【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます】七群のダンジョンボス7体ネタバレ解説|漫画版スタンピード編のSS級全ボス一覧・倒した相手・黒幕とWeb版との違い

転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めますは、謙虚なサークルのWeb小説が原作で、石沢庸介作画の漫画版がマガジンポケット(マガポケ)で連載されています。その漫画版の「スタンピード編」で、サルーム王国へ押し寄せる7つの魔物の群れを率いたのが、SS級のダンジョンボス7体でした。第163話の題名から、この7つの群れは「七群」と呼ばれます。
この記事では、7体の公式の表記(1体は伏せ字)、戦った相手と決着、スタンピード編の流れ、黒幕とイクシオン、Web版の「大暴走」との違いをまとめます。
ネタバレ警告:この記事は漫画版(マガポケ連載)のスタンピード編、第145話「大暴走(スタンピード)」から第211話「待ってろ」までの重大なネタバレを含みます。新章(第212〜225話)の展開にも一部触れます。TVアニメ(第2期まで)はスタンピード編より前で終わっています。
この記事の基準:漫画版(マガポケ連載、作画 石沢庸介)を基準にしています。漫画本編のコマは照合していません。名前・二つ名・話の題名・配信日は、マガポケの配信一覧と公式記事(2024年4月2日・2025年5月3日・2026年4月11日)、講談社の単行本紹介文(25巻は書店ページ掲載分)、作品公式Xの告知で、人気投票の結果はマガポケの発表で確かめました。戦いの流れや技の中身と、公式資料にない技・魔物の名前は、読者の感想ブログ「BLACK SWAN 2nd GIG」(第164〜225話)、YouTubeの解説動画(第三者のチャンネル「第七王子 / 解説&考察Ch」、自動字幕)、英語版ファンWiki、日本語版Wikipediaなどの読者資料によるもので、本文では話数だけを添えます。資料によって説明が違う点と、1つの資料にしか出てこない点には、資料の名前を書きます。情報は2026年10月27日時点です(最新話は2026年10月24日配信の第226話)。
七群の要点(結論)
- 七群とは:漫画版スタンピード編でサルーム王国へ押し寄せる7つの魔物の群れ(20万ずつ、総勢140万)。それぞれをSS級のダンジョンボスが率い、公式の紹介文や告知はボスを「七群のダンジョンボス」と呼ぶ。Web版にはいない(書籍版は未照合)
- 7体:世界呪、バミュー、ギルガメッシュ、堕姫(名はサタナエル)、ベイダー・ドーン、名無し(ナナシ)、終焉屈折波動体(通称ミミッ君)
- 倒された4体:世界呪はクルーゼ、バミューはギタン、ギルガメッシュはシルファとタオ、名無しはサルーム軍の総力戦で倒される
- 味方になった2体:堕姫はギザルムに敗れてロイドの下僕「ブタエル」に、ベイダー・ドーンはダンジョンコアとともにロイドの配下になる
- 去っていった1体:ミミッ君は異世界でロイドと戦ったあと、マルクオスを返し、戦死者をよみがえらせて去る
- 黒幕:公式記事は「とある黒幕」がイクシオンの体を乗っ取ったとだけ書き、名前を伏せる。読者資料は緋のヴィルフレイとする
七群とは(公式資料で確かめられること)
「七群」は、マガポケで2024年4月6日に配信された第163話の題名です。講談社の19巻紹介文も「迫る七群、迎え撃つはサルーム精鋭!!」と書いています。七群は七つの魔物の群れを指す言葉です。群れを率いるボスは、講談社の20・21巻紹介文で「七群のダンジョンボスの一角」と書かれ、作品公式Xの19巻の告知でも「七群のダンジョンボス」と呼ばれています。この記事でも、ボスは「七群のダンジョンボス」(または「七群のボス」)と書きます。
規模は公式記事で確かめられます。マガポケの公式記事「スタンピードに残された謎をおさらいしよう!」(2026年4月11日)は、今回のスタンピードを「20万の魔物の群れが7つ、総勢140万もの魔物たちが暴走している」と説明し、それぞれの群れを率いるのは「SS級に認定された強さの底が計り知れないダンジョンボスたち」だと書いています。講談社の18巻紹介文も「140万体の魔物の群れ、そして7体のSS級ダンジョンボスがサルーム王国に向かう!」です。
7体の名前と二つ名は、マガポケの200話突破記念の公式記事(2025年5月3日)に載った本編のコマで確かめられます。コマには「ダンジョン名/ダンジョンボス/SS級/二つ名/名前」の順に文字が入っています。7枚目のコマだけは「SS級」以外の行がすべて「?」の伏せ字で、ダンジョン名も「ダンジョンボス」の文字もありません。
第162話「大陸門で!」の最終ページでは7体の姿が並びます。公式記事(2026年4月11日)に載ったそのページは、「全員――SS級」の文字で第163話に続きます。作画の石沢庸介は、第163話配信の4日前に公開されたマガポケのインタビュー(2024年4月2日)で「現在描いているスタンピート編では、7つの群れの7人の長が出てきます。全員SS級の超強い魔物たち」と話しています。作品公式Xも19巻の書影公開(2025年4月10日)で「この巻ではスタンピードの原因 七群のダンジョンボス登場!」と告知しました。
七群のダンジョンボス7体の一覧表
名前・ダンジョン・二つ名は公式記事のコマの表記です(伏せ字のボスの呼び名「名無し(ナナシ)」は巻紹介文と題名、「サタナエル」は第182話の題名)。戦った相手と決着の話数は、本編のコマを照合していないため目安です。
| 名前(読み) | ダンジョン(群れ) | 二つ名 | 戦った相手 | 決着の話 | 結末 | 個別記事 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 世界呪(せかいじゅ) | 狂気樹海(きょうきじゅかい) | 狂気と骸の実る森(きょうきとむくろのみのるもり) | クルーゼ | 第166〜167話 | 撃破される | 解説記事 |
| バミュー | 地底三角州(アンダーグラウンドデルタ) | 魔海峡(まかいきょう) | ギタン | 第174話 | 撃破される(ギタンは第175話で命をとりとめる) | 解説記事 |
| ギルガメッシュ | 超獣巍峨(ちょうじゅうぎが) | 塋竜(えいりゅう) | シルファ、タオ | 第180話 | ダンジョンコアとともに撃破される | 解説記事 |
| 堕姫(だっき)。名はサタナエル | 天獄(てんごく) | 大罪の大堕天(たいざいのだいだてん) | イクシオン、レンたち、ジリエル、ギザルム | 第186話 | ギザルムに敗れ、第187話でロイドの下僕「ブタエル」に | 解説記事 |
| ベイダー・ドーン | エクリプスタワー | 蝕王(しょくおう) | マルス、ロイド | 第192話 | ダンジョンコアとともにロイドの配下に | 解説記事 |
| 名無し(ナナシ) | 伏せ字 | 伏せ字 | イド、アルベルト、シュナイゼル、サルーム軍 | 第200話 | 総力戦で倒される | 解説記事 |
| 終焉屈折波動体(しゅうえんくっせつはどうたい)。通称ミミッ君 | ダンジョンはじめました | ALL-or-NOTHING(オールオアナッシング) | ロイド | 第207話 | マルクオスを返し、戦死者をよみがえらせて去る。真名はミシック | 解説記事 |
7体と戦った相手の関係は図1のとおりです。

7体の要約
1体ずつ、公式資料で確かめられることと戦いの流れを紹介します。各ボスの最初の段落にある、ダンジョンの様子やボスの成り立ちの説明は、読者ブログ「ひらたま」だけによるものです。サルーム王国側の人物は、Web版を基準にした登場人物一覧にまとめています(漫画版とは設定が違う人物もいます)。
世界呪(狂気樹海)
公式記事は世界呪を「目を合わせるだけで正気を失う呪いを発する」ボスとして紹介しています。狂気樹海は方位も正気も狂わせる森で、森そのものがボスとされます。
相手は第一王女クルーゼです。第165話「狂気樹海」で両者の戦いが始まり、第166話でクルーゼが「紅蓮氷獄銀世界」を使います。第167話でクルーゼは単騎で狂気樹海を倒し、その反動で魔宿の肉体が削ぎ落ちて幼女の姿に戻ります。第168話「聖歌」では、呪いで弱ったサルーム軍を教皇イーシャの聖歌が立て直します。
詳しくは世界呪のネタバレ解説にまとめています。
バミュー(地底三角州)
公式記事はバミューを「大地を飲み込むような大量の水を操る」ボスとしています。講談社の20巻紹介文は、魔海峡バミューが生み出した「地上大三角魔海迷宮(パンデモリウム)」を「数多の冒険者を呑み込んだ地獄」と呼び、そこにギタンが囚われたと紹介しています。本来のダンジョンは海中の巨大な迷宮とされます。
相手は元教皇ギタンです。第171話「魔海峡バミュー」でギタンは一気に攻略したように見えますが、第172話の時点ではまだ倒しきれていません。第173話でギタンが生まれ持った神器シンエクスカリバーが現れ、第174話でギタンは右手が朽ちるほどの代償を払ってバミューを倒します。第175話で、ギタンはシンエクスカリバーの計らいで命をとりとめます。ギタンが対抗に使った技の名前は、資料によって表記が割れています。
詳しくは魔海峡バミューのネタバレ解説にまとめています。
ギルガメッシュ(超獣巍峨)
講談社の21巻紹介文は「塋竜(えいりゅう)ギルガメッシュ」を、特殊な銀世界『闇おがみ』を使いこなす超難敵と紹介しています。超獣巍峨は下から順に魔物が強くなる険しい山で、その頂点にいる竜がギルガメッシュとされます。
ギルガメッシュは常に銀世界の中にいる存在で、第177話の時点ではシルファの銀世界も届きません。第178話でタオが百華拳の気で銀世界の速さについていき、魂撃でギルガメッシュの中のダンジョンコアにひびを入れますが、その話の最後に破獄が発動します。第179話では、コアが竜の意識を奪って「破獄 超獣巍峨・十合 星篩う天辺」を放ち、シルファは戦いの中で父マルクオスの奥義「銀世界―天照(アマテラス)」「銀世界―天霧(アマギラス)」に到達します。第180話「舞姫」では、シルファの剣技「八乙女神楽」でコアを露出させ、タオの一撃で射抜いて、ギルガメッシュとコアを倒します。
詳しくは塋竜ギルガメッシュのネタバレ解説にまとめています。
堕姫/サタナエル(天獄)
公式のコマでは、天獄のダンジョンボスで、二つ名は「大罪の大堕天」、名前は「堕姫(だっき)」です。第182話の題名は「サタナエル」で、読者資料ではこれが堕姫の名です。講談社の22巻紹介文は「第五部隊長イクシオンを瞬殺し圧倒的な強さを見せるSS級ダンジョンボス、堕姫!」と書き、ロードスト組と天使ジリエルがイクシオンの敵討ちに挑むと紹介しています。堕姫は天から飛来して元のダンジョンボスを倒し、成り代わった存在とされます。
第181話でイクシオンが堕姫に完敗し、第182話ではロイドの魔力の補給を受けたジリエルも通用しません。第183話でレンたち暗殺者ギルドの面々(バビロンを除く)が連携で挑み、レンの魔力を受けて錬成された「魔剣ネメシス」を叩き込みます。第184話では、サタナエルの神器「沃懸地螺鈿金剛装神輿(いかけじらでん・こんごうそうしんよ)」でレンたちが壊滅状態になり、そこへギザルムが現れます。第185〜186話でギザルムがサタナエルを圧倒します。第187話で、防備の崩れた天獄のダンジョンコアはロイドの使い魔シロの一撃で倒され、ダンジョンは壊滅します。生き延びたサタナエルはロイドのパンケーキの罠にかかって下僕の「ブタエル」になります。
詳しくは堕姫(サタナエル)のネタバレ解説にまとめています。
ベイダー・ドーン(エクリプスタワー)
公式のコマでは、エクリプスタワーのダンジョンボスで、二つ名は「蝕王(しょくおう)」です。講談社の23巻紹介文は「残すは3体のダンジョンボス。ベイダー・ドーンに圧倒される軍師マルス!」と書いています。エクリプスタワーは3世紀のあいだ攻略者を出していないとされます。
第188話で軍師マルスがベイダーのもとに現れ、第189話「三黒天」でベイダーは、SS級が群れで攻めてきたのは人間という餌場を早い者勝ちで取り合うためで、SS級もダンジョンコアの言いなりだと説明します。ベイダーは、自分より弱いSS級「三黒天」(魔界信仰デモニックカルト、蛾王シャッハ、メカ太郎)の名も挙げます。第190話でデモニックカルトをロイドが倒し、第191話ではロイドが軍事魔術の「制約」で自分の魔術を制御して、シャッハとメカ太郎も倒します。メカ太郎には祭壇機構「七星剣(グランシャリオ)」を使いました。第192話「ベイダー」で、ベイダーは行き詰まった冒険者をダンジョンから逃がしてきた過去を持ち、その一人がマルスの祖父だったことが明かされます。祖父とするのは感想ブログ(表記は「マルスの爺さん」)と解説動画の一つで、同じチャンネルの別の動画は父と言っています。相手の魔力を吸い尽くして消し去る「破獄 エクリプスタワー ゼニス」もロイドには効かず、ベイダーはダンジョンコアとともにロイドの配下に入ります。
詳しくは蝕王ベイダー・ドーンのネタバレ解説にまとめています。
名無し(ナナシ)
名無しは、公式記事のコマでダンジョン名も二つ名も名前も伏せられたボスです。表記は「名無し」(23・25巻の紹介文)と「ナナシ」(24巻の紹介文、第196話の題名)が混在します。紹介文は、24巻で「イドを圧倒し、倒したはずのSS級を復活させた『ナナシ』。アルベルトは力の暴走により対抗するも、肉体は限界を迎える!」、25巻で「全員の力を結集し、最悪の敵『名無し』を倒したサルーム軍」と書いています。
イドは第188話で名無しと遭遇し、第193話の最後で倒れます。第193話では、残る2体をロイドとシュナイゼルが1体ずつ受け持つことになります。第194話「覚醒」でアルベルトが駆けつけて覚醒します。第194話の終わりから第195話「暗黒蘇生」にかけて名無しの暗黒蘇生で龍や魔獣がよみがえり、覚醒したアルベルトがそれを倒します。第195話では、イドがアルベルトの状態を「魔冠」と呼びます。このときよみがえった中にはギルガメッシュも含まれていたとされます(世界呪も含めるのは解説動画だけ)。第196話では、名無しが倒されたSS級を蘇生させて魔力を吸収します。24巻の紹介文も「倒したはずのSS級を復活させた」と書いています。同じ第196話で、アルベルトの窮地をシュナイゼルが救います。第197話でシュナイゼルの「天星(アマツボシ)」と、イーシャとサリアの神器が加わり、第198話「総力戦」を経て、第199話でサイアスが「極色彩光炎」を放ちます。第200話で討伐が完了します。名無しは、ロイドが前世の自分の遺骨を使って作ったものとされます(第201話。頭蓋骨と特定するのは感想ブログだけ)。
詳しくは名無し(ナナシ)のネタバレ解説にまとめています。
終焉屈折波動体/ミミッ君(ダンジョンはじめました)
公式のコマでは、「ダンジョンはじめました」のダンジョンボスで、二つ名は「ALL-or-NOTHING(オールオアナッシング)」、名前は「終焉屈折波動体(しゅうえんくっせつはどうたい)」です。姿は宝箱で、2026年4月11日の公式記事は「“あの箱”こと『ミミッ君』」と呼んでいます。講談社の25巻紹介文は、ロイドが魔力探知も届かない異世界で「6世界最強の魔物『ミミッ君』」と対峙していたと紹介しています。作品公式Xは第204話の告知で、この戦いを「スタンピード編のエクストラバトル」と呼びました。「ダンジョンはじめました」は、突入10秒でボス部屋に着くのに、ボスが強すぎて誰もクリアできていないダンジョンとされます。
ミミッ君は宝箱で魔力を遮断し、気配を隠していました。第201話「エクストラ」でロイドを異世界へ連れ出し、マルクオスを倒して棺に入れていたことが明かされます。第202話「六世界の王」ではロイドの魔力の不調に気づき、「万能薬」を飲ませて全力の勝負を求めます。第204話「王世(キミガヨ)」の終焉屈折領域魔術「王世」に、ロイドは神器「第七天魔王」で応じます。第206話「魔術バカ」でロイドは、魔術を一歩ずつ極める楽しみを選んで近道を断ります。休載をはさんだ第207話「ただいま」で、ミミッ君はマルクオスを返し、「終焉屈折系魔術 全員 生死屈折 肆ノ世界(ほしいままのせかい)」で戦死者を全員よみがえらせ、真名「ミシック」を明かします。その後については資料によって説明が違い、第211話の感想は、ミミッ君が冒険者の助っ人になりすますと推測まじりに書き(第212話の感想も疑問形)、日本語版Wikipediaは、撤退する部隊と偶然出会い、落とし物としてギルドに連れ戻されたとしています。
なお、マガポケには作画の石沢庸介の特別読み切り『ミミック』(2016年11月9日公開、人食い宝箱が主人公)があり、作品公式Xは第205話の予告で、この読み切りが「少し売れてる」と紹介しました。日本語版Wikipediaは、ミミッ君を2016年の短編漫画のキャラクターと同じ人物とし、宝箱の魔物に化けて力を隠す設定もそのままだとしています。
詳しくは終焉屈折波動体(ミミッ君)のネタバレ解説にまとめています。
スタンピード編の流れ(第145〜211話)
図2はスタンピード編を話数順に並べたものです。第164話より前は感想ブログの範囲外のため、題名・公式記事・巻紹介文だけで書いています。

開戦まで(第145〜164話)
第145話「大暴走(スタンピード)」(2023年9月30日)で編が始まります。200話記念の公式記事によると、ロイドはアルベルト率いる七番隊の副官に指名され、5000人の兵士を集めるよう言われて、魔術で数千体の陰陽兵団を作りました(第149話の題名も「陰陽兵団」)。講談社の18巻紹介文は、シルファの父・剣聖マルクオスが群れに呑まれて消息不明になったと紹介し、19巻紹介文は、ロイドたちがビューネ山脈で山賊“夜王”ビルスの襲撃を受けると紹介しています。第163話「七群」、第164話「第一波」で七群との戦いが始まります。
七群との戦い(第165〜207話)
7体との戦いの間、ロイドは魔力の出力をうまく調整できない状態にあります(第167話)。第169話「衝突」と第170話「パンケーキ買ってこい」では、ロイドが魔族ギザルムをねじ伏せて使い走りにします。パンケーキの匂いで腹をすかせた魔物の群れを引き寄せる作戦は、軍師マルスの発案でした(第175話)。第193話では、ロイドがベイダーのもとへ向かったのは第一王子シュナイゼルの指示で、ロイドも含めてすべてがシュナイゼルの「盤上の駒」だったことが分かります。
戦いの後(第208〜211話)
第208話「戦勝祝い」では、140万の軍勢を相手に死者はゼロでしたが、それは第207話の死者蘇生の結果でした。第209話「シュナイゼル」では、シュナイゼルの天星で未来が視えない相手は、贔屓してしまうアルベルトと、ロイドやミミッ君のような怪物で、さらにもう一人いると語られます。同じ話で、イクシオンの姿が見当たらないことが問題になり、タオの祖父が、甲冑の騎馬兵とイクシオンが歩いていく姿を見たと話します。第211話「待ってろ」(2025年11月15日)でスタンピード編は完結し、連載は2026年4月11日の第212話「序ノ壱」から新章に入ります。
黒幕とイクシオン
公式記事が書いていること
イクシオン・テスタロッサは、漫画版に登場するサルーム軍の第五部隊長で、Web版にはいません(書籍版は未照合)。2026年4月11日の公式記事によると、焔を生み出すノロワレで、手を差し伸べてくれた第二王子アルベルトに忠誠を誓っています。
同じ記事は、スタンピード後の謎として、イクシオンの行方と、SS級のダンジョンボスたちが移動し始めた理由を挙げます。敵にやられたはずのイクシオンが歩いて立ち去る姿が目撃され、ダンジョンボスたちの裏には「ダンジョンという家を捨ててまで逃げ出すしかなかった存在」が潜んでいる、という説明です。記事は、その「とある黒幕」がノロワレのイクシオンを狙って体を乗っ取ったこと、ロイドがイクシオンに「迎えに行く」と告げたことを紹介していますが、黒幕の名前は出していません。
読者資料が書いていること
第210話「服」で、イクシオンの体を魔軍四天王の「緋のヴィルフレイ」が乗っ取ったことが分かります。同じ話の堕姫の説明では、イクシオンは炎を生む「火焔生成」と、炎に焼かれて再生する「火焔再生」の二つを持っていました。ヴィルフレイは、自分に合う「服」(体)を求めて動き、イクシオンの体を手に入れたとされます。
ヴィルフレイは魔海峡(バミュー)の迷宮を42秒で突破したともされます(英語版ファンWikiは第211話とする)。日本語版Wikipediaは、ヴィルフレイが相手に眷属をサルーム城へ導くよう求めたこと、ロイドが封印していた名無しを解き放ったこと、従者を普通の兵士に変装させていたことも挙げています。ただし、このあたりの記述は中国語版Wikipediaの訳とみられ、中国語版では眷属を向かわせる先は「サルーム城」ではなく「サルームの方向」です。第210話の感想も、名無しがロイドの封印や結界を破って動き出したことを不思議に思っていたロイドからすれば、名無しをスタンピードに加えたのも黒幕だと考えれば「合点がいく」と書いています。これが作中のロイドの推測なのか、感想の書き手の推測なのかは、感想の文面からは読み分けられません。
第211話では、ロイドがイクシオンの心を守る結界をあらかじめ仕込んでいたことが分かります。新章の第219話で、ロイドはイクシオンの体を奪った魔族が学園に潜んでいると指摘し、第220話では、イクシオンが結界で心を守られたまま、魔族側の様子を探る密偵になっていたことが明かされます。第225話「歩く地獄」(2026年10月10日)では、ヴィルフレイ率いる魔族の一団が同じ学園に入り込み、レンはその中にイクシオンの姿を見ます。Web版のヴィルフレイは緋のヴィルフレイの正体解説にまとめていますが、Web版ではイクシオンも大暴走との関わりもありません。
大暴走の原因は一つにまとまらない
スタンピードの理由は、資料によって説明が違います。作品公式Xは19巻の告知で七群のダンジョンボスを「スタンピードの原因」と呼び、公式記事はダンジョンボスたちの裏に黒幕がいたとします。作中では、第189話でベイダーが、人間という餌場の早い者勝ちを理由に挙げます。第207話の感想は、退屈したミシックが強者を求めてシュナイゼルと話をつけた結果の副産物だった、と書き手なりにまとめています。旅の途中で食べ残しをまき散らし、魔物の群れを率いてしまったという説明もあります(英語版ファンWikiのミシックの項だけの記述)。第210話の感想は、ヴィルフレイがイクシオンを奪うための目くらましと読んでおり、英語版ファンWikiのヴィルフレイの項も、燃えない体を見つけるためならスタンピード編の出来事を起こすこともいとわなかったと書いています。この記事では、どれか一つに確定させません。
Web版との違い
七群は、小説家になろう版(Web版)にはいません。Web版の全257話に「七群」「SS級」の語も、7体の名前も出てきません(書籍版の本文は照合していません)。Web版で同じ場面にあたるのは第124〜149話の「大暴走」です。Web版のストーリー全体はWeb版ストーリー全ネタバレ解説にまとめていますが、漫画版とは展開が大きく違います。両者の違いを並べたのが図3です。

Web版第126話で、アルベルトは「確認しただけで群れの数は七つ、一つ一つの塊は約十万、一番大きな群れで二十万を超えているようですね。合計およそ百万」と報告します。群れが七つという点は同じで、漫画版は1つ20万・総勢140万に広げ、群れごとにSS級ボスを置きました。
Web版第141話では、倒した魔物の死体が死霊魔術でアンデッドとしてよみがえり、ロイドは遥か北に術者の気配を感じます。第148話でロイドは『索敵』で戦場のボス格の魔物数十体を見つけ、『虚空』でまとめて倒しますが、群れは止まりません。最後はシュナイゼルが魔物の餌となる森を焼き払い、アルベルトの号令で掃討戦に移って、大暴走は終わります。どちらも魔物の空腹を突く策ですが、Web版は餌を断ち、漫画版はパンケーキの匂いで引き寄せます(第175話)。
Web版第149話「エピローグ」で、ロイドは大暴走の発生地点とされる遥か北のダンジョンへ向かいます。最下層のボスは、ロイドが五年前に死霊魔術で動かし、暴走したので結界で封じて埋めた前世の自分の白骨でした。ロイドは白骨を倒さず、入口を結界で覆って実験場として残します。漫画版の名無しは、前世のロイドの遺骨を使ってロイドが作ったものとされます(第199・201話)。第193話で、シュナイゼルが受け持つ相手は「北方から来た、結界を破ってやってきた」とされますが、それが名無しかどうかを感想ブログは疑問形にしています。第197話では、シュナイゼルがイドを捨て駒にして名無しを討つ作戦だったことが分かります。前世の骨という芯はWeb版から引き継ぎつつ、漫画版はそれを七群のダンジョンボスの1体として総力戦の相手にしています。
サイアスの「極色彩光炎」も両方に出てきます。Web版第146話では高位の魔物ユキウサギに放たれ、ロイドは前世の自分を焼いた炎だと気づきます。漫画版は第199話の題名が「極色彩光炎」で、サイアスが名無しに放ちます。Web版のサイアスの解説もあります。
人気投票での七群のボス
マガポケの第4回キャラ人気投票(漫画版の読者投票。2025年5月実施、結果発表は2025年6月7日)には、七群の7体全員が入っています。投票名は公式の表記どおりで、ミミッ君は「終焉屈折波動体」、サタナエルは「堕姫」です。
| 順位 | 投票名 | 票数 |
|---|---|---|
| 6位 | ベイダー・ドーン | 829票 |
| 13位 | 終焉屈折波動体 | 400票 |
| 17位 | 堕姫 | 278票 |
| 22位 | ギルガメッシュ | 170票 |
| 33位(マルスと同率) | 名無し | 32票 |
| 38位 | バミュー | 23票 |
| 43位 | 世界呪 | 10票 |
関係する人物では、イクシオンが8位(606票)、ノーム族が12位(414票)でした。第163話(2024年4月)の直後に行われた第3回投票(2024年5月)では、上位10位に七群のボスは入っていません。
考察:未回収の謎
考察ポイント(名無しという名前):200話記念の公式記事は、ロイドの前世を「その夢を果たせず死んでいった”名もなき魔術師”」と書いています。名無しは前世のロイドの遺骨から作られたとされるボスで、名前のない前世の骨が「名無し」と呼ばれるのは筋が通りますが、名付けの理由を書いた資料は見当たりません。
考察ポイント(ダンジョンボスを騙る2体):23巻紹介文は「残すは3体」とし、ベイダー・ドーンと名無しの名を挙げています。公式の7体と照らし合わせると、残る1体は終焉屈折波動体です。第193話の感想が書く「ダンジョンボスを騙る2体」は、この名無しとミミッ君だと読むのが自然です。解説動画も同じ読み方で、第193話の内容として残るボス2体を名無しとミミッ君とし、どちらもダンジョンコアとは関係のない「野良の魔物」だと話しています。名無しだけコマでダンジョン名まで伏せられていること、ミミッ君が異世界から来た存在だったことも、この読み方と合います。ただし、第193話の感想が名前を出すのは名無しだけで、その名無しがシュナイゼルの受け持つ相手かどうかも疑問形で書かれています。
考察ポイント(逃げ出すしかなかった存在):公式記事は、ダンジョンボスたちが「ダンジョンという家を捨ててまで逃げ出すしかなかった存在」の影を示しています。ヴィルフレイが魔海峡の迷宮を突破したとされることは、この説明と合います。一方、ロイドが作った名無しや、強者を求めて来たミミッ君は、ダンジョンを追われた立場とは言いにくく、7体が同じ理由で動いたとは限りません。
考察ポイント(残った者たち):第212話では、サタナエルはノーム族とともにロードスト領へ回収され、ベイダーは新しいダンジョンを作っています。ミミッ君のその後は、上で書いたとおり資料によって説明が違います。第187話でギザルムを見つけて唆そうとしていたダンジョンコアも、その後の扱いが資料に見当たりません。このコアを、第188話の感想は「多分前回、サタナエルから放棄されたダンジョン・コア」、第189話の感想は「ブタエルとつながりが切れた」コアと書きます。ただ、同じ第187話の感想は、天獄のダンジョンコアがシロの一撃で倒されたとも書いており、ギザルムに近づいたコアが天獄のものかは確かめられません。新章の第213〜225話の感想にも、7体が姿を見せたという記述は見当たらず、ミミッ君が戦いの振り返り(第213・218話)に出てくるだけです。新章のヴィルフレイとの戦いに七群の生き残りが加わるかは、今回の資料では確かめられません。
まとめ
- 七群:漫画版スタンピード編の7つの魔物の群れ(20万ずつ、総勢140万)で、第163話の題名。それぞれをSS級の「七群のダンジョンボス」が率いる。Web版にはいない(書籍版は未照合)
- 結末:世界呪・バミュー・ギルガメッシュ・名無しは倒され、堕姫とベイダーはロイドの側に付き、ミミッ君は戦死者をよみがえらせて去る
- 黒幕:公式記事は名前を伏せ、読者資料は緋のヴィルフレイがイクシオンの体を奪ったとする。イクシオンの救出は新章に持ち越された
- Web版との違い:Web版は群れ七つ・合計およそ百万で、群れのボスに名前はない。発生地点のボスは前世ロイドの白骨で、漫画版の名無しにつながる
転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めますの関連記事
- 【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます】緋のヴィルフレイの正体ネタバレ解説|グリモの元の主人、魔王の四天王の最期と融合への影響
- 【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます】原作ネタバレ解説|Web版第1話〜最新257話のあらすじ、イドの正体・大暴走の黒幕・偽りの神まで
- 【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます】魔王ベアルの正体ネタバレ解説|コニーに宿った今代の魔王、四天王・聖王との関係と最新話の動き
- 【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます】グリモ徹底解説:封印書庫から蘇った古代魔人の魅力と神秘的な力
- 【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます】ALL-or-NOTHING 終焉屈折波動体(ミミッ君)ネタバレ解説|漫画版の正体ミシック、ロイドとの異世界対決の結末とその後
- 【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます】漫画版の名無し(ナナシ)ネタバレ解説|伏せ字のSS級の正体とされる前世の遺骨、SS級の蘇生と総力戦での決着
- 【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます】蝕王ベイダー・ドーンのネタバレ解説|漫画版エクリプスタワーのSS級ボスの能力・三黒天・マルスとの縁、ロイドの配下になるまで
- 【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます】大罪の大堕天・堕姫(サタナエル)ネタバレ解説|漫画版の正体は元天使、イクシオンを倒しギザルムに敗れて「ブタエル」に










七群のボスたち、全員にちゃんと見せ場があるのがたまらないんだよね。特に宝箱の姿のミミッ君が、戦死者を全員よみがえらせるところは鳥肌が立った! ロイドがあえて近道を断って、魔術を一歩ずつ極める楽しみを選ぶ場面も、らしすぎて推せる。あの戦いの余波が新章のイクシオンの話にもつながってて、読み返すたびに熱くなるんだよね。
わ〜りっくんの熱さ、ひなたんにも伝わってくるよ〜! ミミッ君が戦死者をぜんぶよみがえらせるところ、ほんとに鳥肌だよね!ひなたんも読んでて胸がきゅーってなっちゃった ロイドが近道をあえて断つところも、らしすぎてかわいいよね〜!そしてイクシオンの体を乗っ取った黒幕のこと…新章でどう動くのか、ひなたんもドキドキが止まらないよ〜!りっくんと一緒に、ひとつひとつ追いかけていきたいな