週刊少年ジャンプで連載中!アニメも絶賛放送中の呪術廻戦の考察記事です。漫画道での芥見下々先生のコメントから、そこまで史実や文献を参考にしているわけではない、とコメントがありましたので、現実に残されている文献などを参照にした考察はそこまで的を得ていないかもしれません。
が、しかし。
それでも参考にしていないわけではないですし、実際、菅原道真や蘆屋、加茂、五条などは参考にしていることもあり、比較的公開されており、探せる情報を基に考察をします。
偽夏油の正体は吉備真備説を検証
まず結論を述べ、その後、偽夏油とは誰のことを言っているのか、前提の整理をし、その偽夏油の目的について考察、その中で出てくる用語、「金烏玉兎集」などの共有を経て、吉備真備と安倍晴明と加茂の関係性を整理した上で、まとめます。
結論
偽夏油は吉備真備であり、活動の目的は人間の可能性の追求であり、その手段が両面宿儺である。
偽夏油とは
呪術廻戦の主人公虎杖悠仁たちの敵であり黒幕。
いまは夏油傑の体を使っているが、以前は加茂憲倫の体を使い、九相図の実験をしていた。
夏油傑の前の体は誰であったかは不明。
相手の体に脳を入れ替え、体を乗っ取ることができるようである。
(そういう術式?
通称メロンパン。
(脳みそがメロンパンに見えるから
偽夏油の目的とは
136話にて、偽夏油は自身の目的を語ります。
「人間の可能性を確かめたい」
そして、その可能性とは、自分から生まれるものには限界があり、自分の外にその可能性を求めているということでした。
その方法は、「呪力の最適化」。
遠隔大規模無為転変によって、
非呪術師を無理やり呪術師に変異させました。
偽夏油曰く、
「虎杖悠仁が1000人生まれたようなもの」とのこと。
そして嬉しそうにいいます。
「呪術全盛の時代到来」
それを平安の世になぞらえて、虎杖の中にいる宿儺に伝えました。
つまり、
虎杖悠仁のように、人為的に人間を超えた人間を呪力で作り出す=最適化する→人間の可能性を超えた人間の作成
が目的なのではないでしょうか。
宿儺を蘇らせるということは、
宿儺がそれの成功例なのかもしれません。
で。
なぜ、1000年もの時を越えて実行したか、ということですが
それは、やるだけならいつでもできた、というのが答えだと思っています。
ならば、なぜやらなかったのか。
それは、呪力が足りなかったから。
偽夏油の?
ちがいます。
世界に内包している呪力の総量です。
いまの世界人口のほとんどは非呪術師です。
呪いは非呪術師からしか生まれません。
なので、逆説的にはなりますが
呪術師の、呪力の力を高めたければ多くの非術師が必要なのです。
多くの非術師から生まれた多くの呪い、呪力を
特定の人間、器に最適化することで
巨大な力溜を創ることができるというわけですね。
ここらへんは、週刊少年サンデーで連載していた「結界術師」の烏森のようなものだと考えています。
で、なぜ偽夏油を吉備真備と考えているか、ということについては、先にあげた両面宿儺、安倍晴明説と虎杖悠仁と宿儺は同一人物説を参考してもらえるとうれしいです。
また、安倍晴明の力の源「金烏玉兎集」については、以下にまとめています。
偽夏油の目的、新たな人間の可能性想像=強力な呪力を宿した人間の誕生=両面宿儺の復活が必須=虎杖悠仁を宿儺の器として想像=九相図の成功例
九相図についてはこちらから
と
晴明の力の源は「金烏玉兎集」
ということを前提にした場合、
偽夏油はだれなのか?
を考えると、
吉備真備
なのではないか、というのが今回の考察です。
*ここまでながかった・・・
金烏玉兎集とは
陰陽道の、呪術の「すべて」が収められているもの。
つまり、呪術の原典。
安倍晴明が、所有していた。
吉備真備と安倍晴明
金烏玉兎集は、元々吉備真備の持ち物です。
それが安倍晴明の先祖である阿部仲麻呂に金烏玉兎集を譲り渡したのが、吉備真備です。
そして、安倍晴明は、加茂保豊の弟子でもあるのです。
加茂
でてきましたね、加茂!
で、なぜこの加茂が、唐突にでてきて、吉備真備と関係があるのかですが、加茂って実は、
吉備
なんですよね
「奈良坊目拙解」という文献に
加茂氏吉備大臣真備末孫也
とあります。
「大和人物志」という文献にはこうも書いてあります。
加茂氏は吉備真備の商にして八世加茂保憲最も奥儀を極め
偽夏油が吉備真備だとして、なぜ安倍晴明、両面宿儺、虎杖悠仁にこだわるのか?
それはまさに「人間の可能性」のためです。
吉備真備は見たことがあるんです。
その人間の可能性を。
どこで?
それは中国で、です。
安倍家に引き継がれていった「金烏玉兎集」ではありますが、
これは元々、吉備真備が中国、唐からもちかえったものです。
そして、どこから持ち帰ったかと言えば
元々の持ち主は「伯道上人」という仙人だったのです。
仙人は、超上の力を持ち、不老不死です。
その可能性、人間を超えた存在を目の当たりにし、それから彼の人生は、人間由来の人間を超えた存在を完成させることに終始してきたのではないでしょうか。
そのための、安倍晴明。
彼は狐と陰陽師の混血といわれています。
呪術廻戦の世界観でいえば、
呪いと呪術師の混血ですよね。
その成功例なのでしょう。
また、安倍晴明ですが、
裏天皇のはなしやらなんやらで、
朝廷に討たれたという説もあるので、長寿、穏やかな老後説が定説ですが、それなら、宿儺の逸話とも合致します。
失った可能性=安倍晴明=宿儺を取り戻すために、
また失わないように
呪力全盛期を作り、そこで、器を作り、復活を目論んでいるのではないでしょうか。
そして、九相図は可愛そうですが、その器作りの失敗作ということだとおもいます。
だから、もしかしたらあのときの言葉
「1000人作った」
ではなく
「仙人作った」
だったのかもしれませんね(オヤジギャグですみません( ゚д゚)
偽夏油は吉備真備説まとめ
偽夏油=吉備真備は昔見た憧れ(仙人)を超える人間を作り出したい。
仙人とは「伯道上人」であり、それを超えるため作られたのが「両面宿儺」=安倍宿儺晴明(蘆屋宿儺道満)=その器虎杖悠仁である。