【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます】リオン(第六王子)ネタバレ解説|アセンブラ留学の本当の理由、ロイドへの劣等感と最新話での役目

転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めますは、魔術を愛する第七王子ロイドを主人公にした謙虚なサークルのWeb小説です。その第九部の冒頭、倒れた第二王子アルベルトの病室に、白衣の裾が地面に触れそうな少年が入ってきます。ロイドの一つ上の兄、第六王子リオン=ディ=サルームです。ロイドはその顔をすっかり忘れていて、メイドのレンに「もしかして……リオン様、ですか?」と言われてようやく思い出しました。
この記事では、原作のWeb版(小説家になろう版)の本文をもとに、リオンの医術、幼くして留学した本当の理由、エルフの国と天宙城の騒動での役目、最新話時点の状況を整理します。
ネタバレ警告:この記事はWeb版の第九部(第233〜257話)、リオンの初登場から最新話までの重大なネタバレを含みます。TVアニメ(第2期まで)にリオンは登場していません。
この記事の基準:話数と台詞は、小説家になろう版(作品コードN5657FV)の本文で確かめたものです(2026年10月26日に全257話を取得)。リオンの名前が出てくるのは第233〜240・250・252・253・255・256話の13話です。書籍版・漫画版・アニメでの扱いは最後の節で分けて扱います。
リオンの正体と現在(結論)
- ロイドの一つ上の兄:サルーム王国第六王子。ロイド(十歳)の言葉では「若干十一歳」。初登場は第233話「第九部〜新たなる王子」
- 医療大国アセンブラで五年学んだ医術:倒れたアルベルトを「臓器不全」「原因は恐らくストレス」と見立て、丸薬で回復させる。続けて王族の緊急健康診断を開く(第233〜236話)
- 留学の本当の理由:ロイドへの劣等感。出撃の朝に「逃げる為、そして少しでもその差を縮める為にな」と打ち明け、ロイドを「僕の自慢の弟」と呼んで送り出す(第255話)
- エルフの国での役目:同行を断られたが、御触れで案内人のエルフの少女フィオナを見つける。世界樹の崩壊後は重傷のエルフを手術で救う(第238・250話)
- 最新話時点:天宙城へは行かず、サルームで怪我人の治療にあたる。最後の登場は第256話で、最新の第257話には出てこない
リオンと周囲の人物の関係をまとめたのが図1です。

基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | リオン=ディ=サルーム。ロイドは「リオン兄さん」、メイドたちは「リオン様」と呼ぶ。一人称は「僕」 |
| 立場 | サルーム王国第六王子。医療大国アセンブラで五年医学を学んできた(第233話) |
| 初登場 | Web版第233話。最後の登場は第256話 |
| 年齢 | 十一歳(第235話のロイドの台詞)。ロイドが生まれるまでは末っ子だった(第255話) |
| 外見 | 白衣。ロイドと同じ黒い髪で、よく似た髪型の吊り目。背丈はロイドと同じくらい(第233話) |
| 能力 | 診断、薬の調合(丸薬・麻酔薬・眠気覚ましの湿布)、手術。第256話までに本人が魔術を使う場面はない |
| アニメの声優 | TVアニメ(第2期まで)は教会編までのため未登場。声優は未発表 |
過去:幼くして留学した本当の理由
リオンが幼い頃から外国で医学を学んでいた理由は、三つの場面で少しずつ明かされます。順に並べたのが図2です。

独り言に漏れた「兄としての威厳」(第234話)
ロイドに「ありがとうございます。リオン兄さんのおかげですよ」と礼を言われたリオンは、背を向けて小声で叫び、ガッツポーズで独り言を始めます。「兄としての威厳を取り戻す作戦の第一弾は成功と言えるだろう! ロイドは昔からとんでもない奴だった。異常に難しい本は読むし、同年代の子供たちとは全く遊ばないし、僕も昔は相当泣かされたものだ」。続けて「しかしこのままではいけないとアセンブラに留学、長年の努力が実り、ようやく、ようやく兄として尊厳を取り戻すことができたのだっ!」。ただし同じ独り言で、ロイドから「底知れぬ『何か』」を感じ、まだ油断はできないとも考えています。
シュナイゼルが明かした経緯(第235話)
第一王子シュナイゼルは、まず「無論、俺とてリオンは大した奴だと思っている。だがそれは奴の才ではなく、偏にその努力量にだ」と前置きして、ロイドに明かします。リオンはすぐ下の弟のロイドとよく遊びたがっていたものの、本ばかり読むロイドは碌に相手をしなかった。そのリオンが、シュナイゼルに「最も難しく、人の役に立つ学問」を尋ねてきたというのです。シュナイゼルは、難しい本ばかり読むロイドへの「対抗心」を燃やしたのかと推し量りつつ、「何の気なしに医学ではないかと答えたが、その翌日には父上に留学の願いを出していたらしい」と続け、最後に「このことはくれぐれも内密にな」と口止めしました。
出撃の朝の告白(第255話)
天宙城との決戦の朝、リオンは自分の口で打ち明けます。弟の誕生を最初は喜んだものの、すぐにロイドがただの子供ではないと気付いた。変わり者を演じていても、その凄まじさは嫌でも伝わってきた、というのです。
「当時の僕はそりゃあ劣等感に苛まれたものだ。弟に負けるというのは存外精神にくるものだよ。このままここにいたらおかしくなってしまう――そう思った僕は医学を学ぶべくアセンブラに赴いたのさ。逃げる為、そして少しでもその差を縮める為にな」
帰国しても差はより大きく開いていたと認めつつ、リオンは「でも不思議と今の僕はお前のことを恐れてはいないんだ。むしろ誇りに思っていると言っていい」と続け、ロイドの胸に拳を当てて「――勝てよ。ロイド。お前は僕の自慢の弟なんだからな」と送り出しました。ロイドは、昔の自分は空気を読んでいなかったので「リオンには悪いことをしたかもしれない」と振り返っています。
能力:医療大国アセンブラで学んだ医術
第233話の地の文は、アセンブラを「医療の先進国で、魔術に頼れない病の治療に力を入れている国」と説明します。リオン自身も「僕は医療大国アセンブラで五年も学んできたんだ。今なら出来ることもある」と胸を張ります。
アルベルトの診断と丸薬(第233〜235話)
アルベルトが倒れたと聞いてアセンブラから急いで戻ってきたリオンは、病室でこう見立てます。
「ふん、臓器不全を起こしているな。病巣は恐らく腹の辺りか。原因は恐らくストレス、アルベルト兄さんは色々抱える性格だからな」
ロイドは「その下り、さっきやりましたよ」と返し(第233話)、治療薬が作れずにいたと話します(第234話)。それでも地の文には、医者たちでもわからなかった病巣の位置にすぐ気づいたことに驚き、「この人意外とすごいのかもしれない」と見直す一文があります。第233話の前半では、ロイドは「アルベルトの病状は不明」と考えており、本文の中でも記述が食い違っています。
原料の此岸草の実が手に入らない時期でしたが、リオンは「内臓系全般、特にストレス系の症状によく効く薬」として念のため調合しておいた丸薬を出し、一日三錠、意識が戻るまでは点滴に混ぜるよう指示しました。材料はレミラ草、ショウジョウ花、ミンツの花弁、ローリスの種と、ヒメネズミの胆嚢です。毒と薬に通じたレンが少し削って舐めて効き目を確かめると、リオンは「成分のわからぬ薬をいきなり使うなんて阿呆はいないだろう。誰だってそうする。僕でもな。お前たちは正しいよ」と受け止めます(第234話)。数日後に回復したアルベルトは「お前は僕の誇りだよ」と礼を言いました(第235話)。
王族総出の緊急健康診断(第235〜236話)
リオンは集まった兄姉にも矛先を向けます。父上は御年を召している、ゼロフは太り過ぎ、ディアンは鍛冶仕事で目や皮膚を悪くしている恐れ、サリアは表情筋が動かない、アリーゼは動物からの感染症の危険、シュナイゼルは傷だらけ。「このままでは僕も心配でアセンブラに帰れませんよっ!」と言って、翌朝の緊急健康診断を決めました(第235話)。診断にはシルファやレン、コニーも加わりました。リオンは結果用紙を読み込んで兄たちに一人ずつ助言し、ロイドには「問題なしだ。あれほど不規則な生活をしているのに不思議なくらいの健康体だよ」と告げます(第236話)。
この健康診断が物語を次へ動かします。ロイドは父王に「実は俺もリオン兄さんのおかげで健康について考えるいい機会となりまして……」と切り出し、長寿のエルフ族の国へ学びに行く許可を取りました(第237話)。
崩壊したエルフの国での手術(第250話)
世界樹の崩壊に巻き込まれたエルフの国で、ロイドは近くにいたリオンを探して連れてきます。リオンはレンに麻酔薬に使うセンジュ草を集めさせ、ロイドを連れて重傷者を見て回りました。「こんな子供じゃなくてちゃんとした医者を連れてこい!」と野次が飛び、聖王の魔曲『かいふくのうた』で場が静まるあいだも、リオンは粛々と手術の準備を進めていました。本当にやるのかと問われて、こう答えます。
「僕みたいな子供が口で何を言っても無駄だろう。権威なき者はまず結果を出さねば誰からの信頼も得られない。……とはいえ彼は意識すらない状態だ。このままだと半日持たないかもしれない。やるしかないだろう。君たちが手術を受けるかどうかは、僕の手腕を見てからで構わない」
手術は三十分ほどで成功しました。ロイドが傷口の一点一点に『治癒光』を当てて支えており、リオンも「普通にやれば成功率は三割以下の難手術」で、ロイドの補助がなければ患者の体力が先に尽きていただろうと認めています。エルフたちは、かつての森の火事で死樹病が止まったと考え、火を放った少年を英雄として祭って像まで建てていました(第241話)。その少年、つまり以前エルフの国を訪れたロイドと、髪型や背丈の似た兄のリオンを取り違え、手のひらを返して「あの時の救世主様」とあがめたのです。ロイドは「ついでに過去のやらかしもリオンに被って貰えてありがたい限りだ」と内心で喜んでいます。
人間関係
前後の節で扱っていない相手を中心に補足します。
- ロイド:一つ下の弟。薬の腕に感心して「リオン兄さんは俺の誇りです。尊敬してます」と伝える一方(第234話)、エルフの国への旅では自分の都合でリオンを遠ざける(第238・240話)。ロイドについてはロイドのネタバレ解説で詳しく扱っています
- レン:丸薬の効き目を確かめ、医学の話で意気投合する。笑顔を向けられたリオンは慌てて目を逸らした(第234話)。レンの過去はレンのネタバレ解説を参照
- ゼロフ・イド:墜落したゼロフに「ベッドで安静にして頂きたい」と求め(第253話)、出撃の朝はふらつくイドを支えて湿布を渡す(第255話)。イドの正体はイドのネタバレ解説を参照
物語での歩み
初登場から最新話までの動きを話数順に並べたのが図3です。第233〜237話は前の節のとおりなので、ここではエルフの国への出発から先をたどります。

エルフの国をめぐる「勝負」(第238〜240話)
「しかし皆を案じているのは僕も同じだ。僕も同行させて貰うぞ!」と申し出たリオンを、ついて来られては好き勝手できないロイドの目配せで、案内役のバロン(バビロンが『模写姿』で化けたエルフ)が断ります。リオンはこれを「――つまりは僕に自分で協力者を探せと言っているのだな」と受け取り、「どちらが先にエルフの国へ行けるか勝負だぞロイド!」と宣言しました(第238話)。
出発の日、リオンは馬車と兵を用意して駆けつけ、城下や冒険者ギルドにまで出した御触れで見つけたエルフの少女フィオナを紹介します。フィオナはいきなりロイドに抱きつきました(第238話)。続く場面でロイドは、自分が以前エルフの国を訪れていたことをリオンたちの前で話されては困ると考え、芝居を打って案内人を入れ替えました。リオンは「何より弟の頼みを聞くのも兄の務めだ」と応じ、バロンがリオンの馬車へ向かいます(第240話。第238話の終わりの場面の続きで、本文では森を進む第239話が先に置かれています)。のちに世界樹は、フィオナはロイドを「この場所に誘い込む為に遣わした」人形だと明かしました(第247話)。ただし第251〜253話で、この世界樹は天宙城の主クラウゼンが遠隔操作していた切れ端で、フィオナの創造主はクラウゼンだとわかります。
第241〜249話にリオンの名前は出てきません。エルフの国に着いた場面も「勝負」の結果も書かれず、次の登場は第250話の手術です。
天宙城の騒動とサルームの医療(第252〜256話)
サルームでロイドのメイドになったフィオナにロイドの人となりを尋ねられると、リオンは「わざわざ僕に聞かずとも、近くにいた君が一番よく知っているんじゃないか?」と返し、フィオナをハッとさせます(第252話)。天宙城の砲撃でゼロフのディガーディアが墜落すると、病室で安静を説きました(第253話)。国を挙げたディガーディアの改修では、疲労で倒れる作業者をリオン率いる医療チームが支え、出撃の朝にはイドとロイドに「何種類もの薬草を煎じた眠気覚まし」の湿布を渡したうえで、前述の告白をしています(第255話)。第256話でグリモは、この会話をフィオナも近くで真剣に聞いていたと言い、ジリエルは「恐らくお二人の絆を聞いて自分も……と思ったのでしょう」と推測します。フィオナはそのあと、天宙城の場所がわかると申し出ました。
第256話、百足の群れがサルームに迫ると、後方ではリオンたちが怪我人の治療にあたります。ロイドは「人のことをあれだけ働き過ぎだの休めだの言っておいて、自分だって徹夜で働きまくってるじゃないか」と呆れ、そんなロイドを見上げて、リオンは親指を立てていました。
最新話(第257話)時点のリオン
最新の第257話「潜入、天宙城。前編」(2026年10月24日更新)は、ロイドとイドがグレートディガーディアン✕で天宙城の内部へ突入し、天宙城の主クラウゼンが戦意を失うところで終わります。この話にリオンは登場しません。最後の登場は、サルームの後方で治療にあたる第256話です。第235話の「アセンブラに帰れません」という言葉からは戻るつもりがあったとうかがえますが、第257話の時点ではまだ帰っていません。
考察:リオンに残された伏線
考察ポイント:リオンは、ロイドの力の大きさに気付きかけている兄の一人です。手術のあとには「もしやロイドは皆が思っているよりも遥かにとんでもない魔術師なんじゃないか?」とつぶやき(第250話。ロイドには小声すぎて聞こえていない)、告白でも「変わり者を演じてはいたが、お前の凄まじさは嫌でも伝わってきたよ」と言っています(第255話)。ただしジリエルは「まぁそうは言ってもロイド様の底は微塵も理解してはいないのでしょうが」と見ています。また、第238話の「勝負」の結果、御触れに応じた案内人が送り込まれたフィオナだったことをリオンが知ったか、エルフたちの「救世主様」の取り違えがどうなるかは、第257話の時点で本文に書かれていません。
書籍版・漫画版・アニメでのリオン
書籍版(講談社ラノベ文庫)
書籍版では9巻(2025年4月2日発売)の公式紹介文に名前が出ます。講談社の紹介文は、アルベルトが倒れたあと「魔術バカであるロイドの手助けと、他国で医術を学ぶ第六王子リオンが急遽戻ってきて治療し、無事に快復する。せっかくだからと王子たちの健康診断を行うリオンを見て、ロイドは考える」と書き、ロイドがエルフの国で長寿の秘訣を学ぼうと思い立つ流れを紹介しています。Web版にない展開の10巻と11巻の紹介文には、リオンの名前はありません。
漫画版・TVアニメ・人気投票
講談社の漫画単行本の紹介文(24巻まで)に、リオンの名前は出てきません。漫画版は2026年10月24日配信の第226話まで進んでおり、読者の感想ブログによると第214話で学園編に入っています。Web版の学園編は第150話からで、リオンが初登場する第九部はそれよりあとの章です。TVアニメは第2期の第24話(教会編のギタン戦の最終局面)まで放送され、リオンは登場していません。2026年10月26日時点で第3期の発表もありません。マガポケのキャラ人気投票(漫画版の読者投票)も、第3回・第4回の公開された結果にリオンの名前はありません。
Web版の物語の全体像はWeb版ストーリー全ネタバレ解説にまとめています。
まとめ
- 正体:ロイドの一つ上の兄の第六王子。十一歳で、医療大国アセンブラで五年医学を学んできた
- 医術:アルベルトの臓器不全を見立てて丸薬で治し、王族の健康診断を開く。エルフの国では、成功率三割以下という難手術をロイドの補助で成功させた
- 留学の理由:ロイドへの劣等感。本人は「逃げる為、そして少しでもその差を縮める為」だったと打ち明け、今はロイドを「僕の自慢の弟」と呼ぶ
- 物語での役目:健康診断がロイドのエルフの国行きのきっかけになり、御触れで見つけた案内人がフィオナだった
- 最新話時点:天宙城には行かず、サルームで怪我人を治療している。最後の登場は第256話
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