Emberwardは、Refic Gamesが開発・販売するローグライト・タワーディフェンスゲームです。Steamの日本語ストアページでは、プレイヤーを「監視役」と呼び、その使命を「命の炎を守り、闇を照らし続けること」と説明しています。押し寄せるモンスターの前に、手札のブロックを組み合わせて曲がりくねった迷路を築き、その上にタワーを並べて炎へ向かう敵を迎え撃つゲームです。2024年6月25日に早期アクセスが始まり、約2年3か月を経た2026年9月17日に正式版(1.0)がリリースされました。

英語のストア説明では、本作を「テトロミノのブロックでねじれた迷路を作り、ユニークなタワーを配置する戦略的なローグライト・タワーディフェンス」と紹介しています。2026年10月1日時点のSteamユーザーレビューは4,250件で「圧倒的に好評」です。

Emberwardの基本情報

項目内容
タイトルEmberward
開発・販売Refic Games
発売日(正式版)2026年9月17日(早期アクセス開始は2024年6月25日)
価格1,955円(通常2,300円から15%オフ、2026年10月1日取得時点)
ジャンルローグライト・タワーディフェンス(Steamのジャンル表記はインディー/ストラテジー/無料プレイ。本編は有料)
プレイ人数シングルプレイヤー
プラットフォームPC(Steam)。Windows向け(64bit)。ゲームの最低要件にはWindows 7/10/11と記載されていますが、Steamクライアントのサポート対象はWindows 10以降です
Steam Deckプレイ可能(Playable)
日本語対応あり(インターフェース。Steamの言語表では全言語がインターフェースのみの対応)
対応言語英語、日本語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語(スペイン・ラテンアメリカ)、ポーランド語、ポルトガル語(ブラジル)、ロシア語の13言語
体験版あり(Emberward Demo)
主な機能Steam実績(100個)、コントローラーのフルサポート、Steamクラウド、リーダーボード、トレーディングカード
ストアページSteam – Emberward

Steamストアの最低動作環境は、4GHzのプロセッサー、メモリ4GB、OpenGL 3.0以上に対応したVRAM 2GBのグラフィックス、ストレージ3GBです。2026年10月1日時点のSteamでは売上上位43位、人気新作36位に入っていました。

開発者のRefi氏は、1.0のリリース告知で本作を「初めてのインディーゲーム」と書き、数か月、長くても1年で完成させるつもりが、ほぼ4年かかったと振り返っています。価格は正式版に向けて改定されており、2026年7月の告知では、ローンチ時の割引を実施するために、米国価格を7月15日に14.99ドルから19.99ドルへ変更すると説明していました。

世界観|命の炎を守る「監視役」

日本語のストア説明によると、プレイヤーは「監視役」として広大な旅に出て、命の炎を守りながらモンスターの侵略を阻みます。短い紹介文は「戦術を駆使し、命の炎を守り切れ!」の一文です。Steam実績の説明には「命の炎にたどり着くまでモンスターを〜タイル以上歩かせる迷路を作る」という条件があり、迷路のゴールが命の炎であることが分かります。

旅の舞台は地域ごとに分かれています。Steam実績の日本語表記では、霧のフォレスト、骨のデザート、氷のルーイン、封印のシタデル、深淵のヴォイドの5地域です。1.0で追加された深淵のヴォイドについて、開発者の告知は「封印のシタデルを越えた先にある、何世紀もかけてヴォイドに侵食された忘れられたダンジョン」と説明しています。そこでは変異したモンスターや謎のエネルギーを持つ結晶が待ち受け、プレイヤーは深淵の奥にある侵食の源を倒すことを目指します。

ストアや告知で語られる物語は、この程度の大枠にとどまります。炎の由来や登場人物の来歴は公式説明では詳しく触れられておらず、ストアの説明文の大半はゲームシステムの紹介に充てられています。

ゲームシステム・遊び方

1回の冒険の流れ

Steamストアの説明に沿って、1回の冒険(ラン)の流れを整理したのが図1です。冒険を始める前にキャラクターと炎を選び、マップ上のステージを進みます。ストアの説明によると、ランごとにマップ、タワー構成、迷路が変わります。

Emberwardの1回の冒険の流れを示した図
図1:1回の冒険(ラン)の流れ(Steamストアの公式説明をもとに作成)

旅の途中では新しいタワーやブロックカード、レリックを集めます。バトルのたびに経験値が手に入り、それを使って能力(タレント)を習得すると、次の冒険を有利に始められます。Steamのユーザータグ(英語表示)には「Roguelite」と並んで「Deckbuilding」も付いています。

ブロックで迷路を作る

本作の中心は、バトル前の迷路づくりです。手札にあるブロックカードを配置して、モンスターが炎へ向かうルートを組み立てます。ストアの説明は、壁にできるブロックには限りがあり、モンスターに遠回りをさせるか、タワーを有利な位置に置くためにブロックを使うかを選ぶ必要があると書いています。英語のストア説明はこのブロックを「テトロミノのブロック」と表現しており、ユーザータグには「Falling Blocks」も付いています。

実際の操作について、YouTubeチャンネル「ぼたぼた」の早期アクセス初期の実況(2地域時代のバージョン)では、ブロックは建設フェーズ中なら動かせ、フェーズが終わると固定されること、タワーは地面ではなくブロックの上に置くことが紹介されていました(プレイヤー報告)。現行版の細かな仕様はゲーム内のチュートリアルで確認してください。

ポイント:Steam実績には「命の炎にたどり着くまでモンスターを250タイル以上歩かせる」「500タイル以上」「1000タイル以上」という段階的な目標があります。どこまで敵を遠回りさせられるかが、本作のやり込みの軸のひとつになっています。

タワーとサイズ・属性

タワーは大きさがさまざまで、ストアでは1×3、2×2、3×3といったサイズが挙げられています。大きなタワーは強力ですが、置き場所を確保するために迷路の段階から計画が必要です。ストアで紹介されている個性的なタワーには、モンスターの通り道をまたいで頭上から毒を注ぐポイズンタワー、自ら敵を追いかけるドローンタワー、出目が大きいほどダメージが高くなるD20 Towerがあります。大型タワーの置き場所や、通り道をまたぐタワーの位置を考えると、迷路の形とタワーの選択は互いに影響し合います。

属性は、Steam実績「属性使い」の説明によると炎・氷・電気・毒・アーケインの5種類です。1.0では、マグマ弾を撃ち出して高い確率で敵を燃焼させる3×3のVolcano Tower(実績での日本語表記は「カザンタワー」)と、しばらく攻撃しないと警戒モードに入り、敵が現れると攻撃速度が大きく上がる1×1のSentry Towerが追加されました。一方、早期アクセス期間から使われてきたBasic Towerは1.0で削除されています。

タワーの総数について、早期アクセスの開始日を発表した2024年6月11日の告知では26種(体験版は18種)でした。現在は、Steam実績に「異なる45種類のタワーを設置する」という目標があることから、45種類以上が用意されていることになります。また、同じ告知によると、1×1より大きいタワーには、2種類のアップグレードから1つを選ぶ仕組みがあります。

ルーン・強化カード・レリック

バトル後には、ブロックカードにルーンを付けられます。英語のストア説明によると、ルーンはタワーを強化したり、ブロックに特殊な能力を与えたり、ブロックのサイズを2倍にしたりします。1.0では、上に置いた1×1タワーの弱いコピーをほかのMirror Runeの上に出すMirror Rune、会心率と会心ダメージを大きく上げるPrecision Rune、同じ色のアップグレード費用を大きく下げるUpgrade Runeが追加されました。

バトル中に押し負けそうなときは、強化カードでタワーの力を増強できます。旅の途中ではレリックも手に入り、その数は2024年6月11日の告知の時点で45種類(体験版は16種類)でした。

キャラクターと炎

冒険の前に選ぶキャラクターは、Steam実績から、商人サイラス、建築家チャンク、ロボットティニー、魔術師ターナ、炎の守護者ベロック、旅人クロノ、占星術師エステルなどの解放が確認できます。実績には「商人サイラスで次のステージに150ゴールド持ち越す」「建築家チャンクで持ち物のブロック全てにメガ・ルーンがついた状態でボスステージをクリア」といった条件があり、キャラクターごとに得意な戦い方が異なることがうかがえます。

炎も選択肢の一つで、地域の追加にあわせて増えてきました。追加当時の履歴では、氷のルーインの追加時にFrostfire、封印のシタデルの追加時にAncient FlameとCandle Flameが加わっています。その後、2025年10月17日のv0.4.7でFrost FlameとCandle Flameは削除され、炎の構成・効果も再編されました(Steamの公式更新告知)。1.0では、深淵のヴォイドをノーマル以上でクリアすると解放されるVoid Flameが加わっています。

モードと難易度

モード内容(Steamストアの説明)
アドベンチャーモード(Adventure Mode)ステージを進み、強力なボスに挑むメインモード
エンドレスモード(Endless Mode)特別なイベントマップと80以上のステージで、リーダーボードの上位を競う
パズル・サンクチュアリ(Enigma Sanctum)限られたカードで最強の防衛を組み立てる、テンポの速いモード

Steam実績に登場する難易度は、カジュアル、ノーマル、ヒロイックの3つです。高難度の要素としてインフェルノ・シャードがあり、関連する実績はいずれも難易度ヒロイックを条件とし、レベル24でのクリアを求めるものもあります。このほか、デイリーチャレンジとウィークリーチャレンジも用意されています。

早期アクセスから正式版までの歩み

本作は約2年3か月の早期アクセスを経て正式版になりました。地域の追加の経緯をSteamのアップデート告知から整理したのが図2です。

早期アクセスから正式版までの地域追加の年表
図2:早期アクセスから正式版1.0までの地域追加(Steamの公式アップデート告知をもとに作成)

早期アクセス開始時に遊べたのは霧のフォレストと骨のデザートの2地域でした。2024年8月のv0.3.0で氷のルーイン、2025年3月のv0.4.0で封印のシタデルが加わっています。v0.4.0の告知で開発者は、当時最後の地域として予定していた封印のシタデルの設計の焦点を、ゴールド・ブロック・タワーをどう使い切るかという資源管理に置いたと説明していました。

1.0で追加された5番目の地域、深淵のヴォイドについては、「それまでの4地域を合わせたよりも作るのが難しかった」と開発者が書いています。ヴォイドゾーンやポータルなどの仕組みを使って迷路を強化する必要があり、開発者は「迷路づくりという本作の原点に焦点を戻した」と位置づけています。1.0ではあわせて実績が15個追加されて計100個になり、Steamトレーディングカード、メインメニューの背景、余った経験値と交換できるブロックスキン、倒した敵が装飾用のコインをまき散らす「Dopamine Mode」なども加わりました。

見どころ

開発者が明かしたタワー調整の考え方

1.0の告知で開発者は、タワーの強さをどう調整しているかを説明しています。要点をまとめたのが図3です。

開発者が説明したタワーの調整方針の図
図3:タワーの調整方針(1.0リリース告知の開発者コメントをもとに作成)

開発者によると、多くのタワーは1〜2つの得意分野を持つように作られており、その強みを発揮した場面を基準に調整しています。射程や形が特殊なタワー、ほかのタワーとの連携が前提のタワーは、うまく使えば同種のタワーより少し強くなるように設定されています。逆に、どんな状況でも機能するタワーや効果が特に強力なタワーは、ダメージが少し控えめです。例として、射程が非常に広く3つの属性をカバーするMissile Towerは基礎値が低め、迷路の設計に工夫が要るLava TowerやScythe Towerは高めにしていると書かれています。単純なDPS(秒間ダメージ)の比較だけでは強さが決まらない作りであることが、開発者自身の言葉で示されています。

遊びやすさを調整できる設定

早期アクセス開始直後の開発者の投稿では、タイマーをオフにできること、霧の色や点滅するモンスターの表示をオフにできること、ブロックの回収を右クリックで即座に行えるようにできることなどが紹介されていました。1.0ではQ/Eキーでのカメラ回転や、描画ツールの機能追加も行われています。

Steamでの評価

項目数値(2026年10月1日時点)
総合評価圧倒的に好評
レビュー総数4,250件
好評/不評好評4,120件/不評130件(好評率は約96.9%)

Steamレビューの集計は上の表のとおりです。2026年10月6日にSteamのレビューAPIで取得した全言語の集計では、総数は4,395件(好評4,249件/不評146件)に増えており、評価は引き続き「圧倒的に好評」です。

日本語のSteamレビューでは、ブロックで敵のルートを思い通りに操作できる点を評価する声が見られます。一部のレビューでは「自分で組み立てた迷路を敵に壊される要素がない」点を好む意見や、日本語訳の質を高めと評価する意見もありました。プレイ時間の目安として、ノーマルの最初の地域をボス討伐まで遊ぶのに3時間弱かかったと書いたレビューもあります。

一方、英語の不評レビューには、タワーディフェンスに慣れたプレイヤーには簡単すぎる、単調になる、使うタワーが1〜2種類に偏るといった指摘や、ソフトロック・クラッシュの報告があります。日本語の不評レビューにも、単調さや、ほかのタワーディフェンス作品と比べたリプレイ性を挙げるものがありました。

こんな人におすすめ

向いている人
・敵の通り道を自分で設計するタイプのタワーディフェンスを遊びたい人
・ランごとに構成が変わるローグライトで、カードやレリックの組み合わせを試したい人
・難易度ヒロイックやインフェルノ・シャード、100個の実績、エンドレスモードのリーダーボードなど、やり込み目標を求める人
・購入前に体験版で操作感を確かめたい人

購入前の注意点

注意
・ストアに記載されているのはWindows版(64bit)のみです。最低要件のOS欄にはWindows 7も並びますが、2024年1月1日以降、SteamクライアントはWindows 10以降のみをサポートしています。Steam DeckはPlayable(プレイ可能)の判定で、Steamの互換性情報では一部の文字が小さく読みにくい点などが指摘されています。
・日本語はインターフェースの対応です。Steamの言語表では、どの言語も音声と字幕の欄にはチェックがありません。1.0告知に追記された修正内容によると、9月21日と23日に翻訳の修正(対象言語の記載なし)が行われています。
・Steamのジャンル表記に「無料プレイ」が含まれていますが、本編は有料です。無料で遊べるのは体験版です。
・1.0のリリース告知で開発者は、今後のアップデートは翻訳を経る必要があり、早期アクセス時代ほど素早い調整はできなくなると書いています。

開発者は、1.0以降も新しいタワーやレリック、マップの追加を続けると告知しています。あわせてコンソール版への移植作業にも着手する予定で、プレイヤー数が安定していればレベルエディターの制作も検討するとしています。なお、サウンドトラックやアートブックは用意されていないと開発者自身が書いています。

比較に挙がる作品

メディアやSteamレビューでは、次の作品が本作との比較で名前を挙げられています。いずれも「似ている」と断定された作品ではなく、比較・引き合いとして挙がった例です。

  • Bloons TD/Sanctum:Steam Deck HQの記事(2024年9月)で、筆者がこれまで遊んできたタワーディフェンスとしてBloons TDに触れ、迷路を自分で作れる作品としてSanctumを挙げています
  • Slay the Spire/Thronefall:日本語のSteamレビューで、本作をこの2作を足し合わせてマップ再構築の要素を加えたような作品と表現したものがあります
  • Tower Dominion/Tower Tactics:日本語の不評レビューで、リプレイ性を比べる対象として挙げられています
  • Warcraft III:英語のSteamレビューで、「Warcraft 3(classic)の頃以来のベストなタワーディフェンス」とする声があります

まとめ

  • ジャンル: テトロミノ型のブロックで迷路を作り、タワーで命の炎を守るローグライト・タワーディフェンス
  • 基本情報: Refic Gamesの開発・販売。2024年6月に早期アクセスを開始し、2026年9月17日に正式版をリリース。Windows向け、日本語インターフェース対応。価格は1,955円(通常2,300円から15%オフ、2026年10月1日取得時点)
  • システム: ブロックカードでの迷路づくり、サイズの異なるタワー、ルーン・強化カード・レリックによる強化、経験値で習得する能力
  • ボリューム: 5地域のアドベンチャーモード、エンドレスモード、パズル・サンクチュアリ、カジュアル・ノーマル・ヒロイックの難易度が実績で確認でき、インフェルノ・シャードによる高難度要素もある
  • 評価: Steamレビュー4,250件で「圧倒的に好評」(2026年10月1日時点)
  • 注意点: Windows向け(64bit)で、Steamクライアントの対象はWindows 10以降。本編は有料で、無料なのは体験版