週刊少年マガジンで連載中「不滅のあなたへ」第136話:こばないいのち(1)のあらすじをネタバレ解説します。
前回のあらすじ
フシの下へ、現在ノッカーが乗り移っている少女の兄(ひろとし)が、妹を助けて欲しいと現れた。
しかし、肝心の妹は、生き返りたくないようだが・・・
ざっくり結末をまとめ
ひろとしは、フシが作った剣を手に、ノッカーに戦いを挑むのであった。
登場人物
フシ、主人公。不滅の人。
ひろとし、変態の王。タイヘンナヘンタイ。
みもり、ひろとしの妹。ノッカーの宿主。
ボン、霊能力王子。ボンボン。
あらすじ
母親への抗議
「みもりは死んだのか? 殺されたのか?」
ひろとしは、飛び降りてから変わってしまった妹を、一年観察し続けてきた、という。
学校で楽しげに友だちと遊ぶ、みもり。
ひろとしは遠くから眺めていると、不審者と間違われ教員に捕まってしまう。
担任の先生に冤罪を晴らしてもらうことができて、難を逃れたひろとしは、「いけない、忘れてた!」担任から、みもりが飛び降りる前の授業参観で読むはずだった作文を手渡される。
作文にはこう書いてあった。
タイトル:家族の思い出
「わたしの家族はとても仲良しです」
作文の中の家族は、いつも一緒。
父親も母親もうっとおしいくらいみもりをかまってくれる。
抱きしめ、みんなで旅行の計画を立てる。
これからも思い出が増えることがたのしみだ、と。
「でたれめのうそっぱちじゃないか」
ひろとしは笑って読んでいたが、気づいてしまった。
真逆。
でたらめ。
ねえ、お母さん、これを読んであなたは何を思うの?
これは、みもりの、彼女なりの、母親への抗議なのだ。
リサイクル
ひろとしは言う。
「みもり、どうだい。正解だろ」
霊体になっているみもりは頭をかかえ、泣く。
「そのとおりだよ」
声の主は、みもりの身体を乗っ取ったノッカーだった。
「だから、身体は俺がもらってやったのさ。リサーイクル!」
ほら、帰るぞ、兄貴と、呼びかけるノッカーに敵意はない。
しかし、「みもりの身体は返してもらうぞ!」
とノッカーに敵意を向けるフシ。
そんなフシを嘲るノッカー。
「死にたがっている人間を生き返らして意味あるの?」
ノッカーから身体を取り返したあとに、選択するのはみもり自身だ、「迷うな」とフシ言うボンは言うが、ノッカーは、「わかってないねえ」とニヤける。
「選択させるってことは、うまく生きることに責任を持たせるってことだよ?」
それができないから、みもりは死んだんだろ、と。
その言葉を聞いて激昂した、ひろとしは、
「目を覚まさせてやる!」
ノッカーにフシが生成した剣をふりかざすのだった。
感想と考察
みもりちゃん、かなしすぎるよ、みもりちゃん。
「わたしの家族はとても仲良しです」
事実と真逆のことを書くっていうのは、心理学の中では、反動形成と言われる防衛ですね。
簡単にいうと、思っていることと真逆のことをするという防衛で、もうなにから自分を守っているのかわけがわからないですよね。
かなり深刻な状態で、神経症のレベルに達しています。
それはそうです。
自殺してしまうくらいなのですから。
ひろとしはみもりと向き合ってなんとかしようとしていますが、
それは間違ったアプローチなのかもしれません。
環境を変えるためにそのジャスティスソードは力を発揮させるべきなのではないでしょうか。
このあとの展開も目が離せませんね!