点の状況を整理します。
ネタバレ警告:この記事はWeb版の第68話(初登場)から最新の第257話までの重大なネタバレを含みます。教会編の演奏は、TVアニメでは第2期(第14話など)にあたります(公式サイトのあらすじによる)。聖王の章(第200〜215話)はアニメ化されていません。
この記事の基準:話数と台詞は、小説家になろう版(作品コードN5657FV)の本文で確かめたものです(2026年10月26日に全257話を取得)。書籍版・漫画版・アニメとの違いは最後の節で分けて扱います。
サリアの人物像と現在(結論)
- 立場:サルーム王国の第四王女で、ロイドの姉。王族の中で教会と特に親交が厚く、幼いころから教会で演奏してきた(第68話)
- 性格:無表情で音楽以外に興味がなく、ロイドを「ロデオ」、シルファとレンを「サルファ」「リン」、ビルギットを「ギルビット姉さん」と呼ぶ(第68・200・210話)
- イーシャ:子どものころからの演奏の相棒で「数少ない友達」。二人の演奏は治癒の神聖魔術を呼ぶ。教皇の座をためらうイーシャの背中を押した(第72・86・95話)
- 闘争心の原点:聖王の魔曲の影響で弾けなくなるが、ロイドが生まれた日の大爆発の音に「初めての敗北感」を覚えたことを思い出して復活。そのフェスの演奏で魔王ベアルがよみがえった(第209〜215話)
- 最新話:最後の登場は第235話の健康診断の場面。エルフの里や天宙城の章(第237〜257話)には出てこない
サリアと周囲の人物の関係をまとめたのが図1です。

基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前の表記 | サリア=ディ=サルーム。ロイドは「サリア姉さん」、天使ジリエルは「サリアたん」と呼ぶ |
| 立場 | サルーム王国の第四王女。ふだんは一日の大半を城の音楽塔でピアノを弾いて過ごす(第200話) |
| 初登場 | 第68話「第四王女は気難しい?」 |
| 外見・年齢 | 短い黒髪で無表情、黒縁の眼鏡に華奢な体(第68話)。年齢は書かれていないが、本人の回想では7歳のときにロイドが生まれた(第210話) |
| ロイドとの関係 | 姉。第68話の時点で顔を合わせたのは数回だったが、以後ロイドの音楽の才能を見込む |
| 能力 | フルート、ハープ、トロンボーン、バイオリン、カスタネットなどあらゆる楽器に通じ、特にピアノは天才的(第68話)。イーシャとの演奏で治癒の神聖魔術が起きる |
| アニメの声優 | 津田美波(TVアニメ公式サイト) |
人物像:名前を覚えない音楽の申し子
ロイドの説明では、サリアは「集中すると周りが見えなくなる性格」で、周りがうるさがっても楽器を弾き続け、食事に呼んでも来ません。聞いていたグリモに「それって自分の事を言ってやすかい?」と返されるほど、魔術に没頭するロイドとよく似ています(第68話)。第200話の地の文は「ただし音楽以外に興味はなく、人の名前すらまともに憶えないという変わり者だ」と書き、ロイドのことだけはなんとか覚えているものの、兄妹の名前すらあやふやだと続けます。
| 相手 | サリアの呼び方 | 場面 |
|---|---|---|
| ロイド | ロデオ | 第68話「……思い出した。あなた確かロデオね。私の弟の」。ロイドが「ロイド、です」と直すと「そうだったかしら」 |
| シルファとレン | サルファ、リン | 第200話「サルファ、リン、食事の用意を」。地の文によると、名前を間違えられるのはいつものことで、二人もいちいち指摘しない |
| ビルギット | ギルビット姉さん | 第210話「構わないわギルビット姉さん。フェスの成功が私の望みだもの」。ビルギットは「あとビルギットな?」と返す |
人に興味がないように見えて、教会へ向かう道でレンとサリアがチンピラに絡まれ、ロイドが追い払ったあとには「万が一の場合は姉として私が何とかしようと思ったけど……」と、角の鋭い鞄を振り上げてみせます(第69話)。
過去:音楽を始めた理由
子ども時代は、聖王の章でサリア自身の回想として語られます(第210・214話)。初めて楽器を弾いたのは三歳くらいのときで、教えに来た宮廷音楽家を演奏で黙らせ、その後も訪れる音楽家を返り討ちにしました。やがてイーシャと出会い、その歌唱力から「生涯のライバル」と認めます。それでも当時は今ほど音楽に夢中ではなく、兄たちと遊ぶ普通の子どもだったといいます(第210話)。
転機は、7歳のときにロイドが生まれた日でした(第210・214話)。街が新しい王子の誕生を祝うなか、兄たちと生まれてくる弟を見に行こうとしたとき、空が爆ぜ、炎の球が上空高く舞い上がって大爆発が起きます。サリアが心を奪われたのは、その音でした。ただの爆発音の奥に、何かを極めたいと強く言っているような想いを感じ、「初めての敗北感」を刻み込まれます。負けたくないと心に刻んで本格的に音楽を始めたサリアは、いつしかサルーム随一の演奏家になりました。この爆発の正体は考察の節で扱います。
能力:演奏が呼ぶ神聖魔術
サリア自身は魔術に興味がなく、「私たちの神聖魔術とやらが役に立つんでしょう? よく知らないけれど」と言うほどですが、地の文は「二人の奏でる音楽は非常に素晴らしく、治癒の効果を持つ神聖魔術が使える」と説明しています(第131話)。主な演奏は次の通りです。
| 話 | 場面 | 演奏が起こしたこと |
|---|---|---|
| 第72話 | 教会の聖餐式(イーシャと) | 「サリアを中心とした半径十数メートル」に治癒の魔力が降り、人々の傷が癒える。演奏中に感じた視線をたどって、ロイドが天界へ転移する |
| 第134話 | 大暴走の行軍(ロイド・イーシャと) | 神聖魔術『聖歌生々』。音響結界で全軍に届け、兵の疲れを癒やす |
| 第203話 | 聖王歓迎祭(ロイド・イーシャと) | 観客が涙する演奏。微動だにしない聖王の一団に、サリアとイーシャが対抗して音を上げる |
| 第214話 | サルーム野外ライブフェス | ロイドが作った回復の魔曲の最後に加わる。演奏が終わると魔王ベアルが復活する(第215話) |
人間関係
ロイド
第68話のサリアは、ロイドが魔力集中の修行で指先に灯した微かな光を「超一流の楽曲家が稀に見せる『光の御手』」だと思い込み、「将来は音楽家になってもらいましょう」とつぶやきます。以後、前座や合唱、聖王歓迎祭へとロイドを引っ張り出します。ロイドの演奏は制御系統魔術『転写』による写しで、サリアはそれを知らないまま「まだまだ私の劣化版の域を出てないわね」とオリジナリティのなさを指摘していましたが(第85話)、ロイドが自分で作った曲には「初めてロイドらしさを感じられた気がする」と言います(第207話)。ロイドは、サリアが自分に音楽をやらせたがっていたのは「ライバルを求めていたのかもしれない」と考えています(第209話。ロイドについてはロイドのネタバレ解説で扱っています)。
イーシャ
サリアにとってイーシャは「私の数少ない友達」です(第86話)。初めて会ったのは教会の演奏会です。ジリエルは「十年前」と言いますが、ロイドは第2話から第233話まで十歳なので、これはロイドが生まれたころにあたり、ロイドが生まれる前に出会ったとする第210話の回想とは少しずれます。演奏を終えたサリアに、イーシャが教えてほしいと声をかけてきました。サリアは「まぁ私は教えなかったけど」と振り返りながらも、何度無視しても横で歌い始めるイーシャが「何故だか嫌じゃなかった」と言います(第95話)。ただ第210話の回想では、イーシャはきっと楽しんでいただけだろうが、自分は演奏のたびに心の中で競い合い、勝敗を付けていた気がする、とも振り返っています。
聖王・ギザルム・兄姉・ジリエル
弾けずに苦しむサリアに助言した影の男は、魔族ギザルムです。第215話で聖王が「君だってあのメガネっ子に助言なんかしていたじゃあないか。魔族ぅ~?」とからかい、ギザルムは「……気まぐれだ」と答えています。フェスを企画した第二王女ビルギットは、サリアが倒れると「あの音楽大好きっ子が自分から代役を立てとるんやで」と、その責任感に報いようとします(第211話)。ロイドの左手に宿る天使ジリエルは、天界にいたころからイーシャとサリアの演奏を見ていたファンです(ジリエルのネタバレ解説)。
物語での歩み
子ども時代から最後の登場までを、作中の時系列順に並べたのが図2です。

教会編(第68〜95話)
神聖魔術を学びたいロイドは、2年前に教会を出入り禁止になっていたため、教会と親交の厚いサリアに同行を頼みます。返事は「いいわよ」の一言でした(第68話)。教会ではシスターに「荷物持ちよ。文句ある?」と言ってロイドたちを通し(第70話)、聖餐式でイーシャと演奏します(第72話)。カフェでのサリアの「前の演奏会に来た時、教皇と話をしたじゃない」という一言から、ロイドは教会本部の演奏会で教皇を確かめに行きました(第84〜85話)。
数日後、サリアは「いい、よく聞いて。……イーシャが消えたわ」とロイドの部屋に駆け込み、救い出されて眠るイーシャの頬をつまみました(第86〜87話)。事件の後、教皇の座を固辞するイーシャの前でサリアがピアノで童謡を弾き始めると、イーシャもそれに合わせて歌い出します。サリアは「いいじゃない。なっちゃいなよ教皇に。そうしたら世界中にイーシャの歌声が届く日も随分近くなるわよ。そしてその時は私が隣で演奏をしてあげるから、安心なさい」と背中を押し、イーシャは教皇になると決めました(第95話)。
大暴走(第131・134話)
大暴走に向かうロイドのもとへ、シルファが声をかけた仲間たちとともに、サリアと教皇イーシャも駆けつけます(第131話)。行軍中には「当たり前でしょ。あんたが隊長なんだから」とロイドも巻き込み、三人の歌と演奏で『聖歌生々』を響かせました(第134話)。
聖王の章:弾けなくなったピアノ(第200〜215話)
サリアが弾けなくなってから復活するまでを図3にまとめました。

聖王がサルームを訪れることになり、サリアとイーシャはロイドを誘って聖王歓迎祭で演奏します(第200〜203話)。その最中、コニーに宿る魔王ベアルが空間の裏側に結界を作って聖王と戦い、聖王は魔曲『へいわのうた』を奏でました(第203〜204話)。
しばらくして、サリアは「私、楽器が弾けなくなっちゃったの」とロイドに打ち明けます。謝りに来た聖王の説明は「僕の奏でる曲が空間を隔てて君に届いてしまったんだろう。魔曲、『へいわのうた』は闘争心をへし折る曲なんだ」。サリアは胸倉をつかんで「元に戻しなさい。今すぐに」と迫ったうえで、フェスは皆が作り上げたものだから失敗できないと言い(第209話)、ロイドの案で聖王を代役に立てることを「いいわよ。あんたがやりなさい」と受け入れます(第210話)。
フェスの前夜、サリア視点の地の文は「本当はフェスに出たかった。イーシャと合奏したかった。ロイドの作った曲を弾きたかった。」と本心を明かします。ピアノの前で苦しむサリアに、影の中から現れた男が「貴様の原点、そこにヒントがあるかもな」と告げ、サリアは記憶をたどって、7歳のときにロイドが生まれたところまで思い出しかけて倒れました(第210話)。
フェス当日、目を覚ましたサリアはシロの背に乗って会場へ向かい、ロイドたちの演奏を見て、ロイドが生まれた日の爆発の音を思い出します。「思い出した……私が音楽やってた理由は、あれに勝つ為だったんだ……!」。最後の魔曲の途中でステージに上がったサリアは「弾きたくなった。それだけよ」と聖王のピアノ椅子に半分腰掛け、聖王に「……驚いた。僕以上の演奏だね」と言わせます。理由を問われると、「えぇ、私の根幹にあったのは結局のところ闘争心。だけど今までは無自覚に周囲の全てを敵と認識していた。今回それを強く自覚したことで、絶対に負けたくないヤツのことを思い出したのよ」と答え、ロイドに視線を送りました。ロイドは心の中で「え? なんで俺? 聖王じゃないのか?」と戸惑うだけです(第214話)。演奏が終わると魔王ベアルが前より力強く復活し、サリアは突っ伏すように倒れていました(第215話。ベアルについては魔王ベアルの正体ネタバレ解説で扱っています)。
最新話(第257話)時点のサリア
天界事変の後には、皆の頼みで予定が埋まったロイドを「……ふふ、身体が足りないわねロイド」と笑います(第232話)。最後に登場するのは第235話で、緊急の健康診断を開いたリオンから「サリア姉上は表情筋が全く動いておらず怖いですし」と言われ、アリーゼには「アリーゼは色々育ち過ぎ。……私なんか全然変わってないってのに」とため息をつきます。エルフの里の章(第237話〜)と天宙城の章には名前が出てこず、2026年10月26日時点の最新話(第257話)まで再登場していません。
まだ明かされていない謎
考察ポイント:Web版の第257話までで、サリアについて答えが出ていない点を挙げます。
・ロイドが生まれた日の大爆発は何だったのか(第214話)。本文はロイドの魔術だとは書いていません。ただ、それが「ロイドが生まれた日」だったこと、サリアが「絶対に負けたくないヤツ」と言ってロイドに視線を送ったこと、第1話で赤ん坊のロイドが『火球』を放ち、爆音とともに壁に巨大な穴を開けていることから、赤ん坊のロイドの魔術と読む余地があります。ただし第1話は室内の壁に穴が開く場面、第214話は炎の球が上空で爆発する場面で、描写はそのまま重なりません。第1話の場面がロイドの生まれた当日かどうかも書かれていません
・フェスの後のサリアとロイドの関係。第214話でサリアはロイドに向けて「今回は負けを認めましょう。でもこれから何度でも付き合って貰うわよ」と言いますが、ロイドには聞こえておらず、その後二人が音楽で競う場面は描かれていません
書籍版・漫画版・アニメでのサリア
書籍版:講談社ラノベ文庫の3巻(2021年5月6日発売)の紹介文は、ロイドが神聖魔術を学ぶため「教会との親交が深い第四王女、サリアの元を訪れる」と予告しています。8巻(2024年7月2日発売)の紹介文には「類い希な音楽の才能を持つ、第四王女である姉のサリアと教皇イーシャがやってくる」とあり、聖王を歓待する音楽への参加をロイドに頼みます。読者のレビューブログ「こもの読書感想」によると、聖王の魔曲からフェスまでは8巻に収められています。
漫画版:マガジンポケットの配信一覧では、第44話の題名が「第四王女は変わり者」(2021年5月8日)、第45話が「二人の演奏会」(5月15日)です。講談社の漫画6巻(2022年2月9日発売)の紹介文にも、二人の演奏中に感じた視線を追ってロイドが天界に着く場面が紹介されています。漫画版は2026年10月24日配信の第226話の時点で学園編に入ったところで、フェスの場面にはまだ届いていません。
TVアニメ:サリアを演じるのは津田美波です。公式サイトのキャラクター紹介は「音楽に精通しておりあらゆる楽器を極めているが、音楽以外のことには無頓着。イーシャとの演奏会は評判が高く、人のみならず神をも魅了する。」と説明し、津田美波はキャストコメントで、寡黙だがロイドにいいところを見せるときは「ふんす!」と頑張る「ロイドのお姉ちゃん」だと語っています。公式サイトのあらすじでは、第14話でサリアのピアノとイーシャの歌声が重なって神聖魔術が発動し、教皇ギタンとの戦いの終盤(第23〜24話)でも二人の演奏が人々を支えます。アニメ第2期の教会編はWeb版と構成が違い、第19話の題名「大聖誕祭」はWeb版に出てこない行事です。Web版のギタン戦(第89〜93話)にサリアは登場しません。2026年10月26日時点で、第3期の発表はありません。
人気投票
マガポケの第4回キャラ人気投票(漫画版の読者投票。2025年5月実施、6月7日に結果発表)で、サリアは63票の29位でした。第3回(2024年5月実施)は、公式の結果画像に載っている10位までに名前がありません。
Web版の物語の全体像はWeb版ストーリー全ネタバレ解説にまとめています。
まとめ
- 人物像:無表情で音楽以外に興味がなく、人の名前を覚えない第四王女。ピアノの天才
- イーシャとの関係:子どものころからの相棒で「数少ない友達」。教皇になるよう背中を押した。心の中では「生涯のライバル」とも見ていた
- ロイドとの関係:音楽の才能を見込んで演奏に引き込んできた。フェスでは「今回は負けを認めましょう」と言うが、その言葉はロイドに聞こえていない
- 闘争心の原点:聖王の魔曲で弾けなくなるが、ギザルムの助言をきっかけに、ロイドが生まれた日の大爆発の音を思い出して復活。その演奏で魔王ベアルがよみがえった。爆発の正体は本文で明かされていない
- 最新話:最後の登場は第235話。第236〜257話には出てこない
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