【鬼武者 Way of the Sword】おもしろシーン特集|「篭手女」の応酬・食いしん坊の大唾拉・紫魂の横取りまで、笑って唸る名場面まとめ

鬼武者 Way of the Swordは、血で血を洗う剣戟譚でありながら、口の悪い宮本武蔵と篭手に宿る鬼の佳人の漫才のような応酬、食べることしか頭にない巨大幻魔、願いを字義どおりに叶えてしまう悪趣味な神社の主など、思わず笑ってしまう場面がいくつも仕込まれた作品です。三船敏郎の顔が驚いたり、ぎょっとしたり、眉をひそめたりする人間臭さも相まって、シリアスな剣戟の合間に妙な可笑しみが差し込まれます。本記事では、発売後にレビューや開発者インタビュー、攻略サイトで語られた「おもしろシーン」を、キャラクターの掛け合い・幻魔の変人ぶり・システムが生む珍事・シリーズファン向けの小ネタの4つに分けて紹介します。
ネタバレについて:本記事は序盤から後半(攻略サイトの攻略チャート7本のうち5本目にあたる大江山の酒呑童子戦まで)の場面と、クリア後の衣装・トロフィー名の一部に触れます。物語終盤の真相、最終ボス、鬼の佳人の過去の詳細には触れません。トロフィー名にはボスの名前が含まれるため、まっさらな状態で遊びたい人はクリア後にお読みください。
出典に関する注記:キャラクターの設定と声優は任天堂公式トピックス(2026年9月4日)で確認しています。場面の描写は4Gamerのプレイレポート、電撃オンライン・ファミ通・GAME Watchのレビュー(いずれも2026年9月1日前後)、4Gamer・電ファミニコゲーマー・Game*Sparkの開発者インタビューに基づき、「レビュー準拠」「インタビュー準拠」と記します。クリア後衣装・トロフィー名・拠点のイベント名は攻略サイト(AppMedia、redfreshet)の情報で、カプコン公式の一次資料では照合できていません。SNSでの拡散規模は今回の調査では確認できなかったため、記事内では扱いません。
武蔵の「顔」がすでに面白い|三船敏郎の表情と口の悪さ
本作の可笑しみの土台は、主人公・宮本武蔵の造形そのものにあります。武蔵のフェイスモデルは名優・三船敏郎ですが、4Gamerのプレイレポートが指摘するとおり、整った決め顔ばかりではなく、驚いたり、ぎょっとしたり、眉をひそめたりと表情の振幅が大きく、粗野な武蔵らしさがそのまま顔に出ます。カットシーンで名優の顔が「え?」という表情を見せるだけで、場面の温度が一段変わるのです。
口の悪さも徹底しています。電撃オンラインのレビューによれば、ゲーム冒頭で名門・吉岡道場の当主である吉岡清十郎を斬った武蔵は、門弟数十人に囲まれた多勢に無勢の状況で「気合い入れて来いよ!」と言い放ちます。GAME Watchのレビューによれば、清十郎から「親類縁者もすべて斬り捨てる」と言われた際には「そんなモンは一人もいねえ。身軽に越したことはねぇ」と返す始末で、剣の腕には絶対の自信がある一方、他人への配慮がまるで育っていない若者として登場します。この「強いけれど態度が悪い」武蔵が、鬼の力を授かってもなお「唾棄すべきもの」と言い切る頑固さこそ、本作のギャグとドラマの両方を支えています。
補足:細谷佳正が演じる武蔵の声は、発売後の反応でも三船敏郎の顔との相性の良さが語られています。二瓶賢ディレクターは4Gamerのインタビューで、映画『クローズZERO』の「悪っぽくて格好いい」雰囲気に影響を受け、武蔵と巌流、さらに未公開のボスにも「正統派ヤンキーやインテリヤクザ、極道のような空気感」を少し取り入れたと説明しており、武蔵については刀を振り終えたあとの所作や納刀の仕方で野蛮さを表現したと語っています。また電ファミニコゲーマーによれば、任天堂の開発者インタビュー企画「クリエイターズボイス」(2026年9月1日更新)で、京都の町人たちのフェイスモデルにカプコン社員を起用していたことが明かされています。名優の顔を持つ武蔵が、社員の顔をした町人たちを救って回るという構図も、知ってから遊ぶと少し可笑しく見えてきます。
「篭手女」と呼ばれて怒る鬼の佳人|拠点・六道珍皇寺の掛け合い
本作でもっとも多く語られる「笑える場面」が、武蔵と鬼の佳人の応酬です。鬼の佳人は武蔵の鬼の篭手に宿る鬼の一族の女性(声:遠藤綾)で、レビューや開発者インタビューでは「静御前」の名でも呼ばれています。ファミ通のレビューによれば、彼女は幻魔との戦いが始まると篭手の中から「お気をつけて」「ご武運を」と声をかけ、一閃を決めると「お見事!」と褒めてくれる、いわば専属の応援役です。
ところが武蔵は、そんな彼女を乱暴に「篭手女」と呼びます。電ファミニコゲーマーのインタビューで二瓶ディレクターは、武蔵が篭手に宿る静を「篭手女」と呼び、静が「そんな言い方嫌いです」と返す「みたいな」ちょっと面白いやり取りを大事にしたと語っています(開発者の言い換えで、ゲーム内の一字一句ではありません)。4Gamerのインタビュー記事でも記者が、「篭手女」と呼ばれた静御前がきっぱりと不快感を示して言い返す場面を、思わず笑ってしまうシーンとして挙げており、GAME Watchのレビューも粗暴な武蔵に静御前が不快感を示していたと書いています。人間離れした鬼の女性が、口の悪い若者の呼び方にむっとするという構図が、二人の距離感を一気に身近なものにしています。図1に、拠点での人間関係と掛け合いを整理しました。

「メロメロにする」と息巻く阿国と、微妙な顔の武蔵
拠点となる六道珍皇寺には、約700年にわたって幻魔を斬ってきた先輩鬼武者・小野篁(声:石住昭彦)と、かぶき踊りの踊手でありながら幻魔を倒す力を求める出雲阿国(声:千春)が暮らしています。鬼の力を受け入れて生きる篁、力を求める阿国、力を拒む武蔵という三者は目的が噛み合わず衝突を繰り返しますが、4Gamerのプレイレポートは、衝突した過去があるからこそ分かり合ってからの3人の関係性が印象深いと評しています。
その象徴が、大江山の幻魔・酒呑童子をめぐる場面です。4Gamerのプレイレポートによれば、酒呑童子を「メロメロにする」と息巻く阿国に対し、武蔵が何とも言えない表情を見せます。本気で鬼を色仕掛けで落とすつもりの踊り子と、それを聞かされた三船敏郎の顔という組み合わせは、本作らしいユーモアの典型です。攻略サイトAppMediaの攻略チャートによれば、六道珍皇寺では阿国に話しかけて鬼灯袋の材料を集める「鬼灯袋つくろい」や、篁と鬼の力を探る「隠されし鬼の力」、鐘を鳴らして強敵と再戦できる「鍛錬の間」があり、素材集めや鬼の力の探索、強敵との再戦といった用事をこなせます。武蔵が仲間と共同生活を送っていることが見える、物語の「間」の場所です。
「楽しいから」:笑える場面ばかりではありません。電撃オンラインのレビューは、篁の言葉を受けて武蔵が「剣に生きる者にとって、戦いこそすべて。端的に言えば『楽しいから』だ」と語る場面を、武蔵の生き様を表す言葉として取り上げています。口の悪い若者が自分なりの剣の道を自覚する転機で、掛け合いの積み重ねがあるからこそ響く台詞です。
よく喋る幻魔たち|恐ろしいのに憎めない「変人」図鑑
本作の幻魔は、ただの怪物ではありません。公式のキャラクター紹介の時点で「常に飢えている」「縁切り・縁結びと称して人々に危害を加える」といった妙に人間臭い性格付けがされており、レビューでも「個性的な連中」として楽しまれています。図2に、特に語られることの多い3体をまとめました。

大唾拉|食べることしか頭にない巨体
序盤の「鬼の隠れ里」で立ちはだかる大唾拉(だいだら、声:三宅健太)は、極太の武器を軽々と振り回す巨体の幻魔で、公式紹介では「常に飢えている様子で、食べることに異常な執着を見せる」と説明されています。4Gamerの試遊記事では、恐ろしい見た目に反して短い足をばたつかせる動きがコミカルで、憎めない敵として紹介されました。初代『鬼武者』のボス「オズリック」に似ていると発売前から話題になった幻魔で、ファミ通のインタビュー(2025年6月)で二瓶ディレクターは「残念ながら別の存在」としたうえで、似ているのは「セルフオマージュだから」と認めています。Game*Sparkのインタビュー(livedoorニュース転載)でも、大唾拉を斬った時の演出は「何十年も前のものを意識した」と語っています。撃破時に取得できるトロフィー名は攻略サイトによれば「悪食野郎」で、名前からして食いしん坊扱いです。
羅掌願|願いを「字義どおり」に叶える縁切りの主
中盤の舞台となる安井金比羅宮は、実在する縁切り・縁結びの神社です。そこに棲みつく羅掌願(らしょうがん、声:間宮康弘)は、体から出す糸を駆使して奇襲を仕掛ける狡猾な幻魔ですが、本当に厄介なのはその「願いの叶え方」です。4Gamerの開発者インタビューによれば、「足が痛い」と訴える人には「足がなければ痛みもなくなる」と足を切り落とし、「三味線の稽古が辛い」という人からは指を奪います。願いを字義どおりに解釈して、およそ望まれていない形で成就させる悪趣味な存在で、笑っていいのか怖がるべきか分からない独特の後味を残します。同じインタビューで二瓶ディレクターは安井金比羅宮に事前に許可を取ったと述べ、門脇章人プロデューサーは同神社が怖い伝承でも知られることに触れています。トロフィー名は「歪な成就」(攻略サイト準拠)で、まさにこの幻魔の性質を言い表しています。
酒呑童子|戦いの最中に酒を飲んで回復する
大江山を根城とする酒呑童子(しゅてんどうじ、声:拝真之介)は、伝承に残る鬼の名を名乗る巨躯の幻魔です。4Gamerのプレイレポートは「戦いの最中に酒を飲んで回復する」幻魔として紹介しており、こちらが削った体力を目の前で飲み直されるという、伝承の酒好きをそのまま戦闘ギミックにした設計です。前述の「メロメロにする」発言の相手でもあり、笑いどころと強敵感を兼ね備えています。公式紹介では「伝承に残る鬼・酒呑童子を名乗っているが、その正体は……?」と含みを持たせており、本記事でも正体には触れません。
システムが生む珍事|受け流しの玉突き・紫魂の横取り・部位切断
本作のおもしろさは、演出だけでなくシステムからも生まれます。図3に、レビューやユーザー感想で語られた「思わず声が出る」出来事を整理しました。

受け流しで敵を壁や仲間にぶつける
任天堂公式トピックスによれば、タイミングよく防御する「受け流し」に成功すると、敵をよろけさせたり、壁や別の敵にぶつけたりできます。公式の説明はここまでですが、発売後のユーザー感想では、受け流した敵が後ろの仲間を巻き込んで倒れる「思わぬコンボ」が面白がられています。守りの技のはずが、気づけば敵同士の玉突き事故を起こしているという展開は、乱戦の中で小さな見せ場を作ってくれます。
あと少しで覚醒、というところで紫魂を敵に吸われる
4Gamerのプレイレポートとファミ通のレビューが揃って取り上げたのが、魂吸収の「逆転」です。魂は武蔵だけでなく幻魔も吸収でき、武蔵が被弾すると完全覚醒に必要な紫魂を落としてしまいます。それを敵に吸われると、あと少しで覚醒できたはずのゲージを失ううえ、相手を強化してしまうことになります。ボス戦の終盤で紫魂を横取りされたときの脱力感は、本作ならではの「笑うしかない」瞬間です。逆に言えば、いつ吸収するかという駆け引きが常に発生する設計で、任天堂公式も吸収中は無防備になると注意を促しています。
刃の軌道どおりに斬れる部位切断
Xbox Wire Japanの開発者インタビューによれば、本作の斬撃は刀が通過した位置を反映して敵を切断するため、頭・腕・胴を狙い分けられます。部位によってダメージ重視、回復用の黄魂、ゲージ回収と目的が変わるため、残酷表現であると同時に戦術要素にもなっています。任天堂公式トピックスも、強敵に対しては崩し一閃で攻撃する部位によって得られる効果が変化すると説明しており、「どこを斬るか」を考える楽しさが加わっています。
Joy-Con 2を振って斬る/被り物は外せる
Nintendo Switch 2版では、4Gamerの試遊記事によれば、Joy-Con 2を横に振ると片手攻撃、縦に振ると両手攻撃、ZRとジャイロで弓を構えるモーション操作が使えます。発売後のユーザーレビューでは面白い追加要素と受け止められる一方、長時間では腕が疲れるという率直な声もあります。もうひとつ、攻略サイトAppMediaが「ちょっとした隠し要素」として紹介しているのが、クリア後衣装「パンダの着ぐるみ」や「武人の大鎧」など被り物付きの衣装は、魂吸収と調べるの操作で頭の被り物だけを外せるという仕様です。三船敏郎の顔をパンダの着ぐるみから出して京都を歩く姿は、本作の真剣さと悪ふざけのバランスを象徴しています(公式資料での記載は確認できていません)。
シリーズファンがニヤリとする小ネタ|オマージュとトロフィー名
本作は過去作と物語上の直接のつながりを持たない完全新作ですが、開発陣は過去作の敵やシステムを再構成したオマージュを意図的に入れています。Game Informerの記事(2026年7月22日)では、初代『鬼武者』で地中から触手を伸ばし倒すと分裂する幻魔と、本作の「Chijiko」(英語表記)の挙動が共通していること、転がって突進するアルマジロのような敵が過去作の敵を思わせることが指摘され、開発者は敵自体はすべて新規だが旧作の特徴を取り入れたと説明しています。図4に対応関係をまとめました。

| 小ネタ | 内容 | 出典ラベル |
|---|---|---|
| パンダの着ぐるみ | 「剣の道」の物語をクリアすると解放される衣装。破魔鏡で着替えられる | 攻略サイト準拠(AppMedia) |
| コミカルな名前の刀装 | デラックスキットに「竹と熊猫」「櫂の木刀」といった刀装が含まれる。刀装は見た目のみを変更 | 公式確認済み(PlayStation Blog) |
| 遊び心のあるトロフィー名 | 「悪食野郎」(大唾拉を斬った)、「歪な成就」(羅掌願を斬った)、「やりやがったな」(清水寺の百穢を斬った)、「犬は放っておけない」(初めて狛犬を助けた)、「抜き足差し足」(暗殺で敵を20体斬った)、「ちぎっては投げ」(掴み返しを50回成功)、「勝てばそれでいい」(環境物を使って敵を50回攻撃)、「幻魔も火には弱い」(敵を一度に3体大炎上)、「篭手を外すため」(30個以上の魂を一度に吸収)など | 攻略サイト準拠(redfreshet・Gamerch)。命名意図は未確認 |
| 狛犬を助ける | 瘴気で動けなくなった狛犬を助け、お腹を撫でられる。一定数助けると刀装が解放される収集要素 | 存在は公式確認済み(電ファミニコゲーマー・公式サイト「狛犬の間」)、報酬は攻略サイト準拠(AppMedia) |
狛犬のお腹を撫でる武蔵
血みどろの剣戟譚の中で、ほとんど唯一と言っていい癒やし要素が狛犬です。電ファミニコゲーマー(2026年8月27日)によれば、gamescom 2026の「Future Games Show」で二瓶ディレクターが紹介した映像には、武蔵が狛犬のお腹を撫でている様子が映っていました。狛犬は瘴気に包まれて身動きが取れず、助けを求めているという設定で、公式サイトにも「狛犬の間」という専用ページが用意されています。攻略サイトAppMediaによれば、各地の狛犬を一定数助けると刀装が解放され、トロフィーにも「犬は放っておけない」「愛犬家」が用意されています。口の悪い武蔵がしゃがんで犬の腹を撫でる姿は、本作のギャップの極みです。
また、発売前の2026年8月13日には、佐々木巌流役の岡本信彦さんが自身の演じるキャラクターと対決する公式の実況プレイ映像が公開され、実況企画としては初となる大唾拉戦への挑戦も収録されました(Game*Spark準拠)。開発陣が「妖艶さ」や「色気」を大事にしたという宿敵に、声優本人が斬りかかる企画は、発売前の話題作りとしても本作らしいユーモアがあります。
「櫂の木刀」は、宮本武蔵が巌流島で櫂を削った木刀を使ったという有名な逸話を思わせる名前ですが、本作では巌流島の戦いそのものは描かれないと開発者が説明しています。物語で描かない逸話を、見た目装備の名前で拾っているあたりが、本作の遊び心です。なお、三船敏郎の出演映画の特定場面を再現したという公式の説明は確認できておらず、映画へのオマージュとして確実に言えるのは「三船敏郎の顔と表情、時代劇スターとしての存在感を武蔵に組み込んだ」という点までです。
笑えないほうの珍事|発売直後に報告された不具合
おもしろシーンとは別枠になりますが、発売直後には珍現象としての不具合報告もありました。攻略サイトGamerchの不具合報告掲示板(2026年9月17日更新)には、Nintendo Switch 2版の嵐山で大筒を破壊する際に門の上に爆薬がなく進行不能になる、腕覚醒が勝手に発動する、大鵺の幻魔雑記が入手済み扱いなのに実際は取れておらずトロフィーコンプリートができない、といった報告が寄せられています。いずれもユーザー報告であり、カプコン公式の不具合告知や修正状況は今回の調査では確認できていません。遊んでいて挙動がおかしいと感じた場合は、公式サイトのお知らせやパッチノートを確認してください。
まとめ
『鬼武者 Way of the Sword』のおもしろシーンは、三船敏郎の顔を持つ口の悪い武蔵と、「篭手女」呼ばわりに怒る鬼の佳人、酒呑童子を色仕掛けで落とす気満々の阿国という拠点の人間関係から生まれています。そこに、食べることしか頭にない大唾拉、願いを字義どおりに叶える羅掌願、戦闘中に酒を飲む酒呑童子といった「よく喋る変人」の幻魔が加わり、受け流しの玉突きや紫魂の横取りといったシステム由来の珍事が、戦闘中に小さな見せ場を作ることがあります。血で血を洗う剣戟譚のなかで、こうした可笑しみが物語の緩急になっている点こそ、本作が「笑って唸れる」理由です。クリア後はパンダの着ぐるみで京都を歩き回り、被り物を外して三船敏郎の顔を出す遊びまで残されています。









