ウィッチャーは、ポーランドの作家アンドレイ・サプコフスキの小説を原作に、ゲーム・ドラマ・アニメへと広がったダークファンタジーのシリーズです。怪物退治を生業とする「ウィッチャー」、リヴィアのゲラルトと、その養女シリの物語は、2026年に入って大きく動きました。CD PROJEKT REDは『ウィッチャー4』の発売目標を2028年と公表し、その前に『ウィッチャー3 ワイルドハント』のリマスターと新しい拡張パックを出すと発表しています。

本記事では、2026年9月27日時点で発表されているゲーム、Netflixドラマ、原作小説などの新作情報を整理します。公式に発表された内容と、報道にとどまる内容は分けて書いています。

情報の時点について:本記事は2026年9月27日時点の公式発表をもとにしています。『ウィッチャー3 ワイルドハント リマスター』(9月29日発売予定)はこの時点で発売前です。発売日や機種は今後変わる可能性があるため、購入前には公式サイトを確認してください。

新作ラインナップ早見表

2026年9月時点で発表されている主な新作と、その状況です。

作品媒体時期状況
ウィッチャー4ゲーム2028年(目標)発売日・対応機種は未発表
ウィッチャー3 ワイルドハント リマスターゲーム2026年9月29日発売予定。対象機種の所有者は無料でアップグレード(日本国内のSwitch版からは100円)
ウィッチャー3 ワイルドハント 追憶の調べゲーム(拡張)2027年発売予定。発売日は未発表
ウィッチャー(1作目)リメイクゲーム未発表2022年に発表。発売時期の発表なし
ウィッチャー シーズン5(最終章)Netflixドラマ未発表撮影終了。配信日は未発表
ウィッチャー カラスの十字路小説2025年9月30日早川書房から刊行済み

発表と発売の流れを時系列にまとめたのが図1です。

ウィッチャー関連の主な発表・発売を2024年から2028年まで並べた時系列の図
図1:ウィッチャー関連の主な発表・発売(CD PROJEKT RED・Netflix・早川書房の公式発表をもとに作成)

ゲーム『ウィッチャー4』:発売目標は2028年、主人公はシリ

発売時期と対応機種

CD PROJEKT REDは、2026年上半期の決算発表で『ウィッチャー4』の発売時期を2028年と示しました。同じ発表の中で、『ウィッチャー3 ワイルドハント リマスター』を2026年9月29日、『ウィッチャー3 ワイルドハント 追憶の調べ』を2027年に出すとし、「ウィッチャーの世界でこれまでで最も充実したパブリッシングのラインナップ」と説明しています。

2028年はあくまで目標の時期で、具体的な発売日は発表されていません。同社は2025年3月の決算説明では「2026年末までには発売しない」とだけ説明しており、2026年8〜9月の発表で初めて年が示された形です。対応機種も正式には発表されていません。

公開されている映像

これまでに公開された主な映像は2本です。

  • シネマティックトレーラー(2024年12月):The Game Awards 2024で初公開されました。辺境の村で怪物退治を請け負ったシリが、少女を生贄に差し出そうとする村人と怪物の両方に向き合う内容です。公式はシリを新たなサーガの主人公と説明し、日本語の公式サイトでは「シリが主人公のシングルプレイ専用オープンワールドRPG」と紹介しています。映像はカスタマイズしたUnreal Engine 5(UE5)でプリレンダリングしたもので、実際のプレイ映像ではありません。
  • UE5技術デモ(2025年6月):Epic Gamesのイベント「State of Unreal 2025」で公開されました。シリーズ初登場となるコヴィル地方を舞台に、シリが馬のケルピーに乗って港町ヴァルドレストへ向かう内容で、PlayStation 5上で毎秒60フレームで動作するデモとされています。公式は「ゲーム本編のプレイ映像ではなく、オープンワールド開発技術のデモ」と明記しています。

ポイント:技術デモがPS5上で動いたことは、PS5版の発売が正式に決まったという意味ではありません。対応機種は2026年9月時点で未発表です。

2026年の動き

2026年に入ってから、『ウィッチャー4』の新しいトレーラーやプレイ映像は公開されていません。同社の2025年通期決算資料には、2026年2月末時点の開発チームが499人と記載されています。

2026年8月には共同CEOのミハウ・ノヴァコフスキが動画で2028年の発売目標を伝えました。報道によると、この告知では8月のゲーム見本市Gamescom 2026で『ウィッチャー4』は公開しないとも説明しています。実際にGamescomで一般向けに初めて公開されたのは、拡張『追憶の調べ』のゲームプレイトレーラーでした(決算発表による)。

『ウィッチャー3 ワイルドハント リマスター』:9月29日発売予定

2015年発売の『ウィッチャー3 ワイルドハント』は、リマスター版が2026年9月29日に発売される予定です。開発は、これまでも『ウィッチャー3』に携わってきたYigsoftとの共同開発です。公式サイトは、植生やテクスチャ、ライティングとレイトレーシングの刷新に加え、クロスプラットフォームのMODサポート、見た目変更機能、フォトモードの新機能などを挙げています。

項目内容(公式サイト・公式FAQより)
発売日2026年9月29日(予定)
対応機種PC、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch 2
既存の所有者GOG、Steam、Epic Games Store、Battle.net、PS5、Xbox Series X|S版の所有者は無料でアップグレード可能
拡張パック本編の所有者は「無情なる心」と「血塗られた美酒」を無料で入手できる。リマスター版にも収録
Nintendo Switch版から発売後にSwitch 2版へアップグレード可能。日本国内版は100円(税込)が必要

すでに『ウィッチャー3』本編を持っている場合、リマスター版へのアップグレードに加えて、これまで有料だった2つの拡張パックも無料で手に入る点が大きな変更です。Nintendo Switch版の所有者も、発売後にSwitch 2版へ移行できます。ただし公式FAQは、日本国内版のアップグレードには100円(税込)がかかると注記しています。

PS4版を持っている場合:Game*Sparkの報道によると、CD PROJEKT REDの日本担当者は、PS4版・Switch版から現行機版への「現行機版アップグレード」(100円)と、今回のリマスターの無料アップデートは別のものだと注意を呼びかけています。公式FAQでは、PS4・Xbox One版でも2つの拡張パックは無料でダウンロードできるとしています。

新拡張『ウィッチャー3 ワイルドハント 追憶の調べ』:2027年発売予定

2026年5月27日には、『ウィッチャー3』の新しい拡張パック『ウィッチャー3 ワイルドハント 追憶の調べ』(英題:The Witcher 3: Wild Hunt – Songs of the Past)が発表されました。『血塗られた美酒』以来となる新しい拡張で、ポーランドの開発会社Fool’s Theoryとの共同開発です。

8月26日(日本時間)にGamescomで公開されたトレーラーの告知によると、ゲラルトが新しい土地「レッテン」を訪れ、新しいクエストやキャラクター、秘められた謎と出会う物語です。発売は2027年予定で、発売日はまだ発表されていません。

対応機種は、5月の発表時点ではPC、Xbox Series X|S、PlayStation 5でした。8月のトレーラー告知では、GOG、Steam、Epic Games Store、Battle.net、PS5、Xbox Series X|Sに加えてNintendo Switch 2も挙げられています。

『ウィッチャー』1作目のリメイク

2007年に発売されたシリーズ1作目は、2022年にリメイクが発表されています。UE5で一から作り直す計画で、Fool’s Theoryが開発し、CD PROJEKT REDがクリエイティブ面を監督する体制です。

2025年3月の決算説明で同社は、制作上の依存関係からリメイクの開発を一時的に『ウィッチャー4』と連携させ、Fool’s Theoryの一部スタッフが『ウィッチャー4』を支援していると説明しました。2026年9月時点で、リメイクの発売時期は発表されていません。

『追憶の調べ』とリメイクの両方にFool’s Theoryが関わり、リマスターはYigsoftとの共同開発です。ゲーム新作の開発体制を整理したのが図2です。

CD PROJEKT REDとFool's Theoryがウィッチャー4、追憶の調べ、リメイクにどう関わっているかを示す図
図2:ゲーム新作の開発体制(CD PROJEKT REDの公式発表・決算説明をもとに作成)

Netflixドラマ『ウィッチャー』:シーズン4配信、最終章シーズン5は配信日未発表

シーズン4

シーズン4は2025年10月30日に全8話で配信が始まり、日本のNetflixでも同日から配信されています。最大の変化はゲラルト役の交代で、シーズン3までのヘンリー・カヴィルに代わり、リアム・ヘムズワースが演じています。ヘムズワースはシーズン4と5に出演すると発表されています。

Netflixが発表した主なキャストは、リアム・ヘムズワース(ゲラルト)、アーニャ・シャロトラ(イェネファー)、フレイヤ・アーラン(シリ)、ジョーイ・ベイティ(ヤスキエル)です。新たにローレンス・フィッシュバーンがレジス役で加わりました。

レビューサイトRotten Tomatoesでは、2026年9月27日時点で批評家の評価が61%(28件)、一般ユーザーの評価が19%(2,500件以上)でした。数値は今後変わる可能性があります。

シーズン5(最終章)

Netflixは2024年4月、シーズン5の制作を決定し、ゲラルトの物語の最終章になると発表しました。シーズン4と5は続けて撮影する計画で、2025年10月の海外メディアGamesRadar+の取材では、ショーランナーのローレン・シュミット・ヒスリックがシーズン5の撮影終了を明かしています。

配信日は2026年9月時点で公式に発表されていません。Netflixが2026年1月に公開したラインナップ資料では2026年配信の作品に含まれていましたが、2026年8月には海外メディアが「2027年配信に移った」と報じました。ただし、Netflixは延期を公式には発表していません。

注意:シーズン5の「2027年配信」は報道にもとづく情報で、Netflixの公式発表ではありません。

スピンオフ・アニメ

シーズン4に登場する盗賊団「ネズミたち」の前日譚を描く特別編『ウィッチャー ネズミの物語』(英題:The Rats: A Witcher Tale)が、Netflixで配信されています。アニメ映画『ウィッチャー 深海のセイレーン』(英題:The Witcher: Sirens of the Deep)は2025年2月11日に配信されました。これらに続く新しいスピンオフやアニメの公式発表は、調べた範囲では見つかりませんでした。

原作小説:新作『カラスの十字路』

原作者サプコフスキの新作小説『ウィッチャー カラスの十字路』(原題:Rozdroże kruków、英題:Crossroads of Ravens)の日本語版は、2025年9月30日に早川書房のハヤカワ文庫FTから刊行されました。訳者は川野靖子さんと杉浦綾さんで、368ページ、価格は1,980円(税込)です。

早川書房の紹介では、ウィッチャーになったばかりの若きゲラルトが、怪物と戦い罪なき者を守ろうとする物語とされています。早川書房は、世界の複数の国での同時刊行と告知しています。

次の小説については、タイトルも刊行時期も公式には発表されていません。2026年9月にポーランドのイベントで、サプコフスキが「新作は2027年末までに書き上がる見込みで、主人公はゲラルト」と話したと海外メディアが報じています。これは執筆完了の見込みで、刊行日ではありません。

そのほかの展開

ゲームとドラマ以外では、日本で『ウィッチャー3』の作中カードゲームを現物化した『グウェント:ザ・レジェンダリー・カードゲーム』日本語版のクラウドファンディングが、Dexker Gamesにより2026年7月22日から8月21日まで実施されました。4Gamer.netの報道によると、支援者への製品提供は10月30日の予定です。

各媒体の最新状況をまとめたのが図3です。

ゲーム、Netflixドラマ、原作小説、その他の媒体ごとにウィッチャーの最新状況を並べた図
図3:媒体別の最新状況(各社の公式発表と報道をもとに作成。「報道」は公式未確認)

まとめ

  • ウィッチャー4: 主人公はシリ。発売目標は2028年で、発売日と対応機種は未発表。公開済みの映像は2024年のトレーラーと2025年の技術デモで、どちらも実際のプレイ映像ではない
  • ウィッチャー3 リマスター: 2026年9月29日発売予定。PC・PS5・Xbox Series X|S版の所有者は無料でアップグレードでき(Yigsoftとの共同開発)、拡張パック2本も無料で入手可能。Switch 2版があり、日本国内のSwitch版からは100円(税込)で移行できる
  • 追憶の調べ: 『ウィッチャー3』の新拡張で、ゲラルトが新天地「レッテン」を訪れる。Fool’s Theoryとの共同開発で、2027年発売予定
  • 1作目のリメイク: Fool’s Theoryが開発中だが、発売時期は未発表
  • Netflixドラマ: シーズン4は2025年10月30日配信で、ゲラルト役はリアム・ヘムズワース。最終章のシーズン5は撮影を終えたが、配信日は未発表(2027年への延期は報道のみ)
  • 原作小説: 若きゲラルトを描く『カラスの十字路』が2025年9月30日に刊行。次作は作者が2027年末までの完成を見込んでいると報じられている

出典について:ゲームの情報はCD PROJEKT REDの公式サイト(thewitcher.com・cdprojekt.com)の発表・決算資料・公式FAQ(PS4版の100円アップグレードの説明はGame*Sparkの報道)、ドラマはNetflixの公式発表(Tudum・ニュースルーム)、小説は早川書房の公式サイトで確認しました。Gamescomでの『ウィッチャー4』非公開、シーズン5の撮影終了と延期、次の小説に関する作者の発言は、海外メディア(Game Informer、GamesRadar+、What’s on Netflix、Collider など)の報道によるものです。